畢竟、ナチス・ドイツの軍装に見られる機能美と伝統美の融合の姿は数百年にわたる欧州軍装史上に達成された究極の成果のひとつであると言っても過言ではありますまい。１９１９年から１９４５年までの３０年にも満たない短い時代の中で、それは華開きました。機能美の中に息づく伝統的なエレガントさは、他に類例のない均整美に輝いています。

　世界中の軍装品蒐集家がこの時代の偉大な遺産に注目し、奇跡的に現存する実物の蒐集に多大の精力を傾注してきたのもむべなるかなであります。しかしかつての大戦から半世紀以上を閲した今日、それらの数は減少の一途を辿っており、精巧な贋物の跋扈とあいまって殆ど入手不可能なものも少なくありません。また真贋の区別は数十年来の蒐集家ですら困難な作業です。こうした現状を踏まえた時、信念に基づいて能う限り正確なレプリカを製作し適正な価格で頒布しようというSchmidt & Sohnの事業は、大変意義深いものであります。

　Schmidt & Sohn製のレプリカはそのフォルム、材質等、あらゆる面で、現在に於て追求可能な最高究極のレプリカを目指しており、その品質はご主人のドイツへの愛と尊敬によって保証されています。あるドイツの研究家は「氏のレプリカは数年使用すれば、私でも本物と区別することは困難であろう。」と賛嘆の声を上げたほどです。
　
　Schmidt & Sohnの工房は古都、京都にあります。ご主人のシュミット氏は永年にわたり、ナチス・ドイツの軍装を研究され、多くの実物の制服や制帽を収集されてきた方で、また日本国内外の最高レヴェルの研究家とも親しく、その求道者のような研究態度及び職人気質は、この古くて新しい街、京都にこそ相応しいものに思えます。Schmidt & Sohnのレプリカはわが国の誇りうる生きた文化の一端を担うものであると確信するものです。


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ヒトラードイツ研究家

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　後藤修一

親衛隊戦闘部隊（ＶＴ）大コート初期型 人形用･非売品
Schmidt & Sohn製