6・23沖縄

 死者を冒涜する”戦争法の汚い手”

   小泉の献花を糾弾


 6・23沖縄「慰霊の日」、われわれにとっては国際反戦集会の日である。梅雨明け直後のかんかん照りのなか、米須から摩文仁にかける糸満の原野は行き交う人と車で混雑する。
 魂魄の塔の前での、一坪反戦地主会主催の国際反戦集会だけは落ち着き、安心感がある。誰もが素直な気持ちで話を聞き、一年間運動現場に来なかった人もここには毎年のように来るのだ。まさに沖縄市民運動の原点だ。
 今年の集会では、金城実氏(彫刻家)らが登壇し、小泉首相の靖国神社参拝を許さない「やすくに裁判」を開始する旨が発表された。金城さんらを原告とする沖縄での靖国訴訟が、この地の「沖縄戦」を土台にして、沖縄人の思想を問う全面的な闘いにならんことを願う。
 一方、政府・県主催の戦没者追悼式典には、小泉は有事法(戦争法)を腹中にして臨んだのである。式典会場から糾弾の声があがった、「有事立法の汚い手で献花するな!死者を冒涜するな!」。押し殺せない感情が噴出したのだ。
 有事法案が国会にかかっている今年の6・23は、特に記すべきことがあった。平和市民連絡会が式典会場にもやって来たのだ。横断幕をかかげて、小泉を迎え撃ったのだ。この行動は、前々日の一坪事務局長・本永春樹さんと松田貴子さんの結婚式の会場で、市民連絡会の崎原事務局長が緊急提案したものだったらしい。
 平和市民連絡会による5・19「復帰」三十年式典弾劾行動をはじめ、四月以降の戦争法阻止の連続行動は情勢を動かしつつある。それは、移設阻止県民会議を眠りから揺さぶり起こし、6・8の有事法案廃案を求める県民大会(北谷町、五五〇〇人)の実現につながって行った。6・23は、国際反戦集会を担うだけでなく、小泉迎撃へ打って出た。かれらの有事立法潰しにかける情熱は、その背後に沖縄戦の死者たちのバックアップがあるのかと思いたくなるほどだ。
 他方、平和センターの指導部は、当面の議会選挙がらみの「政治」プログラムを糊塗することに汲々としている。現在のかれらは、沖縄人の運動を構築する政治的器量は持ち合せていない。連合沖縄は有事法制反対で何の役にも足っていない。それで市民運動の側に、運動の大きな構築をめざす力量が必要な状況となっている。
 大雨の中の結集であった6・8県民大会は、熱気が醸成され、有事法案を葬りさせたいという欲求が渦巻いていた。6・8以降、今も、市町村議会は次々と、「廃案」「慎重審議」と色合いの違いはあるものの法案阻止が真意の決議をあげている。
 ふたたび沖縄人を愚弄し、戦争へ利用せんとする首相小泉の式典献花を糾弾する!
 有事法案を完全に叩き潰そう!(沖縄T通信員)