5・3憲法集会


五月三日、エル大阪で、「5・3憲法集会 私たちと憲法」が開かれ、約二〇〇人が参加した。憲法調査会の発足や、改憲論が新聞・マスコミで取り上げられ増加するなかで、憲法を生かしてゆく論議がなされた。
はじめに憲法学者で「憲法九条の会関西」世話人の澤野義一さんが、憲法調査会の動きについて報告した。改憲派の言う「現憲法は押し付けられたものである」とか、環境権がない、プライバシー権がないので「時代に合わなくなった」などは、現憲法の理念を徹底させ充実させればいいことであって改憲する必要はない、逆に憲法の持つ世界的意義を訴えていこう、と述べた。
次に俳優の天本英世さんの講演で、「『日本人への遺書』の本を出版しようとしたら、出版社からここは削ってくださいと求められ書けなかったのが、『天皇制批判』『君が代なんか歌うな』の部分」などの話があった。
続いてパネラー四人の話があった。沖縄読谷村出身の平安名(へんな)常徳さんは、「戦後も沖縄では、憲法が適用されてこなかった。現在、土地問題や基本的人権がないがしろにされているが、沖縄の状況を放置してきたことのツケだ」と指摘した。
在日中国人で指紋押捺拒否者である徐翠珍さんは、「憲法はアジアの人達の犠牲があって勝ち取られてきたものであり、アジアの人達がものを言う権利がある。『国民』と言う意識を考えなおし、多様な『住民』が交じり合ってお互いが尊重しあえる社会をめざそう」と訴えた。
「九条の会関西」の金子敏男さんは、平和憲法の意義を再確認し非暴力の実現をめざすことが大切である、と述べた。
労働者弁護団の森博行さんは、「規制緩和」の中で生存権・団結権が問題になっていることを指摘した。
最後に本多立太郎さんが、議会は信用できなくても国民投票では必ず改憲を阻止できる、そんな運動を展開しようと結んだ。 (関西H通信員)