三里塚

 ストップ! 暫定滑走路工事


運輸省・空港公団は、三里塚の暫定滑走路の「二〇〇二年初夏供用開始」を唱え、現地の天神峰・東峰地区において連日工事を行なっている。地区を工事用フェンスで囲い、住民を孤立状態に追い込もうとしている。
このような三里塚現地の工事強行に反対し、工事中止を求め、東峰・横堀住民等たたかう三里塚農民に連帯する秋の連続行動が取り組まれた。
十月二五日、東京・豊島区民センターで「ストップ!暫定滑走路、三里塚の大地をまもれ!10・25東京集会」が三里塚・暫定滑走路に反対する連絡会の主催で開かれ、約一五〇名の参加があった。
集会は、現地状況のスライドでの報告がなされ、十月八日に亡くなられた高木仁三郎さん(暫定滑走路反対の共同声明の中心の一人だった)への哀悼の意を表した。現地からの発言では、柳川秀夫さんが「工事をやらせないこと、滑走路の運用をさせないことを課題に長期戦で闘うしかない。いまだに巨大開発で発展しようとの発想に対し、三里塚よりこの発想を拒否し、どのように世の中を変えていくのかを発信していこう」と述べた。
東峰部落の石井紀子さんは「公団は説明と違うことを次々と行なってきている。『公共事業』の正体をあらためて感じた。生きていくために必要な緑、酸素、人のつながり、これらを確保し少しづつ増やして、言うことは言っていく」と発言した。熱田一さんのメッセージが、労闘−労活評現闘団の山崎さんにより読み上げられた。
つづいて十一月十二日、東京集会と同じ主催で、東峰の共同出荷場において現地行動が行なわれた。結集は約一六〇名。
反対同盟代表世話人の石井武さんが決意表明、「事業認定はすでに失効している。二十年前、横堀要塞にたてこもり、障害物を作った航空法違反ということで逮捕されたが、いま公団は東峰神社の立木という障害物があることがわかっていながら滑走路を作っている。法律を曲げているのは権力のほう。私たちは現地では少数になったが、全国では多数だ。わたしも癌になったが誇りをもって命あるかぎり共に闘いたい」と力強く表明した。
東峰団結小屋の岩村さんは、「早朝から重機が動きだしている。毎日の事だ。長く居続けると共に、反対の意志表示をし、日常的にもどう対処していくかを考えていこう」と呼びかけた。静岡空港はいらない県民会議の挨拶のあと、小屋追い出し策動が強まっている横堀団結小屋からデモの説明。
出発した現地デモは、大きく工事地区の周囲を回り、東峰十字路などではスクラムデモで抗議の意志を表わした。デモのあと出荷場の広場には、石井紀子さんらが作った冬瓜汁が待っていた。お腹を一杯にしたあと、みんなで紙の花を作りフェンスへ飾り付けた。
続いての交流会では、東水労青年女性部、駿台文学会、自主日本の会、関西三里塚闘争に連帯する会等が挨拶。三里塚の土地収用に反対する首都圏行動から、加瀬勉さんのアピールが紹介されると共に、横堀小屋明け渡し訴訟、成田治安立法訴訟への支援が呼びかけられた。
強行される暫定滑走路工事、とりわけ東峰神社の立木伐採や横堀小屋への道路工事強行など緊張が続いている。既成事実化をはねかえす支援の広がりを強めよう。
(首都圏H通信員・関西S通信員)