世界の人々と共にイラク攻撃を止めよう
 2・15ピースアクションin東京


   日本でも反戦高揚の始まり

二月二十五日、東京・渋谷の宮下公園において、「世界の人々とともにイラク攻撃を止めよう!2・15ピースアクションin東京」が行なわれた。
 この行動は、米帝のイラク侵略戦争に反対する全世界の一斉行動に呼応したものであり、戦争反対・有事法案を廃案に!市民緊急行動!、アジアン・スパーク、許すな!憲法改悪・市民連絡会、平和を作り出す宗教者ネット、ピースボート、グリンピース・ジャパン、グローバルピースキャンペーン、平和フォーラム、日本消費者連盟などが呼びかけ、WORLD PEACE NOW実行委員会の協力で取り組まれたものである。
 会場の公園は、開会の六時半にはすでに参加者があふれ出し、多くの若者、外国人の参加の中、イラク攻撃阻止の熱気につつまれた。呼びかけ団体を代表して高田健さんが、「今日二月二十五日、世界六百ヶ所以上でイラク戦争に反対する集会が行われ、一千万人をはるかに超える人が参加しています。この集会にも、イラク戦争NO!の一点で大勢の人が集まりました。全世界にこの集会の声を届けたいと思います」と開会の言を述べた。発言は、外国人の参加者によって、英語で通訳されていく。
 「人間の盾」となって戦争を止めに出発するイラク国際市民調査団の二十七人を代表してピースボートの゙美樹さんが発言。「何故あなたが行かなければならないのと母親に泣かれてしまった。戦争が起こったらどうするのと言われた。でも私は、攻撃が起こらないように行きます」と決意を表明した。
 日本国際ボランティアセンターの河合さんは、「バクダッドには五百万の人が住んでいる。人々は『戦争が始まっても、家があり家族や親戚がいるここを離れない。離れられない』と言っている」と、イラクの状況について報告した。
 平和フォーラムの市村さんは、ニューヨークの反戦集会について報告。「イラク戦争は、米国の大多数の市民の利益に反している」との米国市民団体の声を伝えた。
 集会を終えた参加者は、キャンドルを、あるいは「NO WAR!」「戦争を止めよう!」などと書かれたプラカードを、あるいは太鼓などの楽器を持って、渋谷の繁華街のパレードへにぎやかに出発した。先頭が出てコースを一周して公園に戻ってきた時、最後尾はようやく出発するところだった。
 総括集会は隊列がある程度到着するごとに行われ、順次解散した。主催者は、「私たちの予想をはるかに超え、今日の行動には五千人が参加しました。次回は、三月八日の二時、日比谷野外音楽堂に集まりましょう」と締めくくった。この日の行動は、日本における反戦運動の高揚の始まりを感じさせるものであった。(東京M通信員)

 

  関西各地でイラク攻撃阻止「2・15国際統一行動」
  
  目立つ若者の創意ある反戦

イギリスの「STOP戦争連合」の呼びかけで始まり、全世界六十余ケ国六百余都市で約一千万人で取組まれた二・一五国際統一行動は、大阪においては、当日種々な取組みを集約する形で、「しないさせない 戦争協力」関西ネットワークの主催の「始まる前にとめよう イラク戦争、世界の人々とともに」の集会として行なわれた。大阪・扇町公園に一五〇〇名の労働者・市民が結集した。
 集会は、関西ネット事務局の山元さん(全港湾)の司会で行なわれ、代表の中北龍太郎さんが、「戦争か平和かの分かれ道、本日世界で一千万人が集会やデモを行なう。イラク攻撃が始まる前に止めよう」と訴えた。
 来日したアメリカ反戦運動に取組むグローバル・エクスチェインジのニューミラーさんが、「戦争が始まる前からこれほど大規模な反戦運動が起きるのはすばらしい。反戦の連帯は、イラク戦争だけでなく、グローバリゼーションに対しても広がっている」と、アピールした。
当日は、外国人や若い人達の姿が目立った。大阪市役所前に一月から転戦した釜ケ崎反失連の野営陣地からは、八〇名の労働者が参加した。
 集会は、その後、沖縄平和市民連絡会からイラク派遣団の一員として参加した大宮育雄さんが、「今沖縄でも嘉手納基地でゲート前集会を行なっている」とアピールした。大阪労働者弁護団・労働組合の発言につづき、全日建関西生コン支部は、イラク攻撃が始まったら二時間のストを決行すると宣言した。その他韓民統、ウイメンズブラック、ユースピースウォーカーズ等の人々が発言し、米領事館前で抗議を行なうデモに出発した。
 当日は牛前より各地でピースウォークが始まり、午後より関西共同行動は、中東研究家の板垣雄三さんの講演集会を開いてから参加した。
 当日、大津市では一時よりピースウォーク・イン・滋賀が約三〇〇名の参加者で、集会とデモ。京都では「イラク攻撃をとめよう。歩こう、世界の人々とともに」京都実が、リレートークを行なった。神戸ではJR三ノ宮駅前で「KOBE・ピースネット」が反戦ライブを開くなど、関西では各地で小規模ながら多くの取組みが行なわれた。
 翌十六日には、去る一月十八日の若者達の行動の中心となったTT21やRAFIQ等が、「ユース・ピース・ウォーカーズ(歩くすべての人が呼びかけ人)」を結成して主催となり、「ピースタウンウォーク」が取組まれた。地下街ナンバに約一〇〇名が参加、各人が「イラク攻撃スルナ」と書いたバンダナをつけ、声を出さずアピールする方法で、種々なルートに散ってアピールを行なった。この間の反戦行動は若者の創意ある行動と外国人の参加が目立った。
 さらに、来る三月八日、三月十五日と連続した取組みが予定されている。(関西S通信員)


