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ある少女の異常な愛情

 

 

〜Kana〜

『それじゃあ、そろそろ終わりにしましょうか。』

伸びてくる手、どんなに逃れようとしても出来なかった。
ただ、それがもたらす効果に反応するしかなかったのだ。
そして、最後の時が・・・・・・

「うわぁあああああああああ」

ゴツッ

「ったあ、・・・・あれ? ここは、どこ?」

「っつう、それで、わたしは誰? とでも言うつもり?」

「えっ」

ゴスッ
突然投げかけられた言葉に反応して横を向くと、
誰かに頭を殴られた。

「いたっ、なにす、って、何だ夏樹か、」

「私だから納得するってのが何か気になるけど、具合はどう?」

「え、えーと、頭が痛い。」

そう言うと、何故かあきれたような怒っているような、複雑な顔になった。

「それはもういい。」

「あのさ、」

「何?」

まだ怒っている。
ちょっとしたジョークなのに。

「何で私はここにいるの?」

「はぁ、私が運んだからに決まってるでしょ。」

「ふーん、って、私これでも体重けっこうあるよ。」

「だから、誰が抱えてきたのよ、ストレッチャーを使ったの。」

「ストレッチャーって、大げさな。」

「だってさ、何度叩いても気が付かないし、後がつかえてたから。」

一応、心配してくれてるのかな?
でも、

「もしかして、全身が痛いのって、あなたの所為?」

「それは、まあ、あの、ねぇ?」

やっぱりだ。

「まあ、ここまで連れて来てくれたのは感謝するけど。」

「それはどう致しまして。」

「あのさ、今日私を倒したのって、夏樹、あなたに関係ある人?」

「何で、そう思ったの?」

「なんか、似てたから、あなたと。」

「そう、」

私の考えはたぶん、当たっている、と思う。
でも、それならば、今思い出したのだけれど、
あの人しかいないんだ。

「あ、ごめん、やっぱりいいわ。」

「どうせ、分かってるんでしょ。」

「・・・・・ええ。」

「ふぅ、まあ、今日の事は忘れた方がいいよ。」

夏樹は、無理に笑って言う。
でも、私は、

「私は、忘れないよ。」

「えっ、でも、」

「私は、忘れない、だって、あんな事されたんだから、ちゃんとお返ししないとね。」

「あんたは、」

「もちろん、あなたにもね。」

「よく言うよ。」



〜???〜

私は、無駄に広い校舎の誰も入らないであろう倉庫に、誰かと一緒にいた。
そこは、かび臭く、周りに人影が無い。
一緒にいるのは私と同じ年頃の少女、全裸で足を前に投げ出して荒い息をついている。
私の方はもっと酷く、息も絶え絶えといった感じで倒れそうに上を仰ぎ見ている。
床が汚くなくて助かった、そうでなければ大変な事になっていただろう。
その床を這うように、私ともう一人の少女は近づいていった。
既に勝者が決まっている勝負を終わらせる為に。
そして、最後に私が倒れて・・・・

目が覚めると、そこは私が最も良く知っている場所、ようするに私の部屋だ。
夢を見ていた気がするけど、何の夢かは思い出せない。
ただ、ひとつ言える事は、あの時から、何度も見てきた夢だという事。
もう、ほとんど思い出せないけれど。

「起きた? そろそろ準備しなさいよ。」

「はーい。」

今日で、この見慣れた部屋とはお別れだ。
親の都合で、この住み慣れた町を離れる事になった。
当然、学校も変わる。
さあ、準備をしよう。
今日は、今までの友達に最後の挨拶をしなきゃいけないから。



〜Natuki〜

「はぁ、あ、ああ、ぁあああああああああ」

目の前で、一人の少女が仰け反り倒れる。
弱くはない、ただ、私に勝てるほど強くも無い。
簡単な事だ、少なくとも、慣れた人間にとっては。
最近は、いい練習代も見つかった事だし、こんなのじゃ物足りなくなってきている。
っと、考え事をしてたら試合は終わってた。
圧勝、当然の事だけど。
さて、シャワーでも浴びようか。
少し汚れちゃった。


