関西新空港

9・30泉州現地行動 空港内でも闘争

 11月反空港全国ネット結成へ


 九月三十日午後一時より、大阪府泉南市の関西新空港を真っ正面に見る岡田浦浜にて、「関西新空港反対闘争・泉州現地集会」が、「泉州沖に空港をつくらせない住民連絡会」主催で開催された。集会には、バス「勝利号」で大衆決起した釜ヶ崎日雇労組を柱に約一二〇名が参加した。
 集会は住民連絡会の阿部さんの司会で進められ、住民連絡会の代表・名渡山さんが主催者あいさつを行った。「関西新空港島の地盤沈下は今でも収まらない。島はすでに海抜2m、八月下旬の台風では、とうとう空港島の一部が冠水、乗客は一晩、空港島に泊まらざるを得ない事がおきている。『止水壁』工事と、護岸のかさあげ工事と、『超金食い事業』は収まる事をしらない。いまや二期工事を始めた事により、借金を返すのがやっとの経営になっている。陸上飛行が目論まれ、約束されたものは全て反故(ほご)にされ、強行されている。今回の米国での事件により、空港が軍事支援・軍事目標になり得る事がクローズアップされた。住民連絡会は、このような関西新空港にあくまで反対していくため、この十一月には『反空港全国ネットワーク』の結成を計画している。全国の仲間と共に闘っていきたい」と、述べた。
 住民連絡会のメンバーであり、地元地区の市会議員を担う泉南市議の小山さん、泉大津市議の高橋さんが各々、関西新空港がウソで固められた空港であること、地元自治体は関西新空港の破綻のアオリで赤字に転落している事を報告した。続いて、連帯のメッセージの代読に入り、三里塚・芝山連合空港反対同盟から六月の東峰神社の立木伐採強行への抗議、秋の試験飛行・来年四月供用開始と進む暫定滑走路反対の闘いのアピールが紹介された。新社会党からのアピール紹介のあと、共闘・連帯のあいさつに移った。
 まず釜日労の藤井さんが、「野営闘争の成果による九月よりの就労拡大に対し、国の予算がないと、府市は具体的回答をさけている。大阪市は東アジア競技大会に四十億、敗けたオリンピック招致の後始末にまだ十億の金を使うという。米軍への思いやり予算は六千七百億円といわれる。五%越えた失業率の中、全国で既に五万といわれる野宿者全体に生活保護をかけても十一年分の額といわれている。法律にも決まっていないのに調査と称してインド洋に、イージス艦を派遣することを企てている。戦争する法律より、野宿者自立支援の法律を!」と訴えた。
 関西三里塚闘争に連帯する会の渡辺さんは、「三里塚で暫定滑走路建設阻止に向け、試験飛行阻止、供用開始反対の闘いが進められている。秋の『反空港全国ネット』の立ちあがりを是非成功させ、全国の津々浦々から反空港の運動を広げていこう」と訴えた。 その後、労働者共闘、石垣島・白保に空港をつくらせない住民連絡会の栄さんと、あいさつが続き、最後に当日の基調報告を住民連絡会が読み上げた。
 集会途中より雨足が早くなったが、皆精一杯がんばり、その後空港へ向けたデモに移った。空港島前「りんくうタウン」まで、雨の中をデモを行った。そのあと「勝利号」に乗り込み空港連絡橋を走り、空港内に部隊で登場した。あわてて後をつける、府警や空港建設の妨害にも屈せず、ターミナルを歩き、二期工事の開始状況の現地視察を大胆に行った。
 恒例の春秋の現地集会だが、今年は米国での事件のあと、飛行場がクローズアップされる中で闘われた事、十一月に住民連絡会自身の手により全国へ「反空港全国ネットワーク」が呼びかけられている。関空が軍事併用されていくのは必至であり、是非とも十一月二十三〜二十四日の反空港・全国ネットワークを成功させるため、共に頑張ろう。(大阪S通信員)