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まゆみちゃん、ファイト!

 

 

 

まえがき

今回は、今までの何でもありのプロレスではなく、基本的に急所攻撃無しのルールが取られていたり、今までで最もキャラが似ていなかったりと、あまり受けが良くないかもしれません。それでもいいという方は、この先の文をお読みください。ついでに、胸は攻撃し放題です。

 


春が近いとはいえ、まだ寒い三月の初め、あるプロレス団体による試合が行われていた。
その第三試合、その時に、三嶋まゆみはそのリングに上がっていた。しかし、開始時間になっても対戦相手は現れず、軽い苛立ちと、ちょっとした安堵の入り混じった複雑な気持ちでいた。
いいかげん観客も騒ぎ出し、主催者側も一旦まゆみを戻らせ、繰り上げて試合を行う事に決めた。
それがまゆみにとっての悪夢の始まりだとは、少なくとも本人は気付いていなかった。


「全く、体調管理位ちゃんとやって欲しいわ」

不機嫌そうに控え室の椅子で愚痴を言い続けるまゆみ、相手が急に時期外れのインフルエンザで倒れ、待たされた観客の怒りを一身に受けていたからか、その怒りは尋常じゃない。

「本当に、これだからまだ遊び気分の抜け切ってない高校生は」

ちなみに、対戦相手は今17歳、顔は少し生意気そうだけど可愛く、身長は高い方、体格もそれなりの、そこそこ強い娘だ。

「あ、いたいた、三嶋まゆみさん、試合が決まりましたから、最後で、相手はフリーの選手で、16歳、試合経験や戦績は、あれ、抜け落ちてる、まあ、いっか、とりあえずそうなりましたから、前の試合が始まったら教えますので、しばらく休んで下さい」

突然入ってきたスタッフに、早口で言われ、しばらくポカンとしていたが、すぐに事の重大さに気が付いて、その顔色が青くなる。

「な、最後って、いいの? 私なんかがこんな大手のメインで?」

と、その団体では無く、大きな大会だから、違う団体から参加したまゆみ。規模も何もかもいつもと違って戸惑い、あせっている。

「ああ、大丈夫ですよ、いつも通りにしていただければ、その為の相手を選んだそうですから」

「え、いつも通りって、まさか、相手は強いの?」

「さあ、上の方が契約を考えてると聞いてますけど、あまり知りません」

「そう、ありがとう」

(うう〜、16だって聞いたから勝てるかもって思ったけど、もしかしたらやばいかも)

そう思い、置いて行った必要以上に詳しい資料を見る。

(うわ、全然負けてる)

名前は樋口未亜、そして、その身体は、細身であってもちゃんと出るところは必要以上に出てるし、さらさらのロングヘアーが腰まであって、白い肌を引き立たせている。更に、その顔、見方によっては童顔だが、大人っぽくも見える、万華鏡のように色を変える、どんな人でも否定出来ない美少女だ。

(綺麗な顔、プロレスやって傷が付いたらどうするんだろ)

ペラペラと紙をめくり、そこに記載された項目を見ていく。そうする内にたちまち時間は過ぎ、
そして、約三時間の後、まゆみの試合のゴングが鳴った。

「年下だからって、手加減はしないわよ」

リングに上がるなり、まゆみが言った言葉はこれだ。
普段は、標準以上の容姿や、童顔も手伝い、アイドルレスラー扱いのまゆみだが、見るからに格闘技とは縁の無さそうな可憐とでも言うべき未亜の前では完全にヒール扱いされている。
その上、散々客を待たせたのもその原因であるだろう。
だから、当然客の声援は未亜に行く、そしてまゆみにはブーイング、機嫌が悪くて言葉に棘が出ても、まあ当然の事だろう。

「はあ」

やる気満々でビシッと指差して来るまゆみに、あきれたような曖昧な苦笑いを浮かべるだけの未亜、ちなみに、そのリングコスチュームは紺のワンピース、スクール水着とどこか似てはいるが、素材は意外と薄く、まあ、そういうハプニングというか、それを期待している事がよく分かる。
そして、そんな事をしている間にゴングが鳴ったのだった。

