東京5・23
  陸海空・港湾20労組などの呼びかけに3万余
    大合流で成立阻止を


 五月二十三日の午後六時半より、東京・明治公園で「STOP!有事法制5・23大集会」が、陸海空・港湾二十労組や小田実氏ら著名九十八氏の呼びかけによる集会実行委員会の主催で開かれ、三万余の大きな行動となった。
 開会挨拶として航空労組連絡会の内田妙子議長が、「野党第一党が与党に協力して衆院を通過させたことは許せない。参院で必ず廃案へ」と行動基調を訴えた。
 国会議員挨拶では、社民党党首の土井たか子党首が「談合による意味のない修正で、九割賛成のの翼賛国会となってしまっている。小泉首相は『自衛隊は軍隊』と改憲発言も行ない、有事法制を持つと戦争の道だ。しかし有事法制は問題だらけ、全力で参院で闘う」と述べた。日本共産党の筆坂秀世政策委員長は、「法案は日本を守るためのものではなく、アメリカが起こす海外の戦争で、日本有事と関係ない『予想事態』で動き出すものだ」と強調した。なお、二十労組呼びかけの集会ではこれまでいつも来ていた、生方議員ら民主党有志の登壇はなかった。
 廃案に向けた決意表明では、日本弁護士連合会、日本青年団協議会、平和を実現するキリスト者ネット、全建総連、NGO非戦ネット、和光中学の二年生、陸海空港湾呼びかけの5・23福岡集会の代表者、と様々な人々がアピールした。また同時刻に日比谷野音で法案阻止集会を行なっている平和フォーラムからも、連帯メッセージが寄せられた。
 大集会は最後に集会決議を採択するとともに、「挫折禁止」の交通標識を掲げて登壇した「ノー有事・ビバ友情」キャンペーン(ワールドピースナウ参加の若者らによって作られた)の仲間の音頭で、有事法案NO!の唱和を力強く行なった。デモは国会コースなど三コースに分かれて展開された。
 情勢はあれよと思う間に、「戦争放棄」を真っ向から否定する歴史的反動立法を制定しようとする動きとなっているが、これを阻止せんとする力もいぜん弱くはないことをこの日の行動は示した。翼賛国会と平和世論との矛盾は大きい。あきらめることなく行動を盛り上げよう。
 陸海空・港湾二十労組などの呼びかけによる次の行動、六月十日(午後六時半・日比谷野音)に総結集しよう。(東京W通信員)


関西5・20
  交通運輸関係14労組の呼びかけに七千
    関西からも枠越えて

 有事法制三法案が五月十五日に衆議院を通過させられた状況のなか、これを許さず大阪市・扇町公園では五月二十日・午後六時半から、「有事関連法案を廃案に!5・20大阪集会」が陸海空交通運輸関係十四労組の呼びかけで開かれ、十四労組の他七十近くの労働組合、多くの市民団体が実行委員会に参加した形で、約七〇〇〇名が結集した。
 呼びかけの十四労組は、連合加盟では港運同盟近畿地本、海員組合大阪支部、運輸労連大阪府連、私鉄総連関西地連、JR西労組、JR総連近畿地協、全自交大阪地連。全労連加盟では建交労、自交総連大阪地連。上部加盟なしでは全港湾関西地本、大港労協、全日建連帯近畿地本、国労西日本本部、航空連大阪地連となっている。
 最初に全港湾関西地本の佐野委員長が、主催の実行委員会を代表してアピール。日本を戦争のできる国にする法案を必ず阻止しよう、衆院通過後の今、月末には米第七艦隊のイージス艦「カウペン」が大阪港に入港しようとしている、有事体制作り・軍港化を阻止しようと訴えた。
 また法曹界から大阪弁護士会、報道関係から新聞労連、宗教界から大阪宗教者平和協議会、また在日韓国青年同盟などが、あくまで廃案に追い込むまで闘おうと訴えた。
 続いて、有事法案反対を訴える歌「ユージ君を知ってるかい」で盛り上げ、集会決議を確認し、新聞労連の仲間の音頭で団結ガンバローをやって、二手のコースに分かれてデモ行進に移った。
 市役所コースでは、途中の米領事館の前で激しく抗議行動を行なった。
 国会では自民・民主の修正談合により、この重大法案があっさり衆院通過しているが、こうした翼賛状況に危機意識を高める人々も増えている。闘いの展望を示した、この日の枠組みをこえた大結集であった。釜ヶ崎の野宿・日雇労働者たちも最大規模の参加であった。(大阪N通信員)


