衆議院文部科学委員会2005年3月16日
衆議院文部科学委員会 2005年3月16日
○質問者 きょうは、法案の中の就学援助費についてお聞きをいたします。
経済的理由によって就学困難な児童生徒に学用品など就学援助費が出されているわけですね。
これも憲法二十六条と教育基本法の掲げる義務教育無償の原則、教育機会均等を実現するためのものであるということを、
私は前回の質問で確認させていただきました。
これまで国は、要保護、準要保護児童生徒に対する就学援助を行う自治体に対して予算の範囲内で補助を行ってきました。
そこで、まずお伺いします。予算措置をしてきた要保護、準要保護児童生徒の人数及び予算額をお示しください。
○銭谷政府参考人 平成十五年度におきまして、生活保護法による教育扶助を受けた要保護者は約十二万人でございます。
また、就学援助による準要保護者の数は約百十三万人でございます。
それから、要保護者に対する国庫補助は約六億円でございます。
それから、準要保護者に対する国庫補助は約百四十億円ということでございます。
○質問者 今回の改正によりまして、準要保護児童生徒に対する国からの補助がなくなるわけですよね。
人数にしまして九割以上です。今お示しの百十三万人が補助対象から外れるということになるわけですね。
自治体によっては、果たしてこれまでどおりの予算措置がなされるだろうか、極めて不安定になるのではないかと思われます。
そこで伺いたいのですが、市町村がこれまで行ってきた準要保護児童生徒に
対する就学援助を引き続き行わなければならないとする法的規定はございますか。
○銭谷政府参考人 準要保護者に対する市町村が行う就学援助の法的な根拠についてのお尋ねでございますけれども、
私ども、基本的には、学校教育法の第二十五条がそれに当たると考えております。
学校教育法第二十五条におきましては、「経済的理由によつて、就学困難と認められる学齢児童の保護者に対しては、
市町村は、必要な援助を与えなければならない。」ということで、
この学校教育法二十五条によりまして市町村に就学援助の実施義務を課しているところでございます。
○質問者 そういう根拠はあるという話ですが、しかし、就学援助法とか学校給食法にあります
「生活保護法第六条第二項に規定する要保護者に準ずる程度に困窮している者で政令で定めるもの」という準要保護規定が、
就学援助法とか学校給食法からなくなることになるんじゃありませんか。
そうなりますと、今御案内の学校教育法二十五条の就学困難者というのが、要保護に限定する、
そういう自治体も出てくるのではないかというふうに思われますが、
これは大臣、いかがでございましょうか。重要な問題です。では、どうぞ。
○銭谷政府参考人 学校教育法の第二十五条に基づきまして、各市町村におきましては、
これまでも、準要保護者を含めた地域の実情に応じた就学援助を行ってきたところでございます。
今回、準要保護者に対する就学援助に係る国庫補助が廃止、税源移譲されるわけでございますけれども、
私ども、学校教育法の趣旨を踏まえまして、今後とも市町村において実施をされるように、
市町村に対しては指導していきたいというふうに思っております。
○質問者 ここは重要なところでございますので、重ねて確認させていただきたいんです。
やはり、就学困難と認められる学齢児童の中には、これまでどおり要保護者と準要保護者を
対象としているということを私はきちんと大臣からも明言していただきたいと思いますが、
いかがでございますか。
○中山国務大臣 今回、準要保護者に対する国庫補助につきましては一般財源化されることになるわけでございますが、
学校教育法におきまして、就学援助の実施義務は市町村に課せられていること、
それから、準要保護者の認定は、従来どおり、地域の実情に応じて市町村の判断で行っていくこと、
財源につきましては、これは所得譲与税として税源移譲されるとともに、所要の事業費が地方財政計画に計上されて、
地方交付税を算定する際の基準財政需要額に算定されることになっておりまして、
市町村における事業が縮小することはない、このように考えております。