「先手必勝!!」

その場でゴングとほぼ同時に放つまゆみのドロップキック、それが未亜の胸元に決まり、大きくよろめかせる、が、倒せはしなかった。

「っく」

とっさに胸元を庇った腕に受けた重い一撃に、僅かに顔をしかめる未亜、その隙にまゆみは立ち上がり、マットすれすれの足払い。

「うっ」

ガクン、と膝から崩れる未亜、まゆみはそれに追い討ちをかける。

「年下のくせに、こおんな大きな胸で、こおしてやるぅ」

未亜の顔に似合わない豊満な、とでも表現すべき胸を鷲掴みにする。どうでもいいが、まゆみが戦う相手には、『胸が大きい年下』が多いのは、まあ気のせいだろう。

「うう・・・・・」

その攻撃にされるがまま、顔をしかめて耐える未亜、観客の声援も、ここに来てやっとまゆみを応援するようになった。まあ、それは未亜の苦しむ姿と言うか、悶える?姿がもっと見たいからではあったが。
そんなされるがままの未亜の手が、まゆみの胸に伸びていた。

「な、まさか」

こんな美少女が、と一瞬考えかけるが、別に不思議でも何でもない事だと気付き、胸への攻撃に身構える。
しかし、その手が一瞬まゆみの胸を掴んだように見えた次の瞬間、滑ったように掴み損ねた。

「え」

それから何度か繰り返し、その度少しはまゆみの胸への攻撃になったが、掴んでいるわけでも揉んでいるわけでもないので、既に慣れたまゆみにとっては我慢するまでも無かった。
ただ、さすがに何度も繰り返していると、未亜の言わんとする事は推測できた。
簡単に言えば、まゆみの胸が『小さい』と言いたいのだろう。未亜の口元の笑みがそれを裏付けている。

「む、ちょっと大きいからって、調子に乗らないでよ」

後ろに素早く回りこんでのバックドロップ、更に胸を揉みながらフォールする。

「うぐ・・・・・ううん」

「どう、もう終わり?」

思ったよりも弱い未亜に安堵しつつも、早くもこのまま決めてしまいたいと思っているまゆみ。だが、開始して大した時間は経ってない。ここで終わらせるわけにはいかなかった。