シャワーを浴びて、今日は朝からだったし、時間はまだある。
ここにはちょっとしたトレーニング用の機械は置いてあるから、
少し使っていこう。
加奈でも誘って。

「と、いう訳で、行きましょう。」

「ふぇ、」

突然のことで目を白黒させている加奈を引きずり、トレーニング場にやってきた。

「いつも思うんだけど、こんなとこだけは無茶苦茶りっぱよね、ここ。」

「こう言っちゃなんだけど、それだけ私達がお金になる、って事よ。」

本当にいろいろな機械がある。
ここなら、ちょっとしたスポーツジムでも出来そうなぐらいだ。

「しかし、よく考えたらこれ、意味あるのかな。」

「どうしたの?」

「だってさ、私たちは筋肉が付きすぎたらいけないじゃない、素人ってわけで。」

「何を言いたいのか良くわかんないけど、たぶんそうじゃない?」

「なのに、何でこんな物があるの?」

「確かにね、でも、ここのは大体が脂肪を落とすための物みたいよ。」

「あ、確かに。」

「つまり、太ったらやせろ、と」

「あの人らしいわ、ほんとに。」

それでも、それなりに汗を流し、もう一度シャワーを浴びないといけなくなった。
そのシャワー中、

「そういえば、夏樹、私のクラスに今度転校生が来るらしいよ。」

「ふーん、こんな中途半端な時にね。」

「確かに、テストも近いしね。」

「それで?」

「今はそれだけ。」

大して意味も無いおしゃべり、そして、さっきのトレーニング室の話題の時、

「しかし、ここも、広いよね。」

「ここって、ああ、シャワー室ね。」

確かに、このシャワー室は広い。
それぞれに仕切りがついていて、外から見えないようになってるけど、それにしても広い。
部屋が、じゃない、区切られた1つの空間が、だ。

「そ、無いと困るけど、こんなに広いとね。」

「ここは、キャットファイトを撮るための場所でもあるから。」

「そうなの?」

加奈は始めて知ったのか、意外と驚いたようだ。

「いろいろとね、ストーリーの為にも必要なのよ。」

「ストーリーって、ここのは台本なしの演技なしじゃ?」

「台本も演技もないってのは本当、でもこんな所があるのは、大人の事情ってやつよ。」

「ふーん、って何でこっちに来てるの?」

「そんな話をしてたらさ、」

今までは適当だったけど、確かに、こんなのもいいかな。
場所や状況から考えると、部活が終わった後二人で、ってとこかな。

「やりたくなった。」

「って何、っくう、」

「油断したね、いつもなら何でもないはずだけど?」

私は加奈に後ろから覆い被さるようにして抱きつき、そのアソコへと手を這わした。
既にシャワーの湯で微かに朱く染まっていた肌が、更に朱くなってゆく。

「いきなりなんて、卑怯よ。」

「いいじゃない、普通にやっても同じじゃない。」

「じゃあ、やってみる。」

加奈が、始めて会った時とは別人のように怪しく笑う。
大分、染まってきたみたい。
でも、私に真正面から勝つつもりだとは、まだまだね。

「それじゃあ、やりましょうか。」

「望む所よ。」

向き合い、その手をお互いのアソコに触れさせる。

「泣いても、知らないよ。」

「今日は、勝つから。」

ゴングは必要ない、それは、互いに分かっている。
始まりの時でさえも。

「・・・・っく、ぅあ、あ、」

「どうしたの、どうして何もしないの。」

「っ、さっき散々したからね、ハンデよ、ハンデ。」

「後でどうなっても知らないよ。」

「あなたがねっ、う、」

分は経ってないが、さっき私がした時間と同じくらいの時間が流れた。
そろそろ、いい頃だろう。
反撃開始だ。

「っあ、やっと、やる気になったんだ。」

「っつう、まあ、あんた程度でも長くされると危ないからね。」

「へぇ、っく、あぅ、素直じゃん、っぅう」

加奈もなかなかやるようになったみたいだ。
耐えるのが意外と辛い。
そして何より未だに流れ続けるシャワーだ。
こんなシチュエーションもいいな、と止めなかったのだが、
これが、何ていうか気が散る。
私達二人のちょうど間に水流が来るような位置にあり、
私たちは少し離れているので顔にこそ直接かからないが、
その飛沫がうっとうしい。
ま、見た目はいいんだけどね。

