日の丸・君が代

大阪教育合同などの闘いが勝利

  デッチ上げ告発暴露さる


本年三月の大阪・豊中市西丘小学校の卒業式で、司会をしていた教頭が「国歌斉唱、起立」の指示を出した直後、背後でマイクに向い「日の丸・君が代に抗議します」と発言し、教諭のKさんが静かに退場した。このためKさんは、四月十八日、豊中市教育委員会の浅利敬一郎教育長によって、「威力業務妨害」で豊中警察に刑事告発された。加えて担任からおろされ、校内の雑務をさせられる状態がつづいていた。
 大阪教育合同労組(Kさんは教育合同豊中支部書記長)は、七月七日に浅利敬一郎を称号詐称で告発していた。実は四月十八日の刑事告発時、豊中市教委幹部が同席し、刑事告発は市教委によるもので、教育長が告発者との発言があった。ところが、Kさんの刑事告発取下げの闘いの中で、地域での市民の団体「Kさんの人権を守る会」が公文書開示請求を行ったところ、そのような公文書は存在しないこと、浅利は私人として告発したこと、市教委としての機関決定はしていないこと、教育長の肩書を使い私印を押した告発状を豊中署に提出していた事が判明した。
 この事実はマスコミにも大きく報道され、浅利は告発状に私印を押した事を認めた。デッチ上げのウソ発言の上に、組合の交渉の中で、「教育委員会として告訴したので取下げない」と、ずっとウソで塗りかためてきたのである。
 九月七日、前述の浅利の軽犯罪法での称号詐称について不起訴処分にしたとの連絡が組合にあり、その中から、Kさんへの刑事告発は「外形的事実はあるが、威力とまでは言えない」との理由で、不起訴処分にした事がわかった。Kさんは担任業務に復帰した。
 Kさんの刑事告発に対する闘いは、地域の「Kさんの人権を守る会」と大阪ユニオンネットワークを中心に取組まれ、6・22豊中市教への抗議行動など、本紙でも既に報告した取組みが行われてきた。「日の丸・君が代」に対する反対運動の学校現場での弾圧、更にこの間、「指導力不足」「不適格」等のレッテルをはっての現場からの闘う教師の排除等にも連なる攻撃との闘いだった。告発の破産は、サンケイビルへの抗議の形での扶桑社教科書の採択に反対する闘い(前号)等と結び付いて闘い抜かれてきた成果である。
 まだ行政処分等も予想され、油断はできないが、「Kさんの人権を守る会」は十月十三日、告発の取下げとKさんを担任にもどすことの運動目標をひとまず達成したとして、「勝利」報告集会を開いた。「日の丸・君が代」強制反対の闘いを更に強めていこう。
(大阪S通信員)