京都4・29

女性国際戦犯法廷に学んで

  天皇有罪は明確


 昭和天皇の誕生日が「みどりの日」として祝日化されていることに反対し、各地で反天皇制の集会がこの日行なわれている。
 京都では、「天皇の戦争責任を問い続ける4・29京都集会」が、天皇制の強化を許さない京都実行委員会の主催で開かれ、京都部落解放センターに百三十名が参加した。
 主催者あいさつで部落解放同盟京都府連書記長の西島藤彦氏は、「先の皇太子の子誕生にみられるように、洪水のごとく皇室報道がくり返され、支配者は再び血族社会=天皇制の肯定、部落・身分制度の存続を浸透させようと躍起になっている。4・29は京都の地で、天皇制とは何かを射抜くために継続して取り組んできた。有事法制定、教科書攻撃が強まっている今日、諸戦線での運動を強めていこう」と、基調発言を行なった。
 今年の集会は、「戦争と女性への暴力」日本ネットワーク副代表の西野瑠美子さんに「女性国際戦犯法廷と天皇の戦争責任」のテーマで、昨年十二月に判決が出たハーグ裁判(日本軍性奴隷制を裁く女性国際戦犯法廷)の経過を中心に話してもらい、天皇制の本質に迫る意義ある集会となった。
 西野さんは、この女性国際戦犯法廷とは東京極東軍事裁判の継続として位置づけてきたもので、いわゆる象徴天皇制の仮面をむしりとり、極東裁判で抜け落ちた「慰安婦」制度と植民地支配の犯罪を白日の下にさらして、大元帥天皇裕仁を被告人として起訴したものであることを強調した。数々の証言、公文書の存在をあげ、天皇は一九四一年の戦陣訓、四二年の陸軍刑法改定の中で、侵略地での強姦と殺傷行為の多数の事実を認識していたと語った。
 また西野さんは、このかん右翼の妨害が「先の陛下を裁くとは何事だ」として多発し、行政からも「皇居や靖国神社のある特別な地域」での集会は許可しない等の妨害が発生したことを語った。(東京・千代田区の講演妨害は有罪確定)
 西野さんは、「今の日本は天皇問題ひとつでも、国際社会から日本はおかしいと言われつつある。この情況を変えていきましょう」と締めくくった。 (京都I通信員)

大阪4・29

「昭和の日」制定・有事法制反対

許すな小泉の4・21参拝


 大阪では、エル大阪で「昭和の日」制定反対4・29大阪集会が開かれ、八十名近くが結集した。主催は、参戦と天皇制に反対する連続行動。
 有事法案が今国会に提出された情勢の中、四月二十一日、首相小泉は春季例大祭に合わせ靖国神社に参拝した。
 有事三法案の内の自衛隊法改正案では、戦死者の取り扱いについて、墓地・埋葬等に関する法律の適用除外が含まれている。有事での戦死者は、火葬場での火葬でなくても良い等とするものである。
 「戦死者」が出ることを当然とする「戦争をする国家」が作られようとしている。そして戦死者を「神」として靖国へ、との方程式である。まさに有事法制と靖国との関係を意識して、小泉は参戦を強行したのだ。
 集会では、「日の丸・君が代」強制に反対する関西ネットの黒田伊彦さんの発言等が行なわれ、有事立法・改憲国民投票法案を阻止し、天皇制と「昭和の日」反対、戦争国家確立阻止へ闘っていくことを確認した。集会後、大阪城までデモ行進を行なった。(大阪N通信員)