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【2020年 秋】
4000円 〈百人一首〉小倉の山ふみ[百人一首小倉の山踏・小倉の山婦美]
【判型】大本1冊。縦263粍。
【作者】中津元義注。本居春庭序。
【年代等】享和3年3月刊。[松阪]柏屋兵助ほか板。
【備考】分類「百人一首・和歌注釈」。深井一郎・道井登「「百人一首小倉の山踏」の俗語(訳語)について」(『金沢大学教育学部紀要・人文科学・社会科学編』35巻、1986年)によれば、本書は、本居宣長・春庭の門人の中津元義が、初学者のために、宣長の『古今集遠鏡』に倣って、当時の俗語をもって訳したもの。本書の例言は『遠鏡』の例言に倣って記されており、その書き方は、細かい例証のほとんどを省略し、考え方のみを記す、あるいは、扱う項目や項目語も明確なものだけを記し、後は省略するというものであり、訳の付け方も、『遠鏡』の例言中の説明しやすい、明確なものの範囲で忠実な態度で訳を付けている。しかし、宣長のような歌の心を汲み取った訳は見られない。『遠鏡』では訳の付け方に種々の工夫がなされて補訳が多い一方で、『山踏』では補訳が少ない。
★原装・題簽付・状態良好。
6000円 抜隊仮字法語[ばつすい法語・〈改正〉抜隊法語・塩山仮名法語](江戸中期)
【判型】大本1冊。縦270粍。
【作者】抜隊得勝(バッスイトクショウ)作。
【年代等】享保12年10月初刊([甲州塩山]向嶽禅寺板)。江戸中期刊。[江戸]須原屋平助板。
【備考】分類「臨済」。塩山仮名法語は、山梨県甲州市にある塩山向嶽寺の開山、抜隊得勝(1327-87)禅師の法語である。禅師は神奈川県足柄上郡中井町の生まれで、29歳で出家したが、修行を始めたとき大願を抱いていた。それは、大善知識から悟りの証明を受けなければ決して法を説かない、仏祖の精神を自分のものにした後は人々を済度することに全生命をかける、というもので、この大願の成就だけを目的に修行に励んだ。そのため修行時代には法衣を着ず、出家の体裁を習わず、経を読まず、ひたすら坐禅に打ちこんで飢寒を忘れ風雨を覚えずという日々を送った。出家は僧衣のためにするものではなく、生死事大のためにするものであるという固い信念を持っていたのである。そして寝ずに坐禅を続けて夜明けに至ったときのこと、渓流の音が浩々と肺肝に入るのを覚えた刹那、豁然として悟りを開いた。抜隊禅師が法衣を着るようになったのはこれ以後のことだったが、嗣法のあとも大寺に住することを拒み、庵居しても1ヶ所に3年以上住むことなく遍歴を続けた。
★原装・題簽付・状態並み。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、原装題簽付きが、6,000円(江戸期・虫損多)〜140,800円(慶安頃)】。
65000円 富士日記〈附録富士百詠〉[不尽日記](賀茂季鷹)
【判型】大本1冊。収録順に縦255粍。
【作者】賀茂季鷹(加茂季鷹・山本雲錦亭)作。菅原雪臣跋。
【年代等】寛政2年作。文化11年4月、瀬尾文跋。文化11年9月、三宅公輔序。文政6年5月刊。[大阪]河内屋茂兵衛ほか板。文政12年8月再刊。[大阪]山本長兵衛ほか板。
【備考】分類「紀行」。『富士日記』は、富士山登山の和文紀行文。漢字かな交じり。和歌を交える。絵入り(岡豊彦・孝敬・原在明・雪臣画)。菅原雪臣による古事や引き歌等についての頭注入り。本文の前に自筆和歌の模刻半丁あり、「明和九年正月十九歳にて始て下りし時 季鷹/今日も亦ふしの裾野に暮にけりあすもかくてや草枕せむ すへて五度はかり登り下りに見しに又をとゝし下りし時/東路の往還毎に富士の嶺は見し眼にも似ず驚かれ筒」。巻末に「浜田のとの」と書博士賀茂保考の和歌を付す(西尾市岩瀬文庫・古典籍書誌DB)。
★原装・題簽付・美本。記名なし・蔵書印なし。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、98,500円〜120,000円】。
3000円 渡世伝授車(5巻)
【判型】大本1冊(全5巻中)。縦250粍。
【作者】雲峰(都塵舎・花洛誹林・年々翁)作。
【年代等】元文2年初刊。江戸中期再刊。[京都]菊屋利兵衛板。
【備考】分類「浮世草子」。『渡世伝授車』は、富をなした由来を述べた書で、幸運に逢遭した者、奇計よく工事を成就した者、慧敏奇才よく紛糾を裁断した武士、注意周到よく秘事の暴露を防ぎ得たる米商人、貧に居て乱れず偶々人の嫌疑を買うも敢えて人を恨まず省みて一念発悟し、遂にその天才を発揮した漆工、身を薄幸の農夫より起こし正直・勤勉遂に神官となった者、詐欺遂に身を滅ぼした番頭及び山伏、大胆奇謀よく奇効を奏した難波輪庵等々、興味深い談話を集めたもの。第5巻を「渡世伝授車秘伝之巻」と名付け、富貴・長寿・子孫長久の道を説く。この5巻には、「常に神仏の恵にあふ仕やう伝授」「福貴になりやうの伝授」「悪事災難来らざる仕やう伝授」「悪事災難来らざる仕やう伝授」「寿命長久の仕やう伝授」「火災をみがるゝ仕やう伝授」「子孫長久にして繁昌する仕やう伝授」を収録する(『通俗経済文庫』2巻解題参照)。
★原装・題簽付・状態良好。記名なし・蔵書印なし。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、端本1冊が、5,000円】。
5500円 一休和尚法語[一休法語・一休仮名法語]
【判型】大本1冊。縦260粍。
【作者】伝一休宗純作(仮託)。
【年代等】江戸前期刊。[江戸]松会板。
【備考】分類「臨済」。『一休仮名法語』は、一休作に擬せられた道歌集。江戸前期、寛永以降に数多く刊行された禅宗系仮名法語類の一つ。本文の前半部は、一休の母の友人である貴人女性宛ての書簡文の形式で綴られ、次の3部構成から成る。第1部は、「あらゆる執着から離れ安楽の道に入り、悟りを開くようにと導く内容で、高齢の女性を念頭においた、平易な法話」で、「引用される和歌は、夢窓国師、弘法大師、慈鎮和尚、聖徳太子、法燈国師、無外如大等に擬せられるものであるが、慈鎮の一首を除いて、典拠を確認し得ない」。第2部は「仮名書きの公案を与える」体裁で、大徳寺系、妙心寺系の密参帳の初めの方に見られる」初学者向けのもので、(1)不思善不思悪、(2)柏樹子、(3)万法不侶、(4)本有円成仏、(5)阿誰、(6)地獄、(7)古帆未掛、(8)臨済三玄三要、(9)南泉斬猫、(10)臨済四喝、(11)百丈野狐の11則。第3部は、追伸に相当する部分で、「地獄も極楽も自己の心に他ならず、人の運命(定業)は転じ得ないとして、江戸期において一般的であった業論・因果論が述べられた後に、やや唐突に
和歌72首(一首重複)が続」く。『一休和尚法語』においては、『夢中問答』がそれと指摘されずに引用されており、影響を与えている。このように、『一休和尚法語』は、『大燈国師仮名法語』『聖一国師仮名法語』『抜隊和尚仮名法語』と共に、江戸時代に著作されたものと考えられ、これら仮名法語の研究は、江戸前期の仏教思想を考えるという視点でとらえるべきものである。なお、江戸前期刊本として、(1)慶安元年板、(2)慶安3年板、(3)明暦2年・松会板、(4)寛文6年・松会板などがある(飯塚大展「『一休和尚法語』について」参照)。
★原装・題簽欠・状態良好。記名なし・蔵書印なし。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、8,500円(江戸後期)〜16,500円(江戸末期)】。
16000円 百人一首基箭抄[基箭抄・増補百人一首絵抄]
【判型】大本3巻1冊。縦264粍。
【作者】井上秋扇編。北村季吟序。
【年代等】寛文13年初刊。延宝8年6月再刊。享保6年2月再刊。[大阪]柏原屋与左衛門後印。
【備考】分類「和歌・注釈」。袋綴じ展開収録(見開き図は再掲)。『百人一首基箭抄』は、『小倉百人一首』の注釈。寛文12年9月27日の季吟の序によれば、秋扇が『百人一首』を愛翫してやまなかった祖父の年忌にその遺著を見出し、細川幽斎の『玄旨抄(百人一首抄)』を参考にしつつ編集したものであるという。「凡例」に、題号、濫觴、撰歌の躰、秘伝、初学のための編集であること、所出撰集歌統計、定家伝などを示し、本文に入っては、作者伝記、歌の解釈などを記すが、先行する『玄旨抄』に比べて整備されている。巻末には「百人一首作者部類」を載せている。延宝8年には当時流布し始めていた『玄旨抄』の絵入版本『百人一首像讃抄』に倣って同型配置の絵入本が出、前者をしのぐ流布を見て、『百人一首』の啓蒙に大きな力があった。版本は寛文13年正月初印本、同8月訂補再版本、延宝8年絵入版本、享保6年絵入後刷本など(「日本古典文学大辞典」参照)。細川幽斎の『百人一首抄』を参考に編集したもの。作者の伝記と歌の解釈。後に出版された絵入版本は広く読まれ『百人一首』の啓蒙に大きな力となった(大阪府立中之島図書館HP)。
★原装・題簽欠・状態良好。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、31,500円(享保6年板)〜154,000円(延宝板)】。
35000円 〈山水庭造〉諸国茶庭名跡図会
【判型】大本2巻合1冊(伝本は上巻のみ)。縦268粍。
【作者】珠慶坊作。
【年代等】永禄年間作。江戸後期刊。[大阪]塩屋忠兵衛板。
【備考】分類「茶道・造園」。『諸国茶庭名跡図会』は、紅染山鹿庵作、元禄7年刊『古今茶道全書』第5巻の抜き刷り・改題本。『古今茶道全書』は、同書1巻に「此書は、年始の茶の湯より発端に記し、并びに囲書院、床、棚、釣鐘、窓の荘(カザ)り、立花は勿論、囲小花生の事、鍍の間、書院二の間の荘り、台子の置き所、台天目荘り、并びに台子先屏風の仕立て様迄、式次第を絵図を添え書き出し、古昔よりの茶道宗匠、名人の格式、面々少し宛(ズツ)替わり有るの品々、盆点袋、茶碗、永緒の習い、炉の灰、同炭、風炉の灰、同炭、四畳半、三畳大目、二畳大目、一畳半大目、小及台…」と紹介し、5巻末尾で、茶道に関する故事伝来等を長年書き集め、「茶の湯一切の肝要を全く備へん」ことを目指したと述べるように、全5巻でおよそ茶道に必要な事柄を網羅的にまとめた書。本書に該当する第5巻は、「宗匠名人之路地庭之事、并書院之飛石付様之事」で、駿州義元公の路地庭・書院庭から、聖徳太子法隆寺山水図式までの図解を載せたもの。富山市図山田孝雄本(2冊本)によれば、上巻は、第24丁までで、25並み49丁が下巻というから、底本はこの2巻を合本した1冊本であろう。
★原装・題簽付・美本。記名なし・蔵書印あり。稀書(全国に所蔵数カ所(国文学研究資料館DB))。海外機関含め伝本6本はいずれも上巻のみ。 → https://ci.nii.ac.jp/ncid/BN07955302?l=en
3500円 宇比麻奈備[百人一首初学](中巻欠)
【判型】大本2冊(3巻3冊本のうち1冊欠)。縦266粍。
【作者】賀茂真淵(加茂真淵)作・序・跋。
【年代等】明和2年冬自跋。天明元年11月刊。[京都]勝村屋治右衛門ほか板。
【備考】分類「和歌」。上之一:篁(途中)まで、上之二:篁(途中)より三条右大臣まで、中之一:貞信公より謙徳公まで、中之二:好忠より行尊まで、下之終:周防内侍より。自跋により、明和2年冬の成立で、以前に著した『百人一首古説』5巻5冊の誤りを正し、増補したものと知られる。時に真淵は69歳。『百人一首古説』は版行されず、写本のみが伝存しているが、師荷田春満の説の影響を大きく受けているとされている。内容は、『小倉百人一首』の注釈書で、上巻は天智天皇〜三条右大臣、中巻は貞信公〜前大僧正行尊、下巻は周防内侍〜順徳院の、それぞれの作者の歌の注釈を収めている。序の中で、古学を深山に入ることにたとえていること、『百人一首』の成立の周辺事情に論及していること、などは注目されよう。歌の注釈にあたっては、作者名の次に、その伝記に関する資料を提出して考証し、その上で歌の注解に入っている。語釈がかなり詳しく、「古今の序に」「後撰に」「白氏文集に」というように一々用例をあげながら考証している点や、とりわけ『万葉集』を多く引用しながら注解を進めている点など、その特色の一つと言える。また「或説」「契沖いはく」「春満いはく」というように、諸説の典拠を明記していることも、見るべき点である。しかし、全体的に考証に偏り、鑑賞的な要素に乏しいという面を有している。のちに香川景樹が『百首異見』で、『宇比麻奈備』を批判的に取りあげていることも注目される(「日本古典文学大辞典」参照)。
★原装・題簽付・美本・色刷り模様表紙。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、3巻揃いが、8,800円〜15,270円】。
35000円 萍華漫筆[萍花謾筆]
【判型】大本2巻2冊。縦276粍。
【作者】桃花園三千麿(ミチマロ、三寿・桃華山人)作。
【年代等】江戸後期刊。刊行者不明。
【備考】分類「随筆」。『萍花謾筆』は、2巻2冊、随筆、桃華園三寿(三千麿)著、刊年未詳。内容は、江戸の遊廓吉原に関する旧事などを記したもので、上巻8条、下巻10条より成る。吉原町の造りの由来に始まり、風俗や地名の由来(通切手・卒塔婆染め・勝山風・吉原細見図・酉の市・髪洗橋など)、名妓(メイギ)の逸話(薄雲・雲井・綿木)、男伊達(夢市郎兵衛・半鐘八右衛門・臂久八)、実説(助六のモデル・其角の雨乞句)、自休の印籠、紀文の大尽舞の章句などについて述べる。所々に絵や図を挿入し、名妓薄雲など、2、3の筆蹟を模写した箇所もある。また、遊女雲井の落書として『徒然草』第19段のパロディが見られる一条は、近世初期に流行した偽物語の系譜の一端とも考えられる。旧事や地名などの実説と称する知識的事項のほかに、遊女の心意気や、男の伊達ぶりなどに関する記述も多く、興味ある内容が平明な文章で綴られている(「日本古典文学大辞典」参照)。
★原装・題簽付・美本。色刷り挿絵。記名なし・蔵書印なし。稀書。
25000円 母の遊戯及育児歌
【判型】大本2巻2冊。縦255粍。
【作者】フレーベル(Fr?bel, Friedrich,1782-1852)原作。アンニー・エル・ハウ(Howe, Annie Lyon,1852-1943)編訳。
【年代等】明治30年9月初刊。明治40年3月再刊。大正5年12月3版刊。[神戸]頌栄幼稚園版。
【備考】分類「教育・遊戯」。上巻「歌及図解」、下巻「説明」の2巻から成る活版和装本。ドイツの教育者で幼稚園の創設者として著名なフリードリッヒ・フレーベル(1782-1852)が著した1844年の著作『母の遊戯と育児歌』の邦訳書で、挿絵のみ日本風に描き直して、明治30年(1897)に刊行されたもの(底本は大正5年第3版)。家庭における育児書とともに、幼児教育における遊戯教材に関する教育書。序文で、本書が単な る教育書に止まらない理由として、(1)本書に掲げた遊戯が「高尚なる理想を知らず知らずの間に子供に教へる」極めて有意義な書であること、(2)教育上の最も重要な「人格陶治」の完成について示した書であること、(3)子供の身体と精神を善良に訓練する方法と、心身両面の発達を促す最も実際的な方法を示したこと、(4)最も偉大な宗教的信念を育む方法を明確に示した書であることを説いている。
★原装・題簽付・状態概ね良好(表紙やや汚損)。記名なし・蔵書印なし。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、和装・2冊本が、42,000円(大正5年)〜84,000円(明治30年版)】。
30000円 九想詩諺解
【判型】大本2巻2冊。縦260粍。
【作者】坂内直頼(サカウチナオヨリ、坂内山雲子・白慧・葉山之隠士)作・序。
【年代等】元禄6年秋自序。元禄7年2月刊。刊行者不明。
