大阪府・市への野営闘争は続く

  公的就労を大規模に


 九月二八日より突入した釜ヶ崎反失業連絡会の大阪城公園府庁前野営闘争は、十二月七日現在で七十日目を越えた。
 野宿者支援法成立後も、公的就労の早期実施をめざし、諸要求を掲げた闘いに対し、大阪府・市はゼロ回答を重ねるばかりである。10・21に続き十二月二日には第二派の仕事よこせデモを二百余名の仲間たちで、府・大阪労働局、市に対し行なった。連日、府庁・市役所への押しかけ行動、ターミナルでの情宣活動を、約三五〇名の野営陣地に寝泊りする仲間と連日釜から駆けつける仲間達が闘い抜いている。
 府下で一万五千名とも言われる野宿労働者に対し「公的就労を大規模にかつ緊急につくれ」と要求する釜ヶ崎反失連の闘いは、先刻の先陣を果たす位置にあり、府、市の厚い壁を突破すべく粘り強い闘いが続いている。
 本年六月野営闘争までは、市役所前、府庁前とも野営闘争といえども一ヶ月だった。支援法が成立した直後の今回の闘いは、府、市の公的就労に対する具体的な回答を引きづり出すまで続けられるだろう。出口なきシェルター、支援センターなどの箱物つくりだけでは、野宿、失業問題は解決しないことをはっきりとさせる必要があるのだ。野営闘争はまもなく越冬闘争として連続して闘い抜かれる。

 第四回釜ヶ崎講座講演の集い 

        八十名余で開かれる

 府庁前野営闘争が続く中、「釜ヶ崎講座」の第四回講演の集いが十二月七日、野営陣地の近くエル・おおさかで開かれた。昨年十二月八日、反失連共同代表の本田さんの講演の集いを開いてから一年目となる。来年は釜ヶ崎形成百年である。
 「釜ヶ崎講座一年、釜ヶ崎百年!釜ヶ崎を大いに語る」と掲げられた今回は、釜日労・反失連の藤井利明さん自らを講師にして「釜ヶ崎の闘いから」を語る集いとなり、前回にまして八十余名の参加で熱気あふれる集いとなった。反失業闘争十年のビデオの総集編の上映の後、藤井さんが、釜ヶ崎に来てからの闘いを語った。
 生きるがための釜ヶ崎日雇労働者の反失業闘争の原点を、自からの釜ヶ崎二十五年の闘いから語った。藤井さんは、労働者の一人ひとり自からが立ちあがっての闘いにならなければ、と熱い思いを述べた。「釜ヶ崎講座」は引き続き、釜ヶ崎百年に連続講座を開く予定である。(関西S通信員)

12・5 

全国から野宿者などが厚生労働省交渉 たたかう

  緊急対策を行え

 十二月五日、野宿労働者と支援の団体が大阪、静岡、神奈川、市川、新宿、池袋、三多摩などから参集し、野宿労働者支援法の制定に尽力された国会議員とともに、対厚生労働省交渉をおこなった。交渉は、百名をこえる野宿の仲間が厚生労働省前に座り込みむ中、予定の時間を大幅に超えるものとなった。
 運動団体は、国による基本計画の策定、自治体による実施計画の策定、そしてやっと〇四年度から実施、という支援法に基づく総合施策に関する行政の悠長な態度を厳しく批判し、緊急対策を要求した。
 それは、このかん地方自治体において、国の基本計画がまだ出来ていないことを理由にして、緊急対策の拡大をサボタージュする態度があり、大阪府庁前では三百名を超える労働者が公的就労を求めて二ヶ月以上も野営闘争を継続しているなどの事態をうけての要求であった。
 結論的には、補正予算がらみとなるが緊急対策を行うとの言質を取る成果を獲得した。
 獲得したばかりの支援法を武器に、新たな闘いが始まった。この交渉は、全国から仲間が結集し、新たな闘いへ団結を固める場ともなったと言えるだろう。(東京M通信員)