パレスチナ

   イスラエルは虐殺を止め、完全撤退せよ!

   不平等な「中東和平」は拒否


 九月二九日、イスラエルの右派リクード党が軍を引き連れて、イスラム寺院アクサを踏みにじったことへの抗議から始まった現在のパレスチナ人民の反イスラエル蜂起は、現在までに一五〇人近くが虐殺される犠牲を伴いながらも、今も頑強にたたかい続けられている。
 八十年代後半のインティファーダ(蜂起)に続く、現在のインティファーダは、九三年のオスロ合意(それに基づくパレスチナ暫定自治協定)以降の基本的問題性を全世界に明らかにし、また現在の最終地位交渉で何が達成されなければならないか、ということを示している。
 オスロ合意は、六七年第三次中東戦争でイスラエルが新たに占領した地域において、イスラエル軍が暫時撤退し、パレスチナ自治政府が樹立され、九九年四月までに占領地の最終地位を確定してパレスチナ国家が建国される、というものであった。
 しかしその具体的内容は、東エルサレムを対象占領地として明記せず、また六七年に西岸・ガザ地区から追い出されたパレスチナ難民の帰還を議題とするのみで、四八年第一次中東戦争以降(本来のパレスチナから)追い出された難民を除外し、またユダヤ人入植地に何の規制もないという、イスラエルに一方的に有利なものでしかなかった。
 当時、PLOのアラファト指導部はPLO左派の反対を無視して、この合意を結んだが、このように重大問題を先送りしたものであった。一方、イスラエルがここ七年間追求してきたことは、東エルサレムを永遠に支配し続けること、難民帰還を無視し続けること、入植地を拡大し続けたこと、以上である。これでは、今年七月、最終地位交渉が決裂したのも当然である。
 その決裂に対するイスラエルの返答が、アクサでの挑発であり、PLOとパレスチナ人民への武力攻撃であった。中東和平のこれまでの経過が、国連安保理の占領地撤退決議・難民帰還決議にも反する不平等なものであること、それが是正されなければ現在の紛争の本当の解決はないということが、現情勢のポイントである。
 したがって現在の危険は、パレスチナ自治政府が、アメリカの策動の下、イスラエルとの何らかの停戦合意を得ることを契機として、不当な内容の最終地位協定に調印することを強いられてしまう事態であると言えるだろう。
 たしかに現在の闘争で、イスラエル軍の武力の前にパレスチナ民衆が殺害されていく状況は悲惨であるが、中東和平が不当な形で決着が付けられてしまう事態はそれ以上に悲惨であると言えるだろう。イスラエルとアメリカは、パレスチナ国家といっても、文字通りイスラエルの植民地でしかないものを永久化しようとしているからである。
 現在の闘争には、首都としての東エルサレム、難民の帰還の権利、入植地の後退など当面の具体的目標がかかっている。パレスチナ人民の偉大な抵抗闘争は、当面それらを勝ち取るために続行されていくだろう。

 イスラエルは虐殺と侵略を止め、ただちに東エルサレムを含む占領地から完全撤退せよ!
 日本人民は、パレスチナ人民の正義のたたかいを熱烈に支持・支援しよう!  (W)