東京東部
  東部六区から怒りの5・15行動
    衆院通過糾弾し

 五月十五日に有事法案が衆院本会議を通過したことをうけて、以前から江東区・亀戸で予定されていた「いやだ戦争・有事法制5・15東京東部集会」は急遽、抗議集会として怒りのなか行なわれた。
 雨の中にも関わらず、会場の亀戸カメリアプラザには約二百名が参加。第一部の集会では、江東区議の中村まさ子さんの司会で、東京地公労議長からの主催者挨拶。発言では、都教組墨田支部が教育基本法改悪反対を、足立実行委員会が地域の取り組みとして、本日北千住での三十名規模の抗議ビラまきを報告、また韓統連の金国際次長が朝鮮半島情勢について報告した。
 またこの日から始まった沖縄平和行進の参加者からの連帯メッセージ、沖縄選出・大田昌秀議員からのメッセージなどが読み上げられた。
 参加者は雨の中、錦糸町までデモ、談合による有事法案の衆院通過糾弾、廃案まで闘うぞ、沖縄の反基地闘争と連帯しよう、東京大空襲を忘れず地域から反戦平和を闘おうとアピールして行進した。
 この行動の枠組みは、東部六区の諸団体が共同して沖縄と連帯する運動として始まったもので数年続いているが、今年はイラク戦争反対の集会や共同ビラまき、有事法制反対の地域集会などを取り組んでいる。今回の集会では、日本共産党系の人々も少しは参加するなど、時機に適った行動を行なうことの大切さが改めて痛感された。(東京H通信員)

 
有事法案の廃案を求める5・17大阪集会
  労組と市民運動が共に

 五月十七日、大阪・扇町公園において、しないさせない戦争協力関西ネットワークと大阪平和人権センターとの主催によって「有事法案の廃案を求める5・17大阪集会」が開催され、自治労、全港湾、教組、市民団体など三五〇〇名が参加した。
 平和人権センターの上阪さん、関西ネットの中北さんが主催者挨拶を行なった。有事法案の衆議院通過という状況は、国家総動員体制確立の一歩手前の状況だ。自衛隊は国民を守るのではなく国家を守るための組織、と自衛隊幹部も発言している。米国の戦争の下請けを国民に強制するのが有事法案の現実だ。これらをふまえ、憲法をしっかり守って、徹底的に闘いを作っていこうと訴えた。
 続いてフォトジャーナリストの豊田直巳さんが、支配者の嘘に惑わされてはならないと、反戦を貫く立場から講演した。
 そのあと、全港湾大阪支部の加来さん、関西共同行動の原田さんの挨拶、また社民党大阪府連からのメッセージが紹介され、豊中の「女たちのピースアクション」の北本さん、在日韓国青年同盟などからの三分スピーチが行なわれた。
 集会後、参加者は扇町公園から淀屋橋に向けて、戦闘的デモンストレーションを貫徹した。
 この日の行動は、旧大阪総評系労組と市民運動などの共同行動であったが、組織の違い、国籍の違いを越えて人民の連帯の力で、アメリカ帝国主義とそれに追随して自己の利益を守ろうとする日本帝国主義に真っ向から対決していくことの必要性を、ひしひしと実感させられた。(大阪T通信員)


「生かそう憲法、高くかかげよう第9条5・3憲法集会」に2500人
  
戦争策動に抗し緊迫感

 憲法記念日の五月三日、東京・日比谷公会堂において「生かそう憲法、高くかかげよう第9条 2003年5・3憲法集会が、二千五百人の参加により開催された。
 ピースボートの若い人たちによるダンス・パーフォーマンスをはさんで、多くの人たちが発言した。
 「右翼ががなりたてていたが、憲法をなくさせてなるものかという思いを強く集会場に来ました。憲法は私たちにとって命綱なのです」(エッセイストの朴慶南さん)
 「憲法を書いた人は、死者の想いに突き動かされながら書いたのではないでしょうか。憲法は、死者が私たちに贈ってくれたもの、国籍を超えたものだと思います」(翻訳家の池田香代子さん)
 土井たか子・社民党党首、志位和夫・日共委員長も発言した。
 集会は、有事法成立の策動が強まり、米帝による朝鮮侵略戦争の危険が高まる情勢を反映して、終始緊迫感につつまれ、成功裏に終了した。参加者は、集会後、銀座までのパレードを行った。(東京M通信員)