野宿者立法

  全国から11・16緊急国会行動

  公明党は駆け引きを止めよ

  自立支援法早期制定を

 十一月十六日、「ホームレス自立支援法」の今国会成立が政党間の駆け引きによって困難になった事態に抗議し、支援法の早期成立を求めて、全国各地から結集した野宿労働者と支援の仲間百五十名が、衆議院第二議員会館前に座り込んだ。呼びかけたのは「ホームレス自立支援法を臨時国会で制定しよう!11・16全国緊急国会行動実行委員会」。その構成は、特定非営利活動法人釜ヶ崎支援機構(釜ヶ崎NPO)、釜ヶ崎就労・生活保障制度の実現をめざす連絡会(釜ヶ崎反失連)、新宿野宿労働者の生活・就労保障を求める連絡会議(新宿連絡会)、池袋野宿者連絡会、神奈川全県夜回り・パトロール交流会、特定非営利法人北九州ホームレス支援機構、野宿者・人権資料センター、特定非営利法人ささしま共生会、三多摩野宿者人権ネットワークである
 法案成立にブレーキがかかったのは、朝日新聞による法案成立に向けた自民・民主合意のリークをきっかけに、公明が話を聞いてないと横槍を入れ、強制排除のフリーハンドを警察に与えたいとする自治体サイドの一部の要求がこれに連動した等の為であった。
 これに対して実行委員会は、「私たちは、路上で呻吟する多くの人々の生命に関わる法案が政党の都合で先送りされることがあってはならないと考えます。また、公有地からの『排除』に力点を置き、『自立支援』という法案の性格を変更しようとする動きが出ていることにも反対します」との見解を持って、国会前での座り込みと厚生労働委員会の国会議員、各政党への要請行動を行うことにしたのである。
 座り込み集会が、午前十時頃から、新宿連絡会の本田さんの司会で始まった。まず民主党ホームレス問題ワーキングチーム事務局長の山井和則衆議院議員が忙しい中駆けつけ、日本の立法化の立ち遅れを指摘し「これ以上遅らせてはならない」と決意を明らかにした。
 ロビー活動派遣団が出発。拍手で送り出す。
 釜ヶ崎反失連の藤井さんが、「遊んで食わせろと言っているのではない。働かせろと言っている。新たな雇用を創り出さない限り野宿者は減らない。自立支援法を成立させ、仲間のリハビリ、職業訓練、リサイクル産業などを創れと言いたい」と発言。釜ヶ崎反失連の松本さんも、「『仕事をして生活を作っていきたい』というのが労働者の原則だ。シェルターを作ればいいというものではない。」と指摘。
 神奈川全県夜回り・パトロール交流会、三多摩野宿者人権ネットワーク、池袋野宿者連絡会から、法案の早期成立を求める発言が続いた。
 最後に新宿連絡会の笠井さんが発言。「『やねと仕事』の総合施策を勝ち取ることが大切。我々の団結がある限り『排除』といった行政のよこしまな考えは打ち砕くことが出来る。おそれる必要はない。仕事をし、地域で生き生きと生活できるシステムを勝ち取ろう」とアピールした。
 午後に入って、法案の早期成立を求めた請願署名を、十月五日提出の二万人分に加え、更に二万人分を提出。ビラまき活動を展開。三時頃、座り込み行動を終了。全国に散会した。(東京M通信員)