4・26国会行動

野宿者自立支援法制定求め全国から

  今国会で成立を

 四月二十六日、「ホームレス自立支援法」の今国会での超党派による成立を求める請願行動が、東京、静岡、名古屋、大阪、北九州など全国から参集した二五〇名の労働者によって展開された。
 社会文化会館前を出発したデモの隊列が衆議院議員面会所前に到着すると、民主、共産、社民の各党議員が出迎え、公明党議員も駆けつけた。議面前集会で議員達は次ぎのように、発言し野宿労働者達の激励に応えた。
「まだ与党と協議に入っていないが、法案はこの国会中には是非とも成立させたい。この問題に与党も野党もない。国会全体で取り組んでいきたいと思っている。」(民主党)
「私達も、超党派で出来あがればいいと考えています。『目的』の所で、『ホームレスの人権に配慮し』を入れさせてもらいました。法案は、排除を目的としたものではなく自立支援のためのものです。」(公明党)
「国・自治体の責任で人間らしく生きられるようように、がんばりたい。」(共産党)
「社民党も成立に向けてがんばる。有事法制や個人情報保護法等をやり、本当に必要な法がないがしろにされている。」(社民党)
 「しっかり頼むでー!」と労働者の声援が飛び交い集会が大いに盛り上る。最後に、主催団体を代表して釜ヶ崎の山田さんが「よろしく」と挨拶し、NPO釜ヶ崎、釜ヶ崎反失連、新宿連絡会、池袋連絡会、三多摩野宿者人権ネット、NPOささしま共生会、NPO北九州、野宿者・人権センターの署名による請願文が野宿労働者の手から各党議員に手渡された。
 その後参加者は、近くの日比谷公園までデモ行進して総括集会を開いた。各地区からの発言の後、新宿連絡会の本田さんから「今日からは国会の動向を見守ることにしたい。次は勝利集会で集まろう。」との提起を受け、勝利への確信を固めて散会した。
 昼食をとってから、議員会館前で座り込み集会とロビー活動を行って、この日の行動を成功裏に終了していった。(東京M通信員)

4・27第3回「釜ヶ崎講座」

野宿を増大させる寄せ場の変貌


 四月二七日の夜、大阪市のエルおおさかにて「第三回釜ヶ崎講座」が開かれた。参加者は第一、二回目を上回る七十五名に上った。
 「釜ヶ崎へ、そして釜ヶ崎から」と題して、大阪市立大学文学部社会学教室の島和博助教授が講演を行なった。島氏はこの間、野宿生活者の聞き取り調査や大阪市民の「野宿者問題」でのアンケート調査等に取り組み、現実の問題に関わってきた地点より、「現在社会の苦悩を釜ヶ崎の現実からとらえ返す」とし、釜ヶ崎の現実とその社会的意義を捉え返す視点を述べた。
 講演の中で以下のことが示された。釜ケ崎で年間二千名近くの労働者が白手帳を新しく作っている。しかし年齢は若年層は少なく、中高年が多い。日本の不安定な就労者、下層労働者層が仕事を求めて不断に釜ヶ崎に「流入」している。しかし釜ケ崎の労働者の就労は減少し、ドヤの大半は空いている状態になっている。釜へ来て半年もたたずに野宿へ到る状態すらある。かっての景気の調整弁・安全弁としての役割からも釜ヶ崎の労働者が排除されている現実がある。それが、釜ヶ崎から府内へ拡散する形での野宿生活者としての増大として結果していることが、調査結果を基に改めて示された。野宿問題を寄せ場の持つ役割との関係で常に問う視点が強調された。
 集会では、野宿生活者支援法をめぐって、理念や訴え方についての質問が会場から出されたり、法案が成立した場合の運動の姿勢についての意見も出され、活発な議論が交わされた。最後に釜日労の松本さんより、国会請願行動の報告と釜メーデーへの参加の訴えがあり、成功裏に集いを終えた。
 釜ヶ崎講座は三回を終え、参加者の拡大・定着があり、釜ヶ崎をめぐる運動とのつながりと、理解を深める場としてさらに発展していくことが期待されている。(大阪A通信員)