トータス砲のホームページに戻る

地球での姿

M78星雲やL77星からやってきたウルトラの戦士たちはそのままの姿では地球上に滞在することはできない。 したがって彼らは普段は地球人の姿で生活している。 とはいってもその方法は様々。それは大きく2つに分けることができる。

  1. 1人または複数の地球人と合体する。
  2. 地球人に変身する。

第2期ウルトラで1. の方法を取ったのは新マン・A・タロウ。2. の方法を取ったのはレオ。

1. の方法といっても3人とも印象はかなり異なる。その点を少し検証していきたい。

新マンは郷秀樹の体にのり移ることになる。 この部分は初代マンとハヤタの関係に似ているが、ハヤタの場合はウルトラマンと一緒になってから分離するまでのことを全く覚えていないが、 新マンと合体したとき郷の意識が甦った点が大きく異なる。 郷の姿のときは郷の意思が、新マンの時は新マンの意思が前面に出る。 (ちなみにウルトラマンと地球人が体を共有することになった後に2人が会話するのはウルトラシリーズでは「帰ってきた」の1話の終わりのシーンが初)

Aと北斗星司・南夕子の関係はのり移ったという印象はない。(2人一編にのり移るというのも変だし) とはいってもエースバリアなどの大技を使えば彼らの体にも(どちらかだけの場合もある)影響が出る。 逆を言えば北斗や夕子が怪我や病気をすればAも影響を受けるはずだ。 そういう意味でなんとも口では説明しにくいような関係だ。 しかし夕子が月に帰ると北斗の単独変身となり、その後は新マンと郷の関係と似た印象を受ける。

ただこうした関係は「同一化」を招くようだ。 「帰ってきた」49話での郷とミステラー星人(善)との会話は「宇宙人同士」というようなムードだし、 「A」35話ではAでなく北斗がゾフィーのことを「兄さん」といったりしている。 (それより前の14話ではウルトラ4兄弟のことを北斗は「Aの兄弟達」といっていたが)

ただこうした同化で影響されるのは地球人側だけではない。 「帰ってきた」37話で坂田兄妹が殺されたとき(郷だけでなく)新マンもかなり感情的になっている。 これは郷の影響だろう。(「復讐をしてやる!」というセリフを吐くのだ)

あと、2人の共通点でいうと郷と北斗は最終回で地球を去ることになる。 少し意外な気もするが後のウルトラシリーズで 宇宙人と体を共有したまま「地球人が」地球を去るというパターンは少ない。 「レオ」より後のTV作品を見ても「ザ☆ウルトラマン」でヒカリとジョーニアスは分離しているし、 「80」の矢的猛と星涼子は80とユリアンの変身した姿だし、 「ティガ」「ダイナ」「ガイア」はウルトラマン自身が宇宙人とはいえないし。

タロウの場合は1話を見てみるとウルトラの母が東光太郎にウルトラの命を与えたという印象。 つまりタロウと光太郎は別人ではなく、光太郎自身が変身能力を得たということ。 (24・25話でタロウがウルトラの国にいたときのペットが登場したり矛盾点もあるが)

1話の印象をさらに思いを強くするのが最終回である53話。 タロウと光太郎が別人だったら最終回での光太郎の行動は、ちょっと問題があると思う。 (ドラマ的な部分とは別に)タロウという人物を抹消したというような疑問も残るだろう。 さらにウルトラの母がその行動を肯定するのは理解ができなくなる。 息子の存在が抹消されるのを認める母親などはいるわけがない。 だが「能力」を捨てさらなる「向上」を目指したとすれば、光太郎やウルトラの母のことが全く理解できないわけではない。

おおとりゲンというのはレオの変身した姿だから同一人物だし、その設定を前面に出している。 (地球人に変身したのはセブン=ダンも同様) 「地球人と宇宙人の間にある溝」というのも特に初期は強く感じる。またゲンもその溝と葛藤しながら、「地球」で生きていこうとしている。

郷・北斗・光太郎は「地球人」だからあまりそういう印象は受けないが。 また宇宙人のゲンやダンだからこそ「地球は第2の故郷」というセリフも生きる。 他の人だと「第2じゃなくて1だろう!」と思わず突っ込みたくなる(笑)

・更新日:2011/03/19・ページ製作者:トータス砲