  2・14東京・明治公園に二万五千人

 「武装解除されるべきは米だ」

 イラク攻撃阻止の世界一斉行動の前日、二月十四日に東京・明治公園において「NO
WAR ON IRAQ STOP有事法制 平和を願う日本の良心をいま世界に2・14大集会」が開かれ、全国から二万五千人が参加した。
 この集会は、井上ひさし氏ら文化人十六名の呼びかけによるもので、全労連、全建総連、民商などを主力に陸海空・港湾二十労組、全労協なども結集した。なお、この集会と翌日十五日・宮下公園での市民集会五千人とを合せ、2・15世界一斉行動における日本・東京での動きとする情報が世界に発信されている。
 集会では、呼びかけ人挨拶として、なだいなださんが熱弁、「武装解除されるべきはアメリカだ!」と叫んでおおうけであった。日弁連の松倉副会長も連帯挨拶。
 政党挨拶では、日本共産党の志位和夫委員長が「査察の継続・強化による平和解決」を強調。社民党の土井たか子党首もメッセージを寄せた。
 海外からの挨拶では、元米海兵隊員のアレン・ネルソン氏がアピール、「自由を守る正義の戦いと教えられてベトナム戦争へ送られたが、それは女性や子供を殺戮することだった。」「日本政府は自衛隊を出すことではなく、憲法九条の精神こそ世界へ発信すべきだ」と熱く語った。
 各界挨拶では、陸海空港湾二十労組を代表して航空安全会議の大野則行氏が「枠組みを越えて反戦の行動を」と訴え、またチャンスの青年たちが、1・18日比谷集会の経験を振り返りつつ、さらに大きな共同をとアピールした。
 最後に集会アピールを採択し、渋谷方面と代々木方面の二コースをデモ行進した。
 参加の主力は全労連など日共系であったが、参加者からは戦争反対の共同行動が強調された取り組みであった。また集会アピールには「査察をつづけ、強め、平和的に解決する努力こそすべき時」云々とあるが、覇権的な大国が大量殺傷兵器の査察を手段として、気に入らない中小国を圧迫している現状こそがもっと問題視されるべきであると感じられた。(東京A通信員)


  2・19東京・日比谷に平和フォーラムなど七千人

  今春闘で大胆に反戦を

 2・15世界一斉反戦行動が大きく盛り上がり、日本の労働者にも「反戦」への関心が高まる中、二月十九日には東京・日比谷野外音楽堂で「わたしたちはイラク攻撃に反対します2・19集会」が開かれ、自治労など旧総評系労組を主力に約七千人が結集した。主催は平和フォーラム平和・人権・環境、および日本消費者連盟など四市民団体による集会実行委員会。
 集会では、平和フォーラム・太田敏夫さんの主催者あいさつの後、民主党の横路孝弘、社民党の土井たか子、連合の阿部道郎、障害者インターナショナル日本会議の金政玉ら各氏が発言した。
 横路さんは、「本日の国連安保理の公開討論会では、二十七カ国が発言したが米英支持は日本政府と豪政府だけ。大量破壊兵器はそれを最も持っている米国やロシアが廃棄していかないと、世界からなくならない。それを言うのが日本の役割。」「イラク攻撃の狙いが石油・軍需なら、まさに帝国主義戦争だ。戦争は最後の手段ではなく、最悪の手段だ」と喝破し、民主党からの発言としては素晴らしいものであった。
 連合・総合組織局長の阿部さんは、「連合は、憲法を遵守し国連憲章を基準とする政治的立場だ。イラクも安保理決議を守らねばならないが、しかし国際社会の合意のない米国の武力行使は単なる暴力だ。日本は追従すべきでない。3・1の連合春闘決起集会は、平和集会の性格を持つだろう」と述べた。
 続いて、日本国際ボランティアセンターの熊岡路矢さんが最新イラク報告を行ない、平和フォーラムの福山事務局長が2・15アメリカ派遣団報告を行なった。また、1・18、2・15に続く「ワールド・ピース・ナウ3・8」への呼びかけが、アジアン・スパークの若者たちによって行なわれた。
 集会は、行動が上り坂にあることを感じさせつつ終了し、銀座方面へのデモに出発した。
 筆者が最も関心があったのは、連合・阿部氏の発言。戦争を阻止するためには市民運動の無数で多様な参加とともに、労働組合の組織的決起がやはり重要である。アメリカ、イギリスの巨大な反戦行動でも、AFL−CIO傘下やTUC傘下の労働組合が重要な役割を果たしている。阿部氏は春闘と反戦平和が密接であることを認めた。
 そうだ! 今年の春闘は大胆に「反戦」を掲げるべき春闘である。そして連合が、連合として「イラク攻撃反対」を明確に掲げることを強く要求したい。(東京F通信員)


