子どもの成長と学校づくり 〜学校の今日的課題と学校事務職員〜
講師 石井拓児さん(愛知教育大)
21世紀の現代を視る目で1950年代を捉え返すというテーマから講演に入った石井さん。
子どもの貧困などの困難がひろがる現代の学校で、私たちはどんな学校づくりをめざすのか? 石井さんは「学校づくりの復権」のために4つの問題提起をしました。 @父母・地域の学校参加の仕組みをつくり出す。 A教員と事務職員の協働の場面をどうつくり出すか。 B学校づくりと教育課程づくり、教育課程づくりにおける事務職員の役割発揮の場面 をつくり出す。 C子どもの参加の場面をつくり出す―子どもの権利条約の精神― どれひとつとっても大きな提案です。 |
教育活動と学校予算
名古屋市小学校事務職員
右の表示は、報告者の小学校の廊下にある戸棚に貼ってあります。
図工や生活科ですぐ使えるよう、材料や道具が入っています。こんな張り紙を見たら、わくわくしますね。 報告者の実践は、名古屋市では各学校にある「教材採択委員会」を活用しながら、 子どもや先生の顔が見える生きた予算運営の数々です。 予算の仕事で、こんなこともできるんだ!と思わせてくれる報告でした。とりくみは確実に拡がっています。 |
生徒へのアンケートから始めた予算関係掲示物の作成 島根県小学校事務職員
講演の中でも提起された「子どもの権利条約の精神にのっとった子どもの参加の場面をつくり出す」ことの、
具体的なとりくみの一つは「子どもアンケート」と言えると思います。
このとりくみは、アンケートをとったあと、その結果を子どもに返す方法が、見事です。 アンケートに書かれたことと、それへの回答を教室配置図に示したもの(左図)。 また、水道や電気の使用量、購入備品の紹介など、「学校のお金のこと」の掲示物は、 子どもが思わずひきつけられるようなビジュアルの工夫がいっぱいです。 この手間を惜しまない「作品」は、会場に所狭しと展示され、圧倒されました。 職員が子どもの前で話す「朝礼」も、子どもと直接声のやり取りができるチャンスとして活用し、 直接語りかけているそうです。 |
フクシマの子どもたちに学校事務職員ができること 福島県中学校事務職員
あの3・11の東京電力原発事故から3年。
事故とその影響を消し去ったかのように原発再稼働をすすめようとしているこの国に住み、 被災した人たちと同じ時間を生きている私たちは、フクシマの現状から目をそらしてはならないと改めて思います。 「震災関連死」がついに震災で直接亡くなった人の数を超えたという現実。 被災者・避難者への支援策の矛盾から困難に陥る人、 そして福島県内の子どもの甲状腺がん発症率が高いのに原発事故との因果関係は認められないとする大学病院。 報告者は、子どもが将来に不安を持って過ごさなければならない状況にあって、 学校事務職員がすべきことは被災者・避難者への支援制度を伝えることと、お金の心配がない学校づくり、と言います。 参加者からは「この話をみんなに伝えたい」という感想が多く寄せられました。 |