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堕落

 

 

第七章 十六人

 

 

弓子がUGPWに着いてから三日が過ぎた。
とうとう滝川との決着の日が来た。
弓子が今いる部屋はトレーニングの機材が置かれていて、弓子はそれらを使い試合に支障をきたさない程度に汗をかいていた。
試合の開始時刻は夜十時、あと五時間程で全てが終わる。

「都築です。入ります」

ノックした後に部屋の鍵を開け都築が入ってきた。

「今日の試合について御説明を・・・」

弓子はベッドに腰掛けて都築の話に耳を傾ける。

「通常ですと一日で五試合行いますが、本日はあなたの試合を含めて僅か二試合となります。尚、その二試合は特別に用意したリングで行います」

「特別・・・?」

「はい、詳しいことは申し上げられませんが、本日のみのリングです」

弓子にとってリングなどどうでもよかった。
そのことより村松達三人の安否が気になっていた。

「あの娘達は・・・無事なんでしょうね?」

「今夜イヤでも会えますよ、試合が近づいたら案内の者が来ますので指示に従って下さい」

都築はそれだけ言うと部屋を後にした。


                          
決戦の前日、UGPWの常連客の元にFAXが届いた。
それには滝川と闘う弓子の紹介、過去の因縁、そして二人が闘いに賭けた物が書かれていた。
そして最後に対戦カードが記されていた。
それには 

第一試合   安藤ミドリ、井沢アキ子
           VS
        黒木純子、花村薫

第二試合   滝川京子 VS 桜井弓子    

と書かれていた。


                          
そして試合開始時刻、ミドリとアキ子はUGPW初のタッグマッチにとまどいを見せながらも、それぞれのリベンジ
を誓い、リングへ向かった。

「えっ・・・何これ・・・?」

会場に出た途端二人の目に飛び込んできたのは普通のリングだった。
今までのUGPWのリングはマットこそプロレスの物と同じだったが、ロープやコーナーポストは無く、金網で囲まれているだけだった。
しかし今夜のリングはちゃんとタッチロープまで付いていた。
二人がリングに上がり久しぶりのロープの感触を味わっていると、純子と薫がリングに上がってきた。
するとその後ろから他のレスラー達がぞくぞくと現れて、リングの周りを取り囲んだ。
よく見ると下半身に男性器を模した物を身につけていた。

「何よ?これは!?」

アキ子が誰となく問う。
純子と薫もこれについては何も聞かされていなかったのかキョロキョロと辺りを見回していた。

「アー、アー、説明致します」

突如マイクが入り、花道の奥から都築が現れた。

「このリングは今宵行われる二試合のみ使用されます。
ルールは普通のプロレスと同じですが、勝敗は二人が戦闘不能になったチームの負けです。
またリングから何らかのかたちで落ちた時、周囲にいるUGPWの下位レスラー達によって攻撃されます。
さらに負けたチームは合計十六人のレスラー達に性的暴行を受けます。
このルールは次の試合でも同じですのでお楽しみに」

都築はそれだけ言うと花道の奥へと姿を消した。
そして観客達の大歓声の中、ゴングは鳴らされた。
                          
先発はアキ子と薫。
アキ子は薫に敗れている為、慎重に様子を見る。
対する薫はステップを踏みながら除々にアキ子に近づいてくる。
そしてアキ子が射程距離に入った瞬間、ミドルキックがアキ子めがけて放たれる。
しかしアキ子は薫のキックをがっちりキャッチして、ドラゴンスクリューで足を捻る。

「きゃあっ・・・」

小さく悲鳴をあげダウンしながらも薫は素早く立ち上がりアキ子に向かっていく。
次々と繰り出される薫の攻撃をかわしては反撃していく アキ子。
薫は純子にタッチしたいのだがアキ子にはスキがない。
アキ子の方は薫を一気に倒したいのだが中々そうもいかない。
そして五分が経過した頃、薫の放ったハイキックをかわしたアキ子は背中を向けている薫に近づく。
だがその時、薫の回し蹴りがアキ子の顔を捕らえる。