「さあ、っくあ、そろそろ降参した方がいいんじゃない。」

加奈の挑発、でも、本人は言葉とは裏腹に苦しそうだ。

「本当に余裕なら、そんな事言わないの、そろそろきついんじゃないの?」

「そんな事、っああ、ふぁ、ああ、あうん、」

「あ、あん、なんか、ここ、これはシャワーのお湯じゃ無いよね。」

「っう、そう言う、ぅあ、夏樹こそ、洪水じゃない。」

「あたり前よ、あなたにこれを教えたの、私なんだから。」

ザアザアというシャワーの音にまぎれて、いつもの音は聞こえない。
でも、湯気の中、いつもとは違った良さがあるのも事実だ。
私達は、供に顔を真っ赤に染めて、そして互いをイカそうとしている。

「ふぁ、ああっ、あん、ああ、ああん、っくぁあ、ぅあああ、」

その勝負に、先に音を上げたのは、やはり加奈だった。
私も寸前だったが、経験の差だろうか、加奈のその手が私から離れる。

「はぁ、はぁ、今回も、私の勝ちね。」

「はぁ、はぁ、はぁ、っく」

「こんなになって、そうだ、私が洗ってあげましょうか。」

私は、シャワーをとって、その勢いを強め、加奈に問い掛ける。

「・・・・・・・」

反応は無い。
それはしてもいいって事なんだろう。
そう決まっている、昔から。
そして、それは私と加奈が真っ赤に茹で上がるまで続いた。



〜Kana〜

朝のHRの時間、先生が見知らぬ少女を連れて教室に入ってきた。
転校生と紹介された少女は、
見た感じ童顔気味だが、美少女の部類だろう。
髪を高い位置で二つにまとめている為、顔が大きく見えるのも童顔に見える理由の1つのようだ。

「始めまして、私は美月彩といます。」

先生に促され、自己紹介をする。
深くお辞儀をすると、その髪が前後に揺れ、まるで子犬みたいな仕草だ。

「それじゃあ、美月は、窓際の、あの空いている席につけ。」

それからは、いつもと同じ退屈な時間が過ぎていった。
放課後、

「ねぇ、」

「何?」

横を見ると、転校生、彩が立ってこちらを覗き込んでいた。

「あのさ、校内を案内してくれない。」

「いいけど、何で私なの?」

「んー、何となく。」

「何となくって、じゃあ、行きましょうか。」

簡単な説明を交えながら校内を行ったり来たりする。
この学校、建物自体が使いやすさを考えてあるらしく、教室間の移動には便利だ。
しかし、全ての部屋を案内するにはややこし過ぎる。
確かに、普段はすぐ移動できて便利な校舎でも、こんな時はうんざりする。

「ここで最後よ。」

「ありがとう、ところで、」

「加奈、何してんの?」

彩の声を遮って、いつもの声が聞こえる。
またか、と思ってそちらを向き、その名前を口に出す。

「夏樹」

「なつ・・き」

隣で彩が呆然と夏樹の方を見ている。

「彩ちゃん、どうした」

「高野・・・夏樹」

「え、何で、」

私は、「夏樹」と言っただけで、苗字は言ってない。
なのに、その苗字を知っていた。

「知り合い?」

そう夏樹に尋ねる。

「いや、知らないけど。」

「でも、名前知ってたよ?」

「何でだろうね。」

その間でも、彩は夏樹を睨み続けている。

「だから、あんたは誰?」

知らない相手に睨まれ続けるのはさすがに嫌なのか、夏樹が理由を聞いた。

「私を忘れたの。」

「忘れた、ってか知らない。」

夏樹はきっぱりと、自信を持って言う。

「これでも?」

そう言うや、束ねていた髪を解き後ろで1つに束ね直す。
しかし、髪の量が多い、あの犬みたいな髪型はこれだから出来たのか。
納得。

「んー、そういえば、そんなのがいたような。」

「思い出しなさいよ、1年前の夏休み、大阪で、」

「一年前、というと、ああ、あんた、ミズキ、」

どうやら思い当たったらしい。
でもミズキって、

「私は彩、美月は苗字。」

「そうそう、その美月、で、どうしたの。」

訂正する気はないようだ、それでこそ夏樹って感じだけど。

「どうしたの、じゃ無いでしょ、私に何をしたか忘れたの。」

「確か、あんたの彼女を盗ったんだっけ?」

「と・も・だ・ち」

夏樹の言った事をこれ以上無いほどきっぱりと訂正する。

「でもさ、友達って、あんな事」

「っと、久しぶりだし、二人きりでお話しましょうか。」

「って、ちょっと、」

夏樹すら引っ張る強引さ、もしかして大物なのかも。
ってちょっと、どこ行く気?
荷物は教室じゃないの?



