有事立法国会

  「戦争立法」阻止へ起とう

   労働者は、戦争「業務従事命令」を拒否する


 四月十日前後に、有事立法すなわち戦争を遂行するための諸法案が閣議決定され、今国会に提出されようとしている。この「戦争立法」断固阻止を最大の政治課題として、四月から五月にかけ対国会闘争と全国の大衆行動を全力でもりあげよう。
 今回提出が強行されようとしている有事法案は、小泉内閣が与党三党に提示したものによると、「武力攻撃事態」に対応するだけでなく「武力攻撃のおそれのある場合」も含め、さらに「武力攻撃が予測されるに至った事態」も「有事」に含まれるなどとしている。
 この法案の中心的な意味は、九九年成立の周辺事態法が「協力を要請することができる」としていた次元を超えて、自治体・民間に罰則付きの戦争協力義務を課すことにある。周辺事態法では「周辺事態」とは、「そのまま放置すれば我が国に対する直接の武力攻撃に至るおそれのある事態等我が国周辺の地域における…事態」と規定されている。有事法案でいう「有事」が、「周辺事態」をおもに想定していることは明らかである。また「テロ」「不審船」事態は今回の提出案では対象としていないが、非常事態一般への対応を含めて整備していくことが表明されている。 
 政府や国会多数が、恣意的に「有事」発生と認定すれば、自衛隊が出動(あるいは出動待機)していくだけでなく、自治体・民間への戦争動員・戦時統制が発動される、それに協力しない者には刑罰を課すというのが、この法案の正体である。
 法案自体は今国会では三法案で、@有事対応の枠組みを規定する「包括法案」、A安全保障会議の機能を強化する「安保会議設置法改正案」、B自衛隊の行動円滑化のための「自衛隊法改正案」となっている。(当初は四法案と言われていたが、米軍の行動円滑化のための特例措置は政令次元で可能だなどとされることとなっている)。
 小泉内閣は、今国会で有事三法案を成立させたら、さらに向こう二年以内に、国民生活統制についての法案、通信統制の法案、米軍行動支援の法案、捕虜取り扱いなど国際人道法関連の法案を提出し、有事法制を完成させるとしている。
 自治体・民間の戦争動員態勢で焦点となるのは、「自衛隊法改正案」での自衛隊法第103条の改定である。第103条(防衛出動時における物資の収用等)は、防衛出動命令が出される場合において(この命令は、武力攻撃のおそれがある事態でも出せるとされている)、政府の要請に基づき都道府県知事が、あるいは政府が直接に土地等の収用を行ない、また「業務従事命令」を出すことができるとしている。「業務従事命令」とは、運輸交通・通信・土木・医療等の自治体労働者と民間労働者を戦争のための業務に従事させるための「赤紙」である。しかし、現行自衛隊法では、命令拒否者への罰則規定が無い。
 有事三法案の内の「自衛隊法改正案」は、この戦争協力を強制義務とするものであり、すべての官民の労働者一人ひとりに重大な事態を突き付けるものに他ならない。
 ブッシュや小泉の戦争政策に、すべての職場から総反撃を開始しようではないか。