編集だより

◆米英軍は、そのうちバクダッドを包囲するのだろう。しかしそのとき、包囲する米英の侵略軍を、全世界の反戦運動と米英不支持の諸政府がさらに大包囲している。この二重の包囲戦に世界は固唾を呑む。全世界人民の圧力を受けて、国連などの外交舞台も動き始める。この時が、虐殺者ブッシュの最後のチャンスとなる。米英は何らかの名目を得て、撤退せざるを得なくなる。バクダッド市民に歓声が広がる。◆これが、わたしの希望的観測である。楽観的すぎるか。しかし、世界人民はこのかん、開戦を阻止することはできなかったものの、諸大国を動かし開戦を遅らせることはできた。稀にみる経験だった。一九三七年の南京陥落、一九四五年の沖縄戦の大惨事の再現を目の前にして、人類はふたたび無力であって良いはずはない。米英撤退へ知恵と力をふりしぼるべきだ。◆にもかかわらず、小泉首相や川口外相は能面のような顔をして、「早期終結・復興支援」などと言っている。早くバクダッドを陥落させ、殺し尽くしてしまって、汚い役回りの自分たちの立場を楽にさせて、とブッシュに懇願しているのである。一国を代表して世界に臨む政治家として何の知恵もない、ただの戦争犯罪共犯者の政府である。◆『プロレタリア』紙は確かに微力だ。しかし、侵略者を大包囲するその一部分として闘っていることも事実である。(若杉)