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NEW261 商人諸用文章 (あきんどしょようぶんしょう)
【作者】不明。【年代】嘉永三年(一八五〇)刊。[名古屋]井筒屋文助(皓月堂)板。【分類】消息科。【概要】異称『〈商人〉諸用文章』。中本一冊。「年始状」から「払物頼状・同返事」までの合計五七通を収録した用文章。内容は四季五節句、通過儀礼、諸要件、見舞い状などの一般的な例文を前半に集め、後半に「店出状」以下の商用文章を列挙する。本文をやや小字・六行・付訓で記す。巻末に「月之異名」を掲げる。
★名古屋板の用文章。



NEW262 〈諸民通用〉手紙早引集 (てがみはやびきしゅう)
【作者】松陰堂編。【年代】天保八年(一八三七)刊。[名古屋]永楽屋東四郎(東壁堂)求板。【分類】消息科。【概要】一枚刷り。天地約三五センチ、左右約四八センチの厚手の和紙に両面刷りで、手紙に多用する用語をイロハ分けして掲げたもの。表面に「い」〜「の」、裏面に「く」〜「す」を掲げる(「ゐ」は「い」に、「え」は「ゑ」に、「お」は「を」に吸収)。例えば「い」部には「一筆啓上(いつぴつけいじやう)、被為入(いらせられ)、何茂(いづれも)、無異儀(いぎなく)、一統(いつとう)、一同(どう)、一段(だん)、日外(いつぞや)、意趣(いしゆ)、聊(いさゝか)、偽無之(いつわりこれなく)…」など四五語を掲げる。なお、本書と同体裁の一枚刷りに、安政三年(一八五六)刊『〈諸民通用〉文章早引集』†があるが、慣用句中心に採録した安政板に対し、本書は書簡用語中心になっている。
★次項と同体裁の一枚刷り。


NEW263 〈諸民通用〉文章早引集 (ぶんしょうはやびきしゅう)
【作者】松陰堂編。【年代】安政三年(一八五六)刊。[名古屋]永楽屋東四郎板。【分類】消息科。【概要】一枚刷り。天地約三七センチ、左右約五二センチの厚手の和紙に両面刷りで、手紙に多用する慣用句や用語をイロハ分けして掲げたもの。表面に「い」〜「う」、裏面に「の」〜「す」を掲げる(「ゐ」は「い」に、「え」は「ゑ」に、「お」は「を」に吸収)。例えば「い」部には「幾久敷受納仕候(いくひさしくじゆのう)、幾日(いくか)、幾重(いくへ)、意外及御無音候(いがいごぶいんにおよび)、威徳(いとく)、無異儀罷在候(いぎなくまかりあり)、痛入申事ニ候(いたみいりもうすことに)…」など一八種を掲げる。なお、本書と同体裁の一枚刷りに、天保八年(一八三七)刊『〈諸民通用〉手紙早引集』†があるが、天保板が書簡用語中心であるのに対し、本書は慣用句中心の採録になっている。

★前項と同体裁の一枚刷り。



NEW264 〈御家〉当世案文 (とうせいあんもん)
【作者】江湖散人書・跋。【年代】文化一四年(一八一七)書。文政一三年(一八三〇)刊。[江戸]河内屋太郎兵衛ほか板。【分類】消息科。【概要】異称『当用案文』。横本一冊。前半部「当用案文」と後半部「証文大成」から成る用文章。前者は「年始之文」以下二八通で、五節句祝儀状、各種見舞い状、諸要件の書状、慶事および通過儀礼に伴う書状など。後者は「奉公人請状」以下一八通。本文を大字・四行(「証文大成」は五行)・概ね付訓で記す。
★用文章は次から次へと新たな発見があり、際限がない。



NEW265 〈天保新板〉独案文 (ひとりあんもん)
【作者】不明。【年代】天保二年(一八三一)刊。[仙台]西村治右衛門(流輝軒)板。【分類】消息科。【概要】異称『〈万民年中調法〉独案文』。半紙本一冊。「年始之文」から「寒中見舞之状」までの四五通を収録した用文章。四季・五節句、年中行事または恒例行事に関する消息例文が中心で、本文を大字・五行・概ね付訓で記し、頭書に各例文の言い換え表現(替え言葉。ここでは多くが類語)を掲げる。
★仙台板の用文章。