【備考】分類「漢詩・注釈」。上巻は蘇東坡(蘇軾)作「九想詩」の注釈書、下巻は「貝葉ノ金句并ビニ倭漢ノ明言」。九相図(九想図、くそうず)とは、屋外にうち捨てられた死体が朽ちていく経過を九段階にわけて描いた仏教絵画である。名前の通り、死体の変遷を九の場面にわけて描くもので、死後まもないものに始まり、次第に腐っていき血や肉と化し、獣や鳥に食い荒らされ、九つ目にはばらばらの白骨ないし埋葬された様子が描かれる。九つの死体図の前に、生前の姿を加えて十の場面を描くものもある。九相図の場面は作品ごとに異なり、九相観を説いている経典でも一定ではない。『大智度論』『摩訶止観』などでは以下のようなものである。@脹相(ちょうそう)-死体が腐敗によるガスの発生で内部から膨張する。A壊相(えそう)-死体の腐乱が進み皮膚が破れ壊れはじめる。B血塗相(けちずそう)-死体の腐敗による損壊がさらに進み、溶解した脂肪・血液・体液が体外に滲みだす。C膿爛相(のうらんそう)-死体自体が腐敗により溶解する。D青?相(しょうおそう)-死体が青黒くなる。E?相(たんそう)-死体に虫がわき、鳥獣に食い荒らされる。F散相(さんそう)-以上の結果、死体の部位が散乱する。G骨相(こつそう)-血肉や皮脂がなくなり骨だけになる。H焼相(しょうそう)-骨が焼かれ灰だけになる。──死体の変貌の様子を見て観想することを九相観(九想観)というが、これは修行僧の悟りの妨げとなる煩悩を払い、現世の肉体を不浄なもの・無常なものと知るための修行である。九相観を説く経典は、奈良時代には日本に伝わっていたとされ、これらの絵画は鎌倉時代から江戸時代にかけて製作された。大陸でも、新疆ウイグル自治区やアフガニスタンで死屍観想図像が発見されており、中国でも唐や南宋の時代に死屍観想の伝統がみられ、唐代には九相図壁画の存在を示唆する漢詩もある。仏僧は基本的に男性であるため、九相図に描かれる死体は、彼らの煩悩の対象となる女性(特に美女)であった。題材として用いられた人物には檀林皇后や小野小町がいる。檀林皇后は信心深く、実際に自身の遺体を放置させ九相図を描かせたといわれる(Wikipedia参照)。
★原装・題簽付(上巻のみ)・状態良好。記名なし・蔵書印なし。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、2巻揃いが、27,500円〜120,000円】。
15000円 金工鑑定秘訣(文政3年板)
【判型】大本2巻2冊。縦265粍。
【作者】野田敬明(タカアキ・ヨシアキ、四郎兵衛)編。高瀬伴寛(トモヒロ)・野田政明画。千形仲道浄書。菅原長根(芍薬亭長根・三橋喜三二・本阿弥光悦七世)序。
【年代等】文政2年5月、編者凡例。文政3年秋初刊。[江戸]北島長四郎板。
【備考】分類「金工」。剞?:渋谷誠華堂。凡例によれば、後藤家彫刻の秘伝や見所を精しく紹介した金工鑑賞事典。また、凡例では、実物と模写の違いや鑑定の心得などにも触れるが、目利きの秘訣・秘事は一概に言葉で説明し難いとも付け加えている。/巻1は後藤家代々の目貫類金工の原寸大模写図録。巻2は鑑定の要点や諸金工落款を示す(西尾市岩瀬文庫・古典籍書誌DB)。
★原装・題簽付・概ね良好(表紙・本文小虫補修)。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、文政板が、35,000円〜206,800円】。
45000円 海国兵談補遺
【判型】大本2巻2冊。縦255粍。
【作者】林通幸(ミチユキ、平造・柳圃)作・序。
【年代等】万延2年5月自序。万延2年5月、藤精義(敬齋・真逸)跋。慶応元年6月、川田剛序。慶応2年8月刊。著者蔵板カ。
【備考】分類「海防・馬術」。例言によれば、仙台の及川勘左衛門・日下十蔵に学んだ馬術の要諦を、著者の叔父、林子平の『海国兵談』の補遺としてまとめた書。『海国兵談』には「造船・築城ヨリ弓弩(キュウド)鋭?(エイイン)ノ利害ニ至ルマデ」載せてあるものの、馬術に関しては全く触れないために、本書で補ったとする。上下(乾坤)2巻からなり、上巻に「軍馬之辨」「葛籠折并大駈廻シ之図」「雲形之図」「流鞁乗」「小駈廻シ之図」「細道ニテ馬上行逢之図」など23項、下巻に「五段之汗合ヲ知ル事」「手綱之事」「鞍堅腰手綱之図」「同全図」「轡之事」「切付肌付并馬面之略図」など34項。西洋や中国の馬具も随時紹介し、日本の馬具との利害得失にも触れる。馬術・馬具・武具等の図解も少なくない。
★原装・題簽付・美本。記名なし・蔵書印あり。稀書。【参考価格(初出品時の相場です):某古書店で、80000円】。
22000円 還魂紙料[すきかへし]
【判型】大本2巻2冊。縦258粍。
【作者】高屋知久(柳亭種彦1世・足薪翁・九尻亭佐寝彦(クジリテイサネヒコ)・柳風成(ヤナギノカゼナリ)・心種俊(ココロノタネトシ))編・序。葛飾北斎(為一)画。千形仲道書。
【年代等】文政7年春作。文政9年12月初刊。明治15年7月求板。[東京]蓮沼善兵衛(競英堂)板。
【備考】分類「随筆」。江戸後期の考証随筆。柳亭種彦著。為一(葛飾北斎)画(若干図)。1826年(文政9)刊。2巻2冊。原本の版心(柱)にある〈すきかへし〉を書名にする向きもあるが,同年刊の種彦の合巻に自身音読している。1824年成稿。上巻17項,下巻11項と補説7項。江戸初期の著名俳優,戯曲,芸能,習俗などにつき,古俳書から引例し,古画を模出紹介して精細な考証ぶりを示した高度な考証書(コトバンク)。
★原装・題簽付・状態良好。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、59,800円(明治板)〜275,000円(文政板)】。
16000円 大扶桑国考[皇国異称考]
【判型】大本2巻2冊。縦267粍。
【作者】平田篤胤(元瑞)作。業合大枝・関武雄・大高秀明校。
【年代等】天保5年立冬、生田万(国秀)跋。天保7年3月作。天保7年8月、大神安守序。天保7年11月、進藤隆明序(脇田信親書)・初刊。明治8年7月再刻。
【備考】分類「神道」。刊本の精写本。『大扶桑国考』は『山海経』海外東経や『十洲記』といった中国道教の文献に載る「扶桑国」をわが国のことだとし、そこに記された国名や地名は日本のしかるべき地の異称であることを証明しようとした書(山下久夫「篤胤のトポス─『大扶桑国考』の記述より─」)。平田篤胤(1776-1843)は、その著『大扶桑國考』(1836年)で、国王を意味するという「乙祁」を仁賢天皇の名とし、中国の伝説に表れる扶桑は日本のことだったとする説を唱えた(扶桑国にあるという文字を神代文字のことだともしている)(Wikipedia参照)。なお、上巻見返しに、天保7年板の板木が嘉永6年の大震災で悉く焼失したため、明治元年10月に皇学所が再板流布の官許を得て、明治8年7月にようやく上梓できたことを注記する(平田鉄胤注記)。
★原装・題簽付・美本。記名なし・蔵書印あり(「峡廼舎蔵書」印)。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、刊本2冊揃いが、18,000円〜20,000円(2冊本)】。
20000円 築山庭作伝[余景作り庭の図・余慶作り庭の図](江戸後期)
【判型】大本3巻3冊。縦250粍。
【作者】菱川師宣(菱河吉兵衛)画。
【年代等】延宝8年1月板([江戸]柏屋与市板)。江戸後期再刊。[大阪]河内屋太助ほか板。
【備考】分類「庭園」。延宝8年初板本の原題簽は「菱川築山図庭尽」。底本は、延宝板を上巻とし、中下巻に「諸国茶庭名跡図会」を収録した3巻本。/作庭造園の絵本。版刻題簽には「新板築山図付庭尽全」とあるが書名は内題による。版刻浮世絵創始期の寛文から元禄にかけて活躍した菱川師宣(?-1694)が手がけた絵入り版本のひとつで、庭園に人物が調和して描かれている。本書には延宝8年版(初版)、元禄4年(1691)改版、刊年不明版とがある。全21図。元禄4年版は延宝版を底本とし江戸鱗形屋刊行、延宝版にある「きく水の庭」「四季の花段」「こがらしのもり」の3図を欠く。刊年不明版は元禄4年改版と同じであるが、さらに画中の人物が削除されている(国会図書館HP参照)。
★原装・題簽付・極美本。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、110,000円(寛政頃1冊本)】。
45000円 七十一番職人歌合[校正職人歌合]
【判型】大本3巻3冊。縦258粍。
【作者】伝東坊城和長(ヒガシボウジョウカズナガ)書。土佐光信画。
【年代等】江戸後期刊。弘化2年2月刊。[大阪]加賀屋善蔵板。
【備考】分類「歌合」。『群書類従』巻第503上・中・下(光栄記念板*江戸時代の板木で再板)。明治後期に発見された『群書類従』の板木を用いて2回刷り立てが行われたが(第1回明治44年(50名)、第2回大正4年(156名))、その2回目に配布されたものが光栄記念板で表紙に「光栄記念」の方印を押す。中世に作られた〈職人歌合〉の最後の作品。1500年(明応9)11月ごろの成立と思われる。71番、142種の職人が登場、歌数は465首。原祖本は存せず、伝存のものはすべて近世の伝本である。71巻本《白氏文集》を模した構成で、先行の《東北院職人歌合》《鶴岡放生会職人歌合》に比し職種は増すが、絵画的にもそれら2作品を継ぐものである。本歌合の特徴は絵の空白に、歌や判詞と無関係ではあるが、職人の所作や表情に合った会話が記されている点で、室町時代の職人資料としても貴重である(コトバンク)。
★原装・題簽付・美本。記名なし・蔵書印あり。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、495,000円】。
35000円 源氏男女装束抄[源氏物語男女装束抄]
【判型】大本3巻3冊。縦274粍。
【作者】月村斎宗碩作。
【年代等】永正13年以前作。享保20年1月作・刊。[京都]銭屋七郎兵衛ほか板(求板)。
【備考】分類「有職故実・注釈」。源氏物語中の装束に関する記述を引き、古注釈の説に自説を交えて考証する。後附は「女官餝抄抜書」「胡曹抄抜書」「藻塩草抜書」(西尾市岩瀬文庫・古典籍書誌DB)。『源氏男女装束抄』は、3巻1冊、注釈、月村斎宗碩著、永正14年(1517)藤原祐梁の求めによって作成した『源氏物語』の装束に関する注釈書。例えば、桐壺巻では「無位の黄袍」「白大袿(オオウチギ)」、空蝉巻は「濃綾(コキアヤ)の単重(ヒトエガサネ)」「ふたあゐの小うちぎ」などのように、巻を追って数項目ずつ取り出し、注記を加えている。ただしその注記の多くは『河海抄』『花鳥余情』『細流抄』からの引用である。その後、渡辺康映の求めによって壺井義知が頭注を加え、「愚勘」などとする注記も補って元禄9年上梓した。さらに享保2年に渡辺康映が『女官餝抄』『胡曹抄』『藻塩草』から必要事項を抜き出し「源氏男女装束抄後付」として合冊し、義知が跋文を付した伝本も出版された(「日本古典文学大辞典」参照)。
★原装・題簽付・状態概ね良好(一部小虫)。記名なし・蔵書印なし。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、享保板が、150,000円〜165,000円】。
12000円 十論為辯抄[為辨抄] ★ゆうパック着払い
【判型】大本3巻3冊。縦274粍。
【作者】各務支考(蓮二房・渡部狂)編。
【年代等】享保10年3月刊。[京都]野田治兵衛板。
【備考】分類「俳諧」。*俳諧十論=俳諧論書。支考著。1719年(享保4)刊。自序などに1691年(元禄4)に成立していたように書かれているのは虚構であろう。内容は、俳諧の伝、俳諧の道、俳諧の徳、虚実の論、姿情の論、俳諧地、修行地、言行論、変化の論、法式の論の10項目について説いたものであり、芭蕉の言説などをもとに自己の解釈を加えて独自の俳論を組み立てている。支考の俳論書の中でも最も体系化されている。支考はさらに、《十論為弁抄》を刊行、越人の論駁書《不猫蛇(ふみようじや)》が書かれたりしたが、後世への影響は大きく、《俳諧非十論》などの難書や《俳諧十論衆議》《俳諧十論発蒙》などの注釈書が書かれた(コトバンク)。
★原装・題簽付・状態良好(わずかにシミ)。記名なし・蔵書印なし。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、18,330円〜36,300円】。
25000円 日本名山図会(文化板) ★ゆうパック着払い
【判型】大本3巻3冊。縦260粍。
【作者】谷文晁画・序。河村元善(川村寿庵)編・跋。
【年代等】享和2年4月、柴邦彦(柴野栗山)序。文化元年秋、川元善(河村元善)跋。文化元年9月自序。文化4年冬、川村博跋・刊。文化9年5月刊。[江戸]須原屋茂兵衛板。
【備考】分類「地誌・絵画」。日本の名山を谷文晁社が描いたもの。『名山図譜』の改題本。新海祥子ほか「「日本名山図会」にみる谷文晁の名山観」(造園雑誌55(5),49-54,1991)によれば、本書は「日本の代表的山岳89座の風景を90葉の画で表した」ものであり、わが国初めての名山集大成といわれ、近代以降の山岳風景観の形成に大きな影響を与えたものである。同論文は「日本名山図会」を通じて文晁の名山観を明らかにするため、それ以前の文献で取りあげられた名山と比較しながら、文晁の名山および名山の評価構造の特徴を分析した結果、文晁は自分の目でみた独自の名山を選定した文晁は山の構図を重視して名山と評価したことがわかり、山を風景として見るという文晁の名山観が明らかになった」とする。
★原装・題簽付・並本(表紙等やや小虫)。記名あり・蔵書印なし。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、文化板が、50,920円〜316,800円】。
58000円 達生図説
【判型】大本3巻3冊。縦259粍。
【作者】近藤直義(近藤謙山・退蔵・若州)作・序。
【年代等】嘉永7年7月自序。安政5年6月刊。[京都]野田藤八ほか板。
【備考】分類「医学」。上巻に「産前」、中巻に「臨産」、下巻に「産後」等の3巻に分け、主として医療器具の使い方や医療処置の実際を豊富な図解を交えて解説した医学書。上巻凡例の冒頭で、「救産ノ術ハ子玄先生発明シテヨリ末流次第ニ闢(ヒラ)ケ、近時、其書年ヲ追テイデ、其器械(ドウグ)モ亦随テ夥シ。然レドモ、此ヲ療術ニ施用スルニ至テハ迂遠ニ属スルモノ半ニ過グ」と述べるように、特に種々の医療器具が考案されてきたが、実際の施術に際しては問題点もあることから、自ら試した経験も踏まえて述べたこと、また、分かりやすい国字(仮名書き)で記載したこと、他の医書が秘匿しがちな施術の詳細を極力明らかに記した(図解も詳しい)ことなどを本書の特長として挙げる。上巻「産前」は、以上の凡例に続けて「探頷器」や「包頭器」などの医療器具と「陰門・子宮・尿道ノ図」を掲げ、続く本文に「陰門」「子宮」「経行」「辨胎」「按腹」「姙体曲痛」「水腫」「子癇」の8項を載せる。中巻「臨産」は、「設蓐」「平産」「死胎」「逆産」「双胎」「整横」「抜坐」「横産」「順難産」「胞衣」の10項。下巻は「産後」章に「児枕痛」「血暈」「戦寒」「子宮脱」「乳」「小便閉」「復肛」「陰中怒肉」「易蓐」「肩背鉄鍼」の10項のほか、「雑証」章に「半産」「脱血」「戊子双斃」「傷産」「小腹結毒」「痙病」「肩背血熱」「雑療」の8項、「小児」章に「浴衣」「死活」「雑療」の3項及び附録「雑方(各種漢方薬の処方)」までを収録する。
★原装・題簽付・状態概ね良好(表紙等小虫・本文一部小虫補修)。記名なし・蔵書印なし。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、165,000円〜180,000円】。
40000円 東国名勝志[絵本東国名勝志]
【判型】大本5巻5冊。縦270粍。
【作者】鳥飼酔雅(吉文字屋市兵衛・定栄堂・洞斎)編。月岡丹下(昌信・雪鼎)画。
【年代等】宝暦12年1月、鳥飼酔雅子自序。宝暦12年1月刊。[大阪]高田清兵衛ほか板。
