9・21〜22コミュニティー・ユニオン第14回全国交流会

  ユニオン運動の全国展開を

    「全国ユニオン」は11月結成


 九月二十一〜二十二日、全国から四百余名の仲間が結集し、コミュニティ・ユニオン第14回全国交流集会が開催された。今年は大阪府和泉市の人権文化センターと信太山青少年野外活動センターが舞台となった。
 一日目は午後一時から開会のあいさつの後、パネルディスカッション「均等待遇とワークシェアリング」が行なわれた。パネラーとして甲南大の熊沢誠さん、連合副事務局長の林誠子さん、ジャーナリストの竹信三恵子さんが様々な問題を提起した。
 企業の人減らしがおこなわれ失業が増加している中で、残された正社員の長時間労働がすすみ、労働の二極分解が進んでいること、日本のワークシェアリングが賃金切下げと同義的な実態にあること、様々な働き方が求められる中で、均等待遇が真に追求されるべきことなど、当面の運動上の重要な問題が提起された。
 集会はその後、コミュニティ・ユニオン全国ネットワーク(以下、全国ネットと略)の第14回全国総会となった。高井事務局長から活動報告がおこなわれた。
 報告では、とりわけ韓国労働運動との国際交流がすすんだことや地域的なユニオンのネットワーク化がすすんだことなどとともに、前回三重集会以来、議論となってきた「連合加盟」の経過が報告された。連合への全国ネットの一括加盟はしないこと。加盟志向グループは全国ネットに参加しつつ、独自の産別結成作業をすすめること。全国ネットは現状のまま運営する、という方向が報告され、確認された。
 独自の産別結成作業は高井さんの呼びかけで、「全国コミュニティ・ユニオン連合」(略称「全国ユニオン」)として、今年の十一月結成大会開催を目指してすすめられている。
 また、全国ネットは二〇〇三年度の活動方針として、新しく、ひょうごユニオンの黒崎隆雄さんを事務局長とした新体制で出発することが確認された。
 ユニオン運動としては全国ネットの従来の活動と、新たな社会的労働運動の手段として「全国ユニオン」の活動とを、組み合わせて展開されることとなる。改めて力量が問われることになる。
 全国総会の後、三重県で仲間二十四人が不当な解雇攻撃にあっているユニオンみえイワタ電工分会への支援、韓国釜山から参加した民主労総の仲間たちとの国際連帯を確認しあった。
 夜は野外活動センターの広場で、せんしゅうユニオンをはじめとした実行委員会の仲間の用意したごちそうをバイキング方式で楽しんだ。全国各地から結集した地域ユニオンが地域毎に一つひとつ紹介され、大きな拍手を受けた。
 二日目は十一の分科会で始まった。全体集会は分科会報告についで、今年からはじめられたユニオン芸術賞の授賞式がおこなわれた。労働者の独自の文化、芸術を生み出していく運動のはじまりとして意義あるものに育っていったらよいと思う。
 最後に、広がる雇用不安のなかで、ユニオンの運動を全国で展開しよう、という集会宣言を確認して二日間の交流集会を終わった。
 今年も参加して元気の出る集会であった。来年に向けて更なる飛躍を目指して帰りの途についた。    (S)