列車供食事情3−2

小田急ロマンスカー50000形VSE車
シートサービスとロマンスカーカフェ


ロマンスカーカフェでのティータイム

 2005年3月19日小田急ロマンスカー50000形VSE車が運転を開始しました。VSE車では走る喫茶室の廃止以降ワゴンサービスのみであった車内販売が大幅に見直され、シートサービスの復活、ガラス製オリジナルカップ使用によるドリンク類の販売、飲食可能なロマンスカーカフェの新設など新ロマンスカーの登場に相応しい充実したサービスが展開されています。

『記念乗車証』と『キャンディ』
車内では日付入りの乗車証明書が配られました。またロマンスカーカフェにはキャンディが置かれていました。

『プレミアムコーヒー』と『ロマンスカーサブレ』
プレミアムコーヒーはVSE車専用メニューです。ロマンスカーサブレもおいしいのですが、このコーヒーに合ったケーキ等のデザートが欲しいところです。

『紅茶』
紅茶もこのようにオリジナルカップでいただくとかつての「走る喫茶室」時代を思い出させてくれます。クールケーキが食べたくなりました。

『オレンジジュース』
コールドドリンク類はロマンスカーのロゴは入っていませんが、ガラス製のグラスで提供されました。

『さくら餅(日本茶付き)』
さくら餅は04年のひなまつりシーズンに販売されましたが、05年もVSE車運転開始と同時に再登場しました。VSE車のオリジナルカップでいただく日本茶がなかなかでした。

『やわらかヒレカツサンドとコーヒー』
走る喫茶室時代からの伝統的な軽食はカツサンドです。現在サンドイッチは3種類用意されています。コーヒーや紅茶もはサンドイッチとセットの場合お手頃価格で提供されます(プレミアムコーヒーは除く)。写真の普通のコーヒーもVSE車ではコーヒーマシーンから入れています。

『ロマンスカーVSE弁当』
VSE形の弁当箱は運転室から後が蓋になっています。中身はロマンスカー弁当04年夏バージョン(HiSE車)に似ていますが、車内を上から見ているので車輪を模った肉団子は入っていません。

『「銀座 大増」花の舞(日本茶付き)』
「銀座 大増」予約専用弁当です。花の舞ということで、混ぜご飯が花の形を模っています。日本茶もVSE車ではオリジナルカップで提供されます。

『「銀座 大増」春の味覚弁当(日本茶付き)』
05年春の期間限定弁当です。九州川内の「べっぴんさん弁当」に似た盛り付けですが、こちらは桜の塩漬けをポイントに春の味覚らしく、桜ご飯を中心にした幕の内弁当に仕上がっています。

『スーパーニッカ』と『おつまみアソート』
スーパーニッカのラベルには05年3月現在ロマンスカーの写真は入っていませんが、近い将来VSE車の写真入りラベルになることでしょう。
おつまみアソートは柿ピー、さきいか、味付きするめの3種が入っています。

『シーバスリーガル』と『ポークジャーキー(曽我の梅味)』


『ロマンスカーワイン』と『ミックスサンド』
ロマンスカーワインのラベルは05年4月現在はHiSE車です。ワインに合いそうなおつまみが無いのでサンドイッチをつまみました。

『生ビール』と『笹かまぼこ』
生ビールは残念ながらガラス製のグラスではなく、従来同様のプラ製容器で提供されました。生ビールもガラス製のグラスやジョッキで提供されるとさらにおいしくいただけるものと思います。

『VSEデビュー記念缶ビール』と『おにぎり弁当』
VSEデビュー記念缶ビールは「おにぎり弁当」と一緒にいただきました。

『小田原牧場アイスクリーム』
05年SPRINGメニューの小田原牧場アイスクリームは「ミルク」と「いちご」でした。写真は「いちご」。

生ビールカクテル『ロマンスビア』
04年Xマスメニューで期間限定販売された生ビールカクテルの内、リンゴジュースで割った「ロマンスビア」のみが05年夏頃よりVSE限定メニューに加えられました。容器はプラ製カクテルグラスで提供されました。

『ロマンスカー・VSEクリスマスセット』
05年12月3日から25日までロマンスカーVSE弁当箱にお菓子が詰められた車内限定販売のクリスマスセットが販売されました。

『オリジナルワインセット』
ロマンスカー・VSEクリスマスセットと同時にワインセットも販売されました。

『小田原清水甘納豆(日本茶付き)』
季節のお菓子は04年のひなまつりイベント以降季節ごとに様々なお菓子を楽しむことが出来ました。06年SPRINGメニューでは小田原清水甘納豆が登場しました。

『オレンジシャーベット』
オレンジを刳り抜いて作られたシャーベットです。

『プチサンド』
プチサンドと一緒に注文したのはVSEの裏メニュー「生ビールカクテル」。


供食以外のVSE車の特色
○補助警報の復活
 かつて補助警報(ピーポー音)は小田急ロマンスカーのシンボルとして小田急沿線のどこでも聞くことが出来ましたが、騒音問題の影響で昭和40年代後半に多摩川以東が、そして昭和50年代前半に御殿場線以外の全線で鳴らさなくなりました。それでも小田急ロマンスカーのシンボルとしてRSE車までは搭載されてきましたが、EXE車では採用されず、90年代後半に全車撤去され消滅しました(NSE車は撤去されずに廃車)。
 今回のVSE車ではRSE車以来久しぶりに補助警報が搭載されました。走行中に鳴らすことは無いと思われますが、営業運転の出発時にワンコーラスだけ鳴らすようになりました。新宿・町田・小田原・箱根湯本の各駅では名鉄8000系北アルプス号やパノラマDXのように発車時に補助警報音を聞くことが出来ます。
 VSE車の補助警報音が収録されたビデオ(新宿発車と前面展望)はこちらをご覧下さい。
○運転士による車内アナウンス
 航空機では飛行中に機長の挨拶がありますが、VSE車では運転士による挨拶を兼ねた案内放送が行われています(下り新宿・上り小田原)。
○キャンディサービス
JR九州のリレーつばめグリーン車やゆふいんの森号では「旅の思い出に」とキャンディサービスがありますが、VSE車でもキャンディがロマンスカーアテンダントから配られます。