「立て!!」

その髪の毛を掴んで無理やり立たせる。それにも呻くだけで、振り払おうとはしない。

「あうう」

「ふ、やぁ」

次はその胸にエルボーを立て続けに三発放つ。

「どうしたの、全然弱いじゃない」

「はぁ、はぁ、あと、三分」

「え、何か言った?」

「ふぅ、っく、やっ」

未亜のハイキック、だが、そんな見え見えの攻撃が通用するはずも無く、軽々と防御され、足を掴んで引き倒される。

「っつあ」

「高校ではちょっと強かったのかもしれないけど、本当のプロレスを教えてあげる」

そのまま片エビで責める。その時ついでに気付かれない様にその股間を触る事も忘れずに。

「・・・・っうう・・・・あ・・・・・ぐ・・・」

「どう、苦しい?」

「は、あっく」

「わっ、なんだ、やれば出来るじゃない」

何とか抜け出した未亜に、そう余裕を持って言う。

「・・・・・・あと、二分」

「だから、何を言ってるのよ」

そのまま素早く、未亜の胸を掌打で打つ。それだけでよろめいた未亜は、何度もの打撃の末、気が付けばロープギリギリにいた。

「あ!!」

「はあっ」

そこにまゆみのラリアートが未亜の細い首を襲う。

「あうぐ」

そのままロープとサンドイッチされ、息が詰まってなす術もなく前に投げ出される。

「もう一発、せいっ」

それをもう一度バックドロップで投げる。ロープギリギリの状態での一撃の為、フォールこそしなかったが、鈍い音と共に、未亜がグッタリとして倒れる。

「もう終わり? 新人とはいえもっともってよ」

そこでまゆみはすっかり忘れていた、この試合が今日のメインイベントである事を、そして、メインに値する試合だと判断される理由が未亜にあるのだということを。

「・・・・・やっと、終わり」

「え!!」

呆気に取られるまゆみの前で、今まで力なく横たわっていた未亜が起き上がる。ゆっくりとではあったが、その瞳には力があった。

「ま、まだやれるみたいね」

「ふ、やぁ」

未亜の肘がまゆみの胸元に当たり、それでよろめいたまゆみの身体を、流れるような動きのバックドロップで投げる。

「っぐう」

「これで、今までの借りは返しましたよ」

そのまままゆみから離れると、口元に滲んだ血を腕で拭いながら言う。

「っく、さっきまでは、本気じゃなかったの?」

「ええ、開始五分は相手に好きにさせろ、と指示を受けたので」

「でも、もうふらふらじゃない」

「一撃でそれだけのダメージを受けたまゆみさんには、まだハンデが足りない位ですよ」

「言ったわねぇ」

馬鹿にされていると思ったまゆみは、すぐに起き上がり、まだ痛む首筋を押さえながら構えを取る。

「さあ、本当のプロレスを、教えてくださいよ」

低く飛び出した未亜がまゆみの足にタックルを仕掛けて引き倒そうとする。

「んっ、のぉ」

それに耐えようとしたまゆみだが、勢いに押されて崩れる。

「そういえば、胸を攻撃してくれましたよね、つぶれたらどうするん、です?」

最後の言葉と同時に、型も何も無い大振りのパンチをまゆみの胸に決め、すぐに立ち上がる。

「うう、途中からはそっちが挑発したんでしょうが」

胸を押さえて立ち上がるまゆみ、痛みは感じても行動にはまだ支障はない。

「でも、結局嫉妬なんですよね、私の胸が大きいから」

その豊かな胸を片手で持ち上げるような仕草を見せる。明らかな挑発だが、みすみすそれで突っ込んでいくまゆみではなかった。

「あれ、反論も出来ないんですか? そうですよねぇ、そんなんじゃ」

訂正、すぐキレた。腕を振りかぶり、未亜に突進していくまゆみ、だが、その狙っている所は分かっているので、未亜はそれを易々とかわし、ついでにその場に足を残しておく。

「きゃっ」

その足に躓き、顔から倒れたまゆみに、即座に馬乗りになってのキャメルクラッチ、地味だが痛いその攻撃にまゆみの口からはくぐもった悲鳴が出る。

「ふっ、単純〜♪」

機嫌よく、鼻歌でも歌いだしそうな未亜、その下ではそれの凶悪な苦しみに耐えるまゆみがいた。

(うそ、あんな細い腕でこんなに力があるなんて)

背骨が悲鳴を上げている。だから、というわけではないだろうが、未亜のその手が胸に当たっている事を意識してしまう。

「ねえ、試合中にイった事、あります?」

耳元で囁く未亜に、不吉な予感を感じ、暴れて振り落とそうとする。

「わっ、まだそんな力があったんですねぇ」

サッと飛び退いて、間合いを取った未亜が手を口に当てて驚いてみせる。そんな仕草も不思議なほど似合い、それがまゆみには挑発に写る。

(うぅ〜、いくら優勢だからって)

(や〜っぱり、単純だな〜)

険しい顔になるまゆみと、笑いを堪える未亜、とりあえずの硬直状態が続いた。

「さっ、そろそろ終わりにしましょうか?」

「へえ、負ける覚悟は出来たんだ」

「ええ、でも、それが必要になる確率は万に一つ以下、ですけど」

低い位置からのタックルでまゆみに向かっていく未亜、それはさすがに読んでいたまゆみは、さっと斜め後ろに下がり、その勢いを利用して投げようとする。

「わっ、ぐ」

形は変だったが、崩れるように背中をマットに打ち付けられた未亜は、苦痛に一瞬顔を顰めたが、同じく倒れているまゆみよりも先に起き上がり、その髪を引っ張り起こす。

「技をかけて自爆するなんて、間抜けですねぇ」

そのままゆかりがしたように、その身体を自分の身体を中心にするように、弧を描いて投げる。

「うあっ!!」

「さあ、次は何がいいですか?」

またも髪を掴んでの未亜、反撃しようにも、ダメージが大きすぎてまともな攻撃が出来ないまゆみは、されるがままになるしかなかった。

「じゃあ、これはどうです?」

後ろに回りこんでまゆみの細い身体を抱え上げる。

(バックドロップ!? いや、もしかして)

「クスッ、ど〜ん」

はっきり言って、そんな明るい音ではなかった。鈍い音と共に、振り下ろされたまゆみの身体が未亜の膝に突き刺さる。

「ううっ・・・・・・ぐ」

「まだ倒れさせませんよ〜」

そのまま倒れようとするまゆみを、抱きついたままの未亜が離さず、倒れる事も出来ない。

「さ、二発目〜」

少し長めの溜めの後、勢いをつけてまゆみを抱え上げる。

「あ・・・わ!!」

そこで足を滑らせたのか、少し前に倒れる未亜、何とかまゆみは膝に落ちたが、そのまま覆いかぶさる様に倒れこむ。

「いつつ、失敗、失敗、あれ、どうしたんですか?」

自分の下にいるまゆみが小刻みに震えるだけなのに気付き、顔を覗き込むと、尋常ではなく苦しんでいた。それは、未亜がわざと失敗したアトミックドロップが、丁度まゆみのアソコを捕らえていたからであり、今もその膝の上に乗っていて、未亜の身体で押しつぶされる形になっているからだ。当然、未亜もそれに気付いている。
だが、客の目には、まゆみが何で苦しんでいるか、正確な理由は分かっていない。そして、そこがどうなっているかなど、わかるはずが無い。