【備考】分類「地誌」。彫工、吉見仁右衛門。本書は、東国(松前・東国・東海道)の名所故事を題した絵本。著者鳥飼酔雅は書肆鳥飼市兵衛(西尾市岩瀬文庫・古典籍書誌DB)。/地誌。5巻5冊からなり、別称を『絵本東国名勝志』という。北海道の島から東北の青森、岩手、宮城、栃木、埼玉、静岡、三重等の東国の名所旧跡と、その歌枕にまつわる古今の名歌を合わせて紹介する。巻頭は「日の出の浜」で、東の最果ての想像上の場所であるが、関東よりさらに東の日の出る所、千島を指すとも言う。佐々木忠慧は「東国賛美」であり、民衆の深層心理にある東方賛美の理念を具現しているとしている(『東国名勝志−東国歌枕名所集』)。本書は、寛政9年刊の『東海道名所図絵』以前に書かれており、万治年間(1658-1661)頃刊行の『東海道名所記』(浅井了意)より成立は遅れるものの、名所を絵図と共に描いた名所図会の先駆けとして意義がある。本書に描かれているのはいわゆる「歌枕」であるが、内容に正確さを欠くものもあるとして、佐々木忠慧は前掲書において補訂を施したうえで「東国歌枕名所集」を編集した。作者は鳥飼酔雅。別名を吉文字屋市兵衛。酔雅朧月、定栄堂、洞堂とも号した。書肆の3代目で、家業の傍ら自作を出版していた。『伊勢道中行程記』、『絵本源氏物語』など40点を越える著作がある。本書の刊記にも「鳥飼市兵衛」名義で版元に名を連ねている。画家、月岡丹下は江戸時代中期、近江国日野に生まれた。本姓は源、名は昌信、字は大渓、号は雪鼎、信天翁、桃?、露仁斎、錦童など。絵は高田敬輔に学び、のちに西川佑信を慕い、月岡派を形成して関西浮世絵の中心的な存在となった。天明6年、77 歳で没した(神奈川県立の図書館HP参照)。
★原装・題簽付・状態並み(小虫補修)。記名なし・蔵書印なし。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、4冊(1冊欠本)が、68,000円】。
21000円 源氏物語忍艸[源語忍草・源氏忍草・源氏物語抄]
【判型】大本5巻5冊。縦258粍。
【作者】北村湖春注。成島司直序(篠木信定書)。箕田休山跋。
【年代等】元禄初年作。天保5年6月序。天保8年10月官許・初刊。[江戸]須原屋佐助ほか板。
【備考】分類「注釈」。外題は「源氏物語忍草」、内題は「源語忍草」。1688年の成立。源氏物語の梗概書であるが連歌師のための書としての側面の強い源氏大鏡や源氏小鏡とも、初学者向けの側面の強い十帖源氏等とも異なった優れた注釈書としての側面も持っており[1]、「源氏物語の平明な入門書として類書を抜く」とまで評され写本として一部の文人たちの間に伝わってはいたものの伝本も少なく知名度も低かったが、約150年後の天保年間に至って版本として刊行されて普及した。(Wikipedia)*源氏物語研究史上、北村季吟の湖月抄は余りにも有名であるが、季吟の嫡男、湖春の源氏物語忍草を知る人は少ない。芭蕉とも親交のあった彼は、父の仕事を助けながら一方で源氏物語の梗概書を作り、この一作を遺して父に先だって死んだ。「源氏物語の平明な入門書として類書を抜く」とまで評される忍草は、以後、写本として文人間に伝わっていたが、約150年間の後の天保年間に至って版本として普及した。(Amazon)
★原装・題簽付・状態良好。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、22,000円〜38,700円】。
80000円 利根川図志[刀根川図志]
【判型】大本6巻6冊。縦261粍。
【作者】赤松宗旦(義知)作・序。葛飾北斎二世ほか画。香取正文序。
【年代等】安政2年3月自序。安政4年10月脱稿。安政5年4月刊。[江戸]山田屋佐助ほか板。
【備考】分類「地誌」。『利根川図志』(とねがわずし)は、江戸時代末期に赤松宗旦(あかまつそうたん)が著した利根川中・下流域の地誌である。執筆時期については、序文に江戸時代末期の安政2年(1855年)と記されている。また、『利根川図志調帳』には、「安政4年(1857年)10月に『利根川図志』が完成し、取材協力者に送った」とあるので、この頃には製本が完了したことが分かる。安政5年(1858年)4月、幕府から正式に出版が許可され、頒布されるようになった。執筆者の赤松宗旦(赤松義知)は、下総国相馬郡布川村(現在の茨城県北相馬郡利根町布川)の医師。文化3年(1806年)生まれ。父の恵も宗旦と称しており、義知は2代目であった。紹介されている地域は利根川中・下流域。現在の渡良瀬川合流地点から太平洋河口まで、すなわち、茨城県古河市から千葉県銚子市までの広い流域を対象とし、各地の名所・旧跡・名産品・風土・風習などを、多数の挿絵を交えて紹介している。挿絵を描いた絵師も多彩で、宗旦自身が残した『雑話』には、葛飾北斎(2代目)、葛飾為斎、山形素真、湖城喜一、玉蘭斎貞秀、一立斎広重の名が見える。(Wikipedia)
★原装・題簽5冊存・1冊入れ本は状態並み、他の5冊は概ね美本(1冊シミ多し)。色刷り挿絵数丁。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、6冊揃いの江戸期板が180,000円〜609,000円】。
75000円 草木錦葉集(前後編)
【判型】大本7冊(前編:緒巻1巻・前編3巻の3冊/後編:緒巻1巻後・編3巻の4冊)。縦267粍。
【作者】水野忠暁(タタアキ・タダトシ)作・序。大岡雲峰・関根雲停画(写生)。内藤秋水・水野逸斎・手形文沢画(加画)。彫工、佐々木閑月。
【年代等】前編(緒巻・1-3巻):文政10年3月、水のげんちうぎやう(水野源忠暁)序。文政12年8月作。文政12年10月初刊。[江戸]須原屋茂兵衛(千鐘房)板。後編緒巻:文政12年11月刊。[江戸]須原屋茂兵衛(千鐘房)板。後編(4-6巻):文政12年10月刊。[江戸]御鉢植作留蔵宝板。須原屋茂兵衛(千鐘房)板。
【備考】分類「本草」。『草木錦葉集』は、種々の栽培草木の品種名をいろは順に列挙、解説を付したもの(世界的にも珍しい斑入(フイリ)植物のみの植物図鑑)。『草木錦葉集』は、漢字かな交じり。絵図多数。緒巻は草木栽培の懇切な指南書で、前編の前と最終7冊目の2部に分かれる。著者は旗本。/『草木錦葉集』は、旗本の水野忠暁(みずの・ただとし 通称は宗次郎)が著した斑入(フイリ)植物(植物においてもともと単色で構成される組織が、本来持っているべき色、つまり緑色の葉の一部が白や黄色あるいは赤の模様になることを指すことが多い)の図説集。緒巻(前編と後編に分割)・前編3巻・後編3巻から成り、緒巻では斑入り愛好家の間で用いられる「通言」(特殊な用語)や各種栽培法、害虫の駆除法などを述べ、前編後編では「いろは順」に、斑入りの草木を写生図を添えて紹介している。「む」の部で中断しているものの1000点余を掲載し、図の大半を大岡雲峰の門人、関根雲停が描いた。作者の水野忠暁の先祖は知行500石だったが、元禄年間に当主が「狂気」を理由に知行を没収され、その後はわずかな俸禄に甘んじ、役職にも就かなかった。天保5年(1834)没。享年68。本書に見える署名「水のげんちうぎやう」は「水野源忠暁」のこと(西尾市岩瀬文庫・古典籍書誌DB、国立公文書館HP、千葉大学附属図書館HPほか参照)。
★原装・題簽付・美本。初版本。記名なし・蔵書印なし。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、初板7冊・原装本が、160,000円〜308,000円。後印7冊・虫損本が、55,000円】。
40000円 病家須知[病家意得草・ことぶき草](前後編)
【判型】大本7冊(前後2編8巻8冊のうち、後編の第6巻1冊欠)。縦253粍。
【作者】平野重誠(元良・桜寧・革谿カクケイ道人)作・序。
【年代等】前編(1-4巻):天保3年9月自序・刊。[大阪]秋田屋太右衛門ほか板。天保4年12月、浅見譲跋。後編(5-8巻):天保4年、真静序。天保4年冬、翠の屋序。天保4年2月刊記。天保4年12月浅見譲跋。天保5年冬初刊。[江戸]須原屋茂兵衛板。
【備考】分類「医学」。『病家須知』は、1832年(天保3年)に発行されたわが国初の家庭医学百科・家庭看護指導書。書名は「病家(病人のいる家)」+「須知(すべからく知るべし)」=家庭看護必携、家庭医学百科の意。その内容は日々の養生の心得、病人看護の心得、食生活の指針、妊産婦のケア、助産法、小児養育の心得、当時の伝染病の考え方・処置対策、急病と怪我の救急法、終末ケアの心得から医師の選び方まで多岐にわたり、一般庶民向けに医学・衛生・保健知識を具体的にまとめた看護書としてわが国初のもの。『病家須知』の存在は、これまで医学史・看護史の分野では知られてはいたが、その内容に触れることができるのは一部の研究者だけであった。今回、この日本独自のヘルスケア・看護介護百科というべき内容を、初めて現代語訳を付して、誰もが活用できるように発行する(農文協HP)。
★原装・題簽はほぼ存(一部、書名題簽欠)・状態概ね良好。取り合わせ7冊(後編第3冊=8巻通巻の第6巻1冊を欠く)。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、8冊揃いが、63,000円】。
28000円 〈三国事蹟〉除睡抄[説法因縁除睡抄]
【判型】大本8巻8冊。縦257粍。
【作者】盤察(洛西前浄円教寺沙門)編・序。
【年代等】享保6年5月序。享保6年5月刊。[江戸]須原屋茂兵衛ほか板。
【備考】分類「教訓」。興味深い種々の譬喩や寓話で人倫を諭すことによって、聴衆の眠りを醒ます(睡りを除く)ことを目指した教訓書。1巻「五倫部」は「君臣」「父子」「夫婦」「兄弟」に関するもので、「国王愚にして漆を以て城を塗らんと欲する事」以下51話。2巻「五根部」は「眼根」「耳根」「声塵」「鼻根」「舌根」「味」「身」に関するもので、「王眇(スガメ)にして、后王に向ふに半面を粧ふ事」以下39話。3巻「五悪部」は、「殺生」「偸盗」「淫」に関するもので、「佗の多子を殺して我が子の死を悲しむ事」以下22話。4巻「五悪部」は、「妄語」「飲酒」「茶茗」に関するもので、「鶴?(カメ)を啣(フク)んで去るに、口を開きて?落つる事」以下32話。5巻「五惑部」は、「慳貪」「瞋恚」「慢」「疑」「信」に関するもので、「帝釈、慳貪の長者を追ひ出す事」以下47話。6巻「雑部」は「嗜好」「囲碁」等に関するもので、「忘ることを病んで愈えて後に大いに怒て医を逐ふ事」以下31話。7巻「雑部」は「技芸」「効佗」「嫉妬」「占相」に関するもので、「一の女、酒を温むるを以て技芸と為る事」以下24話。8巻「鬼畜部」は、「一鬼側らに在て貧を歎く人を笑ふ事」以下23話。
★原装・題簽付・状態概ね良好(稀に小虫)。稀書。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、8冊揃いが、71,500円】。
10000円 古今和歌集正義(明治初年)
【判型】大本9巻9冊。縦257粍。
【作者】香川景樹(香川式部)作。
【年代等】天保3年9月作(1巻「総論」)。天保6年秋刊(「春下」巻末尾。東塢塾(景樹の歌塾)蔵板。[京都]河南儀兵衛ほか売出)。嘉永2年秋刊(「冬」巻末尾。東塢塾蔵板。[京都]出雲寺文次郎ほか売出)。明治初年後印。刊行者不明。
【備考】分類「和歌・注釈」。『古今和歌集正義』は、23巻、注釈、香川景樹著、天保6年(1835)に総論と序注の3巻3冊刊行。没後の嘉永2年(1849)嗣子景恒により秋・上下、冬の3巻3冊刊行された。木版本としては6冊で刊行が中断されたが、自筆稿本は嗣子景恒のもとに保存され、それによって、明治28年の活字本刊行の運びとなった。景樹は『古今集』を理想としたから、その『古今集』研究は、彼の思想、歌論の形成と表裏して間断なく進められていたが、文化5年頃から具体的な執筆準備にとりかかり、文化7年に春までの注を終り、以後、天保14年没するまで、20余年にわたって、再三改稿、詰屈努力の結果、すべてが完成された。内容は、総論は和歌の本質論で、『古今集』序の敷衍である。注釈の基本は『古今余材抄』にはじまる近世的実証的作業である。特色は周到に資料を蒐集して、歌意を全体としてよく把握していることである。先人の注釈はよく批判的に利用している。本文は流布本を底本としながら、『古今和歌六帖』や私家集などを用いて的確な本文批評を試みている。これは先人の未だなし得なかったことである。ただ、仮名序の本文だけは特別なもので、その性質については、論議されている。本書は景樹の思想、歌学の源泉であり、結実でもある。後世への影響の大きな注釈書と言い得る(「日本古典文学大辞典」参照)。なお、外題は「序正文/総論・序/本末・春/上下・夏・秋/上下・冬」。
★原装・題簽付・状態良好。記名なし・蔵書印なし。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、9冊揃いが、15,000円〜49,500円】。
20000円 首書四書集註[〈鼇頭〉大学章句・中庸章句・論語章句・孟子章句]
【判型】大本10巻10冊。縦277粍。
【作者】朱熹(朱子)注。
【年代等】延宝2年5月初刊。天明3年7月再刻。[京都]石田門人蔵板。[大阪]大野木市兵衛ほか売出。
【備考】分類「漢学・心学」。最終巻(「孟子集註」4巻)末尾に「京兆石田門人蔵板記」の朱印を押すように、京都の石門心学門人らによって刊行されたもの。『四書集注』は南宋の儒学者朱熹の主著で、「四書」に関する注釈を収集整理し、さらに朱熹自身の注釈を加えた『大学章句』『中庸章句』『論語集注』『孟子集注』の4編の注釈書。朱子学で重視され、宋代以降の中国近世社会で最も広く読まれた書と評される。『四書章句集注』とも。南宋の儒学者、朱熹は、「五経」への階梯として、孔子に始まり孟子へと続く道が伝えられていると考え、「四書」(『大学』『中庸』『論語』『孟子』)を重視した。朱熹は「四書」それぞれに注釈書を著し、これが『四書集注』と総称された。元において朱子学が国教化(延祐2年〈1315年〉科挙の標準解釈に採用)されて以降、朝鮮・ベトナム・日本など東アジアで広く受容された(ただし、元朝において朱熹の注釈が科挙に採用されたことは、学問に著しい功利性を生じさせ、元来の朱子学の形骸化を招いたとも言われる)(Wikipedia参照)。
★原装・題簽付・状態概ね良好(表紙虫損、本文小虫)。記名なし・蔵書印あり。稀書。
4000円 私案なしの説[私案なしの説〈附録、知性養心弁〉・心学根本草]
【判型】大本1冊。縦272粍。
【作者】手島堵庵(信・東郭子)作。上河其水(正揚・柿園)編・注。
【年代等】安永6年2月作。文化11年11月刊。[京都]五楽舎蔵板。
【備考】分類「心学」。「私案なしの説」に「知性の辨」「養心の辨」を加えた心学書。奥付に「不許出門人之外矣」と明記した心学社中門外不出の書。前半の「私案なしの説」は門人の問いに堵庵が答える形で堵庵心学の本質である「私案なし」の境地を説いたもの。まず、「私案なしの位(ば)」を知ることと盤珪和尚の「不生の仏心」との異同についての論から始まり、両者が同一である理由や、私案なき本心を一度見得する大切さを説く。「あれども覚へぬ」本心を知るには修行が必要で、「耳目はあれども自身には見へず。忘れて居れば此身は即空(じきにくう)也。其空なるものが物を見、音を聞くは何で見、何で聞と、品々の物を出し見、品々の物をたゝきて其音を聞て、唯信心堅固にして如何、如何と工夫修行せらるべし」と本心会得の修行を促す。淇水は、以上の本文の随所に頭注を加えるほか、その後数丁にわたる補足説明で、私心・本心・明徳・天理・中和等と私案なしとの相違・相関を述べ、さらに、儒教・仏教・神道における心性論の比較検討を行った上で、「三聖一理私案無し」の結論に導く。また、末尾の「知性の辨」は梅岩が門弟に示した性を知る工夫や自性の会得について、「養心の辨」は堵庵が説いた本心を養う工夫について記した小文である。
★原装・題簽付・状態概ね良好(小口一部破損(本文に影響なし))。記名なし・蔵書印あり。稀書(全国に所蔵数カ所(国文学研究資料館DB))。
3500円 書札文章(端本)・用文章(享保頃)の2冊
【判型】大本2冊。縦256・258粍。
【作者】前者は堀流水軒作・書。
