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NEW056 開化商売往来図解 (かいかしょうばいおうらいずかい)
【作者】宮本興晃作。 【年代】明治一二年(一八七九)刊。[東京]木村文三郎(文江堂)版。 【分類】産業科。 【概要】異称『〈開化〉商売往来図解』。小本一冊。『商売往来絵字引』†の増訂版。「凡、商売通用之文字、当座、注文、仕切、仕込、出納、算用等の諸帳簿、其外、証文、判取帳、先、流通之貨幣ニ者、金貨、銀貨、銅貨幣、紙幣、洋銀、公債…」で始まる文章で、通貨・穀類・青物・山菜・海草・金石・船舶・運送・食品・醸造品・絹布・衣類・染色・染模様・器財・小道具・武具・馬具・薬種・鳥類・魚介類・虫類・獣類・家屋・樹木・草花等の語彙を列挙し、商家児童の心得を述べて結ぶ。本文を大字・五行・付訓で記し、『絵字引』同様に図解(銅版色刷り)と割注を挿む。また、巻頭に「士農工商図」(色刷り)を掲げる。なお、本書の改題本に田中菊雄編、明治一八年刊『〈新選絵入〉商売往来』†がある。〔小泉〕 【所蔵】小泉。


NEW057 〈日用〉 大全書状案文 (たいぜんしょじょうあんもん)
【作者】不明。 【年代】嘉永元年(一八四八)刊(補刻)。[大阪]秋田屋太右衛門ほか板。 【分類】消息科。 【概要】横本一冊。「貴人え上る年始状」から「(旅より留守)妻女え之状」までの一四七通の消息文例などを収録した大部な用文章。巻末に「追加」(寛政八年以降の増補であろう)として、「店請状」から「売上書付」までの二四通の例文を集めた「証文手形之類書方」を付す。消息例文は概ね、五節句・四季時候の文、商用文、吉凶事に伴う手紙、その他雑用文の順に配列し、各例文を本文を大字・七行・所々付訓で記し、ごく稀に語注や書簡作法上の心得に触れる。なお、本書の刊記に「天明八年(一七八八)開彫、寛政八年(一七九六)増補、天保四年(一八三三)改撰、嘉永元年補刻」と記すため、先行諸書の存在が想定されるが、天明八年刊『〈万民平生〉書状案文』†とは体裁や内容が似通うものの異同も甚だしく、本書の先行書とは見なしがたい。よって、初板本については未詳である。〔小泉〕 【所蔵】小泉。


NEW058 〈小学習字〉 苗字尽 (みょうじづくし)
【作者】伊藤桂洲(信平)書。 【年代】明治一二年(一八七九)刊。[川越]菅間定治郎(明文堂)板。 【分類】語彙科。 【概要】半紙本一冊。「薮、園、堤、谷、沢、宗、楠、林、森…」と一字姓から起筆して「…饗庭、千秋、山県、和田」に至る約三六〇の苗字を大字・二行(一行三〜四字)・無訓で記した習字手本。〔小泉〕 【所蔵】小泉。


NEW059 国体一覧 (こくたいいちらん)
【作者】佐田白茅作。長三洲書。 【年代】明治二四年(一八九一)刊記、同二五年書・刊。[東京]佐田白茅蔵板、吉川半七売出。 【分類】歴史科。 【概要】半紙本一冊。「我カ大日本国ハ鴻荒以来神聖ナル帝国ニシテ、今ニ至ルマテ種族繁衍シ、君民悉ク万世一系ヲ伝ヘタル地球上無比ノ国体ナリ…」と起筆して、「君臣一系万世不易ノ国体」について縷々述べた習字手本兼用の教科書。冒頭で、世間では「皇統ノ万世一系タルノ美事」ばかりを知って「臣民悉ク皆ナ万世一系タルコト」を知らない者がいると指摘し、続けて、その理由として「我カ帝国種族ノ始祖」から始まる歴史や、「竜蛇蜿蜒ノ形」をなす国土について紹介し、臣民たる者は国体の起源を知って置かねばならないと説いて結ぶ。本文を楷書・大字・四行・無訓で記し、巻末に本文の要語解である「国体一覧摘句略解」を付す。〔小泉〕 【所蔵】小泉。


NEW060 兵員要語帖 (へいいんようごじょう)
【作者】林陸夫編・序。恒川敬一郎書。 【年代】明治一六年(一八八三)序。明治一七年刊。[金沢]偕行社(松井浴j板。 【分類】産業科。 【概要】大本一冊。序文に「此帖ハ兵事内外ノ勤務ニ用ユル緊要ノ名称語辞等ヲ類聚シタルモノニシテ、専ラ兵卒力・習字ノ具ニ供センガ為ナリ」と記すように、習字学習とともに兵役に必要な基本語彙の習得を目的に編まれた習字手本。『内務省操典読法』『野外演習軌典』を始め、諸条例・諸規則等から関連の用語を抜粋して兵卒入門の一助とする。「天皇、皇后、皇太子、皇族、親王、太政大臣、左右大臣、参議、陸軍卿、海軍卿…」から「…勝算、欠漏、欠乏、落成、新鮮、基礎、占拠、目的、素志、準備、護衛、発遣、発途、会合、遭遇、大概、結尾」までの二一五九字を楷書・大字・四行・無訓で記す。〔小泉〕 【所蔵】小泉。