2・9井上清先生をしのぶ会

 マルクス主義知識人の生きざま

 歴史学者の井上清先生が、昨年十一月二三日に八七歳で亡くなられたことは既報(本紙十二月一日号)であるが、去る二月九日・午後一時より、京都の「きよみず」において、四十名ほどが集まって「井上清先生をしのぶ会」がもたれた。この会場は、先生が力を傾けられた「憲法九条の会・京都」をはじめ、いくつかの会合を開いたことのあるゆかりの会館でもあった。

 主催は、京都の市民運動家など呼びかけ人有志。その呼びかけ文では、先生の特長を次のように紹介している。「先生は亡くなる直前まで常に人々の中にいて、自壊した社会主義諸国を反省しながら、『マルクス主義はあんなものじゃない』と語り、マルクスの思想の復権を志していました。そこには、『日本のインテリゲンチャーかく生きるべし』という主義者としての生き方を貫かれ、そのことに多くのファンと先生の信条を共にせんとする人々が周りに集まられたと想っています。」

 会は、生前の講演をテープで聞き、献花、未亡人の井上初江さんのあいさつの後、参加者一同からは生前の井上先生との数々の思い出がなつかしく語られた。

 亡くなるまでマルクス主義者として人民運動と共に歩まれた井上先生の果たした役割は、マルクス主義学者・文化人が少なくなる中で大きなものがあった。ここに改めて、井上先生のご冥福を祈る。

                 (京都M通信員)