【年代等】前者は元禄12年9月刊。[京都]近江屋太郎兵衛板。
【備考】分類「往来物」。元禄期の堀流水軒筆手本と、享保頃の用文章(書名不明)の2冊。
★原装・題簽摩滅・1冊は状態良好。もう1冊は破損、裏表紙欠。記名なし・蔵書印あり。
3000円 〈長雄〉当用往来
【判型】大本1冊。縦271粍。
【作者】長雄耕文(数楽耕文・富利)書。
【年代等】江戸中期刊。[江戸]山崎金兵衛板。
【備考】分類「往来物」。四季用文章(準漢文体)17通と、四季仮名文12通を収録した大字・3行・無訓の陰刻手本。前半は「新年状」から「寒中見舞状」までの四季時候の書状で、季節の推移を伝える贈答の手紙が中心。同様に後半の仮名文も、四季の花鳥風月や季節の行事について綴ったものである。後簽に「〈長雄〉文章〈並仮名文章〉」と記すが、原題簽の書名は「〈長雄〉当用往来」。
★原装・題簽付・状態良好。記名なし・蔵書印なし。稀書(全国に所蔵数カ所(国文学研究資料館DB))。
3500円 〈長雄〉 手紙文集
【判型】大本1冊。縦272粍。
【作者】長雄耕雲(栢梁堂)・佐藤対雲書。
【年代等】安永2年3.月書・刊。[江戸]山崎金兵衛板。
【備考】分類「往来物」。親しい個人間でやりとりする四季贈答の手紙などを綴った長雄流手本。「天気が回復したら野辺へ出て草摘みをいたしましょう」といった四季折々の交際を主題とする手紙19通を収録。その多くが自宅への訪問を請う誘引状で、草摘み、十桃≠フ会、茶会、両吟歌仙の会、紅葉見物、庭園鑑賞、雪見など春夏秋冬それぞれにふさわしい題材が選ばれている。本文を大字・3行・無訓で記す。以上が長雄耕雲の筆であり、末尾に佐藤対雲筆の詩歌数編を付す。
★原装・題簽付・状態良好。記名なし・蔵書印なし。稀書(他に所蔵無し(国文学研究資料館DB))。
4500円 〈初学必用〉万宝古状揃大全(文化5年)
【判型】大本1冊。縦254粍。
【作者】不明。
【年代等】宝暦7年2月改正。文化5年11月再刻。[京都]菊屋喜兵衛ほか板。
【備考】分類「往来物」。本文に「今川状」「腰越状」「熊谷状」「経盛返状」「手習状(初登山手習教訓書)」「義経含状」の6状と「実語教・童子教」の2教を収録した古状揃。本文を大字・6行(実語教・童子教は7行)・付訓で記す。巻頭に「蒼頡の図」「東山祇園の図」「諸物名数」「六芸の図」、また頭書に「楠正成金剛山居間之壁書」「西塔武蔵坊弁慶最期書捨之一通(弁慶状)」「木曽義仲願書」「武蔵坊弁慶勧進帳」「曽我状・同返状」「小野篁歌字尽」「七以呂波」「字尽(魚之部・貝之部・諸鳥之部・獣之部・蟲之部・諸木之部・草花之部・青物之部・諸道具之部・衣類並染色」「大日本国尽」「百官名尽」「東百官」「名字尽」を掲げ、巻末に「月の異名」「十干十二支」を載せる。
★原装・題簽付・状態概ね良好(表紙補修、末尾数丁小虫)。記名なし・蔵書印なし。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、7,150円(天保板)〜74,800円(刊年不明)】。
3500円 〈文政新刻〉商売往来講釈[商売往来抄](文政10年)
【判型】大本1冊。縦257粍。
【作者】高井蘭山注・序。
【年代等】文政10年5月自序。文政10年5月刊。[江戸]英平吉(万笈堂)板。
【備考】分類「往来物」。書名は別本の原題簽による。『商売往来講釈』は、流布本『商売往来』注釈書の一つ。15段に分けた本文を大字・6行・無訓で記し、各段毎に割注を施す。また、頭書に総振り仮名付きの本文を再録する。注釈文の冒頭で『商売往来』の字義・由来などを示し、以下本文について平易な注を施すが、しばしば関連知識や類語に言及する(例えば第2段目では、大判・小判その他金銀貨幣の種類・沿革・由来等を詳述し、他の段でも適宜関連語を掲出する)。なお、見返に板元の店頭風景を描く。
★原装・題簽欠・状態概ね良好。記名・蔵書印あり。稀書(全国に所蔵数カ所(国文学研究資料館DB))。
5000円 庭訓往来(元禄7年・堀流水軒)
【判型】大本1冊。縦263粍。
【作者】不明。
【年代等】元禄7年7月刊。[大阪]難波書肆板。
【備考】分類「往来物」。『庭訓往来』は、古写本のみで約70種、近世より近代初頭にかけての板本は約300種に上り、中世から明治初年に至るまで最も普及した往来物の一つ。1カ月往返2通ずつ1年24通、これに単簡1通(7月状または8月状)を加えた計25通の手紙文より構成される。内容は、武家および上層・庶民の社会生活を中核として新年の会、詩歌の会、地方大名の館造り、領国の繁栄、大名・高家の饗応、司法制度・訴訟手続、将軍家の威容、寺院における大法会、大斎の行事、病気の治療法、地方行政の制度等を主題とする手紙で、各手紙とも類別単語集団を収める(衣食住370語、職分職業217語、仏教179語、武具75語、教養46語、文学16語、雑61語、計964語)。底本は、「庭訓往来」本文を大字・5行・無訓で記したもの。
★改装・題簽欠・状態並み(表紙等汚損・書き入れ)。記名なし・蔵書印なし。
8500円 今川之抄[今川抄]
【判型】大本1冊。縦261粍。
【作者】山岡元隣(而慍斎・而媼斎)注。
【年代等】明暦3年8月初刊([京都]長谷川市郎兵衛板)。江戸前期後印。
【備考】分類「往来物」。『今川(之)抄』は、『今川状』の初期注釈書で、刊本の注釈書では現存最古だが、『万治2年書目』に見える『今川抄』と同内容か、その影響下に生まれたものであろう。明暦板はまず『今川状』の解題を割注形式で付し、続いて本文を半丁に大字・6行・付訓で書し、全23カ条の各条毎に施注し、後文は長短含む21段の語句または文章に分けて詳しく施注したもの。後に『増補今川抄(今川諺解大成)』が登場したが、これは、明暦板の『今川(之)抄』を基本に、自らの考えと和漢・儒仏の諸書からの引用によってより詳しく注解したもの。『今川状』本文を各条毎の23段、後文は19段に分割し、半丁に大字・7行・付訓で書し、割注を施す(注釈文は小字・15行・付訓)。注釈内容は、語注や同種の金言名句、関連の故事などを主とし、典拠も逐一明示する。元禄2年刊『今川諺解大成』とは別内容だが、江戸中期以降は、寛文板よりも元禄板の方が普及した。
★原装・題簽摩滅・状態並み。記名あり。稀書(全国に所蔵数カ所(国文学研究資料館DB))。
3000円 謹身往来(天保8年書)
【判型】大本1冊。縦275粍。
【作者】吉田其幸(玄奉・継曹)作。松原清成書。
【年代等】天保8年12月書。
【備考】分類「往来物」。『謹身往来』は、主として江戸町人のために日常語や生活心得全般を綴った往来。準漢文体の文章で、まず「抑教之有増者、人々心得可有事、先以、四海波静治、目出度御代、日夜朝暮三綱五常之道行、国民安寧、五穀富饒之御政不浅…」と国家泰平を謳歌する文言から書き始め、町人子弟の心得(学業・行状・悪行)、公序良俗、江戸の名所・名物、家庭医療、衣類、工芸品、宗教、諸職・諸商人(諸商品)、家財等にいたる用語・知識を列挙し、最後に、善悪を弁えて煩悩や瞋恚を去り、倹約・算勘・柔和・忍辱・忠義・孝行・勤勉に生きるべきことを諭す。
★原装・状態概ね良好(一部小虫)。江戸時代の記名あり。
10000円 〈新板〉実語教抄(明暦2年)
【判型】大本1冊。縦267粍。
【作者】不明。
【年代等】明暦2年閏4月刊。刊行者不明。『実語教』の注釈書の一つ。二教本文を大字・7行程度・付訓で記し、小字・15行程度・付訓の注釈文を付す。『実語教抄』は、室町初期写本『実語教注』にほぼ依拠し、仏教的に付会した施注をそのまま継承する。ただし、語句の相違が随所に見られ、誤記・誤伝によって意味不通となった箇所もある。また、引用などの増補も随所に見られ、特に「以有樹為貴」の部分では、釈迦の誕生から入滅までの話を大幅に増補しえある。また、仏書以外からの引用も継承するが、『礼記』など新たに加えたものもある。後半の『童子教抄』は、永禄3年書『童子教注抄』や慶安3年刊『童子教抄』とほぼ同文で仏教色が濃いが、「五常」「中道」「孔子」「顔回」「子路」などの語彙も含まれる。また、引用される説話類も『実語教抄』の如き仏教説話が影をひそめ、漢籍から広く採用する。なお、二教とも冒頭にそれぞれ撰作者についての言及がある。また、本書前半部を単行本で刊行した『〈新板〉実語教抄』(あるいはこの単行本が先に出版されたか)や、安永(一七七二〜八一)頃刊の改題本『〈新板〉実語教童子教和語抄』などもある。
【備考】分類「往来物」。書名は別本の原題簽による。
★原装・題簽欠・状態並み(小虫補修)良好。記名なし・蔵書印なし。稀書(全国に所蔵数カ所(国文学研究資料館DB))。
5000円 長雄書札文集(宝暦9年)
【判型】横本1冊。縦185粍。
【作者】船田耕山(雅通・田四郎)書。
【年代等】宝暦9年1月刊。[江戸]奥村喜兵衛板。
【備考】分類「往来物」。武家公用文から日常私用文までを集めた長雄流手本。朝鮮出向者が任地での状況を報告する書状から納涼の会の案内に対する返事までの16通と、4月〜7月頃の時候の仮名文3通の合計19通を収録。本文を概ね大字・4行・無訓で記す。
★原装・題簽付・美本。記名なし・蔵書印なし。稀書(全国に所蔵数カ所(国文学研究資料館DB))。
3500円 〈坂川〉御家書札〈仮名文・詩歌〉(坂川暘谷)
【判型】横本1冊。縦193粍。
【作者】坂川暘谷(芝泉堂)書。荒川暘湊跋。
【年代等】文政5年9月跋・刊。[江戸]和泉屋吉兵衛(泉栄堂)板。
【備考】分類「往来物」。新年祝儀状(披露状)以下16通と詩歌4編を綴った手本。年始の儀式を終えた将軍家への年頭祝儀状、昇進祝儀状、京都御用拝命の礼状、入門願い状、暑中見舞い礼状、南都産油煙墨贈答状など公私にわたる例文で、うち4通は四季仮名文である。末尾の詩歌は全て散らし書きで書かれている。前半の準漢文体書簡は大字・6行・無訓。
★原装・題簽欠・状態並み(本文小虫)。記名なし・蔵書印なし。稀書(全国に所蔵数カ所(国文学研究資料館DB))。
6000円 〈当用〉手紙文集(享保14年・堀流水軒)
【判型】横本1冊。縦185粍。
【作者】堀流水軒書。堀流長軒(勝範)跋。
【年代等】享保14年11月刊。[大阪]敦賀屋九兵衛ほか板。
【備考】分類「往来物」。元禄〜享保期に多くの手本を執筆した堀流水軒の手本の一つ。「新年祝儀状」から「重陽節句祝儀状」までの55通をそれぞれ大字・6行・無訓で記す。婚礼祝儀、新田拝受、帰国見舞、縁組祝儀、新宅普請、旅行餞別、死去、身元保証、材木運搬など吉凶事・諸用件・商用等の様々な例文を記す。なお、享保19年刊『町方書札集』巻末広告には「手紙文集、堀流長軒筆、全一冊」と記す。
★原装・題簽付・状態概ね良好(ややシミ・小虫)。記名・蔵書印あり。稀書(他に所蔵無し(国文学研究資料館DB))。【参考価格(初出品時の相場です):某古書店で原装本が、8000円】。
2500円 〈天保新板〉江戸往来[〈頭書〉江戸往来・自遣往来](天保7年)
【判型】大本1冊。縦254粍。
【作者】不明。
【年代等】天保7年秋刊。[江戸]須原屋茂兵衛板。
【備考】分類「往来物」。『江戸往来』は、全編1通の手紙形式を採り、第1に年始の挨拶、第2に千代田城内での将軍家を中心とする年始の儀式ならびに行事の有様、第3に諸国より流入する土産・菓肴・衣服・器財・舶来の品々、第4に江戸の広さおよび町々の方角と武家民家の密集する様子、第5に明暦年中に玉川の水を東南の地に引いたことや、万治年中に隅田川に両国橋をかけたこと、第6に不忍池遊興の状況を叙して御代の泰平を謳歌する。このように江戸の案内書も兼ねることから、内題を『自遣往来』としたとも考えられ、この書名によっても普及した往来である。その構成においては、『駿河状(駿府往来)』の影響を受けているが、同時に第3〜6項は江戸の武家・庶民が営む生活に即した独自の内容であり、地理科往来・地誌型の代表的な往来となった。すなわち、本往来自身が多くの板を重ねて普及したのみでなく、江戸中期・後期そして明治初年の各地で作られた地誌型往来の編集方式や記事内容に深甚の影響を及ぼした。底本は、「江戸往来」の本文を大字・6行・付訓で記し、頭書に「江戸方角」「日本国尽」「百官名」「名頭字尽」「偏傍冠構」「書初之詩歌」「七夕の詩歌」「片仮名イロハ」を掲げたもの。
★原装・題簽欠・状態良好。記名なし・蔵書印なし。
3500円 〈頭書絵入〉御成敗式目[貞永御成敗式目書](寛政4年・須原屋板)
【判型】大本1冊。縦253粍。
【作者】不明。
【年代等】寛政4年1月再刊。[江戸]須原屋茂兵衛(甘泉堂)板。
【備考】分類「往来物・法制」。『御成敗式目』の本文を大字・6行・無訓で記した往来物。巻頭に「視・聴・言・動の四箴」を掲げ、頭書に「御成敗式目来由」「楠正成金剛山居間之壁書」「年中往来」「祐筆書法指南」「竪文・横文・封文書様之次第」「五節供之来由」「相性名乗文字」を収録する。『御成敗式目』は、貞永元年7月制定、同8月に公布された鎌倉幕府の基本法典。頼朝以来の慣習法や判例などに基づいて、御家人の権限・義務、所領の訴訟等について成文化したもの。全51カ条だが、現存の条々は随時条文の合併や追加が行われたものと思われる。政治・行政の規範として古来より公武において尊重・研究され、特に武家社会においては必須の教養として、中世より読み書きの手本に多用された。刊本では大永4年12月板(小槻宿禰跋)が最古本だが、次の享禄2年8月板とそれに続く慶長板は、近世に夥しく流布し刊本の源流となった。近世以降は、庶民の手習い用にも広く用いられ、手本・読本用で約190種、天文3年刊『清原宣賢式目抄』(古活字版)を始め約25種の注釈書が刊行されている。
★原装・題簽付・状態概ね良好(表紙小口やや破損)。記名・蔵書印あり。
15000円 〈頭書絵抄〉御成敗式目[御成敗式目絵抄](元禄6年)
【判型】大本1冊。縦260粍。
【作者】杉村次兵衛(次平・次信・春信・正高)注・画・跋(元禄10年板)。
【年代等】元禄6年7月刊。[江戸]万屋庄兵衛板。
【備考】分類「往来物」。『御成敗式目』は貞永以来の「生民の法則」であり、人々は「此式法をもつて、身をおさめ家をととのへ国を治め天下をたいらかにする」という見解が述べられ、よって「田野の鄙夫」にも読みやすいように頭書を加え、各条の意を絵に写したものが本書であるという。『式目』本文を大字・6行・付訓で記し、頭書に挿絵と語注を加えた絵入り注釈書で、挿絵は原則として各面毎に1図ずつ描かれ総計75図。菱川師宣と並び称される初期の江戸浮世絵師・杉村次兵衛が、挿絵だけではなく200語余りもの語彙を平易に解釈した珍しい作品。本書は元禄10年に挿絵等を改訂・増補した異板が存在するほか、本書の体裁を巧みに模した正徳3年・鱗形屋孫兵衛板や江戸中期・柏原屋清右衛門板等の別版もあり、また、『御式目往来』と題した写本も存する。
★原装・題簽付・状態概ね良好(やや小虫)。記名なし・蔵書印なし。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、30,560円(元禄10年)〜200,000円(元禄10年)】。
6500円 御成敗式目絵鈔(正徳3年)
【判型】大本1冊。縦270粍。
【作者】不明。
【年代等】正徳3年5月刊。[江戸]鱗形屋孫兵衛(山野孫兵衛・林鶴堂)板。
【備考】分類「往来物」。『御成敗式目』は貞永以来の「生民の法則」であり、人々は「此式法をもつて、身をおさめ家をととのへ国を治め天下をたいらかにする」という見解が述べられ、よって「田野の鄙夫」にも読みやすいように頭書を加え、各条の意を絵に写したものが本書であるという。『式目』本文を大字・6行・付訓で記し、頭書に挿絵と語注を加えた絵入り注釈書で、挿絵は原則として各面毎に1図ずつ描かれ総計75図。菱川師宣と並び称される初期の江戸浮世絵師・杉村次兵衛が、挿絵だけではなく200語余りもの語彙を平易に解釈した珍しい作品。元禄10年に挿絵等を改訂・増補した異板が存在するほか、その体裁を巧みに模した正徳3年・鱗形屋孫兵衛板や江戸中期・柏原屋清右衛門板等の別版もあり、また、『御式目往来』と題した写本も存する。
