労基法大改悪NO!5・28中央行動展開さる
  全労働団体は対国会闘争を

 五月二十二日に、労働者派遣法改正案と職業安定法改正案が、与党三党の賛成で衆院を通過し、二十三日には、衆議院厚生労働委員会で労基法改悪の審議がはじまるという厳しい情勢の中で、労働組合などの反対活動が、連日のように展開されている。五月二十八日には、「労基法大改悪NO!労働者の声を国会へ 5・28集会実行委員会」の主催による抗議活動が、5・28中央行動として一日中おこなわれた。
 午前中には、衆議院厚生労働委員会の審議傍聴活動を、午後には衆議院第二議員会館前で座り込み、夕方には厚生労働省で抗議活動を展開した。そして、東京・日比谷野外音楽堂での抗議集会がおこなわれた。
集会は、下町ユニオンの山本さん、郵政全労協郵政ユニオンの須藤さんの司会ですすめられた。最初に、主催者あいさつとして、全国一般労働組合全国協議会の中岡さんから抗議と決意が語られた。その主旨は、――今日の労基法などの改悪は、労働者の気持ちや利益とは全くかけ離れたものであり、資本家のためのものだ。小泉内閣の労働力流動化政策は、新保守主義からくるもので、全国の労働者の声を全く聞いていない。新保守主義の小泉内閣はまた、有事法制を強行成立させようとしており、イラク新法まで策動している。労基法大改悪に最後まで反対しよう――というものであった。
 つづいて、民主党の金田誠一、共産党の小沢和秋、社民党の大脇雅子の各議員から、「ともに闘おう」という決意が述べられた。闘いの決意は、日本労働弁護団の鴨田哲郎幹事長、労政審の労働者側委員の田島さん(連合)、全労連の寺間さん、全労協の藤崎議長などからもおこなわれた。
 集会は、「労基法改悪NO!戦争NO!」のシュプレヒコールを集会参加者全体でおこなった後、「一分リレー」がおこなわれた。それは十数名の労働者が演壇にのぼり、一人ずつ一分の抗議発言をリレーしたものである。印象に残ったのは、神奈川シティーユニオンの外国人労働者が三人、それぞれ韓国語、スペイン語、ポルトガル語でシュプレヒコールをあげ、会場の仲間がそれに応え唱和したことであった。昭和シェル労組の女性労働者は、委員会審議を傍聴し、委員たちが私語したり、パソコンを打ったりしており、そのふざけた審議態度をみて、私たち労働者の運命がこのような人達に握られていることに大いに憤慨したと語った。航空連の男性労働者は、労基法改悪には大いに反対だ、同時に仲間の首切り反対闘争を妨害する労組(連合のこと)にも反対だと、断固抗議した。
集会はその後、全造船関東地協の風呂橋さんから、行動提起として次の二点があった。一つは、委員会審議は、五月三十日の質疑、六月三日の参考人質疑、そして四日にも委員会採決の可能性もあるので、抗議活動を強めようということ、もう一つは、国会議員、各政党への働きかけや要請を強化すること、であった。
 集会は最後に、「『戦争も雇用破壊も許さない!こんな解雇ルールはいらない!労基法大改悪NO!』を掲げ、非正規労働者、未組織労働者、外国人労働者やNGOの仲間、すべての働く仲間と共に、有事法制廃案と労基法・派遣法大改悪を阻止するために全力で頑張ろう!」という集会アピールを採択した。
 集会のあと、集会参加者は鳥井さん(全統一労組)からのデモ指示に従い、三つの梯団にまとまり、政府への抗議・国会への請願のデモを力一杯、展開した。
 今国会の会期は六月十八日までだが、会期延長を決して許さず、労基法改悪を阻止する決定的局面となっている。職場や地域から決起し、一人でも多くの仲間とともに政府への抗議をあらゆる方法でおこない、国会への働きかけが今こそ焦点となっている。(H)