列車供食事情10

JR九州 あそBOY


あそBOYは外観から室内、更には車内販売に至るまでの全てがウエスタン調です。

 「あそBOY号」は矢岳に静態保存してあった58654蒸気機関車を復元し、1988年8月28日より運転を開始しました。 客車は50系客車をウエスタン調に改造した専用車両が使用され、2号車に設けられた「カフェテリア」ではウエスタン調の制服を着た客室乗務員が飲食物やグッズ類を販売してきました。しかし機関車が老朽化したことで引退することとなり、SL列車としては05年8月28日が最後の運転となりました。

『オハ50−701』
「あそBOY」の客車は50系から改造されました。2号車のオハ50−701にはカフェテリアが設けられています。カウンター側の窓は埋められていますが、通路側の窓は固定窓になっています。

『あそBOY号車内』
肘掛にも白カバーが付けられ、ウエスタン調の車内には高級感が漂います。座席モケットが赤色であればまさに2等車といった感じです。


『カフェテリア』
100系新幹線のカフェテリア廃止以降は「あそBOY」が時刻表上で日本唯一(最後)のカフェテリア表示列車でした。

『カフェテリアのメニュー』
手書きのメニューがいい感じです。

『ピザとホットコーヒー』
ピザはソーセージとシーフードの2種がありました。電子レンジ調整品とはいえ、ホットミールが提供されることはうれしいものです。

『バドワイザーとポップコーン』
あそBOYはウエスタン調だけにビールもアメリカンです。


『フランクフルト』
ビールが進みます!


 あそBOYの「カフェテリア」はゆふいんの森T世号(03年3月)や100系新幹線(03年9月)から「カフェテリア」が消えたことで日本の鉄道では唯一の「カフェテリア」を名乗る車両でした。「カフェテリア」自体は300系新幹線のサービスコーナーのようなカウンター販売の売店ですが、JR九州らしく独自の車内販売が展開されていました。特にメニューの中にはホットミールがある事はかなり貴重な存在です。
 「SLあそBOY」は阿蘇観光の代名詞と言うべく平成以後の阿蘇鉄道観光に大きく寄与してきました。それだけにSLあそBOY廃止後も肥薩線で成功したような新観光列車を走らせ、阿蘇の鉄道が乗るだけでも楽しい観光鉄道に再びなることを願うばかりです。


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