★原装・題簽欠・状態概ね良好(やや小虫)。記名なし・蔵書印なし。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、江戸中期の類書が、5,000円(破損・柏原屋板)〜35,000円(柏原屋板)】。
2500円 女今川千代見種(天保再板)
【判型】大本1冊。縦257粍。
【作者】不明。
【年代等】天保年間刊。[江戸]山本平吉板。
【備考】分類「往来物」。『女今川』は、江戸中期から明治期に至るまで250種以上の板種と20種近くの異本を生み、最も普及した女子用往来。貞享4年板系統と元禄13年板系統の2種に大別されるが、両系統とも同趣旨の教訓を全23カ条と後文から成る壁書形式で綴り(これは『今川状』のスタイルを踏襲したもの)、女性にあるまじき禁止項目を列挙し、家庭における女性の心得全般を諭す。底本は元禄板系統で、「常の心ざしかだましく女の道明らかならざる事」で始まる23カ条と後文から成り、「心かだまし」と「心すなほ」を強調し、特に第5条では「主・親の深き恩」を「父母の深き恩」と言い換え、「忠孝」の代わりに「孝の道」とした点や、後文で天地の道や五常を説いた抽象的な表現や、下僕や他人に対する心得などを割愛する一方、孝・貞の見地から己の心の善悪を内省することを説いた点に特色がある。底本は、以上の「女今川」本文を大字・5行・付訓で記したもので、巻頭に「神功皇后」「嶋台の図」「色紙短冊書やう并に寸法の事」を掲げ、頭書に「西三条逍遙院御作源氏文字ぐさり」「小笠原折形図」「結び形の図」「女中文封じやう」「目録折紙の書様」「七夕歌づくし」「裁物之指南」「薫物・懸香の名方」、巻末に「十二月之異名」等を載せる。
★原装・題簽欠・状態概ね良好。記名なし・蔵書印あり。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、22,000円。寛政板の類書が、30,800円】。
4000円 女大学宝箱(佐藤掬泉堂)
【判型】大本1冊。縦254粍。
【作者】佐藤掬泉堂(慎一郎・史鼎)書。
【年代等】江戸後期(慶応頃)刊。[江戸]菊屋幸三郎板。
【備考】分類「往来物」。本書の刊年は同板別本(慶応元年3月、掬泉堂序)による。「女大学」は、第1条「親の教え」、第2条「女徳」、第3条「男女の別」、第4条「七去」、第5条「舅姑への孝」、第6条「夫への服従」、第7条「夫の兄弟との和睦」、第8条「嫉妬と諌言」、第9条「言葉の慎み」、第10条「家事への専念」ほか、第11条「信仰について」、第12条「分限に基づく家政」、第13条「男女の隔て」、第14条「衣服の心得」、第15条「親戚付き合い」、第16条「舅姑への孝と婚姻後の心得」、第17条「家事は自らなせ」、第18条「下女を使う心得」、第19条「婦人の心の五病」で、後文には以上の条々を幼時よりよく学ぶことが女子生涯の宝となることを強調して締め括る。底本は、以上の「女大学」の本文を大字・6行・付訓で記したもの。前付等が諸本で異なるが、底本は色刷りの序文を付し、頭書に「手習並に文学の事」「歌をよみ習ふ事」「しうげんの次第」「よめ取いひ入ならびに日取どりの事」「しう言道具の次第」「しうげん座の次第」「祝言の夜膳部くひもの次第」「御厨子・黒棚餝様の事」「手の道具かざり様の事」「酌くはいしやうの事」「女中本膳食やうの事」を載せる。
★原装・題簽付・状態良好。序文(口絵)色刷り。
15000円 長谷川筆の錦(長谷川妙躰女筆手本)
【判型】特大本1冊。縦305粍。
【作者】長谷川妙躰(妙貞・筆海子)書。
【年代等】宝暦2年7月刊。[大阪]村上伊兵衛板。
【備考】分類「往来物」。妙躰最晩年の書で、刊本では最後の作品と思われる女筆手本。他の妙躰の手本に比べて一回り大きいだけに伸び伸びとした筆致で綴る。内容は、「幾千と世万代も相かはらすめてたき御年…」で始まる新年祝儀状を始め、花見同伴を快諾する手紙、寒中に安否を問う手紙など29通の女文を散らし書きで記す。四季折々の手紙が大半で、特に二月堂の薪能、誓願寺の紅梅、清水寺や高台寺の桜、竜田・高雄山の紅葉といった四季の名所を題材にしたものが多い。また、貴人の娘宛ての披露文など脇付を伴う例文もいくつか見える。巻末に『和漢朗詠集』から抄録した詩歌数編を載せる。なお、扉は青色刷りで「長谷川妙貞筆」と大書する。
★原装・題簽欠・状態並み(やや小虫)。記名なし・蔵書印なし。稀書(全国に所蔵数カ所(国文学研究資料館DB))。【参考価格(初出品時の相場です):某古書店で原装題簽付が、2万円】。
8500円 落葉の錦 ★ゆうパック着払い
【判型】特大本2巻2冊。縦299粍。
【作者】本居内遠(ウチトオ、浜田孝国)編。
【年代等】嘉永4年9月、本居内遠序。嘉永4年10月、本居豊穎序。嘉永4年12月刊記。嘉永5年春、大倉法橋(大倉好斎)跋(模刻花押)・刊。[若山]阪本屋大二郎ほか板。
【備考】分類「書道」。発起人、紙糊庵(シコアン)。彫工、末吉源兵衛。上巻は本居宣長、下巻は本居大平の遺墨類模刻集。肖像画・画賛を含む。各巻巻頭に宣長遺愛の鈴と机の図あり。『落葉の錦』は、嘉永4年9月和歌山に於いて、宣長没後50年を記念して本居家及び諸家所蔵の遺墨類の展観あり(契沖・荷田東麿・賀茂真淵を含む)、その一部を模刻したもの。巻末に「自餘展観目録」10丁分あり。本居内遠序文中に「水茎の跡とりよそふことを業とせる紙糊庵のあるしおもひおこして」とあり、紙糊庵(表具師か)が発起したもの(西尾市岩瀬文庫・古典籍書誌DB)。
★原装・題簽付・状態並み(小虫補修)。記名なし・蔵書印なし。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、2冊揃いが、12,000円】。
4000円 〈文章替字〉女書札調宝記(文化4年)
【判型】半紙本1冊。縦214粍。
【作者】不明。
【年代等】天明4年初刊。文化4年3月刊。[大阪]柏原屋清右衛門板。
【備考】分類「往来物」。刊年は同体裁の別本による。享保5年刊『女文翰重宝記』の改題本(前付・後付などを一部割愛し、本文にも微細な改訂を施したもの)。本文に「正月いわゐの文」から「普請祝ひの文」まで39通を載せた女用文章。前半に四季・五節句の文、続いて出産・髪置・疱瘡見舞い・庚申待ち・縁組み・湯治見舞い等の文章を収める。各例文を大字・5行・ほとんど付訓で記し、随所に「文章の替字」をやや小字で掲げるのが特色。任意の語句の略注や古歌の引用も見られ、表現の変化に重点を置く。巻頭に「七情(喜・怒・愛・楽・哀・悪・欲)」についての教訓、巻末に「男女性に依て用べき字尽」「女中文の封様之事」を載せる。
★原装・題簽摩滅・状態並み(冒頭・巻末手擦れ破損、刊記欠)。記名なし・蔵書印なし。【参考価格(初出品時の相場です):原装題簽付の同板別本が、某古書店で1万5300円】。
8500円 女庭訓[女庭訓往来](窪田やす女筆手本)
【判型】大本3巻合1冊。縦259粍。
【作者】和田宗翁作。窪田やす書。
【年代等】万治頃初刊([京都]丸屋源兵衛板)。江戸中期後印([京都]菊屋七郎兵衛板)。
【備考】分類「往来物」。『女庭訓往来』は、江戸中・後期にかなりの普及を見た代表的な女子用往来で、本書はその初板本。代々女筆を輩出した窪田家(窪田宗保)の娘・やすによる女筆手本で、『女庭訓〈女筆〉』の題簽を有する3冊本(底本は1冊に合綴)である。上巻には1〜4月、中巻に5〜8月、下巻に9〜12月の各月往復2通、1年12カ月で合計24通の女文を収録するが、年中行事の故実を主とする教養や女性の言葉遣い・心得等に重点を置いて編まれたものであって、実用本位の一般的な女用文章とは異なる。1月は、宮中の正月風景や行事について述べた後で楊弓の会を案内する往状とその返状。2月は、東山の花見の誘引状とその返状。3月往状は任国に赴く道中について問う文で、その返状で粟田山から関の藤川までの名所旧跡をかなりの長文で紹介する。4月往状は女性の道について教示を求める手紙で、その返状で「四徳(婦徳・婦容・婦言・婦功)」などを詳しく説く。5月状は端午の節句祝儀状で、特に御厨子・黒棚の飾り方について述べる。以下、6月状は祇園会、7月状は乞巧奠、8月状は八朔祝儀と秋の極楽寺参詣、9月状は重陽の節句と庚申待ち、10月状は猪子の祝儀と女性の心延え、11月状は新嘗祭、12月状は着物の染色についての問答文を収録する。いずれも往状で問い、返状で答える形式のため、多くの場合返状が長文で綴られる。このように、本書は女性としての知識・教養・心得の習得に重点を置いた往来である。全文を大字・5行・所々付訓の並べ書きで綴り、任意の語句に細注を施す。なお、本書三巻本の重版本に『〈女訓日用〉女庭訓宝種』(京都・菊屋七郎兵衛板)があるが、この書名は『延宝3年書目』から見え、文化14年板『女庭訓御所文庫』等の書目にも見えるため、3巻本の重版は150年以上行われたことになる。このほか、本書を始祖として、数多くの類書(板種約65種)が刊行されたが、中でも多数の挿絵や付録記事を加えた享保2年刊『女庭訓御所文庫』は最も普及した。
★改装・題簽欠・状態概ね良好(巻首等一部破損補修)。記名なし・蔵書印なし。女筆手本の初版本は稀書。
12000円 さゞれ石[さざれ石・佐々礼石](長谷川妙躰女筆手本)
【判型】大本3巻3冊。縦282粍。
【作者】長谷川妙躰(豊・筆海子)書。
【年代等】正徳3年1月刊。[江戸]万屋清四郎(本屋清四郎・松葉清四郎)ほか板。
【備考】分類「往来物」。時候挨拶の手紙や家族の近況を知らせる手紙など、種々の例文を散らし書きにした女筆手本。例文が分類整理されていないなど非実用的で、歌語を含む文体や奉書様式の書法の学習を旨とする。上巻は、「子の日」(新春)、「杜若」(初夏)の時候の手紙文に始まり、次いで、つれない相手を恨む内容の文、さらに物柔らかに僻んだ心を直せと諌める手紙文で終え、巻末に『古今』『新古今』からの和歌2首を掲げる。中巻は、初秋から冬にかけての情緒的な消息文で、「七夕」を題材とする前半は「星合の空」「梶の葉」などの歌語を配し、神無月を経て、「人めも草もかるゝばかり」「野辺の冬草」「冬草のうへにふりしく白雪」と冬に至り、末尾に『和漢朗詠集』から抄録した和歌を掲げる。下巻は、家族が息災であることを詳述した後で、京都の名所旧跡と年中行事等を紹介する。各巻表紙見返に口絵を掲げるが、うち上巻見返の挿絵は妙躰自身の肖像画と思われる。
★原装・題簽1冊(中巻)付・状態概ね良好(表紙やや傷み、挿絵一部着色あり。本文刷り良好、一部シミ・小虫)。記名あり・蔵書印なし。
26000円 蝉小川[〈寿福〉瀬見緒河](長谷川妙躰女筆手本)
【判型】大本3巻3冊。縦267粍。
【作者】長谷川妙躰(筆海子)書。中村三近子補注。
【年代等】享保18年初刊([江戸]小川彦九郎ほか板)刊。江戸中期後印([大阪]渋川与左衛門ほか板)。
【備考】分類「往来物」。大本3巻3冊。極めて長文の雅文6通を綴った散らし書きの女筆手本。上巻に「初子日の文章」「八はたまふで」、中巻に「あやめの節句」「花の宴」、下巻に「都の春」「小倉山のもみち」と題した消息文を収録する。各例文の末尾にそれぞれ同様の趣を詠んだ和歌を掲げ、また、稀に任意の語句について細注を施す。本文は大字・無訓の散らし書きだが、細注は付訓。上巻巻首に「女文用世話字づくし」「婦人相性の名寄」「同礫仮名」「女中文章手爾波かなづかひ重宝記」「大ちらし書の例」などを載せるが、これらは全て中村三近子によるものである
★原装・題簽付・状態概ね良好(口絵1カ所破損、本文ややシミ)。記名なし・蔵書印なし。稀書(全国に所蔵数カ所(国文学研究資料館DB))。
20000円 女筆指南集(長谷川妙躰女筆手本)
【判型】大本3巻3冊。縦265〜273粍。
【作者】長谷川妙躰(妙貞・筆海子)書。
【年代等】享保19年初刊。江戸中期後印([大阪]渋川与左衛門ほか板)。
【備考】分類「往来物」。『女筆指南集』『女筆続指南集』『女筆続後指南集』(未刊か)という妙躰の三部作の一つで、本書は特に初心者用に編まれた短文の女筆手本。本文を概ね大字・2〜5行・無訓で記す。上巻には「御てならひめてたく候。かしく」以下の短文(単文に書止の「かしく」を付けただけの文章)14例を大字・2行、並べ書きで綴る。また、中巻は概ね並べ書きだが散らし書き数通を混ぜ、「七夕へ手向」(和歌)2首と「きのふはさか野より暮かたに帰まいらせ候。かしく」以下の短文10例、下巻は「便に任、一筆とり向まいらせ候。かしく」以下の短文10例で、上・中巻とは対照的に初歩的な散らし書きで認める。各巻の巻頭に挿絵(上巻より順に「手習い図」「七夕図」「松と紅葉図」)を掲げる。後印本の題簽に「筆海子長谷川氏・手本尽六冊之内」と刷り込まれたものもあり、同様に『女筆続指南集』の原題簽にも同じ記載が見られるから、一時、『指南集』3冊と『続指南集』3冊の合計6冊組みで販売されたのであろう。このほか、文化3年にも『女筆指南集』『女筆続指南集』『女筆岩根の松』を合わせた2冊本が刊行されている。
★原装・題簽付・状態良好(取り合わせ本3冊)。記名なし・蔵書印なし。稀書(全国に所蔵数カ所(国文学研究資料館DB))。
4500円 女筆続指南集(長谷川妙躰女筆手本・下巻)
【判型】大本1冊(3冊本の下巻1冊)。縦262粍。
【作者】長谷川妙躰(妙貞・筆海子)書。
【年代等】享保20年初刊。江戸中期後印([大阪]渋川与市ほか板)。
【備考】分類「往来物」。『女筆指南集』『女筆続指南集』『女筆続後指南集』(未刊か)という、妙躰が習熟度別に編んだ手本三部作の一つ。四季の風景や名所を綴っ手紙や四季贈答の手紙から成る散らし書きの女筆手本。上巻に新年の寿を述べる手紙から卯の花の頃までの手紙6通、中巻に「芦野やのあふき」や「御口切之御茶」など猛暑から冬にかけての短文の手紙9通、下巻に絵簾を賞翫する手紙や、東福寺の冬景色を述べた手紙など6通、合計21通を収録する。各巻に付録記事はなく、表紙見返に口絵を1葉ずつ掲げ、下巻本文中に和歌2首を添える。
★原装・題簽付・状態概ね良好(表紙やや傷み)。記名・蔵書印あり。稀書(全国に所蔵数カ所(国文学研究資料館DB))。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、上・中巻2冊が、16,500円】。
5000円 〈万用文章〉女文林宝袋〈日用教訓躾方〉
【判型】大本1冊。縦258粍。
【作者】居初津奈(都音)作・書。西川祐信(自得叟・文化堂)画。
【年代等】元文3年3月刊。[京都]銭屋庄兵衛板。
【備考】分類「往来物」。居初津奈作・元禄3年刊『女書翰初学抄』の旧版下の一部(頭書など)を改刻して、付録記事を増補した改題本。元禄11年刊『女用文章大成』等が大阪板における『女書翰初学抄』の模刻・改題本であるのに対して、本書は京都板、しかも『女書翰初学抄』の旧板木を直接改刻した改題本である。津奈の序文はないが、刊記に「作者、居初氏女筆都音」と記して原作者を明らかにする。本文では、各月冒頭部分の注書きを全て削除したほか、下巻第13状「いはた帯の祝義請たる返事之事」を巻末に移動させた。また、注番号を示す丸付き数字はそのままで、頭書注釈の大半を残したが、祐信の挿絵15点を埋め木したため、注の一部が欠落した。前付は本書独自のもので、「文字の由来并女文の書様」「曲水の由来」「女教訓身持鑑」「女中文書様」「裁物仕様」「女言葉づかひ」「女の四芸」「女官之称号」「祝言座の次第」などの記事を収録する一方、『女書翰初学抄』の巻末記事を全て削除し、裏見返に「女中文の封様之事」「不成就日之事」を掲げた。本書は『女書翰初学抄』の改題本の中では唯一作者名を残すものであって、他の元禄11年刊『女用文章大成』、元禄12年刊『当流女筆大全』、享保6年刊『女文庫高蒔絵』は、いずれも作者名を隠蔽した海賊版である。なお、本書の付録記事(前付・後付)を一新した改題本に宝暦5年刊『女通要文袋』がある。
★原装・題簽摩滅・状態並み(前付数丁下部小口数丁手擦れ)。記名なし・蔵書印なし。稀書(全国に所蔵数カ所(国文学研究資料館DB))。
7000円 〈当世女鑑〉女用文章唐錦[〈当世女鑑・歌人尽〉女用文章唐錦]
