9・2

個人情報保護法案をぶっ飛ばせ!2001人集会

  保護するのは権力保有情報


継続審議の「個人情報保護法案」が今秋の国会で成立する危険が高まっている。九月二日、これを阻止すべく「個人情報保護法案をぶっ飛ばせ!2001人集会」が東京・日比谷野音で開かれ、六時間にも及ぶ討論やイベントに常時一千人近くが参加した。主催は、出版・表現に関わる諸団体・諸労組などによる集会実行委員会。
政府・与党は、この法案はプライバシー保護の流れであり、表現の自由に関わっては報道機関等には適用除外があるので問題ないとしている。
9・2集会は、これに反撃し、法案に反対する最初の大きな共同行動となった。そして「第一に法案は、新聞・テレビ・通信・出版などに遵守すべき行動指針をはめ、個々人の表現活動にはさらに厳しい義務規定を課すことによって、報道・出版の自由、思想・表現の自由をゆがめ」、「第二に、個人に関わる情報をもっとも大量に保有し、使用している公権力のすべてを法の対象外とし、個人が自己の情報にアクセスし、訂正や削除や利用停止を求める権利を奪っている。諸個人をふくむ民間事業者に強制される行動指針や義務規定が、なぜ公権力には求められないのか。」として、その廃案を求めた。
政府側の言によると、「コンピュータに一千名程度以上の名簿あるいは個人データを蓄積するものは、すべて『個人情報取扱事業者』になる」ともしており、この個人情報保護法案は、インターネット時代に支配方法を対応させんとする策動の一つとみることができる。
プライバシー保護の方はどうするのか。9・2集会は「本来あるべき個人情報保護の原理」として、公権力が持つ自己の個人情報についての諸権利、個人情報取扱についての公権力と民間での同一の原則・義務規定の必要などを提起している。
この法案を巡って考えるべき点は多いが、ともかく廃案へ世論を盛り上げることが先決だ。(東京W通信員)