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華麗なる闘い(第1章)

 

 

とある、証券会社の女性営業部員
りおは、入社2年にして預かり資産、1億円という記録を打ち立てた。
新規契約件数も、他の追随を許さない月、10件以上。
本社、第一営業部に配属辞令が出された。

そして、本社勤務初日

本社、第一営業部の朝礼で、りおと・・・もう一人が紹介された。
かおりであった。
りおは、東日本エリアでトップセールスの栄光を引き下げ、本社栄転。
方や、かおりは、西日本エリアでのトップセールスを誇っていた。

かおり 「あらぁ〜!りおさん?噂は兼ねがね・・・・お会いできて光栄です」
りお  「かおりさんでしたねぇ〜?こちらこそよろしく!」

二人は、毎月の社報でトップを争っていたライバル同士
お互い面識はなくとも目に見えない、ライバルとの激しい闘いを繰り広げていた。

かおり (ふふふ・・・この日をまちに待ったのよ!最高の舞台で決着を付けてあげる)

二人は、配属初日から激しく新規計上レースを始めた。
りおが、新規をあげれば、かおりも新規を上げ・・・・
本社の他のセールスレディー達は、危機感さえ感じ始め・・・
それから、本社の女子専用浴場で、怪事件が起き始める。
本社の腕利き女性セールスレディーが、失神した姿で、発見される事件である。

・・・ 「あんたっ!よそ者の癖に、生意気なんだよぉ〜!私が礼儀を叩き込んであげる!」
××× 「私を力ずくで?面白いじゃない?ふふふ・・・」

毎夜のように、こんな光景が繰り広げられるようになった。

そして、今夜・・・・

りおとかおりが、浴場で対峙する。

りおは、今日かなり商談にてこずり、帰社時間が遅くなった。

りお (あー・・疲れた・・でも、どうにか契約できたし、風呂にでも入って、
    仮眠室で泊まろうかしら・・・)

りおは、ひとり湯船につかり、疲れを癒していた。
そこへバスタオルを巻いたかおりが入ってきた。

かおり 「あらぁ?りおさんじゃないのぉ〜?珍しいわねぇ〜!普通直帰じゃないの?」
りお  「ん?かおりさんじゃない?こんな時間まで、お互い大変ねぇ〜」
    「終電終わったから、今日は、会社に泊まろうかと・・・」
かおり 「ふふふ・・・最近、張り切っているようだけど・・・あんたは、私には勝てないわ!」
    「今まで、私の邪魔をしていた女は・・・・この手で、地獄に落としてやってきたわ!」
りお  「あんた・・・ま、まさか?」
    「私も、今まで誰にも負けたことはないわ!」
    「実際、新規件数で3件、預かり金額で2千万円・・・私が勝ってるじゃない?」
かおり 「ふ〜〜ん・・・それがどうしたの?」
    「ハンディーよぉ!ふふふ・・・・」
    「まだ、10日しか経ってないし・・・・」
    「今日、この場で私に敗れ去るのよ・・・・」
りお  「私が?破れるですって?・・・・笑わせないで!」
    「試してみる?」
かおり 「うふふふ・・・・この場で私に負けて、明日の朝無様な格好で会社のみんなの笑いものよ!」
りお  「この頃おかしなことが起きてるようだけど・・・あんたの仕業?」
     ザァー――――――――――――――――――――!!!

湯船に浸かっていた、りお、かおりの挑発に呼応するように立ち上がる。
2人は、睨みつけ合い
りおは、学生時代は女子大のチアリーダーとして活躍、そのヒップを使って並み居るライバルを倒し、
女子大では女帝とも言われていた。
その負けん気から、就職は営業職を希望し、この会社に入社したのだった。
りおは、東の横綱とすれば、かおりは、西の横綱と言ったところ。
かおりは、関西の大学でバレーボールのエースを張っていた。並み居るライバルをそのボディーで、抹殺。
関西の女帝とまでいわれた。
今回のように、待ち伏せ奇襲攻撃という卑怯な面はあるが・・・
そして、今夜ふたりの激闘が繰り広げられる。

湯船の浸かっていたりお・・・少し顔が赤い・・・
額からは、汗が流れ・・・
一方、かおりは、一番のライバルりおをやっと倒せるという状況に、
不敵な笑みを浮かべりおを睨みつける。

かおり 「あんたさえ居なければ・・・この会社は、私のもの」
    「この場で、地獄に送ってあげる」

かおりは、そう言うと、りおに飛び掛り2人は、手を掴み合って、力比べを始める。

りお  「くっ・・・あ、あんたなんかに・・・負けないわ!」
かおり 「それは、私のセリフよっ!」
    「それっ!」

かおりは、掛け声をかけると・・・・りおの腹部に膝蹴りを入れる。
ドボ!ドボ!!ドボ!!ドボ!!・・・・・・・・

りお  「うがっ・・・・」

りおは、激しい痛みに耐えながらも身体が沈んでいく・・・

かおり 「何?口ほどにもないじゃない?」
    「弱いくせに・・・」

かおりは、そう言うと、りおの髪の毛をわし掴みにし、引きずりまわす
そして、りおの顔を湯船につける。

りお  「ウブブブブブブブブブブブブ・・・・」

りおは、必死にかおりにしがみつき、かおりの脚をすくおうとする。

かおり 「あっ・・・・うわぁぁぁぁぁぁ・・・」

ドバァァァァァァァァァン!!!!!!!!!!

2人は、お湯の中で激しくもみあいになり・・・
互いに、憎しみを込める。

りお  「うぱぁぁぁぁぁ・・・・」

りおは、どうにか顔を上げると、かおりの顔をお湯の中に強く押し込む

りお「このっ!!」

かおりは、りおから逃げようと、もがく
そして、かおりは、どうにか洗い場に逃げる。

かおり 「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、・・・・・」

かおりは、這うように湯船から逃げ、りおは、かおりを追いかける。

りお  「に、逃がさないわ!はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、・・・」

2人は、洗い場を這うように逃げるかおり、追うりお・・・

そんな中、浴場の外から声が聞こえる。
夜警のガードマンが、見回りをしていたのだった。

ガードマン「誰か?いるんですか?」

脱衣場の方から、ガードマンが尋ねる。

りお「はぁ〜〜い!残業しちゃって・・・お風呂入ってます。」

りおは、何もないように明るく答える。

ガードマン「そうですか?お疲れ様です。」

ガードマンは、立ち去った。
2人の決闘は、邪魔者が入ってお預けとなった。

かおり 「このままでは、絶対に済まないからね・・・」
    「この勝負、預けておくからっ!」

かおりは、そう言うと、ガードマンに気を取られたりおから逃げる。
2人の因縁は、これからもつづく・・・


第2章につづく


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