【判型】大本1冊。縦261粍。
【作者】春名須磨作・書。
【年代等】享保20年9月刊。[大阪]吉文字屋市兵衛板。
【備考】分類「往来物」。幼くして能書の名声を得た春名須磨の手本の一つ。新年状以下五節句や四季の手紙、出産・婚礼等通過儀礼に伴う手紙など全22通を収録。そのほとんどが散らし書きだが、散らしの程度はさほど大きくない。概ね、大字・3〜4行・無訓で記す。前付に「左衛門尉真勝」「太田道灌」「桜の和歌三首」「蛍のあそひ」「紅葉の和歌三首」「雪の朝」「七夕扇ながし」「小野小町」ほか略伝、頭書に「和漢列女伝」「女訓智恵海」「女用器財字・女衣服の類・絹布類・万染色の名ほか」「万包折形図」「女中和歌の道しるへ」「源氏物語目録」「香道の秘伝」「琴の引やう指南」「双六の手引」「女中手習の指南」「女中文のかきやう」「蒸菓子秘伝抄」「絹布の手引」を載せる。なお、本書の改題本に、寛延2年刊『女文通華苑』、宝暦12年刊『女書札百花香』、江戸中期刊『女文書大成』がある。
★原装・題簽欠・状態並み。記名なし・蔵書印なし。稀書(全国に所蔵数カ所(国文学研究資料館DB))。
4500円 万貨百人一首宝箱(元文2年)
【判型】大本1冊。縦264粍。
【作者】斧麿(難波斧麿・凉花堂)編。西川祐信(自得叟・文化堂)画。
【年代等】元文2年1月刊。[大阪]毛利田庄太郎板。
【備考】分類「百人一首」。頭書を比較的大きく(天地の四分程)とった百人一首。前付に「風流三十二相」、頭書に「手習の仕用の事」「七夕新歌づくし」「たなばた七姫の名」「新撰二十四孝」「歌の読方の事」「器物由来ものがたり」「器物歌づくし」「万薬方ひでん書并こしらへやう」「当流染物秘伝」「当流裁物秘伝」「虫歌合十五番」、裏表紙見返しに「百人一首よみくせ」を収録する。
★原装・題簽破損・状態並み(表紙疲れ、本文やや汚損、見返し欠)。記名なし・蔵書印なし。稀書(他に所蔵無し(国文学研究資料館DB))。
4500円 〈天保再刻〉万宝百人一首小倉錦
【判型】大本1冊。縦257粍。
【作者】不明。
【年代等】天保11年再刊。[江戸]森屋治兵衛(錦森堂)板。
【備考】分類「百人一首」。頭書付き百人一首。見返しに「寂蓮・定家・西行の和歌」、口絵に「柿本人麻呂・玉津島大明神・山部赤人の和歌」「衣通姫」「六玉川和歌」を掲げ、頭書に「源氏五十四帖引歌香図」「源氏物語歌の図」「進物積様之図」「婚礼式法指南」「万折形の図」「女諸礼しつけがた」「夢はんじ絵抄」「男女名づくし」「手習し給ふべき事」「片かないろは」「裁ものゝ口伝」「秘伝早染草并染おとし」「百人一首読曲(ヨミクセ)并五ヶの秘歌の事」、裏表紙見返しに「新改御所言葉」を載せる。
★原装・題簽付・状態良好。記名なし・蔵書印なし。稀書(全国に所蔵数カ所(国文学研究資料館DB))。
8500円 〈増補頭書〉女用文百人一首
【判型】大本1冊。縦260粍。
【作者】中村三近子・藤鞁渓作。西川祐信(自得叟・文化堂)画。
【年代等】享保頃初刊。天保元年6月再刊。[京都]本屋重右衛門板。
【備考】分類「百人一首」。彫工、丹羽平左衛門。書名の通り、頭書に「女用文章」を収録した百人一首。巻頭口絵に「小野小町名歌」(色刷り)、「子日遊由来」を掲げる。また、頭書の女用文章は「年始に遣す文」から「本復振舞に人をまねく文」までの54通。
★原装・題簽付・美本・色刷り口絵。記名・蔵書印なし。稀書(他に所蔵無し(国文学研究資料館DB))。
4500円 女錦百人一首宝織
【判型】大本1冊。縦267粍。
【作者】北尾政美(北尾三二郎・鍬形寫ヨ・三二郎・紹真ツグザネ)画。
【年代等】寛政3年9月刊。[江戸]前川六左衛門板。
【備考】分類「百人一首」。頭書や前付に豊富な記事を収録した百人一首。巻頭口絵に『枕草子』の「香爐峰雪?簾看(こうろほうの雪はすだれをかかげて見る)」の色刷り挿絵を掲げ、続いて、「貴船」「女教訓平生かゞみ」「在原業平ほか略伝」「?(アマゴイ)小町」「男女相性」「女中名五性により善悪の事」「十二支のうた」「百人一首の古事」「女諸芸図」「婚礼之図式」「香道たしなみの事」等を載せる。また、頭書に「牽牛・織女の図」「七夕のうた」「和歌三十六歌仙」「源氏物語引歌香図」「女手習状絵解」「十二月和歌(畠山匠作亭)」を掲げる。
★原装・題簽破損・状態並み(表紙傷み、本文は概ね良好)・色刷り口絵。記名なし・蔵書印なし。稀書(全国に所蔵1カ所(国文学研究資料館DB))。
4000円 〈百人一首注絵しやう〉女訓玉文庫
【判型】大本1冊。縦257粍。
【作者】石津亮澄編・序。村田嘉言・葛飾北馬画。
【年代等】文政9年11月刊。[大阪]杉岡長兵衛ほか板。
【備考】分類「百人一首」。歌仙絵を大きく描き、上部の雲形余白に歌意や歌意を描いた挿絵を載せた独特な百人一首。巻頭色刷り口絵に「旭松鶴図」、続いて前付に女子教訓とその絵解きを5丁半にわたって掲げる。
★原装・題簽欠・状態概ね良好(巻首・巻末やや汚損)・色刷り口絵。記名なし・蔵書印なし。稀書(全国に所蔵数カ所(国文学研究資料館DB))。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、原装題簽付が、5,800円】。
8500円 〈江戸新版〉女万葉若緑 ★ゆうパック着払い
【判型】大本1冊。縦255粍。
【作者】不明。
【年代等】天保4年春求板。[京都]須磨勘兵衛板。
【備考】分類「百人一首」。頭書や前付に豊富な記事を収録した厚冊本の百人一首。本文に「女文章」「百人一首」「隅田川往来」「嵯峨往来」を収録し、巻頭口絵に「女子読書図」(色刷り)、前付に「紫式部ほか略伝」「女今川(貞享板系統)」「婚礼之図式」「懸香の方」「御厨子棚餝様」「黒棚之餝様」「衣桁飾の事」「源氏物語香図引歌」「女中ぶみのしをり」「六歌仙」「女諸礼絵抄」「不成就日之事」「弘法大師四目録のうらなひ」「蓬莱山の図」「ゆめはんじ」、頭書「和歌三神画図」「三十六歌仙図」「男女相性」「人間生涯祝儀」「一代守本尊」「灸の忌日」「四季皇帝の占」「倭こと葉」「懐胎十月教歌」「折形伝授」「百人一首よみくせ」「状の封やう」「七夕歌づくし」「書初詩歌」「産前後身持心得」「女鏡教訓草」「名頭文字尽」「十二月異名」「隅田川八景」「色紙短冊の書様」「貝合・歌がるたの図」「万しみ物おとし様」「家伝妙薬集」、裏表紙見返しに「十二支之図」「九族之図」を掲げる。
★原装・題簽付・状態概ね良好(表紙やや傷み、巻首小虫、本文良好)。記名なし・蔵書印なし。稀書(他に所蔵無し(国文学研究資料館DB))。
8500円 百人一首玉椿(「女大学」増補版) ★ゆうパック着払い
【判型】大本1冊。縦255粍。
【作者】不明。
【年代等】弘化4年1月補刻。[京都]近江屋卯兵衛ほか板。
【備考】分類「百人一首」。本文に「百人一首」と「女大学」を収録した厚冊本百人一首。前付に「女の四徳(婦徳・婦言・婦功・婦容)」「女教訓八景」「和歌三神之図」、頭書に「三十六歌仙」「琴の事」「双六の事」「三味線の事」「鏡の由来」「卒塔婆小町ほか略伝」「産前後身持心得」「人間生涯の祝儀」「年中祝ひ日之事」「二十四孝絵抄」「衣類たちぬひ指南」「万染物しやう」「衣服たつ心得」「小笠原諸礼式」「婦人諸病妙薬」「女文の封じやう」「生れどき善悪の事、并ちしご」「生れ月ぜんあくの事」「男女相生」「夢占之事」、裏表紙見返しに「十二月の異名」「十干十二支」を載せる。
★原装・題簽付・美本。記名なし・蔵書印なし。稀書(全国に所蔵数カ所(国文学研究資料館DB))。
3000円 百人一首(書名不明・厚冊本) ★ゆうパック着払い
【判型】大本1冊。縦245粍。
【作者】不明。
【年代等】江戸後期刊。刊行者不明。
【備考】分類「百人一首」。本文に「百人一首」「女今川」「女用文章」を収録し、前付・頭書等に豊富な記事を載せた厚冊本。
★原表紙欠、仮表紙による改装・題簽欠・状態並み・刊記欠・粗本。記名なし・蔵書印なし。並本のため特価開始。
20000円 婦人養草[和漢婦人養草・やしなひ草]★ゆうパック着払い
【判型】大本5巻5冊。縦262粍。
【作者】梅塢散人(村上武右衛門・逝水*江戸前期の武士で、加賀藩士300石。生年不明、元禄4年没)作。
【年代等】貞享3年冬自序。元禄2年5月刊。[金沢]塚本半兵衛ほか板。
【備考】分類「往来物・教訓」。諸書から女子一生の教訓・教養となるべき事柄を抽出した全5巻228項に及ぶ女性教養書。引用した和漢書が極めて多く、第1巻「援引和漢之書目」には『日本紀』『続日本紀』『延喜式』『本朝文粋』『古今和歌集』『源氏物語』など129の書名を連ねる。第1巻は「胎内の子に道をおしゆる法ある事」以下40項、第2巻は「白拍子のはじまり并大江玉渕がむすめの事」以下43項、第3巻は「むかし名誉の相人ありし事」以下54項、第4巻は「鴛の刃羽のいわれの事」以下33項、第5巻は「とばり帳の事」以下58項を収録する(合計228項)。巻毎の明快な分類意識はなく、人物略伝や種々故実を中心に、異名・語源・生活用語・言葉遣いなど語彙関連の記事や婚礼・産育・化粧・衣装・風俗・和歌・諸芸・養生・諸道具・年中行事等についての諸知識や諸心得を無秩序に列挙する。育児については、第一巻冒頭部で胎教について説き、孟母三遷・孟母断機の故事を引いて母親の教育の重要性を諭す。なお、元禄10年刊『女万用集』には本書からの引用や模倣が多く見られる。また、寛政13年に藤井懶斎作に改竄した改題本『女万宝操鑑』が刊行されたが、同書は元禄板の第2巻末尾7項、第3巻末尾12項、第4巻末尾5項の合計24項を削除し、5巻を1冊に合綴して全項目を通し番号に改め、巻頭に色刷り口絵、目録上欄に女性諸芸等に関する記事や挿絵を増補したものである。
★原装・題簽付・状態並み(表紙やや傷み・疲れ)。記名・蔵書印あり。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、95,000円(10冊本)】。
価 格 【2020年 夏】
商 品 概 要
600円 観音経[観音普門品]
【判型】大本1冊。縦251粍。
【作者】鳩摩羅什・闍那崛多訳。
【年代等】江戸後期書。
【備考】分類「仏教」。仏教経典。『法華経』のなかの第 25章「観世音菩薩普門品」を別出して1巻としたもの。鳩摩羅什(クマラジュウ)が散文を、闍那崛多(ジャナクッタ)が韻文を漢訳したものを合せたものが、中国、日本で広く読誦されている。観世音菩薩が神通力をもって教えを示し、種々に身を変えて人々を救済することを説く。観音を心に念じその名を称えれば、いかなる苦難からも逃れることができることを説いて、観音を信仰すべきことをすすめている。梵本、チベット語訳、漢訳が現存するが、韻文の部分にはかなりの相違がみられる。ウイグル文、蒙古文、トルコ文などで書写されたものの断片も発見されており、本書の流布の広さが知られる(コトバンク)。
★状態並み。記名あり・蔵書印なし。
800円 重刻古文孝経(太宰春台)
【判型】大本1冊。縦270粍。
【作者】太宰春台(純・紫芝園・弥右衛門)訓点。
【年代等】享保16年11月自序。享保17年11月初刊。安永7年1月再刊。[江戸]紫芝園蔵板。[江戸]小林新兵衛(嵩山房)売出。
【備考】分類「漢学」。『孝経』は、儒教の経書(けいしょ)の一つ。孝道を論じたもの。孔子(こうし)(孔丘)が門人曽子(そうし)(曽参(そうしん))に語り聞かせた形態で記してあるが、戦国時代末期、曽子学派の著したものと考えられる。その内容は、個人の道徳も天下国家の政治も孝を根本とし、孝こそ人と宇宙を一貫する原理であると説き、家族共同体の規範の優越する古代中国の社会政治制度に理論的根拠を与えた。テキストは、前漢以来今文(きんぶん)(18章)と古文(22章)の2種が伝えられ、章の立て方は相違するが、古文に閨門(けいもん)章の1章20余字が多いほかは、大旨に変わりはない。通行する注釈には、今文系では唐(とう)の玄宗(げんそう)の『御注孝経』、宋(そう)の刑(けいへい)の『孝経正義』、古文系では宋の朱子(朱熹(しゅき))の『孝経刊誤』、元(げん)の董鼎(とうてい)の『孝経大義』などがある。わが国への伝来は「十七条憲法」以前と推定され、「大宝令(たいほうりょう)」には大学の必修科目と定められている。江戸時代中期、中国本土ですでに失われていた『古文孝経』(前漢孔安国伝)と後漢の鄭玄(じょうげん)の注が校刊され、中国に逆輸入されるという快事もあった(コトバンク)。
★原装・題簽欠・状態並み(汚損・小虫)良好。記名・蔵書印あり。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、虫損多大の寛政板が、880円】。
900円 〈新版校正〉中庸(道春点)
【判型】大本1冊。縦253粍。
【作者】林羅山(道春)訓点。
【年代等】江戸後期刊。刊行者不明。
【備考】分類「漢学」。『中庸』は、儒教の経典。子思の作という。もと《礼記》の第31編であったのを、宋代にはこれを独立させて研究する者が多く出て、朱熹(朱子)によって〈四書〉の一つとされた。朱熹は全文を33章に整理して、《中庸章句》《中庸或問(わくもん)》を著した。誠の道によって天人合一を説く(コトバンク)。
★原装・題簽付・状態良好。記名なし・蔵書印なし。
1000円 療治茶談(3編)
【判型】大本1冊(全10冊中)。縦267粍。
【作者】津田玄仙(田村玄仙・兼詮・積山)作。山本喜六(北山)序。春日玄庵・根本玄白・森良意筆受。津田三折校。
【年代等】天明4年9月、東野松慎序。天明6年1月刊。[江戸]西村源六板。
【備考】分類「医学」。『療治茶談』は、津田玄仙が書き留めた臨床経験、医学論述などをまとめた叢書で、特に、臨床に関する重要な事柄や漢方処方運用の秘訣を伝統的な理論を援用しつつ、自らの経験も踏まえて解説したもので、多くの治験例も紹介する(平馬直樹「漢方医人列伝 「津田玄仙」 」参照)。/治療の助けとなるべき要語奇証名方難証等を記した、座右の抄書を公刊したもの(西尾市岩瀬文庫・古典籍書誌DB参照)。前編(初編)・後編・3編・4編・4編附録(勧学治体)・5編・6編・続編・続編附録・翼編の全8編10冊。
★表紙・題簽欠・本文の状態は良好。記名あり・蔵書印なし。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、全10冊揃いが、30,000円〜70,000円。端本1冊が、5,500円〜8,800円】。
1000円 写本2冊「やまとこと葉」「〈石川五右衛門〉新釜煎段」奥州仙台栗原郡末野村(現在の宮城県栗原市)史料
【判型】大本2冊。縦275粍。
【作者】不明。
【年代等】江戸後期書か。
【備考】分類「語彙」「浄瑠璃・常磐津」。後者の裏表紙に「奥州仙台栗原郡末野村(現在の宮城県栗原市)」と記載。
★原装・状態良好。記名あり・蔵書印なし。
1000円 奥州会津郡和泉田組梁取村反別帳(宝永4年9月)
【判型】大本1冊。縦292粍。
【作者】梁取村名主、吉右衛門書。
【年代等】宝永4年9月書。
【備考】分類「古文書」。奥州会津郡和泉田組梁取村(現在の福島県南会津郡南会津町和泉田)の本田・新田・野沢の反別帳。
★原装・状態並み(やや汚損)。表紙とも墨付き8丁。記名なし・蔵書印なし。
1000円 消息往来講釈(天保5年)
【判型】中本1冊。縦174粍。
【作者】高井蘭山作。
【年代等】文政4年秋求板。天保5年夏再刊。[江戸]鶴屋喜右衛門(僊鶴堂)板。
【備考】分類「往来物」。「消息往来講釈」は、『消息往来』の本文から要語をとり上げて割注を施したもの。本文を大字・五行・付訓で記す。一般に『大全消息往来』などに所収の往来で、底本もその抜粋であろう。年号を明記したものでは、文政4年板が最古。
★改装・題簽欠・状態並み。記名なし・蔵書印なし。
1000円 漢画早学(2集2巻)
【判型】中本1冊。縦196粍。
【作者】村上正武編。
【年代等】明治13-17年刊。[大阪]前川文栄堂板(別本のデータによる)。
【備考】分類「絵画」。2集2巻の内容は「画談之部」と「起手之部」で、山水風景画やその中で描かれる人物、橋梁等の絵画法を記す。