  2・16九州ブロック総決起集会に五千人

   若者は反戦のピースライド

福岡市の大濠公園では二月十五日に、市民団体など五十団体の一五〇人が集まり、「イラクへの戦争をやめろ」と訴え、近くの米国領事館に「戦争の狙いが石油にあることは世界中が見抜いている」と指摘する戦争中止要請文を提出した。
 翌十六日には、イラク攻撃に反対するスローガンが窓に張られた貸切バスが九州各地から続々と福岡市に集結。市内の冷泉公園において「有事法案を廃案に!イラク攻撃にNO!」九州ブロック総決起集会が開催された。主催は平和・人権・環境福岡県フォーラムなどで構成する実行委員会で、いわゆる旧総評系の労働組合が一堂に会した集会となった。
 集会では、η女性会議福岡県本部の司会で始まり、来賓として連合福岡の会長があいさつ。政党からは社民党、民主党があいさつし、米軍基地や米軍の演習地がある沖縄と大分の平和運動センター、そして佐世保地区労から決意表明がなされた。自治労福岡県本部ユース部が集会アピールを読み上げ、都市交福岡交通労働組合のシュプレヒコールのあと、「戦争への道を許さない福岡県フォーラム」代表の津留雅昭弁護士の音頭で団結がんばろうを行った。
 その後、集会参加者五〇〇〇人は市内中心部のデモ行進に移り、多くの市民にイラク攻撃NO!を訴えた。
 一方、若者を中心とした市民団体「チャンス!福岡」は、石油権益を狙った米国のイラク攻撃に抗するために、ガソリンを使わない自転車でのアピールを企画。のぼりを立てた三十台の自転車に乗って、市内中心部を走り抜く「ピースライド」を行い、反戦を訴えた。  (九州M通信員)
 
 
  2・23大阪

 ブッシュはイラクと朝鮮半島への侵略戦争をやめろ
 反戦平和のための日韓民衆連帯集会


  勝利への道―アジア民衆連帯が鍵
 

 「ブッシュはイラクと朝鮮半島への侵略戦争をやめろ 反戦平和のための日韓民衆連帯集会」が、二月二十三日、大阪市の大手前・ドーンセンター大ホールで開かれ、五〇〇余名の参加者は熱気につつまれた。
 集会は、実行委員会を代表して「しないさせない戦争協力関西ネットワーク」共同代表の中北龍太郎氏が、ブッシュ−アメリカは世界の民衆のイラク、朝鮮半島への戦争政策を即時ヤメロとアピール。
 続いて、在日韓国民主統一連合(韓統連)大阪本部代表イ・チョル氏は、韓国反米闘争の大高揚は、これまでの民主化運動と民衆の中に鬱積していた反米感情に一気に火が付いたのだと語り、いまや米軍は駐留理由は無いのに、あったとしても駐留している事こそが戦争の危機を引き起こしていると述べ、日本の中にも共和国の崩壊を願う勢力が出現している、これらは危険な現象だと語り、もっと力強い日韓民衆連帯を進めよう と締めくくった。
 「オモニ 米軍基地のない社会で暮らしたい」というタイトルの、米軍装甲車による二人の女子中学生轢殺(れきさつ)事件とそれに抗議して起ち上がった韓国民衆の記録ビデオが上映された。一五分という短い時間であったが、昨年の韓国全土をおおった大闘争と、それにいたる民衆一人ひとりの、駅で、車内で、町中で、真相を訴える姿と、米軍に対する怒りの抗議行動など、涙なしでは見られない感動の編集ビデオであった。
 韓国からのアピールは、米軍装甲車による女子中学生シン・ヒョスン、シム・ミソンさん殺人事件汎国民対策委員会共同執行委員長であるシン・スンチョル氏が行った。
 氏は、まず現在、韓国中では毎週、全国各地でロウソクデモを実施している、そして三月一日には、民族大行進を準備していると決意を語り、東アジアの不安はこれまでの歴史が清算されていないからであり、我々の選択でなく、米帝の意思だけで戦争が引き起こされる事こそが問題なのである。これまでの五十年間の歴史を激変させたのが二人の女子中学生の死であり、この事で我々は変わったのだ、と述べ、従って韓国の民衆は二人の魂を蘇らせる思いで、一人ひとりが反米闘争を闘っている。もう韓国の民衆はだまされない 韓、日、米民衆の起ち上がりこそが勝利への道だ、と熱く語った。
 その後、日韓共同コンサート、各県からのアピールが行われ、そして集会決議を採択し、南森町までのピースウォークを行った。
 この集会においても若者の姿が多く見られた。新たな胎動を感じずにはいられない。
(関西Sa通信員)