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堕落

 

序章

 

 

その日、ある麻薬組織はボスをはじめ幹部のほとんどが逮捕され事実上壊滅した。
残ったごくわずかの幹部はこれを機に麻薬から手を引き、もう一つの資金源であった地下プロレスの強化を図った。
組織の新しいボス、滝川京子は麻薬を使って強化したレスラーを全て処分し、運動神経のすぐれた者や女性格闘家を勧誘、又は誘拐して闘わせていた。
その中でも元女子プロレス世界チャンピオン、安藤ミドリ、そのライバル、井沢アキ子の二人はその美貌と強さから人気も高かった。
ここでの闘いは基本的にルールは無いが、相手を力でねじ伏せ辱めを与えるというのが暗黙のルールとなっていた。
ミドリとアキ子もここに来た当初はその異常な雰囲気にのまれ観客の前にその肉体を晒されたこともあったが、最近は空気にも慣れ連勝していた。

「今回の収益金です」

部下が滝川に書類を渡す。
確かに利益は上がっている、しかし滝川は物足りなさを感じていた。
ミドリとアキ子は確かに強い、だがあの二人を倒す程の人材が欲しい、とそう思っていた。
事実、顧客からもそういった要望が多くあった。
そこで滝川が調査の結果目をつけたのは全国でも屈指の体育大学、九州女子体育大学であった。
                         
体育館での闘いで同じ体操部の後輩、青田藍とその親友でレスリング部の池上奈美に敗れた村松友恵はその後藍の奴隷となっていた。
毎晩のように藍に性的な行為を要求されていくうちに友恵は主人としての藍を愛し、藍も友恵を愛するようになり、ついには肉体関係をもつまでになってしまった。
これを聞いた奈美は最初は呆れたものの、今では二人を暖かく見守っている。
                          
そんなある日、奈美の部屋で女子プロレスのビデオを見ていた友恵と藍は画面に釘付けになった。
そこには自分より大きいレスラーを空中殺法で倒す小さなレスラーが映っていた。
これを見た二人は格闘技に興味を持ち、奈美のいるレスリング部のコーチ、桜井弓子に頼み、四人で体操部の練習後夜遅くまで格闘技の特訓をするようになった。
                          
「この女・・・」

九州女子体育大学の資料の中の写真に目を通していた滝川の手が止まる。
そこには弓子が写っていた。

「面白くなりそうね・・・」

弓子、友恵、藍、奈美の四人に滝川率いる「UGPW」の魔の手が伸びたのはそれから一週間後だった。
                          

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