★原装・題簽付・状態良好。記名なし・蔵書印なし。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、端本1冊が、1,600円〜3,300円】。
1000円 伊達騒動記(6-8巻)
【判型】大本1冊(全体の巻数は不明だが、6-8巻を収録した1冊)。縦278粍。
【作者】不明。
【年代等】江戸後期書か。
【備考】分類「実録」。目録によると、6巻は「松前鉄之助が譜」、7巻は「仙台え忍びを入れ、安芸を殺さんとする事、并、安芸訴状を差出す事」、8巻は「評定所におゐて安芸え御尋の事」「甲斐と安芸、初而対決之事」を記す。
★原装・題簽付・状態良好。記名・蔵書印あり。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、類書が、10,500円(上下2冊揃い)〜18,700円(全8冊揃い)】。
1000円 精忠義士実録(16-17巻)*越後国魚沼郡門前村(現・新潟県南魚沼市)
【判型】大本1冊(全24巻中の16-17巻の1冊)。縦283粍。
【作者】不明。
【年代等】江戸後期書か。
【備考】分類「雑史・実録」。越後国魚沼郡門前村(現・新潟県南魚沼市)の史料。赤穂義士の実録で、16巻は「義士申合之一件」「夜討出立之一件」など、17巻は「吉良氏屋敷住居の絵図」「義士共夜討之一件」などで、赤穂義士討ち入りの名場面の巻。吉良邸の絵図も載せる。
★原装・題簽付・状態概ね良好。記名なし・蔵書印なし。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、1,520円(1-4巻の1冊、虫損)〜18,840円(全8冊中の7冊)】。
1200円 庭訓往来(頭注入り古版)
【判型】大本1冊。縦269粍。
【作者】不明。
【年代等】江戸前期(元禄以前)刊。刊行者不明。
【備考】分類「往来物」。頭注入りの『庭訓往来』。『庭訓往来』は、古写本のみで約70種、近世より近代初頭にかけての板本は約300種に上り、中世から明治初年に至るまで最も普及した往来物の一つ。月往返2通ずつ1年24通、これに単簡1通(7月状または8月状)を加えた計25通の手紙文より構成される。内容は、武家および上層・庶民の社会生活を中核として新年の会、詩歌の会、地方大名の館造り、領国の繁栄、大名・高家の饗応、司法制度・訴訟手続、将軍家の威容、寺院における大法会、大斎の行事、病気の治療法、地方行政の制度等を主題とする手紙で、各手紙とも類別単語集団を収める(衣食住370語、職分職業217語、仏教179語、武具75語、教養46語、文学16語、雑61語、計964語)。
★改装・題簽欠・状態並み下(冒頭一部破損・その他汚損につき特価開始)。記名あり・蔵書印なし。
1200円 易行院家内示談[家内示談法話]
【判型】大本1冊。縦277粍。
【作者】易行院法海(イギョウインホウカイ)作。米持庄太夫書。
【年代等】明治5年1月書。
【備考】分類「真宗」。全ての者が念仏の教えに入り、家内和睦を守って一生を送り、来世ではめでたく往生するようには、家内一統がそれぞれの立場でどのように暮らしたらよいか、いかなる心構えが大切かを説いた書。
★原装・状態良好。表紙とも墨付き21丁。記名なし・蔵書印なし。稀書(全国に所蔵数カ所(国文学研究資料館DB))。
1200円 枕草子春曙抄[枕草紙春曙抄](4巻)
【判型】大本1冊(全12冊中)。縦275粍。
【作者】北村季吟(拾穂軒)作。
【年代等】延宝2年跋・刊。刊行者不明。
【備考】分類「注釈」。『枕草子春曙抄』とは、江戸時代に書かれた『枕草子』の注釈書。全12巻、北村季吟著。『春曙抄』とも称す。刊記がないので正確な出版年月日は明らかではないが、「清少納言枕草子者、中古之遺風、和語之俊烈也。并義於紫女源氏物語、尤当閲翫之者也」と始まる跋文には「延宝二年七月十七日甲寅北村季吟書」とあり、これにより延宝2年(1674年)以後の出版と考えられる。底本の本文は一般に能因本系統とされているが、実際には能因本の本文を3巻本により補訂したものであることが萩谷朴により指摘されている。はじめに作者の清少納言や『枕草子』の題号などについて解説し、本文には詳細な傍注・標注・校合・考証などを施す。享保14年(1729年)発梓本では壺井義知著『清少納言枕草子装束撮要抄』(「装束抄」)1冊が加えられ、袋綴じ13冊となっている。ほかに『装束抄』が付かない6冊本もある。近世における枕草子注釈の最高峰として、同じ年に刊印された加藤磐斎(1625-1674)の『清少納言枕草紙抄』を圧倒したばかりでなく、版を重ねて広く流布し(元禄の頃にはすでに海賊版が横行したという)、その本文も『枕草子』の標準本文として長きにわたって読まれた(Wikipedia参照)。
★原装・題簽付・状態並み(小虫補修)。記名なし・蔵書印なし。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、不揃い9冊が、10,000円】。
1500円 〈説教〉童蒙三則辨(明治6年)
【判型】半紙本1冊。縦221粍。
【作者】宇喜多小十郎(練要・練・練要堂・練雲・翠雲山人)作。
【年代等】明治6年7月刊。[東京]正心堂(教義新聞本局)蔵板。[東京]村上勘兵衛ほか売出。
【備考】分類「明治教育」。「三則」、すなわち、明治5年4月に教部省が通達した「教則三条(三条教則・三条の教憲)」(第1条「敬神愛国の旨を体すべき事」、第2条「天理人道を明らかにすべき事」、第3条「皇上を奉載し朝旨を遵守せしむべき事」の3カ条)を敷衍した教科書。巻頭題字に3カ条を大字・4行で掲げ、本文では3カ条を各条毎に掲げて1字字下げした小字・9行・無訓の文章で詳しく解説したもの。
★原装・題簽付・状態良好。記名・蔵書印あり。
1500円 孝行往来 
【判型】半紙本1冊。縦225粍。
【作者】小川保麿(玉水亭)作。西川竜章堂書・序。
【年代等】天保6年5月書。天保6年12月序・初刊。江戸後期再刊。[京都]吉野屋仁兵衛板。
【備考】分類「往来物」。主に『孝経』によりながら孝行のあらましを諭した往来。まず、「人間第一之勤而徳之本」である孝行の重要性と必然性を説き、胎内十月から出生後の養育の高恩、そして身体を大切にすることや父母の仰せに従うことなど、幼時からなすべき孝について縷々述べる。さらに、約束厳守、分限、一家和合、家業精励、公儀遵守などの善行が全て孝に含まれることや、女子三従・七去など生涯にわたる孝・不孝について説く。巻頭に楠木正成・楊香・美濃の孝子の挿絵・記事を掲げるほか、本文中にも孝や不孝を題材にした挿絵数葉を載せる。
★原装・題簽欠・状態不良(小虫補修)。江戸期の記名あり・蔵書印なし。
1500円 庭訓往来(寛永13年カ、古版)
【判型】大本1冊。縦279粍。
【作者】不明。
【年代等】江戸前期(寛永13年カ)刊。刊行者不明。
【備考】分類「往来物」。頭注入りの『庭訓往来』。『庭訓往来』は、古写本のみで約70種、近世より近代初頭にかけての板本は約300種に上り、中世から明治初年に至るまで最も普及した往来物の一つ。月往返2通ずつ1年24通、これに単簡1通(7月状または8月状)を加えた計25通の手紙文より構成される。内容は、武家および上層・庶民の社会生活を中核として新年の会、詩歌の会、地方大名の館造り、領国の繁栄、大名・高家の饗応、司法制度・訴訟手続、将軍家の威容、寺院における大法会、大斎の行事、病気の治療法、地方行政の制度等を主題とする手紙で、各手紙とも類別単語集団を収める(衣食住370語、職分職業217語、仏教179語、武具75語、教養46語、文学16語、雑61語、計964語)。
★改装・題簽欠・状態並み下(冒頭一部破損・その他汚損につき特価開始)。冒頭1丁と巻末1丁補写。補写部分に「寛永十三年初冬開板之」と記す。そのほか「延享」などの書き入れがある。記名あり・蔵書印なし。
1500円 御条目(信州下水内郡・嘉永4年) 現在の長野県飯山市
【判型】大本1冊。縦276粍。
【作者】不明。
【年代等】嘉永4年1月書。
【備考】分類「法制」。村人として守るべき掟を列記した条目。各頁に折り目が付いているため手習本として書いたものであろう。第7条まで記載。その後は「外様村々高覚」と題して周囲の村の石高を列記してある。これらの村名から、信州下水内郡中(現在の長野県中野市)の村であることは確実である。
★原装・状態良好。表紙とも墨付き22丁。記名なし・蔵書印なし。
2000円 〈童蒙教諭〉説教心のかなめ[心乃要](平沢伝吾郎)
【判型】半紙本1冊。縦223粍。
【作者】平沢伝吾郎作。若林長栄(徳三郎)画。
【年代等】明治7年2月免許。明治7年2月、河井道美序。明治7年3月刊。[大阪]北尾禹三郎ほか板。
【備考】分類「心学・明治教訓」。『和論語』等を参酌したり、諸書から数多くの道歌を引いて通俗的な教訓を諭した心学書。作者は「説教心のかなめの序に大阪の人で石田梅巌門人の心学者とあり」(国文学研究資料館DB)。口絵中にも「心学初入話」と記す。
★原装・題簽付(汚損)・状態並み(表紙やや汚損、本文小虫補修、概ね良好)。口絵色刷り。記名なし・蔵書印あり。比較的稀書。
2000円 〈文化再刻〉鳳樹商売往来[〈謬字訂正〉鳳樹商売往来](文化14年)
【判型】大本1冊。縦253粍。
【作者】千形仲道書。
【年代等】文化14年3月再刊。[江戸]西村屋与八(永寿堂)板。
【備考】分類「往来物」。堀流水軒作『商売往来』の本文を大字・5行・無訓で記し、頭書に「御江戸方角書」「七字いろは」「五音五性の仮名」「永字之八法」を掲げたもの。『商売往来』は、「凡、商売持扱文字、員数、取遣之日記、証文、注文、請取、質入、算用帳、目録、仕切之覚也…」で始まり「…恐天道之働者、終富貴繁昌、子孫栄花之瑞相也。倍々利潤無疑。仍如件」と結ぶ文章で、商業活動に関する(1)商取引の記録文字等、(2)貨幣名、(3)商品、(4)商人生活の心得の4分野について記した往来。巻頭に帳場で帳簿を付ける福の神を描く。
★原装・題簽付・状態並み(表紙等やや破損)。記名あり・蔵書印あり。
2000円 書札独稽古
【判型】大本1冊。縦275粍。
【作者】岩田夫山(忠恕・子貫・来助・寒松堂・見石亭)・千形仲道書。蘭浄斎(叟馬)序。
【年代等】文化13年序(底本には序文なし)。文化14年初刊。刊年不明。[江戸]角丸屋甚助(衆星堂・衆星閣・森甚助)板。
【備考】分類「往来物」。女文を含む各種の消息文例から成る用文章で、四季・非常・住居・寺社・祝儀・雑・女用の7部に分類して集録した点に特色がある。収録書状数は、「四季之部」が「改年之文」以下30通、「非常之部」が「葬礼之文」以下18通(うち3通は離縁状関係で異色)、「住居之部」が「上棟祝儀」以下11通、「寺社之部」が「入院祝儀之文」以下8通、「祝儀之部」が「婚礼祝儀」以下11通、「雑之部」が「疱瘡見廻文」以下10通、女用之部が「初春之文」以下5通(五節句祝儀の仮名文)の合計93通。本文は大字・5行・無訓を基本とし、頭書に楷書・小字・10行・付訓の本文を再録する(ただし女用之部の頭書は「源氏之歌同香図」)。
★改装・題簽欠・状態並み(表紙汚損)。記名あり・蔵書印なし。稀書(全国に所蔵数カ所(国文学研究資料館DB))。
2000円 謹身往来(寛政2年初板本)
【判型】大本1冊。縦267粍。
【作者】吉田其幸(玄奉・継曹)作・書。
【年代等】寛政2年春作・初刊。[江戸]須原屋茂兵衛板。
【備考】分類「往来物」。初板本系。寛政2年初板本の求板。主として江戸町人のために日常語や生活心得全般を綴った往来。準漢文体の文章で、まず「抑教之有増者、人々心得可有事、先以、四海波静治、目出度御代、日夜朝暮三綱五常之道行、国民安寧、五穀富饒之御政不浅…」と国家泰平を謳歌する文言から書き始め、町人子弟の心得(学業・行状・悪行)、公序良俗、江戸の名所・名物、家庭医療、衣類、工芸品、宗教、諸職・諸商人(諸商品)、家財等にいたる用語・知識を列挙し、最後に、善悪を弁えて煩悩や瞋恚を去り、倹約・算勘・柔和・忍辱・忠義・孝行・勤勉に生きるべきことを諭す。初板本は大字・6行・付訓の手本で、その後、頭書に本文読法やその他の記事を記した半紙本・中本等など種々出版された。
★改装・題簽欠・状態並み(小虫)。寛政2年板(初板)は珍しい。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、類書が、1,500〜10,780円】。
2000円 続草庵集玉箒(天明6年)
【判型】大本1冊。縦260粍。
【作者】本居宣長(鈴屋大人スズノヤウシ)作。
【年代等】明和4年作。天明6年秋刊。[津]山形屋伝右衛門ほか板。
【備考】分類「和歌・注釈」。二条派の歌風を象徴する歌集として江戸時代を通じて幅広く流布した頓阿の家集『草庵集』2000余首から352首を選び、先行の注釈書である香川宣阿作『草庵集蒙求諺解』(享保8年刊)や桜井元茂作『草庵集難注』(享保14年序)を批判しつつ施注したもの。嶺松院和歌会に加入し、松坂の歌人グループに入った宣長は、知り合った稲懸棟隆から『草庵集』の注釈書を見せられるが、それを『梅桜草の庵の花すまひ』で論評した。その後、同書をさらに充実させたものが『草庵集玉箒』である。明和4-5年(1767-68)頃脱稿し、前編5巻3冊が明和5年に、後編4巻2冊と『続草庵集玉箒』は天明6年に刊行(本居宣長記念館HP参照)。
★原装・題簽付・状態概ね良好(末尾数丁虫損補修、裏表紙虫損)。記名なし・蔵書印なし。
2000円 庭訓往来(文化9年・栄松斎)
【判型】中本1冊。縦177粍。
【作者】栄松斎書。
【年代等】文化9年11月刊。[江戸]森屋治兵衛(錦森堂)板。
【備考】分類「往来物」。「庭訓往来」本文を大字・6行・付訓で記したもの。口絵に「読書指南図」を掲げる。『庭訓往来』は、古写本で約70種、近世以降の板本は約300種に上り、中世から明治初年まで最も普及した往来物。月往返2通ずつ1年24通、これに単簡1通(7月状または8月状)を加えた計25通の手紙文より構成される。内容は、武家および上層・庶民の社会生活を中核として新年の会、詩歌の会、地方大名の館造り、領国の繁栄、大名・高家の饗応、司法制度・訴訟手続、将軍家の威容、寺院における大法会、大斎の行事、病気の治療法、地方行政の制度等を主題とする手紙で、各手紙とも類別単語集団を収める(衣食住370語、職分職業217語、仏教179語、武具75語、教養46語、文学16語、雑61語、計964語)。
★原装・題簽欠・状態並み。記名あり・蔵書印なし。
2000円 大全消息往来(巻末「月異名」)
【判型】中本1冊。縦179粍。
【作者】高井蘭山注(「消息往来講釈」)。
【年代等】文化頃初刊か。江戸後期再刊。刊行者不明。
【備考】分類「往来物」。「大全消息往来」には類書が多く、基本的に「消息往来」「続消息往来」「消息往来講釈」の3部を合本したもの(稀に「消息往来」に代えて「増字消息往来」を収録するものもある)。うち「消息往来」は文化頃刊と思われる鶴屋喜右衛門板『消息往来』とほぼ同様。「続消息往来」は『消息往来』に漏れた消息用語を無秩序に羅列したもの。「消息往来講釈」は、『消息往来』の本文から要語をとり上げて割注を施したもの。本文を大字・5行・付訓で記す。基本的に行書体だが、「講釈」の要語のみ楷書体で記す版や、巻頭に「士農工商図」や「書筆心得」を掲げた版もある。底本は、「消息往来」「続消息往来」「消息往来講釈」の順に収録し、巻末に「十二月異名」を付す。
★原装・題簽付・状態並み。記名なし・蔵書印あり。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、類書が、2,000円〜5,500円】。
2000円 〈誤字改正〉古状揃絵抄[〈文久新刻〉古状揃絵抄](疲れ本)
【判型】中本1冊。縦180粍。
【作者】槐亭賀全作。
【年代等】文久頃刊。[江戸]吉田屋文三郎板。
