TOP  >  制度研からのお知らせ  >  中教審アピール

中教審アピール


「中教審」答申の学習・論議をおおいにすすめましょう。
 
 子ども・保護者・住民とともに生きる学校事務職員像とその制度の確立のために、全国の学校事務職員が学習し、“いま、なにをなすべきか”をおおいに論議すべき状況となりました。「中教審」の「今後の地方教育行政の在り方」答申、さらに最近の国=文部省の動きが、これからの学校と学校事務職員制度に大きな影響を与える、しかもかなりの危険性をはらんでいると言わざるを得ないからです。
 「地方分権」と財政構造改革を背景として、教育改革は、「市場化」「分権化」の方向に大きく踏み出し、「高度に競争的な教育制度によるストレスのため、子どもが発達の障害にさらされている」状況を打開するという国内外の世論・期待に応えるもの、とは言いがたい動きとなっています。
 「中教審」答申は、「保護者・住民に開かれた学校」や「住民ニーズ、住民への説明責任」等々、子ども・学校の「危機」打開の国民的世論、要求の高まりを一定反映した部分も有りますが、学校=校長の権限強化、地域の有力者による「学校評議員」制度など、国−文部省−都道府県教委の縦系列による上位下達の学校管理の徹底、そして、財源問題の縛りの中での教職員定数の「改善」=学校リストラ、などの危険性が多く指摘され、また、その進行も「財政破綻」の中、急速に進むことが危惧されているところです
 「30人学級」実現の世論の高まりの中で、教職員定数をめぐる文部省の「調査協力者会議」が発足するなど、定数問題をめぐる情勢が急展開をみせてきています。「中教審」答申では、「定数の弾力的運用」「地方への権限委譲」とともに、「学校事務・業務の共同実施」が提言され、「義務標準法」の改定も次期国会に予定されています。
 昨年末には、文部省から各県教委に、40人の「特別枠」で学校事務職員の「配置プラン要望」の調査がされました。「第6次教職員定数配置計画」の凍結が解除されず、学校事務職員定数160名程度の積み残しが放置されたままでのこの「調査」は、同時期に提出された一部学校事務職員団体による「事務指導主事」配置や「共同実施」の要望書との関係を憂慮せざる得ないものです。国・自治体の「財政危機・リストラ」の中、「共同実施」や「定数の弾力的運用」「非常勤職員の導入」等々、いま、学校事務職員が学校必置職なのかどうか、子どもの「生存・保護・発達・学習」のための学校に必要な職員なのかどうか、を明らかにすることが問われてきています。
 50年余、全国の学校事務職員の目標として掲げてきた全校配置、「学校教育法28条但し書き撤廃」の旗を降ろす動きも一部出てきています。「財政難」と「少子化」を錦の美旗にして、学校事務職員の論議を抜きに、教職員や保護者・住民との論議抜きに、永きにわたる学校事務職員配置の要求、運動の成果を取り崩してしまっていいのでしょうか。
 「制度研」の会員のみなさん、「子どものための学校事務」の読者のみなさん、そして、全国の学校事務職員のみなさん、「中教審」答申を読み、論議し、ともに子どものための学校と学校事務職員の在り方、制度について語り合い、共同の地歩を固め、歩もうではありませんか。
 
             1999年1月、全国学校事務職員制度研究会 代表 竹山トシエ