〜Aya〜

「で、何でここなの?」

「ん、ここなら誰も来ないからね。」

夏樹に連れて来られたのは、彼女の家、金持ちだとは聞いていたけど、
予想以上だった。
そのお嬢様がどうしてこんなにひねくれたんだろう?

「それで、先ずは話を聞いてあげましょうか。」

偉そうに、だから私は夏樹が嫌いなんだ。

「そうだね、ここに連れてきたんだから、あの時の再戦でもする気でしょう?」

「それもいいかもね。」

とぼけても無駄だ、明らかにそのつもりだったはずだ。
でも、望む所だ。

「それじゃあ、私が勝ったら、加奈、だったっけ?もらうけど、いい?」

「いいよ、別に、あの時は私があなたから取ったしね。」

「それじゃあ、ルールはあの時と同じでいいよね。」

「いいよ、それじゃあ、用意しましょうか。」

私達は、服を脱いで、お互い何も身に付けてない状態になった。
一年ぶりなのに、ためらいも疑問も無いようだ。
でも、胸の辺りに殺気を感じるのはなぜ?

「私は準備できたけど、ミズキは?」

「だから、私は彩。」

こんな時でも相手を挑発するのを忘れない夏樹。
前は挑発にのってしまい負けたけど、今回はそうはいかない。

「さ、始めましょうか。」

そう言って夏樹はこちらに近寄ってきた。
そして、お互いに相手の目をじっと見つめながら、互いの大事な所を重ねるようにして床に座り込む。
しかし、まだそこをくっつけず、触れ合うギリギリの所で止めておく。

「最後に言っておくけど、後悔しないよね。」

「止めると言っても放さないくせに。」

私の手が自分の腰に回っているのをチラッと見て夏樹がとぼけたように答える。

「それじゃぁ、」

「ええ、」

どちらもゆっくりとそこを合わせる。
歯を食いしばり、腰を動かす。
自分も苦しいが、相手も同じだと自分に言い聞かせて粘る。

「くぅ、ふ、結構、粘るじゃない。」

「一年前と、ん、同じだと思わないで。」

互いに相手の体を掴んでいる為、どちらも逃げれない。
最初は互角だったけれど、次第に私の方が優位に立ってきた。

「ぅん、どうしたの、弱くなったんじゃ、」

「あ、あん、こっちは、うぅ、あんたと違って専門じゃないんだ。」

「じゃあ、」

私は緩くなっている夏樹の手を払いのけ、
夏樹の肩を掴んでいた右手をさっきまで自分の所と重なっていた所へと持っていった。

「これなら、得意でしょ。」

「余裕だね、でも、これで勝てると思ってるの?」

私が手を動かす前に、夏樹は素早くその手を動かし始めていた。
私が気付いた時には、もう、快感が全身を駆け抜けていた。

「ああ、っく、あん、あ、」

「分かった?私にこれで勝とうなんて、無駄な事よ。」

でも、勝算が無かった訳じゃない。
自分の意志とは無関係に口から出る声と、
思い通りに動かない身体を気合で何とかして、反撃に出る。

「っく、やるじゃない、んぅ、」

「うん、あ、美野里って憶えてる?」

「確か、ん、背の低い、っつ、ショートの娘でしょ。」

「いぃっ、ロングだよ、あぁ、その娘に何度もされたから、あなたがしたのと同じ事を。」

「そういえば、ぅん、あぁん、何度か可愛がってあげたっけ。」

「それを、うぁ、憶えてたみたい、んぅう、」

でも、思っていたよりも効いてない、一年前とは全然別人のようだ。
今まで考えていたよりもずっと手強い。

「そろそろ、いい頃かな。」

夏樹は私を押し倒すようにしてもたれかかって来た。
私は、もう大した力が出ない為、簡単に押し倒される。

「ああ、あん、あ、あふ、うん、」

こうなっては私には為す術が無い。
ただされるがままでいるしかない。

「相変わらず感じやすいね、ここも。」

「いやぁ、あ、やめて、やめてぇ、」

「嘘ばっかり、して欲しいんでしょ?」

夏樹の手や舌が私の体中を這い回る。
私の反応が強い所に重点をおいて愛撫し、抵抗する力や意思を奪っていく。
気付いたら、私の手が夏樹に揉まれていない方の胸へと伸び、それを揉みしだいていた。

