BLUE AMBER(AMBER)


ラウンド カボションカット 11.00ct

BLUE AMBER(ブルー・アンバー)/和名 青琥珀/結晶系 非晶質/モース硬度 2.5/別名 レティナイト
琥珀は木の樹脂の化石で、ジェットやオパールの様な有機質由来の樹脂宝石です。産出地域によりピットアンバーとシーアンバーに分けられます。ピットアンバーで知られるのはドミニカやメキシコのアンバーで、シーアンバーはバルト海沿岸が有名です。日本では久慈の琥珀が知られていますが、日本最古の琥珀は千葉県の銚子で一億一千万年前の琥珀です。世界最古の琥珀はイギリスとシベリアで三億年前の琥珀が見つかっています。
琥珀の中には紫外線で青く蛍光するものがありますが、これは琥珀に含まれる不純物のためです。とても美しく希少性があるので通常の蛍光しない琥珀とは一線を画す価値が認められています。世界的に有名なのはドミニカ共和国のブルーアンバーですが、メキシコやロシア、インドネシア、ミャンマーそして日本など、中々お目に掛かる事はありませんが世界各国で確認されています。青色蛍光だけでなく青緑、緑、稀に虹色とあって、総称してブルーアンバーと呼ばれています。
ブルーアンバーの蛍光発光の原理は今だ謎が多いものの、近年概ね解明されました。前述の通り、蛍光発光の原因は琥珀に含まれている不純物のためですが、この不純物は隕石の衝突、火山の爆発などなんらかの気象条件や自然災害によって発生したと推察されています。そしてこの蛍光現象は表面が最も濃く、内部に向かうにつれて減少して行きます。
著名な産地であるドミニカ共和国のアンバーの他、中米、中南米のブルーアンバー(2〜3000万年前)を総称して「ユカタンブルーアンバー」、東ヨーロッパ産の針葉樹のブルーアンバー(9000万年前)は総称して「東欧州ブルーアンバー」とし、その他個別に産出した国名を冠して「○○アンバー」と呼んでいるようです。ビルマ(現ミャンマー)産の琥珀にはバーマイトの呼称があります。
ドミニカのブルーアンバー
スフィア 7.3mm 1.0ct
ドミニカ共和国産
フリーフォーム 10.00ct
ドミニカ共和国産
クリスタルクリアタイプのブルーアンバーで、蛍光はスカイブルーです。カットはラフですが、アンバーとしては地色と蛍光が高品質といえますね。
多少の内包物はありますが、準クリスタルクリアタイプでディープブルーの蛍光があります。こちらも高品質です。
ドミニカの琥珀は、絶滅樹種Hymenaea protera(ヒメナエア属ジャケツイバラ科)の広葉樹の樹脂が長い年月を経て化石化したもので、凡そ2〜3千万年前のものだと云われています。サンティアゴ・デ・ロス・カバリェロス(北部地域)とサントドミンゴ(東部)が主な産地です。
ドミニカのブルーアンバー
ラウンド カボションカット 11.00ct
ドミニカ共和国産
フリーフォーム 7.50ct
ドミニカ共和国
クリスタルクリアタイプで、蛍光はディープグリーンブルーです。
地色、質、フォームとバランスの取れたとても高品質のアンバーです。
絶滅樹種ヒメナエアの花弁と虫入りです。虫入りのブルーアンバーで、超レアだと思われます。蜂蜜色の地色にディープグリーンブルーの蛍光で、内部のグリッターが虹色に輝きます。イリスアンバー?Σヽ(゚Д゚; )ノ
凡そ2〜3千万年前の琥珀です。上手くいかなくて蛍光写真は保留中で。
ドミニカのブルーアンバー(ラフ/ノジュール)
ラフ 3.1g
ドミニカ ラ ブカラ産
ノジュール 8.5g
ドミニカ ロス カカオス産
マリーゴールドの様な濃い地色にディープグリーンブルーの蛍光です。
内部の状態が見える様に一部研磨してある琥珀原石です。判り難いですが、ディープブルーの蛍光です。
産地が特定されたアンバーは中々に珍しいのではないかと思われます。ロスカカオスの鉱山は首都サントドミンゴの西側にある鉱山で、ブカラはサンティアゴの北にある鉱山です。北部では他にラクンブレ、トカ、PaloQuemado鉱山はブカラに近い新産地だそうです。南東部ではバヤグアナ、サバナ デ ラマール等。
ミャンマーのバーマイト
オーバル ダブルカボションカット 3.88ct 
ミャンマー産
多少の内包物はありますが、準クリスタルクリアタイプで、蜂蜜色の地色にブルーの蛍光があります。上手く撮れなかったので蛍光写真は保留中。
バーマイトはビルマ(現ミャンマー)カチン州北部の奥地フーコン(フカワン)渓谷で産出される凡そ一億年前の琥珀です。生成時期は白亜紀だそうです。バーマイトと云えば赤と云われる様に、赤い琥珀が最も珍重され人気がありますが、ブルーアンバーの命とも云える青い蛍光は、赤い琥珀よりも蜂蜜色の琥珀の方が強いそうです。虎を初めとした野生動物の自然保護区でもあり、他の産地に比べて産出が少ないのが現状です。
インドネシアのブルーアンバー
ペア カボションカット 9.99ct
インドネシア スマトラ島ランプン州産
ラフ 38.4g
インドネシア 西スマトラ州プラウパンジャン産
ラフ 40ct
インドネシア 東カリマンタンBunyu島産
艶々としていて、良く磨かれた煙水晶の様な外観をしています。クリスタルクリアタイプで、蛍光はブルー。スマトラ島の南端に位置するランプンは、比較的新しい産地だそうです。
スマトラ島では他にパダンやジャンビなどの産地があります。
赤と黄色の二層構造で、蛍光はダークブルー。スマトラ島の中央に近い位置に在り、他には翡翠に似た緑色のスマトラアゲートが有名らしいですよ。
赤い地色で蛍光はダークブルー。
北カリマンタンに在り乍ら、東カリマンタン所属と云うw。コーパルもありますがちゃんとしたアンバーもあります。
インドネシア、スマトラ島で産出する凡そ1500〜2000万年前とも3〜5000万年前とも云われる琥珀です。インドネシアでは他にカリマンタン島(ボルネオ島)でブルーアンバーが産出しますが、スマトラの方が高品質らしいです。どちらの島も島全体の広範囲でアンバーが産出しますね。素晴しい土地だわ。


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