「くっ・・・」

さらに動きが止まるアキ子にパンチが、そしてもう一回転してトドメの延髄斬りがアキ子を襲った。

「ぐぁっ・・・」

アキ子がマットに膝をついた隙に薫は純子とタッチする。
純子はアキ子の髪を掴み立たせると、腹に膝を入れ、
ボディスラムの様に抱えあげる。

「どうなんのかなぁ〜?」

純子は頭上高くアキ子を持ち上げ、場外へ放り投げた。
リングから放り出されたアキ子にレスラー達が群がる。

「ぐはっ!げぇっ!うごぉっ!」

いくら下位レスラーとはいえ、そんじょそこらのレスラーよりは格段に強い。
それが各方向にいる四人に攻撃されるのだからダメージも大きい。
アキ子はリングに戻るのに二分もかかった。
リングに入ったアキ子を純子はロープに振った。
そして戻ってきたアキ子の腹に純子のパンチが決まる。

「ぐぉえええええっ!!」

アキ子がマットを転げまわる。
純子はアキ子を立たせてもう一度ロープに振る。
だがアキ子はロープを掴み純子の攻撃のタイミングをずらすと猛然とタックルして純子を倒す。
そしてスリーパーで首を締めるがしばらくすると技を解きミドリとタッチする。
純子をしとめるのはミドリ、というアキ子の考えであった。
ミドリも薫はアキ子が倒すと考えていた。
リングに入ったミドリはまだ倒れている純子の腹を蹴る。

「ぎゃはぁっ!!」

容赦無いミドリの攻撃で純子は場外に落ちそうになるが、ロープに捕まり必死にこらえた。
ミドリは純子をリング中央まで引きずっていくと、その巨体を軽々と抱えあげ、パワーボムで叩きつけた。
試合はミドリのペースで進んでいた。
純子はミドリの目に完全に恐怖していた。
ミドリの相手を突き刺すかの様な目を見ると体がすくんでしまうのだ。

「ハァ・・・ハァ・・・」

純子のダメージは肉体、精神共に大きかった。
ミドリが走ってきて純子が苦し紛れに放ったパンチをかわして飛びつき腕ひしぎをかけようと純子に飛びつく。

「うあああああああああ!!」

ミドリが純子の腕に絡みついた瞬間、純子は突如叫び、ミドリを近くのコーナーポストに叩きつけた。

「ぐはぁっ・・・」

叩きつけられたミドリは純子の腕から離れ、その場に崩れ落ちた。
倒れているミドリを起こして純子はアルゼンチンバックブリーカーをかける。

「きゃああああああああああ!!」

叫ぶミドリを抱えたまま自軍のコーナーに戻る純子。
そして薫にタッチするとミドリを逆さまにしてコーナーにかける。
リングに入った薫は吊るされているミドリを蹴りまくる。

「くはっ!がふっ!あうっ!」

蹴られた反動でミドリはうつ伏せに倒れる。
ロープを掴んで立ち上がろうとしていたミドリの髪を掴んでリング中央まで連れていった薫はスリーパーをかけるがミドリは手を挟み完全に極まるのを防いだ。
薫は舌打ちするとミドリを立たせてその頭にカカトを落としていった。
だがミドリは薫の足を受け止め、もう片方の足を払い薫を
倒すと、両足を脇に抱えジャイアントスイングで薫の体を振り回す。

「わあああああああああ!!」

26回転して薫はマットに落とされた。

「今度は負けるわけにはいかないのよ」

ミドリが純子と薫に向かって言った。


                          
ミドリ達が闘っている時、友恵、藍、奈美の三人が監禁されている部屋に訪問者が現れた。
それも一人ではない、全部で六人、UGPWのレスラー達が部屋に入ってきた。

「なっ・・・何なの!?」

突瑳に藍と友恵の前に出た奈美がレスラー達に問う。

「準備ですよ・・・」

レスラー達の間から都築が姿を現す。

「そ・・・その格好は・・・?」

奈美達も都築がレスラーでないのは知っている、その都築が水着姿で現れた。

「だから私もあなた達も次の試合に参加するんですよ」

「えっ・・・?」

奈美達には都築が何を言っているのか理解できなかった。
弓子が今UGPWに来ていて滝川と闘うことは知っている、その勝敗によって自分達がどうなるかも知っていた。
だがその試合に自分達が参加するなんて聞いていない。

