【関西の5・3憲法集会】

 京都

統一戦線的に1600名

団結して参戦体制打破を


 五月三日の京都では、「戦争放棄したはずやん・どーなってんのん今の日本5・3憲法集会in京都」が一六〇〇名を越える参加で成功裏に開催された。主催は、支持政党の違いなどを超えて八十程の団体が参加した集会実行委員会。
 会場の円山野外音楽堂は思い思いのゼッケン、のぼり、横断幕の人々で埋まり、午後一時に開会が宣言された。集会は、実質的に旧「社共」の枠を超え、この危機的な参戦体制を団結して打破するために広範な統一戦線で結集を、という政治性を反映するものとなった。
 ゲストとして登壇した衆院議員の川田悦子さんは、「薬害エイズ訴訟の闘いの中でも、また他の運動の中でも、真実をつかみとる闘いこそしんどい闘いだ。家族、おのれとの葛藤、他者からの迫害…。だが逃げるわけにはいかなかった。京都の地でも、継続したこのような闘いが必ず憲法を生活に根づかせ、社会を根本から変えていくことができる」と述べ、万雷の拍手を受けた。
 今後、京都の地でのこうした統一戦線的・大衆的なたたかいは、まさに民衆の共感を呼び、運動の発展を保証するであろう。(京都I通信員)

大阪

「憲法九条はアジア人の血の塊」

    支配層にこそ必要な「そなえ」


 五月三日憲法記念日には大阪では、「5・3憲法と戦争を考える大阪の集い」が大阪市・住まいの情報センターに二七〇名を集めて行なわれた。主催は憲法9条の会・関西や関西共同行動などによる実行委員会。
 一人目の講演者の辛淑玉(シン・スゴ)さんは、「こんな憲法、日本人にはもったいない!」と題して以下のように講演した。辛さんは在日コリアン三世で、「女性、人権、人材育成」に関して鋭く差別社会を批判している方である。
 憲法九条はアジア人の血の塊だ。九条には「国際平和を希求し、戦争と武力による威嚇または武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては永久にこれを放棄する。また戦力を持たない」とうたってある。つまり口で守れということだ。
 この憲法を生かすには、国際社会に出ていって対話、交渉をすれば良い。九七年にペルー日本大使公邸人質事件があったが、あの時武装勢力と人質の間を国際赤十字のミニングさんが何度も何度も行き来して人質に安心感を与え結局救い出すことができた。日本もミニングさんと同じことをやれば良い。今、有事法制が作り出されようとしているが、アジアに対する宣戦布告である。戦後作られた憲法は「男性」によって踏みにじられてきた。「男性」に対する最大の侮辱は「女のようだ」と言われることである。つまり男のコミュニケーションは暴力である。家でも男性は家事をしない、しゃべらない。世界平和はしゃべること、女性を生かし家庭平和を作ること。ここが変わらねば勝てない。
 二人目の講演者の澤野義一さん(大阪経法大)は「憲法状況とコスタリカ訪問報告など」と題して、次のように講演した。「そなえあれば憂いなし」は、日米の支配層にとっての話で民衆にとってはあたらない。「そなえなければ憂いなし」で、コスタリカは軍隊のないことが誇りである。コスタリカは一九八三年に非武装中立宣言をしたが、日本でも中立宣言はできる。世界に非武装国家は三十あるし、トルクメニスタンが対アフガンで米軍に基地を貸さなかったように、中立国もある。今回の有事法制は九条を、国民主権を、地方自治の平和行政を否定する。廃案にしなければ。
 その後集いは、憲法を根本的に破壊する有事法制に反対する決議文を採択して終了した。(大阪H通信員)