関西新空港反対9・17泉州現地集会

   沈む空港島に更に巨費


九月十七日、大阪府泉南市の岡田浦浜で、「陸上飛行・全体構想二期・軍事空港を許すな!関西新空港反対闘争=泉州現地集会が開催された。主催関は「泉州沖に空港をつくらせない住民連絡会」で、関西新空港を目前の浜辺に一五〇名が参加した。
関西新空港では、九八年十二月に「陸上飛行」が、約束を反故にして強行導入され、昨年七月には全体構想と称し二期工事が強行着工された所である。さらに七月の報道によれば、空港島は予測を越える大幅な地盤沈下が起きている。当初予測では「開港後五〇年かけて平均十一・五メートル沈んで沈下は収まる」とされ、諸施設はこの数値に合わせて設計された。ところが着工から一三年、開港からはや六年になる現在、既に大幅に予測値を越える所があり、しかも不等沈下が激しい結果となり、特に燃料タンク基地はひどくなっているという。中央部に位置するターミナルビルは、ジャッキにより水平がやっと保たれているが、既に地下室は水面下に位置し、いずれ地下水が染み出して使用不能になる恐れもあるといわれている。
ウソとデタラメで固められた関西新空港は、なりふりかまわず二七〇億円もの巨費を投じて緊急対策工事を冬から開始するという状態である。
集会は、まず住民連絡会の名渡山代表があいさつに立った。「新空港は既に五〇年分の沈下分が沈んでしまった。二期工事が強行され、陸上飛行も約束を破り始められたが、公共事業の見直しという情勢の中、ねばり強く闘い、ひっくり返していきたい」と、力強く訴えた。
続いて住民連絡会会員でもある泉南市議の小山広明さんが、「空港への南ルート連絡橋に予算がついた。北ルートは三割しか使われていない。その上に更に南ルートが持ち上げられている。無理な計画の結果が、地方自治体で大阪府が赤字ワーストワンに、泉南市は市の中でワースト4という結果になっている。この十月の四期目の泉南市議選に、改めて反空港を正面に掲げて改選に望みたい」と、決意を表明した。連帯メッセージが、三里塚・芝山連合空港反対同盟(熱田派)などから寄せられた。
続いて、支援・連帯の発言に移る。バス「勝利号」で八〇名の大結集をみせた釜ケ崎労組の藤井さんが、「府財政を喰う空港関連費用のため、真っ先にわりを食うのが高齢者であり、野宿労働者、失業者だ。地場産業もつぶされていく。釜ケ崎から高齢者障害者の失業対策、仕事保障の闘いをやり抜いていく」と、力強く発言があった。他に三里塚を支える会、侵略ストップ関西、西宮の竹林さん、そして関西三里塚闘争に連帯する会等から連帯の発言が続いた。
集会後は、岡田漁港から旧樽井浜(現在はりんくうタウンの一角で、埋め立てられペンペン草がはえている)まで、空港反対を訴え、デモが行われた。
大赤字を続けている関西新空港に対し、運輸省は八月、来年度概算要求で空港整備事業約一九八五億の中で四八五億円をつぎ込む計画である。一方で空港整備事業は2003年度からの第八次空港整備計画の中で、首都圏第三空港を東京湾内で候補地を選ぶことを含んでいる。
一方で第三空港を掲げながら、三里塚空港では、暫定滑走路建設を推進している。「二〇〇〇年度夏、併用開始」を唱え、昨年十二月に工事を着工し、今年四月には東峰部落住民の反対を無視し、工事用フェンス建設を強行してきた。横堀には空港関連施設「建設センター」建設と、そのための工事用道路建設のため、労活評団結小屋へ地主を使って明け渡しを要求してきている。更に小見川県道トンネル化工事のための市道通行止めなどの破壊を強めている。
三里塚では、このような政府−公団の攻撃に対し、九・五に「横堀団結小屋をまもるシンポ」が、「三里塚の土地収用を許さない首都圏行動」主催で行われた。さらに三里塚暫定滑走路反対秋期闘争として、三里塚・暫定滑走路に反対する連絡会が呼びかけ、十月二十五日(水)午後六時より、豊島区民ホールにて東京集会が、さらに十一月十二日(日)一時より、東峰現地の東峰出荷場前で現地集会・デモが呼びかけられている。
関西新空港の秋の現地集会に続き、三里塚、東京−現地集会を成功させよう。
  (関西S通信員)