新春ライナーが走っていた頃


新名古屋行き”新春ライナー”

 かつての名鉄では正月になると今とは違って豊川稲荷輸送に力を入れていました。
 ダイヤも全線で豊川稲荷輸送を中心にした正月運行体制に切り替わり、各方面から30分おきに臨時特急が運転されていました。
 臨時特急は座席指定ですが、昭和57年の白帯特急車や昭和63年のパノラマSuperが登場以降もP6一般車が充当されてきました。 しかし、平成2年10月の一部指定特急登場後の最初のシーズンとなる平成3年正月からパノラマカー一般車は「新春ライナー」という新種別で活躍しました。
 この新春ライナーは「座席指定車はパノラマカー白帯車以上を使用するように」という運輸局の指導があったものの、正月シーズン中の車両不足を補うための苦肉の策で生み出されたものでした。 この頃の特急座席指定料金は310円でしたが、新春ライナーは200円の座席確保券を必要とするということで特急よりもワンランク下の位置づけがされました。 しかし、特急の座席指定券同様にオンラインによる席番の指定が行われていたので実質的には料金が安くなった以外は従来の座席指定特急と変わりありませんでした。

『横サボ』
先頭車両前位部の札差しには「新春ライナー」の横サボが入れられました。

知立
7045編成
新春ライナーの前面種別表示は系統板を使用するため、逆富士板の種別表示は使用しません。自動標板の場合は白幕表示にしますが、7045編成では白幕表示が無いため、当初「座席指定」表示で代用していましたが、後に種別表示窓の内側に白紙を貼って対応しました。

豊川稲荷
オフシーズンは閑散とした豊川稲荷のホームも初詣シーズンはかなりの賑わいをみせます。

豊川稲荷
3763F特急
新春ライナーが運転された最初のシーズンは国府ー豊川稲荷間にHL車使用の全車一般席特急が走りました。

豊川稲荷駅



 新春ライナーはその後パノラマSuperの増備に伴う白帯車の余剰編成が年々豊川特急に入るようになり平成5年の正月シーズンを最後に消滅しました。この新春ライナーが消滅したことでパノラマカー一般車による運賃以外の特別料金が必要となる有料列車運用も終了しました。


  • 名鉄パノラマカーTOPページへ