金大中大統領の来日を問う9・22集会

  在野から南北共同宣言推進


 九月二二日、金大中大統領が来日し、翌二三〜二四日に熱海で首相森と首脳会談が行なわれた。会談では、内容が公表されないままの日韓投資協定交渉と「定住外国人」参政権問題などについて話し合われ、また金大中大統領より、日朝交渉の進展を促しつつ朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)への食糧支援の要請がなされた。
 この日韓首脳会談をにらんで「金大中大統領の来日を問う!9・22日韓連帯集会」が、東京・文京区民センターに約百名の参加で行なわれた。主催は、日韓民衆連帯全国ネットワークのよびかけによる実行委員会。
 集会は、メヒャンリ米軍基地撤去闘争のビデオ上映で始まり、主催者を代表して日韓ネット共同代表の渡辺健樹氏から基調提起。
 この後、韓国からのゲスト、民主主義民族統一全国連合のハン・チュンモック執行委員長から「南北首脳会談後の南北統一の動きと米軍撤退運動」という演題で講演が行なわれた。
 ハン・チュンモック氏は、6・15の南北共同宣言以降の韓国民衆運動の現況を次のように表明した。「韓国民衆の間では百日間の論議が行なわれている」「共同宣言には、ビックリしたし感激もした」「7・4共同宣言やノ・テウの南北基本合意書は、一週間もしないうちに反古にされたが、今回の共同宣言は反古にされないことを韓国民衆は確信している」とし、「運動をしている人さえも、ついていけないほど北に対する認識が急激に変わった」と述べた。
 そのうえでこれからの課題として、「共同宣言に対して金泳三や『朝鮮日報』は、背を向けたり汚す報道をしたりしている」「これらの勢力は決して無視することはできないが、逆戻りはできない趨勢にある。共同宣言を支持し、推進するプログラムを考えている」とし、共同宣言を支持し統一を実現する協議機関を計画していることを表明した。
 さらに駐韓米軍の撤収問題については、「撤収は平和統一の実現には欠かせない課題として、十月には反米平和文化祭の準備を進めている。駐韓米軍撤収の闘いは、青年・学生だけの闘いから労働者・地域住民の闘いに広がっている。メヒャンリと同じような闘いは各地にある」とし、また米軍犯罪に対する闘いは沖縄・日本の闘いと連帯し強化するとした。
 そして、金大中政権の内政、その評価について言及し、それは駐韓米軍の統一後の存続を認めていること、政権内部の腐敗は無くなっていないこと、民衆の生存権闘争を弾圧していること、これらのことから金大中政権は、統一を真に実現できる政権とは言えないとした。
 そのためにも、労働者・農民を主体として自主的統一を実現する民主政府の樹立のプログラムを作る、そのためには民衆の進歩的政党が必要である、それは民衆的であると共に民族的であり、自主的でなければならない、そのような国民政党ができれば南北が統一へ

確かに向かう、と表明した。
 これらの闘いと共に、とりわけ韓統連や韓総連がいまだに国家保安法によって利敵団体とされており、国家保安法撤廃の闘いが必要であると述べた。
 以上のように、ハン・チュンモック氏は6・15共同宣言以降の情勢と闘いのプログラムを具体的に報告した。
 次に登壇した郭洋春(カク・ヤンチュン)立教大学助教授は、金大中来日の柱でもある「日韓投資協定と日韓自由貿易圏構想」について講演。日韓投資協定は韓国にとってあまりにも無謀な試みで、日本資本主義にしか利益をもたらさない物であることを暴露し、更にこれは、北朝鮮をも巻き込むことになるだろうと言及した。
 日本の人民は、南北共同宣言を支持し、自主的平和統一の闘いに連帯しよう。日・韓・沖民衆連帯で米軍基地撤去を勝ちとろう。日韓投資協定に反対しよう。日朝国交正常化と日韓条約の見直しを実現しよう。(東京S通信員)