2・11建国記念日反対の関西諸集会

  アジア訴訟団先頭に

 

 <京都>

  解放同盟府連など450で


 二月十一日、「紀元節・日の丸・君が代」とたたかう2・11京都集会が京都会館において、教育労働者、部落解放同盟府連を中心に約四五〇名の結集で成功裏に開催された。主催は、天皇制の強化を許さない京都実行委員会。
 京都「天皇制を問う」講座実行委員会よりの開会あいさつ、主催者を代表しての部落解放同盟京都府連・大野氏の問題提起を受けた後、池田浩士さん(京都大学教員)より、「戦争とナショナリズム・参戦国家への道を問う」と題しての講演を受けた。
 まず池田さんは、「今日は何の日か」という問題を聴衆につきつけて、現在も過去も時の支配者が何か事を始めるときは必ず、天皇に関係する日をあえて選んでくること、かっての大本営設置の日は2・11であったし、「紀元節」というウソの歴史を大衆に信じこますために今日も躍起になっていると強調した。
 また、いわゆる日清、日露の侵略行為での日本軍人の死者数(日清・一万七千人、日露・十一万八千人)をあげ、支配者は、「満州」で流された尊い血という言い方で中国・朝鮮侵略支配の思想的基礎を作り上げてきたことを、今日的状況に当てはめて考えてみる必要を説いた。つまり、今日の小泉参戦内閣のもとで、自衛隊=日本軍の海外派兵が現に繰り返されている中、自衛隊員一人でも外国で命を落とせば、「アフガニスタンで流された尊い血」という大宣伝をしてくるのは自明の理ということになる。
 また池田さんは、かって日帝が「満州国」デッチあげのなかで「紅匪の惨禍」を強調し、「紅匪」=ゲリラを一掃して平和な国にという宣伝をやっていたが、こうした反テロ宣伝は昔からの侵略者の常套手段であったことを指摘した。そして、敵の攻撃に対しては何かおかしいという感性を大事にし、多様な形態での我々の戦線を拡大強化しようと締めくくった。
 集会は最後に、京都教組の今井委員長から、我々の教育を確立していくという決意表明、また小泉首相靖国参拝違憲訴訟原告団の山内さんから、「この訴訟をアジア訴訟と名付け、日本人のみならず多くの朝鮮・韓国をはじめとするアジア各民族による合祀拒否・取り消しの闘いと結びつけて、がんばっていく」という力強い報告があった。
 デモは、京都市役所まで祇園、四条河原町と行進した。
 なお京都の地では、その後も2・16ブッシュ来日反対ピースウォーク(主催・ピースウォーク京都)、3・3「日の丸・君が代」強制反対集会(主催・「君が代・日の丸」の強制「だまってらへん」市民の会)、4・29天皇の戦争責任を問い続ける京都集会(主催・天皇制の強化を許さない実行委)など、大衆的行動がやつぎばやに計画されており、運動の拡大が期待されている。(関西I通信員)


 <大阪>

  小泉の靖国参拝許さず


 二月十一日午後一時半からエル大阪で、百数十名が結集して2・11「建国記念日」反対関西集会が開催された。
 黒田伊彦さん(日の丸・君が代に反対する関西ネットワーク代表・関西大学講師)から、次のように主催者あいさつがあった。
 天皇の支配権が確立したとされる日を祝うことは、国民主権に反する。天皇アキヒトによる「桓武天皇」の生母は百済王の子孫との発言をめぐって、韓国の『東亜日報』は、朝鮮の植民地支配を正当化した「日鮮同祖論」の危険を指摘した。政府は、四月二十九日を「昭和の日」に制定する法案を今年三月の国会に上呈する予定である。最近の女性天皇容認に向けての動き、「日の丸君が代」の強制、憲法改「正」国民投票法案と二〇〇五年憲法改「正」への動き、有事法制化に見られるように戦争のできる国へ体制がつくられていることに反対しよう。
 次に、小泉首相靖国参拝違憲アジア訴訟団から、次のように報告があった。
全国では、大阪、松山、福岡、東京、千葉で提訴した。大阪は十一月一日大阪地裁に提訴した。大阪訴訟の原告総数は、六三九名、うち韓国在住の日本軍軍人軍属遺族の原告は一一九名、残り五二〇名が日本在住の原告である。大阪訴訟の特徴は、アジア訴訟にあると思う。日本軍に徴兵・徴用され戦死し、勝手に靖国神社に合祀され、A級戦犯と一緒に合祀し、死後も日本軍侵略の行為を賛美するのに宗教的に利用されている。これほど耐えがたい侮辱はないと思う。もう一つの特徴は、靖国神社を被告にしたことである。第一回裁判は、二月二十二日行われる。これからも大きな支援を要請する。
 現場での闘いの報告として、東京・多摩市から日の丸君が代の強制に反対してきた女性教諭・根津公子さんから次の報告があった。
 私は、一年間の抗議闘争の中で、今が戦中だと思わざるをえない。この間、教育委員会・学校長など管理職の悪らつないやがらせ、三度の処分、別の中学への強制移動、「指導力不足教員」のレッテル貼りが行われた。なお東京都では、「指導力不足等教員」の要項は二〇〇一年度から正式に始まり、多くの教員が一方的に認定され、センター通いを強制され、現場には帰ってこれない状態だ。私が闘ってこれたのは、組合員、グループなどみんなが支えてくれたから。
 集会の最後に、各地区の日の丸・君が代強制反対のネットワーク(高槻、枚方、吹田、八尾、堺)から報告があり、各市教育委員会との団交、卒業式でのビラまき、集会など各地区における日の丸君が代反対の取りくみが報告された。
 集会後、中央郵便局までデモを行った。  (大阪N通信員)