6・9関西共同行動20周年記念集会開かる

  平和と民衆主体の21世紀を!


六月九日午後一時より、大阪市・港区民センターの大ホールにて「関西共同行動二十周年記念集会」が約二百名の参加で行なわれた。本集会は、四月に「反差別、人権運動と平和」「地域平和運動、歴史認識と平和」、五月に「国際NGOと平和」とこの間取り組んできたテーマについて三回の「意見交換会」を重ねて来ての、メイン集会であった。
関西共同行動は八一年六月に、「六・一五安保をつぶせ・日韓連帯・反徴兵・改憲阻止集会」を共同して開くことから始まった。七十年安保後の運動の停滞期に、六月安保闘争の再度の取り組みを共同行動スタイルで重ねてきた。さらに「第三世界フォーラム」「敗戦五十周年」企画等の大きな集いを、環境問題や差別問題、平和運動に取り組む数十の関西の市民団体と結んで作り上げる一方、九十年代に入り、反派兵、反改憲を軸に一貫した共同闘争組織として活動してきた。
集会は、三橋さんの司会で始まり、開会のあいさつを、良心的軍事費拒否の会で共同行動の中心である和田喜太郎さんが、「反安保の闘いを、反トマホーク・反核運動や反公害運動との結びつき、さらに『共同行動』という形で発展させてきた。この地平を二十一世紀の闘いに発展させていこう」と述べた。
連帯あいさつとして、おおさかユニオンネットワークから全港湾の馬場徳夫さん、カソリック運動体「平和の手」より西尾正二さん、さらに箕面市議の牧野直子さんが、共に闘っていこうと述べた。
記念講演に移った。講師は埼玉大学名誉教授で、『豊かさとは何か』(岩波)の著者である 峻淑子さん。 峻淑子さんはまず、自らの著書を引用した「公民」教科書で、生活保護の法的問題を述べた部分が全文削除になった事件を取り上げ、教科書会社はおりてしまったが、一人で三年間訴え続け、局長答弁の誤りを認めさせ、厚生省・文部省の謝罪を勝ちとり教科書に文章が全面復活した自らの闘いを紹介し、失敗や敗北しても継続して闘っていく中で勝つことの大事さを訴えた。
また、現憲法の制定過程について詳細に触れ、民間草案の意味や、現憲法の重要性・特長に触れ、改憲の動向への警鐘と二十一世紀の平和を創るための憲法の意味について話した。
会はその後、石垣島・白保大阪の会の栄篤志さんによる三線と唄の披露のあと、関西共同行動を語るとして、反公害住民のひろばの古橋雅夫さんが、反公害運動と共同行動の結びつきと、一貫してニュースを担当してきた苦労を話した。箕面忠魂碑違憲訴訟の神坂玲子さんが、忠魂碑は平和に真っ向から反対するものとしてそれと闘ったこと、平和は実現可能という思いを共有し、平和憲法へのこだわりを大事にしていきたいと述べた。生駒市の池田正枝さんが、五月の晴れた日に新憲法を子供たちに読み上げたこと、青年教師達が夏休みをかけカリキュラムを作った平和憲法への思いと、関西共同行動が普通の人々へそれを伝えていく努力をしてほしいと訴えた。

「戦争と国家中心の二十世紀から、平和と民衆主体の二十一世紀へ」との宣言文を東地奈緒美さんが提案、閉会あいさつを中北龍太郎弁護士が行なって閉会した。
参加者はその後、田中機械にある「地底旅行」に移動、第二部のレセプションで大いに交流を深めた。(関西S通信員)