「い、いい、イク、あ、あん、ああん、は、あふ、」

夏樹に私をすぐにイカせる気が無いのはもう分かっているし、
いつかはイクのだろうけど、それが待ちきれなくなった。
何より、夏樹に引き伸ばされているその結果を、私は狂おしい程に求めているのだから。
そして、私のもう一方の手は私のアソコへと伸びていた。


「で、あんたは一体何がしたかったわけ?」

目が覚めるなり不機嫌そうな顔の夏樹が問い掛けて来た。

「何がしたいって。」

「途中までは優勢だったのに、私が得意な方に変えるし、それに最後のは何?」

「それは・・・」

そう、何がしたかったんだろう。
最初は夏樹に私と同じ屈辱を与えるのが目的だった。
でも、いざ始めてみると、そんな事はどうでもよくなって、最後はあれだ。

「もしかしたら、私は負けたかったのかも。」

「何で?」

私の口からふと出た言葉を夏樹が問い返す。

「何でって、分からないけど。」

「ふーん、そうだ、」

夏樹が何やら思いついたようだけど、嫌な予感の方が強いような。

「ねぇ、いい所に連れてってあげようか。」

「いい所って?」

「いい所よ、じゃあ、日曜にね。」

「だから、」

「そうそう、もう暗いから、泊まってく?」

相変わらずの強引さで有無を言わさない夏樹。
こうなったらどうしようもない。

「電話、貸して。」

夏樹は私が差し出した手に電話を握らせ、服を着始める。
そういえば私も全裸だった。

「タオル使う?」

夏樹が部屋の端から聞いてくる。

「お願い。」

そして、着替えた私は家に電話をして、友達と偶然再会したから泊まると言って、電話を切った。
本当、いいかげんな親で助かった。

「終わった?」

「ありがと。」

「それじゃ、今夜は可愛がってあげようか?」

「どうせ、嫌がっても勝手にするんでしょ。」

「正解。」



〜Natuki〜

日曜日、約束通り彩を目的地に連れてきた。

「ねぇ、ここ、どこ?」

おまけの加奈が私に恐る恐る聞いてくる。

「ここはね、私達がよく言ってる所と同じ会社の建物よ。」

「同じ、ってここも?」

そう、目の前にあるのは私達が良く知っている形の建物。
でも、細かい所がいくらか違い、壁の色が違う。
何より、場所が全然違う。
都心から少し離れてるとはいえ、特に狭いわけでもない建物を2つも、
1つの会社が持っているとは、さすがに信じられなかっただろう。

「そう、これが全部で4つある建物の1つよ。」

面白いので駄目押しにもう一発。

「これが、4つも、」

「ちなみに、私達が行ってる所で行われてるのが、単純にキャットファイトって呼ばれていて、
 ここがレズファイト、次が格闘技系キャットファイト、最後は元締めよ。」

「あのさ、いい所って、ここ?」

今まで呆然としていた彩が初めて口を開いた。

「そうよ、あなたにピッタリ。」

「そう、かも。」

「それじゃあ、入りましょう。」

「でも、」

気分が乗ってきた所で水を差す加奈の一言。

「何よ?」

「入れるの?」

「私達は会員でしょ。」

「ここでもなの?」

まあ、もっともな質問だろう。

「会員登録は全部一緒なのよ、彩は私が申請しといたし、知らなかったの?」

「夏樹、そういうのは全部あなたがしてたじゃない。」

「そういえば、そうだったね、今度教えてあげるわ。」

二人を連れて中に入ると、見慣れた受け付けがあり、
ここではさすがに顔パスとはいかなかったので、受付を済まして奥へと向かった。

「彩、とりあえずこの部屋に入って、説明があるから、加奈、あんたも。」

「え、ちょっ、」

「私も?」

驚く2人を引っ張って部屋に入る。
そこには誰もおらず、私が直々に2人に説明をした。
その後、彩の名前が呼ばれ、彩の『そこ』での一戦目が始まった。

彩はそこで様々な人間と出会う。
三人が新しい道を歩き出し、
そして、三年の時が流れた。


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