「参加するって言っても闘うわけじゃないですよ。
ほら私の足元を見て下さい、リングシューズじゃないでしょう?」
確かに都築の足元は普通のハイヒールだった。

「桜井さんに眠っている力を引き出す為にあなた達を利用するんですよ、滝川さんは常に強い者との闘いを望んでいますから」

「・・・・・・」

奈美達は何も言えなかった。

「そんな不安そうな顔しないで、目が醒める頃には全て終わっていますから」

都築がそう言うとレスラー達が奈美達に襲いかかった。

「はがぁっ!!」

「ひぎゃああっ!!」

「あぐっ!!」

レスラー達の暴行は五分間に及んだ。
奈美と友恵はすでに失神していた。

「あ・・・あなたは・・・?」

薄れゆく意識の中で藍は都築に尋ねた。

「あなた達だけでは観客が納得しないんですよ」

都築が答え終わると藍も気を失った。


                          
ミドリ達の闘いは40分が経過していた。

「ぐああああ・・・」

リングではアキ子が薫に捕まっていた。
四人共、疲労は相当なもののようで汗がポタポタとマット
に落ちていた。
薫は倒れているアキ子を羽交い締めにして純子にタッチする。
純子は羽交い締めにされたままのアキ子の顔面にパンチを
放つ、がアキ子は頭を横にずらし紙一重のところでパンチ
をかわした。

「あがぁっ!!」

アキ子がかわした為にパンチは薫の顔面に決まり、薫は鼻から血を吹きながら倒れた。

「かっ・・・薫!?」

あわてる純子をアキ子は場外に落とした。
アキ子は薫を立たせると首に手を回し、薫の体を振り回すスイング式のスリーパーホールドをかけた。

「ぐぼぼぼぼぼぼ・・・」

薫の顔からみるみるうちに血の気が引いていく。
そしてとうとうアキ子の手を掴んでいた手がダラリと垂れ、薫は泡を吹いて失神した。
薫をマットに放ったアキ子はミドリにタッチしようとコーナーに戻ろうとした、
その時、

「アキ子!後ろぉ!!」

突然のミドリの叫びでアキ子が後ろを向いた瞬間、場外から戻ってきた純子のパンチが顔面にヒットする。

「がっ・・・」

アキ子はコーナーにもたれかかった。
純子はミドリを場外に叩き落としてからアキ子に襲いかかった。

「ぎっ!げぇっ!がぁっ!ごぼぉっ!」

純子の強烈なパンチでアキ子の顔は血で赤く染まっていった。

「くっ!どけぇっ!!」

下位レスラー達の攻撃を振り切ってリングに上がったミドリが見たものは、コーナーでのけぞり赤く染まった顔を上に向けたまま気を失っているアキ子の姿だった。

「ア・・・アキ子・・・」

「そろそろ終わりにしましょう・・・」

ミドリとアキ子の間に純子が立ちはだかる。

「ええ・・・」

ミドリが答えると二人は距離を詰めていった。

「オラァッ!!」

純子が放ったパンチはミドリに当たらなかった。
その変わりにミドリのパンチが腹にはいっていた。

「ごはぁっ!!」

たまらず膝をついた純子の背後に回ったミドリは必殺のストレッチプラムで純子を締めあげた。

「がああああああ・・・」

必死で抵抗する純子たが技はガッチリと極まっていた。
そして三分後、純子はマットに沈んだ。


                          
ゴングが鳴りミドリがアキ子を担いでリングを降りたと同時に十六人のレスラー達が失神している純子と薫に襲いかかっていった。
瞬時に水着を矧ぎ取られた二人の口や股間にレスラー達が身につけたバイブが突っ込まれる。

「はひっ!はひっ!んごおおおおおおおお!!」

「ふぐっ!はひいいいいいいいいい!!」

二人は強制的に目を覚まされ、いつ終わるとも知れない行為に悶えていた。

「ひっ!ひっ!ひっ!はぁうっ!」

「くふぅっ!くっ!うんっ!うんっ!」

二人の喘ぐ声を聞きながらミドリ達はリングを後にした。
30分後、解放された純子と薫は自らの愛液に顔を埋めて再び失神していた。
                          
それから30分後弓子が再びUGPWのリングに立った。

 

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