米英のイラク侵略・小泉の戦争支持弾劾
侵略者は即時撤退せよ

 三月二十日、米国ブッシュ政権は、イラク・フセイン指導部の殺害を狙ったミサイル攻撃によって対イラク戦争の開戦を強行した。米英の侵略軍はその後、イラク領内に深く侵攻し、イラク全土で爆撃を強化し、バクダッド包囲を目指しつつあるが、イラク軍民の激しい武力抵抗に直面して早くも戦況は長期化の様相を呈している。
 われわれ労働者共産党は全世界の人民と共に、ブッシュ、ブレアのこの戦争開始を満腔の怒りをもって弾劾し、侵略戦争の「即時中止」、米英侵略軍の「全面撤退」を要求し、日本政府の「戦争支持の撤回」を求めて闘う。小泉連立政権が米英支持を続ける限り、日本人民はこれを速やかに打倒しなければならない。
 いま現在もイラクの民衆が日々殺害され続けているが、バクダッドの攻防は、未曾有の惨劇となる危険性がある。全世界・日本の反戦運動、平和を求める世界の諸政府は、バクダッド攻防戦の前に、米英を圧倒的に包囲・糾弾して「即時中止・全面撤退」を実現させるべきである。その実現は、アメリカ帝国主義の完全な敗北を意味するのである。
 米大統領ブッシュが世界から孤立して始めたこの戦争は、第一に、国際法と国連憲章に違反する違法な侵略戦争である。それは、国連安全保障理事会の明示的な容認決議すら得ていない。ブッシュは「米国の安全を守ることに誰の許可もいらない」と述べ、米国が危険と観る国ならば先制攻撃・予防戦争を勝手気ままに仕掛け、主権国家を転覆してもかまわないとしている。ブッシュとシャロンに共通するこの暴論は、これまでのブルジョア国際法をも根底から否定し野蛮時代に逆行するものである。
 この戦争は第二に、ブッシュ政権が戦争目的に「中東の民主化」を掲げているように、フセイン政権を転覆させるのみならず、イスラエルの拡張主義を支えつつアメリカの中東支配の完成を目指すという政治的覇権、またイラクとその近辺の石油資源を支配するという経済的権益、これらを目的とした帝国主義的な侵略戦争である。米英と仏独ロは、ブッシュがすすめるブルジョア国際法秩序の再編において意思一致ができなかっただけでなく、
これらの帝国主義的利害を調整することができないまま、米英の開戦となった。戦局の推移とともに強められるであろう帝国主義者どもの利害調整、「関係修復」を許してはならない。
 以上のことからも分かるように、この戦争は第三に、「大量破壊兵器を廃棄させるためのやむを得ない戦争」などというものでは百%なく、イラク民衆を大量殺害するとともに、人類と文明を大量破壊する歴史的暴挙である。核兵器などを最も大量に保持する大国が、差別的な物差しでもって、武装解除を他国に暴力で強要しようとすること自体が間違っている。ブッシュがこのような戦争を続けるかぎり、圧迫される諸国は核兵器に頼ってでも自己を防衛せざるを得なくなり、抑圧される人民はテロリズム的にでも抵抗せざるを得なくなる。この事態の一切の責任は、暴君ブッシュにある。
 開戦強行以降、全世界で戦争即時中止を求める運動が、とくにアラブ諸国・イスラム諸国では反侵略闘争支持の運動が大きく広がっている。この戦争は米英にとって不正義の侵略戦争であり、イラク政府とイラク人民にとって正義の自衛権の行使である。このことの是非は、反戦運動においても明確にされなければならない。われわれは、フセイン体制を支持するものではないが、イラク人民とその諸勢力の反侵略闘争を断固として支持する。
 その恥ずべき暴挙によって、アメリカ帝国主義の「終わりの始まり」が始まった。全世界の労働者、被抑圧民族人民はいまこそ団結し、米帝とその追随者を包囲・屈服させよう。