4・29東京

     「昭和の日」も「みどりの日」もいらない


 四月二九日、東京・渋谷勤労福祉会館において、「昭和の日」も 「みどりの日」も 天皇賛美はいらない! 4・29集会が、「昭和の日」制定反対!「皇室外交」に異議あり!4・5月行動の主催で、百四十人の参加により開催された。
 集会では、民族問題研究者の太田昌国さんと「戦争と女性への暴力」日本ネットワークの松井やよりさんが講演した。
 太田さんは、支配者たちが、労働時間の短縮や内需拡大といった国際化時代の要請から祝日を増やし(五月四日の祝日化)ながらも、そうした中で四月二九日を「昭和の日」として国際化の中で弱まる日本国家の存立基盤に歯止めを打とうとしていること、それが今回の問題に限らず彼らの今日の行動パターンになっており、過去を反省して新しい時代を築いていこうとしている世界の大きな流れに逆行していると指摘した。
 松井さんは、アジア太平洋戦争中の女性への戦争犯罪を裁く女性国際戦犯法廷を現在準備している立場から、真相究明・被害者への補償とともに「加害者の処罰」が重要であり、多くの元皇軍兵士の「慰安婦」問題に対する反省の無い態度が最高責任の加害者・昭和天皇の処罰されなかったことと無関係でないこと、国内ではフェミニズムの運動においても天皇が個人的には「平和主義者」だった等々のいくつもの「神話」に守られていること、昭和天皇についての世界と日本国内の認識に大きなギャップがあること、そうした中で天皇を加害者として女性国際戦犯法廷に起訴することが検討されていること、などについて話された。
 いくつかの参加団体のアピールを受けた後、参加者は、人で溢れる渋谷の街頭に繰り出し、「昭和の日」制定反対をアピールしつつ宮下公園までのデモを行った。
                             (東京M通信員)

  

  4・29京都

     毎年問い続ける「天皇の戦争責任」


 四月二十九日、今年も京都府部落解放センターで「天皇の戦争責任を問い続ける4・29京都集会」が開かれ、約一八〇人が参加した。
主催は、部落解放同盟京都府連、京都「天皇制を問う」講座実など二三団体で組織する天皇制の強化を許さない京都実行委員会で、一九八七年から毎年、取り組んでいる。
 今年は、「終わらない『昭和』のもう一つの戦禍」│21世紀にもちこす環境破壊│と題して、環境監視研究所の中地重晴さんが講演した。中地さんは、日本近代国家成立期から富国強兵政策、二つの大戦、戦後高度経済成長の時代区分と、それぞれにおける様々な環境破壊を列挙するとともに、今日の日本をはじめ地球規模の環境問題の現状と特徴を報告し、最後に皇室は環境問題に理解があるのかと問い、皇室行事の植樹祭、海づくり大会を批判し、会場から拍手をあびた。
 つづいて、京都「天皇制を問う」講座実の千葉宜義さん(牧師)が、「昭和の日」制定を許さないとアピール、さらに今年十月一日京都で開かれる第20回豊かな海づくり大会に対して、日本キリスト教団洛陽教会牧師の府上征三さんが反対運動の取り組みを報告して閉会した。(京都M通信員)