9・3芝公園に1500    


 九月三日、東京・芝公園23号地で、「多民族共生の防災を考える9・3集会」が、多くの団体が参加する集会実行委員会の主催で開催された。開催時間の午後二時には、上空に自衛隊ヘリが飛び交う緊張感の中で、千五百名が結集し、集会場は熱気に包まれた。
 冒頭、呼びかけ人の一人である辛淑玉さんが発言し、前日行なわれた「多文化探検隊実行委員会」主催の「多文化共生防災実験」での国籍の違いを超えた協力が生まれてくる姿を紹介し、「三国人」発言に代表される石原都知事の民族排外主義の態度と防災に名を借りた自衛隊の治安出動訓練を厳しく批判した。
 継いで、日共、新社会党、社民党といった各政党、市民団体・労働組合、韓国やスリランカの人たち、阪神・淡路大震災ボランティア経験者など多様な立場から、防災に名を借りた治安出動訓練に対する批判が行われた。
 現在大規模な被災の渦中に在る三宅島の人たちをないがしろした「訓練」であること。関東大震災時のような朝鮮人虐殺を許してはならないこと。阪神・淡路大震災の際には多くの人が古い家屋の倒壊によって圧死しており、事後の自衛隊投入を震災対策の前面に押し出す行政のまやかしにだまされてはならないこと、等々の指摘があった。
 そして、午前中の各地域における監視・抗議行動の報告に入った。
 羽田空港で行動した仲間は、輸送機が自衛隊と福岡県警の部隊をのせて飛び立った様を、駒沢公園についても、公園にはほとんど自衛隊しかおらず、石原がヘリコプターで降り立ち、ジープで視察してまわり、あわただしく飛び立って行ったさまを報告した。練馬で行動した仲間は、第一師団の部隊が地下鉄に乗る際に展開した抗議行動について報告した。白髭で行動した仲間は、荒川や墨田などその一帯が在日韓国人の仲間が多く居住するところだと指摘し、抗議行動の報告と共に今後の闘いの重要性を訴えた。立川で行動した仲間は、ヘリコプターが数十機飛び立ったが、その中に攻撃用ヘリ(操縦士と機関砲士の二人しか乗れない)が数機含まれていたこと、輸送用ヘリも兵士を満載していたことなどを報告した。
 カンパ要請、集会アピールの後、宮崎学さんが発言し、自衛隊の治安出動の動きに対し、たたかう意志をこの集会で打ち固めることができたと総括した。集会後、参加者は東京駅近くの常盤橋公園までデモを貫徹した。(東京M通信員)