「六月要望」基本に、闘争延長の野営闘争

支援法成立ふまえ府・市に攻勢


 「野宿生活者自立支援法」成立後、釜ケ崎では、早期の公的就労を中心とした具体的な対策を求めて、九月十一日より秋期闘争に入っている。九月二十八日からは大阪城公園の府庁前遊歩道に野営テントを設営し、本年二度目の野営闘争に突入した。三〇〇〜三五〇名の仲間達が、連日の闘いを続けている。
 大阪府・市に対する要求は、既に六月十三日に、「失業─野営対策の総合的推進を求める要望」として提出されている。ここには釜ケ崎反失連の失業─野宿問題に対する考えと、具体的な、かつ詳細な要求が提出されている。「法」成立後も、基本は、この「要望」であり、是非全文を見て、釜ケ崎の要求をとらえていただきたい。(釜ケ崎反失連HPに掲載されている)
 九月二十日からは、開始された府議会の傍聴行動が行われ、十月二十三日の閉会まで連日取組まれた。一日も休まず、野営陣地より代表団が、あるいは一〇〇名規模で傍聴席を占拠する規模で取組まれ、府知事の、各政党の動向に対し、反失連の要求を押し出していった。
 六月要望を基本にし、八月八日の緊急要求、九月十一日には公的就労制度要求を、更には十月十七日は五十五歳以下の失業─野宿生活者の対策についての要求と、矢継ぎ早に要求を提出した。各々要求時には、野営陣地より全ての労働者が府庁へ、市庁舎へ押しかけ、要求を提出し、代表団の交渉を見守る行動を行っている。
 府・市の回答は、太田知事の「ホームレスの自立の支援等に関する特別措置法の成立は大きな前進」との答弁に留まり、国の基本政策待ち、従来のシェルターと支援センターでの就労あっせん路線をいまだ出るものではない。厚生労働省が、補正予算で「緊急地域雇用創出特別交付金」の積み増し、地方自治体の本年度分の前倒し実施という方針を出す中でも、府・市の態度はまったく前進の見られないものであった。この数年、野営闘争の期間は一ケ月位が続いていたが、反失連は十月末、越冬時期までの延長も辞さない固い意志で、要求実現のため野営闘争の延長に入った。
 また、こうした連日の野営闘争の中から、九・二九関西新空港現地闘争に「勝利号」で参加し、更に十月七日の米領事館抗議行動に一〇〇名が、また更に十・二一国際反戦デーには、朝より府庁・市庁舎に対し、抗議の、反失業「仕事よこせ」デモを三五〇名でやり抜き、夕方より剣先公園での国際反戦デー関西集会に合流した。また、十月二十八日には来日したジョゼ・ボベさんの集会に、「反グローバリズム」のこの間の反失連の立場から一〇〇名が参加するなど、政治闘争、諸課題への闘いを広げている。
 釜ケ崎反失連の野営闘争は更に継続され、闘いは仲間を更に強化し、全国の反失業・野宿に対する運動を牽引していくだろう。
 また、九・一三シンポを釜ケ崎支援機構等と共催した「釜ケ崎講座」は来る十二月七日、開設一周年の「講演の集い」を、エルおおさかにて午後六時半より行う事となった。来年の釜ケ崎百年を前に「講座開設一年!釜ケ崎百年!釜ケ崎を大いに語る」を行う。
                               (関西S通信員)