「ねえ、冷たいんですけど、止めてくれません?」

「うう、そんな事言ったって、だったら足を退けて」

「ふぅ、仕方ありませんね」

意外にも、あっさり離れようとする未亜。

(チャンス)

その時、もう殆ど動けないまゆみが最後の賭けに出た。
ありったけの力で、未亜の足に抱きつき、そのまま引き倒す。

「な、きゃ」

そのまま、もつれ合う様にして転がりあった二人は、そのままリングから落ちる。

「あぐ、な、何するんです!?」

「ここなら、誰も気が付かないわ」

その二人の背中で、近くの客にももつれ合った二人が何をしているかは分からないだろう。ただ、ごそごそと動いているようにしか見えないはずだ。

「いくら強くても、まだ16歳なのよね」

「え?」

「胸はどうだか分からないけど、ここはどうかな?」

何の用意も無い未亜のアソコに、素早く、強引に抉じ開けて指を入れる。

「ああぐぅ、んん」

「みんなに気付かれるよ、そんな大きな喘ぎ声出したら」

この試合、まあ、手段は手段だが、初めて本当に優勢になったせいか、さっきまでの猛攻の痛みを忘れ、途端に饒舌になるまゆみ。

「どう? ここではこういうの無しって聞いたから、初めてなんじゃない? 試合中にイクの」

未亜が少し前に言った言葉を覚えていたらしく、思ったよりも感じやすい未亜を責める手にも力が入る。
気を良くして、すぐに湿ってきた未亜のアソコを責め続けると、すぐに湿りではなく、水になった。

「うわ、感じやすいのね、じゃあ、こんな方法で悪いけど、勝たせて貰うわ」

小刻みに震える未亜を残し、まゆみはリングに戻った。

(本当、あそこまで簡単にイクとは思わなかったわ)

ざわめく観客を尻目に、もう未亜がリングに上がってくる事は無いだろうと思っているまゆみは、視線の端に捕らえた人の手を不審に思った。

(手? 一体だれの)

その手は、ゆっくりとロープを掴み、這い上がってくる。

(まさか)

そして、それで身体を支えた未亜が、ズルズルと這う様にリングに上がってくる。
だが、もう立つのも難しい様で、今にも倒れそうだ。

(あのまま倒れていれば楽だったのに)

「じゃあ、これで終わりよ」

ゆっくりと未亜に歩み寄り、ゆっくりとパイルドライバーの体勢に持ち込む。
当然と言っては何だが、その手は未亜の豊かな胸を掴んでいた。

(これで決めないと、私の体力がヤバイ)

「じゃあ、いく・・・」

「ああああああ」

何が起こったのか、まゆみには分からなかった。
ただ、未亜の叫び声が聞こえたかと思うと、急に自分の身体が倒れ、気が付けば真っ暗だった。
それは、まゆみが未亜を抱え上げようとした瞬間、未亜が自分でジャンプした、それだけだった。それで、勢いを付けすぎたまゆみは、未亜が空中で一回転した形で決まったヒップドロップと、その後のフェイスシッティングが完全に決まる結果になった。

「ふぅ、よくも、さっきは人の弱い所をやってくれましたねえ、あなたも、イってみます?」

怒りも露に、よろけながらも立ち上がった未亜は、まゆみのアソコを踏みつけ始めた。
そして、力の殆ど入っていないそれをかわす力も、反撃する体力も、まゆみには残っていなかった。


その後、未亜はその団体に入り、更に力をつけたらしい。
そして、その頃には、その団体にも急所攻撃が取り入れられていた。

 

 

 


あとがき

どうですか?これで最初の使用許可が出たキャラは全部です。まあ、数名、名前だけとか、出てないのとかがいるんですが、三嶋さん達はデータが少なすぎですし、すばるさんはログが無いし、と、出せない理由があるんですよ。今回の新キャラは、ある意味普通?絶世の美少女は僕の基本ですが、それ以上に技が普通です。僕は、プロレス技に特に詳しくは無いので、技名ではあまり書きません。読みにくいと思うかもしれませんが、使う人間の素人っぽさが出るので、僕は技名はあまり使わない主義です。次は、まだ何人かいるんですが、とりあえずお祭りを企画しています。まあ、KOFっていうか、そんな感じで。期待はせずに待っていて下さい。風邪はこじらすときついですね、肺炎には注意しましょう。

僕の近所では風邪と花粉症でマスク人間が増大中、な坂本(仮)

 

 

 

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