VSE車運転開始1周年記念キャンペーン

06年3月18日から4月9日まで運転開始1周年を記念したイベントが各種行われました。
1.新宿駅における記念撮影サービス
2.小田急オリジナル箱根ロマンス新聞1面への写真掲載サービス
3.ロマンスカーCMソングのCDプレゼント
4.3月19日にVSE乗車の人への特別記念品プレゼント
5.オリジナル着信音のプレゼント
6.4月9日はこね23号限定の「アニバーサリープレミアムフレンチランチ」の予約販売

記念ステッカーの貼付と補助警報吹奏の拡大
このキャンペーンに合わせてVSE車の正面と側面ロゴマーク部には「1st ANNIVERSARY」のステッカーが貼付されました。
またこれまで出発時に1フレーズのみ吹奏してきた補助警報を3月19日より出発時だけでなく入線時にもそれぞれ2フレーズづつ吹奏するようになりました。
入線時の吹奏を外で見ているとまるで真っ白な名鉄パノラマカーが近づいてくるような大迫力サウンドを味わえます。

入線時吹奏ビデオに差し替え!
06年4月撮影の補助警報2フレーズ吹奏による新宿入線時のビデオはこちらをクリックして下さい。

『プレミアムコーヒー』
VSE車限定メニューのプレミアムコーヒーもすっかりお馴染みになりました。

『生ビールカクテル ロマンスビア』
VSE車限定メニューの「生ビールカクテル ロマンスビア」はメニューには掲載されていない”裏メニュー”ですが、運転開始1周年記念キャンペーン時も健在でした。

VSE車ブルーリボン賞受賞記念キャンペーン

鉄道友の会の「ブルーリボン賞」は前年度登場した新車に対して会員の投票により最優秀な車両に贈られる賞ですが、2006年度は小田急ロマンスカーVSE車が見事選ばれました。
授賞式は9月10日に行われましたが、それを記念したキャンペーンが行われました。
1.ロマンスカー特急券&箱根フリーパスプレゼント
2.歴代ロマンスカー写真パネル展
3.記念乗車証の配布

前面中央部には小ぶりの受賞記念シールが貼られました。

側面ロゴマーク横にロゴマークのサイズに合わせた受賞記念シールが貼られました。

『ロマンスカーVSE弁当』
まずはロマンスカーVSE弁当でブルーリボン賞受賞を祝ってみました。

『季節のお菓子セット 日本茶付き』
秋のお菓子は小田原清水甘納豆の「栗甘納豆」

『紅茶』
ロマンスカーと言えば「走る喫茶室」。やはり紅茶でしょうか。

『生ビールカクテル ロマンスビア』
VSE車限定の裏メニュー「生ビールカクテル ロマンスビア」をロマンスカーカフェで楽しんでみました。
生ビールカクテルは04年Xマスの限定メニューでしたが、こうして裏メニューとして販売可能なのはアップルジュースと生ビールがメニューにあるからなのでしょう。

2006 クリスマス

これまでクリスマスシーズンにはカクテルの販売などを行ってきましたが、2005年のVSE登場後は若干趣向が変わりました。
2005年は「ロマンスカー・VSEクリスマスセット」と題されたお菓子の詰め合わせでしたが、2006年はグッズが中心の「ロマンスカー・クリスマスセット」が販売されました。

「ロマンスカー・クリスマスセット」
クリスマスセットはVSE車のイラストが描かれた袋に入れられています。

「ロマンスカー・クリスマスセット」
HiSE車の弁当箱やLSE車の玩具、VSE車のポストカードやお菓子が入っています。

追加乗車次第随時更新!
 VSE車は車体デザインの斬新さだけに止まらず、居住性や供食関係までもが総合的にグレードアップされました。これだけ良くなれば箱根の旅というよりも鉄道の旅自体がより一層楽しいものになると確信しました。反面、従来車とのサービス格差が大きくなり過ぎているようにも感じます。同じ料理でも器を換えれば味も変わるだけに、従来車でもガラス製オリジナルカップを使用したシートサービスをぜひ行って欲しいものです(VSE車運転開始時点で従来車はワゴン販売)。特にRSE車(20000形)使用のスーパーシートでは特急料金以外に特別料金が必要ですが、VSE車運転開始現在ドリンク類は従来通りの紙コップとプラ製カップで提供されており解せないものがあります。スーパーシートだけでも早急に改善してもらいたいものです(RSE車登場時はスーパーシート専用の陶器のカップ類が用意されていました)。
 今後も新メニュー開発など小田急ロマンスカーから目が離せない状態になりました。

  • 列車供食事情3−4 小田急ロマンスカーVSE車運転開始1周年記念 アニバーサリープレミアムフレンチランチのページへ
  • 列車供食事情3 小田急ロマンスカーへ