釜ヶ崎春闘―日雇労働者の諸要求かかげ

  反失業闘争を前面に


釜ケ崎では、越冬闘争後、「野宿生活者自立支援法」早期成立への取組み、反失業の闘い、釜ケ崎春闘が三月期闘われた。
 新宿、池袋などの連絡会が中心に昨年より、三月末第七次キャンペーンに至った国会請願行動へは、代表派遣を行っている。四・二六国会行動には、「勝利号」を出し、大量派遣で、早期成立を闘っていく方向である。
 釜日労は、〇二釜ケ崎春闘を反失業闘争として闘った。この数年、野宿労働者を中心とした運動が全面になり、野宿者支援法成立かの局面にまで至っているが、釜ケ崎は建設土木の日雇労働者の街だ。今は現金求人は、センターで一日二千円に落ちている。単価の賃上げは難しい。切り下げが当たり前になっている。
 この中でも、一、労働相談を仲間とともに進め、労働条件切り捨てを許さない闘い、一、社会全体での仕事の分かち合いを求める。日雇労働者の要求に国を向き合わせる。一、仲間の仕事保障に沿ったセンター職安機能改革を求める。一、生活保障付き長期職業訓練制度など日雇労働者の社会保障の充実を図るなどの方針を掲げ,毎週月、金、センターでの組合机出しを行ない、労働相談を受け付けていった。
 反失業,高齢者特別就労要求の闘いは,組合、釜ヶ崎反失連の一月四日の府・市への要求を基礎に闘いぬかれた。府・市への要求行動は、数波になった。
 この間、高齢者特別就労事業の基礎となった「緊急地域雇用対策基金交付金」制度は、四月度よりも継続・延長となった。特別清掃事業は昨年十月に五十名,更にこの三月に入って年度末調整で三十二名増え、一日二百九十二名の労働者に仕事が出ている。三千三百三名の〇一年度登録労働者で月四回仕事が回るようになった。一千名の雇用枠の創出をの要求に対し、三千五百億の交付金の内,約三十億が府に,そのうち三十五%をあいりん対策に振り当てるまで府・市を追い込んで行ったが、四月度当初は大幅に一時縮小し二百十八名枠で出発せざるを得なくなった。
 三月二十七日よりは新年度新規登録が始まった。反失連、NPO釜ヶ崎では各地の公園でテント生活を余儀なくされている仲間たちは、ひとつひとつ、ひとりひとり、特掃事業への登録をと、呼びかけビラを配って回っている。新年度になり、更に府・市に多方面の就労拡大を求めて闘っていくことになる。
 一方、「釜ヶ崎講座」は四月二十七日(土)午後六時半より、エルおおさかにて、第三回講演の集いを行なうこととなった。
 講師は大阪市立大学文学部社会学研究室の島和博助教授を迎える。氏は、この間の野宿生活者の調査研究にあたると共に、釜ヶ崎のNPO活動にも大きく関与してきていただいている。タイトルは『釜ヶ崎へ、そして釜ヶ崎から―現在社会の苦境を釜ヶ崎の現実からとらえ返す』である。不安定就労者や下層労働者の釜ヶ崎穂の不断の「流入」と、野宿生活者として施設や病院へ、そして行路死亡者としての「流出」という釜ヶ崎の現実。それは今、リストラ、失業、生活不安の中にある現在社会にとって、既にかつての社会の安全弁の役割を押しつけられた釜ヶ崎と同様の構造を抱えてきているとの言える。「現在社会と釜ヶ崎」として釜ヶ崎の意味を捉え返す企画である。
 支援法成立か否かの情勢の中、「釜ヶ崎講座」第三回講演の集いに参加しよう。(関西S通信員)