10・13小樽

 空母キティホーク入港に全道から抗議

 押し返せ軍港化


血塗られた米海軍第七艦隊空母「キティ・ホーク」が十月十三日午前七時、商業港小樽に入港した。三年前の「インディペンデンス」に続いて国内二度目の民間港への寄港である。それと同じく、函館港には給油艦「ラパハノック」が、そして、青森八戸には給兵艦「キスカ」がほぼ同時期に寄港した。それぞれが「友好、親善、休養」を名目としてである。
小樽においては、商工会を中心に歓迎委員会を結成し、事前に千歳空港から米軍連絡機で空母に乗船しての入港となったが、それはまさしく三年前の三六万人という「観光・見物客」をあてこんでのパフォーマンスであろうが、米軍にとっては願ったり叶ったりの行動であることは明白。特に三沢基地において、キティ・ホーク艦載機による夜間離着陸訓練(NLP)を強行して、三沢市から九月十八日友好関係を中断された経緯からいっても、まさしく「熱烈歓迎」行為であり、自らの利益以外顧みない恥ずべき行動として大いに批判されている現状である。
小樽市当局はどうだったか。三年前のインディぺンデンス出港後、当時の市長は、「今後も頻繁に入港があるとすればいかがなものか、前例としない」と不快感を表明していた経過も踏まえ、対応には「苦慮」した面もかいま見れる。特に、随伴艦「ビンセンス」の入港には、「断固拒否する」と主張し、湾水域への立ち入りも認めない「決断」をし、歓迎式典にも予定公務のためと称して地元にいることなく、出席を辞退したと言われている。また、米海軍が強行に求めていた見学時間午後七時までについても、「警備、安全性」の都合による市当局の主張を通し、午後四時にした等、それなりの「奮闘」があったようだが、核兵器廃絶平和都市宣言をしている小樽市民の理念は生かされていない。
ましてや折衷案として考えた訳でもないだろうが、それとも警察当局からのゴリ押しなのか、反対する団体のデモ行進経路が規制され、前回デモ行進した空母周辺には立ち入ることの出来ないコースに変更されてしまったことである。それこそ、表現の自由を奪うものとして断固糾弾されねばならない。
このような中、「キティ・ホーク」が三年前の教訓を生かし水路を手際よく入港してくる。海上ではヨコスカ平和船団の抗議ボート二隻が行く手を遮ろうとするが、海上保安庁の警備船に規制される。
そして、小樽勝納埠頭では連合・民主党・市民団体が主催する集会が開催された。全道から三〇〇〇名が結集し、周辺有事への布石が着々と進められて行くことへの脅威と、恒常的寄港が軍港化に慣れることへの警戒心を焚き付ける集会となった。既に六〇回目の米艦船寄港はそれを物語るものであり、そして、同時期に発表されたが、年内に米軍佐世保基地を母港とする強襲揚陸艦「エセックス」も小樽に入港する予定として報道されていることでも、それを裏付けるものである。
今回の同時期、同時入港の狙いは、自治体の都合におかまいなく入港するにあたっての対応を探ることが目的であろうし、三年前の「三六万人の歓迎」ではないが、市民の反応も調査することにあるものと考えられる。今回は「七万人」と言われる「見物人」となったようであるが、さて米軍のコメントは?
そう易々と都合よくはさせてはならない! 小樽市民も函館市民もそして、道民も怒っている。非核・平和条例運動が進められている地区を狙い撃ちにした攻撃として受け止め、闘い、運動は更に盛り上がっている。 (北海道M通信員)