「解雇緩和法案」反対1・23緊急集会

  市民と共に広範な反対を


 一月二十三日夕方から、東京の総評会館で、日本労働弁護団の主催により、「解雇緩和法案」に反対する緊急集会がおこなわれた。
 集会は、労働弁護団幹事長の鴨田さんの司会で、すすめられた。まず、基調報告が、主催者である日本労働弁護団の宮里会長からおこなわれた。宮里氏は、今政府側が推し進めつつある解雇ルールの法制化は、使用者の解雇権を規制している戦後の判例法理を後退させ、労働者保護法としての労働基準法の基本的性格と全く相いれないこと、また、解雇無効の判決後、金銭支払いにより労働契約終了判決の申立権を使用者に付与することは、安易な解雇を助長するだけでなく、裁判所自身が「新たな首切り」に加担し合法化することになる、などと批判した。
 次に労働政策審議会労働条件分科会の労働側委員である小山氏が、報告にたった。小山氏は、有期雇用の期間延長、裁量労働制の拡大などの動きを批判しながら(全般的な労働法制の改悪の動きについては、本紙前号を参照)、「解雇緩和法案」のこの間の経過に関して、次のように述べた。解雇ルールの法制化については、最初、使用者側委員は反対していた、ところが限定付きながらも「労働者を解雇できる」という文言が入る方向になると、反対を言わなくなったこと、だが、この文言をわざわざ入れることについては、公益側委員も疑問視していること、などである。そして、今年の分科会の日程について、当初は一月三十日、二月三日、二月十日とされていたのが、政府側から変更され、二月十日、二月十三日、二月十八日となったのは、厚生労働省、法務省などの間で、意見が統一されていないからではないか、と小山氏は推測していた。
 集会はその後、若干の質疑応答がなされた後、出版労連の明治書院労組など争議中の労組、「首切り自由」は許さない 実行委員会の代表、自治労都職の労働者などが発言した。印象に残ったのは、「首切り自由」を許さない 実行委員会の方の発言である。それは今回の「首切り自由」の法案に反対するために、わかりやすく世論に訴える工夫が必要だとういうこと、一月十八日の反戦集会に結集したような市民団体とともに、広範な連携で労基法改悪に反対すること、というものである。
 九九年前後の労働法改悪攻撃や、裁判所による“本来、解雇は自由である”という姿勢の明確化にひきつづく、今回の攻撃は、いうまでもなく、新自由主義のつよまりを背景としている。雇用終了申立権について、“労働者側ができるなら、使用者側もできるようにするのが「公平」というものだ”という、分科会での使用者側委員の発言は、労働法が世界的に確立されていく歴史的経緯と必要性について、全くの無知をさらけだしている。無知でないとすれば、ブルジョア的な形式論理を利用した悪質な攻撃である。つまし、対等な者同士の契約と雇傭契約(平等な者同士の契約ではない)の質的違いを無視した、この「公平」観なるものは、不平等を合理化するブルジョア的公平論でしかない。
また、解雇無効の判決後、金銭支払いにより雇用終了申立権を使用者側に付与する点は、未だその枠組みすら不明確なものだが、もしそれが法制化されるとすれば、司法みずからが「法の支配」を否定し、「非法化」社会の拡大に手を貸すものでしかない。つまり、解雇無効という判決は、とうぜんにも使用者(資本家)の不正、不法を認めたことである。それなのに舌の根も乾かぬうちに、金銭解決での首切りを認めるということは、実質的に解雇無効をひるがえし、解雇有効を認めることになるからである。 (T)