九州新幹線”つばめ” "リレーつばめ号"

 2004年3月13日九州新幹線が新八代ー鹿児島中央間で開業しました。それに伴って鹿児島本線の博多ー西鹿児島間を走っていたJR九州の看板特急つばめ号もその名を新幹線に譲り、新八代で新幹線に連絡するリレーつばめ号に生まれ変わりました。ここでは新幹線開業後の変化を見てみたいと思います。


 新幹線つばめ、リレーつばめ号は新八代で乗り換えになりますが、案内放送や行き先表示では両列車共に博多行き・鹿児島中央行きの直通列車であることを強調していました。新八代での乗り換えは同一ホームで行われるので苦にならず、僅か3分の乗り換え時間も短くは感じませんでした。

九州新幹線つばめ

○新幹線つばめにおける客室乗務員のグリーティングは乗務員室がある4号車(自由席)を中心に行われていました。

○新幹線の乗車時間は全区間で30分程度なので車内販売は行われませんが、車内では客室乗務員が「コンシェルジェ」と呼ぶ案内サービスをしています。

○リレーつばめ号のグリーン車では従来同様「キャンディサービス」が行われていますが、新幹線つばめでは新幹線が開業した3月13日にちなんで「3」の付く日にキャンディサービスが行われています。
04年9月時点では新幹線におけるキャンディサービスの実施が確認出来ましたが、その後廃止されたそうです。



4号車に設置された自動販売機
列車内の販売はこの4号車に設置された自動販売機だけになります。各駅共にホーム上に売店はありませんでした。



リレーつばめ号

グリーン車サービス

グリーン車では従来同様グリーン車専属の客室乗務員が乗務してグリーン車サービスが行われています。サービス内容も従来通りなので安心しました。

『客室乗務員によるグリーティング』


『グリーン車サービスのコーヒー』
新幹線つばめロゴ入りの専用紙コップを期待しましたが、04年9月の時点では汎用のものを使用していました。


『グリーン車サービスのコーヒー』
04年10月頃から従来のTSUBAMEデザインのカップに戻っています。

『グリーン車サービスの雑誌・新聞』
リレーつばめ号のグリーン車でもつばめ号同様に雑誌や新聞のサービスがあります。客室乗務員がお勧めするか、客室入口のパーテーションを兼ねた棚に置かれています。

『特急グリーン車ドリンクサービス引換券』
05年3月1日ダイヤ改正より九州内の特急グリーン車のドリンクサービスはドリンク引換券で行われるようになりました。

『DXグリーン席』
05年10月1日ダイヤ改正より従来のグリーン席よりワンランク上を行くDXグリーン席が登場しました。航空機ファーストクラス(一世代前)並みの快適空間の誕生です。
詳細はリレーつばめ号のDXグリーン席のページをご覧下さい。

『グリーン車サービスのコーヒー』
05年10月よりホットドリンク用カップに新デザインのものが導入され、順次切り替えられています。



車内販売

 車内販売はワゴンサービスにより行われています。ワゴン販売品は従来から弁当以外の大半はソニック号と共通でしたが、今回の新幹線開業時より車内販売メニュー自体もソニック号と共通化されました。

『つばめ弁当とグリーン車サービスのウーロン茶』
つばめ弁当は新幹線開業時に掛け紙のデザインが一新されました。
車販メニューには載っていませんが、積み込み駅弁は健在だそうです(久留米駅は除く)。

『サンドイッチとグリーン車サービスのコーヒー』
朝の時間帯では車販メニューには載っていないサンドイッチも売られていました。

『マンゴーシャーベット』
04年夏期限定販売のシャーベット。ソニックなどの列車でも取り扱われていました。

『豆乳飲料 八女抹茶』
ワゴンの中から豆乳飲料を見つけました。

 04年3月の車内販売メニューのソニック号との共通化により、『つばめワイン』、『焼酎 石の蔵から』、『明太チーズちくわ』などが姿を消しました。特に『つばめワイン』は最後まで残った「つばめデザイン」の商品だけに残念です。なお「焼酎 石の蔵から」はメニューには載っていないものの夏頃に復活しています。

『焼酎 石の蔵から』と『阿久根農業高校3年A組シリーズ豚味噌セット』
豚味噌は阿久根農業高校の実習の一環として製造販売がされている缶詰。つばめ時代にも車内販売されていた時期がありましたが、12月1日から販売が再開されました。焼酎との相性も抜群です。懐かしいTSUBAMEデザインの箸でいただきました。

『ボンサンクのヴィンテージショコラ』
04年12月から05年2月末までの冬季限定商品。
コーヒーはグリーン車サービスですが、カップは10月頃より従来からのTSUBAMEデザインに戻りました。

『お楽しみアイス』
05年1月のお楽しみアイスは「抹茶」でした。(メニュー上はアイスクリームとだけ表記されているだけですが、従来通りバニラ以外にもう1種類のアイスが売られています。)

『鮎屋三代』
焼き鮎からとった出汁で炊き込んだごはんの上に鮎の甘露煮がのった八代の駅弁です。
九州新幹線開業後に客室乗務員が九州横断特急に乗務するようになってからは従来からの積み込み弁当以外に人吉や熊本の駅弁もリレーつばめに積み込まれるようになりました。

05年4月1日からメニューが新しくなり、新幹線開業以降ソニック号と共通であったメニューがリレーつばめ号単独の形になりました。また時期不詳ですが、つばめ弁当の掛け紙が新幹線開業以前のデザインのものに戻りました。

『バウムクーヘン』
スイーツがこれまでのベークドチーズケーキからバウムクーヘンに変更となりました。割安なコーヒーセットもあります。
バウムクーヘンはソニック号、かもめ号、九州横断特急号にも積み込まれています。

『黒田苑(芋焼酎)と明太チーズちくわ』
焼酎はこれまでの「石の倉から」に替わって「黒田苑」(メニュー上は田苑黒と表記)が登場しました。缶入りですがキリッと冷えているのでそのままサラリと飲めました。
新幹線開業時に姿を消した「明太チーズちくわ」が復活しました。

『わかぼたん(清酒)とさきいか』
九州は水がいいからでしょうか。焼酎だけでなく日本酒もおいしくいただけました。

05年10月1日からメニューが新版に切り替わりました。メニューはほとんど変わりありませんが、「つばめ弁当」がパッケージこそ新幹線開業前のデザインですが、中身が大幅に変更されました。

『ホットコーヒーとバウムクーヘン』
05年4月より登場したバウムクーヘンも05年10月より登場の新デザインカップに入れられたホットコーヒーと組み合わせると新鮮に見えます。

『つばめ弁当』
列車限定の「つばめ弁当」が大幅にリニューアルされました。
掛け紙こそ新幹線開業前のグリーン車一般席モケット柄に戻りましたが、 薩摩冷しゃぶサラダごま風味や、博多筑前煮、川内胡瓜と砂ずりの酢の物、熊本高菜巻きなど、沿線の特産品が多く取り入れられています。

『りんごシャーベット』
九州の学校給食のアイスで有名な熊本弘乳舎のりんごシャーベットです。通常バニラアイスとお楽しみアイスの2種が楽しめるのですが、乗車した列車ではシャーベットのみの販売でした。

06年4月25日からメニューが新版に切り替わりました。メニューはティータイムを中心に若干変更されました。

『ホットコーヒーと芋のボーロ』
メニュー上のSWEETSがバウムクーヘンから芋ボーロ「さつまの味 古代の詩」に替わりました。

『ホットコーヒーとベークドチーズケーキ』
メニューには載っていませんが、ベークドチーズケーキがありました。以前とはパッケージが違います。

『ホットコーヒーと黒糖ボーロ』
ワゴンには芋ボーロの姉妹品「黒糖ボーロ」も積まれていました。

『ホットコーヒーと肥後太鼓』
お土産品として売られている「肥後太鼓」の単品売りがありました。

『ビールセット』
ビールセットのおつまみに「ちくわ」が加わりましたので、明太チーズちくわとの組み合わせも可能になりました。

『お楽しみアイス』
新幹線開業後のメニューからしばらくの間「お楽しみアイス」の文字はありませんでしたが(アイス自体は2種販売)、久しぶりに掲載されています。06年夏期限定アイスは「デコポンシャーベット」。

 特急つばめで東シナ海や八代海の海岸線を見ながらビュフェで過ごしたひとときも今や思い出になってしまいました。特急つばめで2時間10分を要していた八代ー鹿児島間を九州新幹線つばめでは僅か35分で矢のごとく走り抜けます。当たり前の事ですが、鉄道本来の使命は移動手段のための道具であるので、この時間短縮は大変画期的な出来事でありました。九州新幹線の全線開通である博多開業の折りには新幹線”つばめ”の名にふさわしいグリーン車の連結や、車内販売を実現させ、JR九州の看板列車としてのハード面、更にはソフト面のサービスが今以上に充実した列車になることを期待します。


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