【備考】分類「往来物」。往来物本文の左側に1行ずつの細字の略注を置き、さらに本文中に人物・風景など小さな挿絵を随所に点在させるという、文江堂(吉田屋文三郎)独特の体裁の往来物が文久頃にシリーズで出版されたが、本書はその中の一つ。「今川状」「手習状」「腰越状」「義経含状」「弁慶状」「熊谷状」「経盛返状」「曽我状」「同返状」の9状を収める。本文を大字・4行・付訓で記す。なお、本文の挿絵を色刷りにした豪華版もある。
★原装・題簽欠・表紙傷み・疲れ本・見返し等やや傷み。記名なし・蔵書印なし。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、10,000円〜41,800円】。
2000円 百姓往来・風月往来(2冊合本)
【判型】中本1冊。縦176粍。
【作者】不明。
【年代等】江戸後期刊。刊行者不明。
【備考】分類「往来物」。江戸後期刊行の「百姓往来」と「風月往来」を合本した改装本。「百姓往来」は、農業型往来中最も流布し、『〈手本〉農業往来』とともに後世の類書に最も大きな影響を与えた農業型往来。「凡、百性取扱文字、農業・耕作之道具、鋤、鍬、鎌、犁(からすき)…」で始まる本文は明らかに、堀流水軒作『商売往来』を模倣して編んだものであり、同往来のスタイルを踏襲して、以下、農具、農業施設、田畑度量衡・地方、潅漑施設、肥料、稲作手順と諸注意、巡見・検地・助郷等の夫役、運送・交通、領地、家屋造作、機織、農民の日常食、農閑期の労働・雑務・牛馬飼育、在所の地理的知識、穏田をせず正直な農民の子孫繁昌までを説いて結ぶ。また、「風月往来」は、「新春之御慶賀重畳申籠候畢。抑子日御会難忘存候…」で始まる新年状以下毎月1通、1年12カ月12通の消息文から成る代表的な消息科往来。1月「新年の会案内状」、2月「梅花の庭園に訪問を乞う手紙」、3月「千句の会につき諸道具の借用を申し入れる手紙」、4月「初瀬寺参詣の様子を伝える手紙」、5月「五月雨の退屈を訴える手紙」、6月「納涼の宴開催を念願する手紙」、7月「北野神社の七夕行事の誘引状」、8月「観月の会についての手紙」、9月「近況報告と詩歌を披露する手紙」、10月「管弦の会の感想などを述べた手紙」、11月「雪見誘引状」、12月「歳暮祝儀状」というように、四季の行事や風物を題材とする。本書は編集形式や内容に古往来の影響が見られる一方、近世の消息科往来の先駆的役割も果たした。
★改装・替え題簽・状態良好(「風月往来」末尾半丁補写)。記名なし・蔵書印なし。
2000円 〈改正〉安政年代記[〈大増補〉安政年代記]
【判型】中本1冊。縦180o。
【作者】不明。
【年代等】万延元年刊(刊年は「年代記」による)。[江戸]吉田屋文三郎板。
【備考】分類「年代記・往来物」。早印本と後印本の2種を収録(後印本は抄録)。冒頭の早印本は第16丁欠のため、後印本で補った。本書は、年代記、暦占書、筆道書、往来物のほか、礼法・謡曲・算法書・古銭・料理などに関する雑多な記事を多く盛り込んだ書で、多ジャンルの準往来物である。本文は、まず、大化より本書刊行時の安政までの元号一覧を掲げ、次に、永禄7年(甲子)より万延元年(庚申)までの「年代記」(各年の干支・納音(なっちん、六十干支を陰陽五行説や中国古代の音韻理論を応用して、木・火・土・金・水の五行に分類し、さらに形容詞を付けて30に分類したもの)やその年の主な事件を記す)載せる。ここで万延改元後までの記述を含むため、万延元年の刊行と推定される。さらに九星気学の「本命的殺」にも触れる。続いて「七以呂波」「立春書初の詩歌」「士農工商の図」「渾天儀の図」「日本中興武将伝略」「五性書判之吉凶」「大将軍遊行日之事・金神遊行日之事」「太刀折紙法式」「香奠書様」「目録したゝめ様」「注文したゝめ様」「折鳥目録等書様」「女中目録書様」「女中方へ折紙書様」「九々の次第」「八算掛割之術」「見一九段割掛算」「能面之図式」「当流小謡」「筆道秘伝」「異名類」「親戚字尽」「色紙短冊之書法」「〈魚類精進〉当世料理」を収録する。また、頭書には、「夢はんじ」「一代灸を忌む日の事」「三国伝灯仏法由来」「華?寺院名籍一覧」「本朝鋳銭之図」「本朝二十二社」「日本三岳・同十八高山」を掲げ、裏表紙見返に「十二支の絵図」「十幹の絵図」「六曜星毎日善悪の事」を載せる。
★原装・題簽破損・状態並み(一部破損)。記名あり・蔵書印なし。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、11,000円】。
2000円 世界百珍(上巻「人間の巻」*活版和装本)
【判型】中本1冊。縦182粍。
【作者】有文館出版部編。
【年代等】明治45年7月刊。[京都]有文館板。
【備考】分類「戯文」。本書に上巻を記し、巻末に下巻「風景・動物・機械珍画60個入」と記すが未刊か。いずれにしても上巻単独で刊行された珍画集。
「世界一の大男小男」「西蔵の面」「西洋の精神写真」「奈翁に似たる役者」「百億万円の顔」「寿命の縮まる職業」「世界最初の人像写真」「世界一の大紙鳶」「自転車の大曲芸」「美人即白骨」「西洋の砂書」「珍食家」「回々教団体の叩頭」「駱駝と象の敬礼」「世界最大の像」「支那婦人の纒足」「印度乞食」「仏国の決闘」「伊太利騎兵の馬術」「手堤軽便ボートの発明」から成る。。
★・。記名・蔵書印なし。稀書。
2000円 〈算法入〉勧農固本録(下巻)
【判型】大本1冊(全2巻中の下巻1冊)。縦271粍。
【作者】万尾時春(マオトキハル・万尾六兵衛)作・序。
【年代等】享保10年3月自序。享保10年4月、平維章(篠崎東海・子文・金吾)序。享保10年9月、原謙亭序。刊。江戸中期後印。[京都]小川彦九郎板。
【備考】分類「農業・和算」。農村における百姓や庶民への指導的立場より種々の注意事項を始め農村行政を記す。正しくは『算法入(さんぽういり)勧農固本録』。江戸時代中期の農書。丹波篠山(ささやま)藩士万尾(まお)時春が著わし、小宮山昌世らの序文がある。享保10(1725)年刊。「郷村諸事吟味の事」以下農政全般にわたり9章163ヵ条の心得を説くが、従来の類書の説を批判し、老農旧吏の意見を聞いてまとめてあり、江戸時代中期の殖産勧農思想を知るうえで代表的著作とされる。江戸時代の農政書。丹波国篠山藩士の万尾時春が1725年(享保10)に刊行。上下2巻。書名は〈民は惟(これ)邦(くに)の本、本固ければ邦寧(やすし)〉の由来による。内容は土壌や作物などの農業技術にも触れているが、検地や検見や年貢の収納等、幕藩体制下の農村統治法に力点がおかれている。江戸中期の農村統治、あるいは支配者の農民観を知るために有用である。《日本経済大典》所収。江戸中期の地方書(じかたしょ)。著者は丹波(たんば)国篠山(ささやま)(兵庫県篠山市)の万尾時春(まおときはる)。1725年(享保10)に刊行され、上下2巻よりなる。上巻には、郷村諸事吟味(ぎんみ)之事、土地位付(くらいづけ)并(ならびに)作物仕付(しつけ)之事、検見(けみ)并取箇付(とりかづけ)之事の3項が、下巻には、年貢(ねんぐ)収納之事、検地仕様之事、地普請(じぶしん)之事、山林竹木仕立様之事、公事(くじ)訴訟之事、役人平日心掛之事、井田(せいでん)和解之事の7項がそれぞれ収められて、詳細かつていねいな地方支配心得方が説示されている。なお、本書冒頭部分には、同じく地方書の一つである『田園類説』の著者小宮山昌世(こみやましょうせい)と平維章(たいらのこれあき)(儒者、号は篠崎東海(しのざきとうかい))の序2編が付されている。『日本経済大典』第4巻、『日本経済叢書(そうしょ)』第5巻所収(コトバンク)。
★原装・題簽付・状態良好。蔵書印あり。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、2冊揃いが、8,000円〜53,900円。後印本端本1冊が、2,750円】。
2000円 和漢朗詠集(古板・上巻)
【判型】特大本全2巻中の上巻1冊。縦274粍。
【作者】藤原公任編。
【年代等】寛文7年4月刊。享保頃後印カ。[京都]芳野屋徳兵衛板。
【備考】分類「歌謡」。『和漢朗詠集』は、藤原公任撰の歌集である。寛仁2年(1018年)頃成立した。『倭漢朗詠集』、あるいは巻末の内題から『倭漢抄』とも呼ばれる。もともとは藤原道長の娘威子入内の際に贈り物の屏風絵に添える歌として編纂され、のちに公任の娘と藤原教通の結婚の際に祝いの引き出物として贈られた。達筆の藤原行成が清書、粘葉本に装幀し硯箱に入れて贈ったという。国風文化の流れを受けて編纂された。往時、朗詠は詩会のほかにも公私のさまざまの場で、その場所々でもっともふさわしい秀句や名歌を選んで朗誦し、その場を盛り上げるものとして尊重されていた。こうした要請に応ずる形で朗詠題ごとに分類配列し撰じたものである。上下二巻で構成。その名の通り和歌216首と漢詩588詩(日本人の作ったものも含む)の合計804首が収められている。和歌の作者で最も多いのは紀貫之の26首、漢詩では白居易の135詩である。『古今和歌集』にならった構成で、上巻に春夏秋冬の四季の歌、下巻に雑歌を入れている。漢字と仮名文字の両方で当時の流行歌が書いてあることから、寺子屋などで長年読み書きの教科書としても用いられた。宋に渡った日本の修行僧が寺に入山するときにも納めている。また、イエズス会によって出版されたキリシタン版の上巻が、スペインのエル・エスコリアル修道院に残っている(Wikipedia参照)。
★原装・題簽欠・状態良好。古版。
2500円 〈絵入教訓〉女大学(明治初年)
【判型】半紙本1冊。縦224粍。
【作者】不明。
【年代等】江戸後期初刊。明治初年再刊。[東京]大川新吉(大川屋)板。
【備考】分類「往来物」。『女大学』の本文を大字・6行・付訓で記す。また、本文中に見開き挿絵5葉を掲げる。
★原装・題簽付・状態良好。記名なし・蔵書印なし。
2500円 女論語躾宝
【判型】大本1冊。縦254粍。
【作者】随時老人(庸行)原作。
【年代等】弘化4年1月補刻。[京都]丁子屋定七(定七郎・瑞宝堂)ほか板。
【備考】分類「往来物」。安永2年刊『女要倭小学』の改題本。『女要倭小学』の前付のうち「徳・言・功・容」「源氏八景」「和歌三神之図」だけを抄録し、本文首題を改め、末尾の「作者、庸行」の記載を「益軒貝原先生述」と改刻(益軒のネームバリューで売り込もうとした書肆の企てであろう)して刊記を改めたもの。『女要倭小学』は、女子教育や女子の教訓・教養・礼法などを教訓歌(狂歌)や故事を交えて諭したもの。「夫、女子は十歳の時よりかつて外へ出すべからず…」で始まる前文で女子一生の教訓、女子の躾方、女子教育法、男女の別などを概説し、続いて、第一条「慈悲と女子の心持ち」、第二条「接客態度」、第三条「召使いへの指導」、第四条「夫婦和合」、第五条「友人との交際」、第六条「高看経の禁止」、第七条「言葉遣い」、第八条「芸能の慎み」、第九条「奥床しい心持ち」、第一〇条「贈答の心得」の一〇カ条を説く。本文を大字・五行・付訓で記す。前付に「徳・言・功・容(四徳)」「源氏八景」「和歌三神之図」「女通用之故実并衣類余風」「三十六歌仙之図」「琴碁書画(および由来)」「眉を作る始の事」「婚姻之和訓」「女中衣裳の品さだめ」「祝言の始」等、頭書に「新六歌仙」「三夕和歌」「六々貝合和歌」「ぬいものゝ事」「女子やしなひ草」「女ことばつかひ」「立居ふうぞく」「かみけしやう」「衣しやうのならひ」「万しつけかた」「きうじのしやう」「祝言わたましいみ詞」「女一代身もち鑑」「くわいたいやうじやう」等の記事を載せる。
★原装・題簽付・状態並み(表紙痛み)。記名なし・蔵書印なし。
2500円 経義大意
【判型】大本1冊。縦267粍。
【作者】八田知紀(ハッタトモノリ、桃岡トウコウ)作。
【年代等】嘉永5年作。元治元年、菅原(五条)為栄序・刊。[江戸]気吹舎塾(伊吹廼舎塾)蔵板(書袋に「五条殿蔵板」と記すものもある)。
【備考】分類「国学」。書名は、和漢に行われている道、すなわち常理常法の大要という意。両者の相違するところを比較弁明して、盲目的な漢土崇拝の誤りであることを具体的に指摘し、漢土の経典を用いるには、まずこの心得をもって取捨選択すべきであると主張している。巻首に少納言菅原為栄の序がある。著者は薩摩藩士で、文政8年に京都の藩邸の蔵役となり、香川景樹について歌道を学び、また国学にも志した(「日本古典文学大辞典」参照)。
★原装・題簽付・極美本。記名なし・蔵書印なし。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、2,500円〜10,000円】。
2500円 新春帖〈書札文集〉
【判型】横本1冊。縦181粍。
【作者】坂川暘谷(坂川貴文・芝泉堂)書。熊谷暘周(東泉堂)跋。
【年代等】弘化4年2月書。弘化4年3月跋・刊。[江戸]和泉屋吉兵衛(泉栄堂)板。
【備考】分類「往来物」。「新春之御慶不可有際限御座候…」で始まる新年祝儀状(披露状)以下39通の消息(準漢文体・和文体)と詩歌8編を綴った手本。本文を大字・8行・無訓で記す(詩歌は5行程度)。冒頭に披露状など武家公用の最高位の例文数通を掲げ、続いて美酒嘉肴の礼状や湯治見舞状、その他四季消息文等の私用文、最後に並べ書き・散らし書きの仮名文数通を収録する。巻末に「青蓮院宮御門弟/芝泉堂先生書/泉栄堂蔵板目録」と題して、芝泉堂および門人筆の手本24本の書名を列挙する。
★原装・題簽付・状態良好。記名なし・蔵書印なし。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、3,050円(題簽スレ)〜8,800円(題簽付)】。
2500円 大全消息往来(吉田屋板)
【判型】中本1冊。縦176粍。
【作者】高井蘭山注(「消息往来講釈」)。
【年代等】文化頃初刊か。江戸後期再刊。[江戸]吉田屋文三郎板。
【備考】分類「往来物」。「大全消息往来」には類書が多く、基本的に「消息往来」「続消息往来」「消息往来講釈」の3部を合本したもの(稀に「消息往来」に代えて「増字消息往来」を収録するものもある)。うち「消息往来」は文化頃刊と思われる鶴屋喜右衛門板『消息往来』とほぼ同様。「続消息往来」は『消息往来』に漏れた消息用語を無秩序に羅列したもの。「消息往来講釈」は、『消息往来』の本文から要語をとり上げて割注を施したもの。本文を大字・5行・付訓で記す。基本的に行書体だが、「講釈」の要語のみ楷書体で記す版や、巻頭に「士農工商図」や「書筆心得」を掲げた版もある。底本は、「消息往来」「消息往来講釈」「続消息往来」の順に収録し、見返しに「士農工商図」、裏表紙見返し「十幹・十二支」を載せる。
★原装・題簽付・状態良好(表紙題簽以外墨塗)。記名なし・蔵書印なし。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、類書が、2,000円(傷み・小虫)〜5,500円】。
2500円 〈増補〉大全消息往来(楷書体「講釈」)
【判型】中本1冊。縦175粍。
【作者】高井蘭山注(「消息往来講釈」)。
【年代等】文化頃初刊か。江戸後期再刊。刊行者不明。
【備考】分類「往来物」。「大全消息往来」には類書が多く、基本的に「消息往来」「続消息往来」「消息往来講釈」の3部を合本したもの(稀に「消息往来」に代えて「増字消息往来」を収録するものもある)。うち「消息往来」は文化頃刊と思われる鶴屋喜右衛門板『消息往来』とほぼ同様。「続消息往来」は『消息往来』に漏れた消息用語を無秩序に羅列したもの。「消息往来講釈」は、『消息往来』の本文から要語をとり上げて割注を施したもの。本文を大字・5行・付訓で記す。基本的に行書体だが、「講釈」の要語のみ楷書体で記す版や、巻頭に「士農工商図」や「書筆心得」を掲げた版もある。底本は、「消息往来」「続消息往来」「消息往来講釈」の順に収録するが、「講釈」は本文を楷書で記す。
★原装・題簽付・状態良好。記名なし・蔵書印あり。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、類書が、2,000円〜5,500円】。
2500円 〈開化〉商売往来〈附録家号部類〉(鶴田真容)
【判型】中本1冊。縦178粍。
【作者】鶴田真容作。
【年代等】明治11年頃刊。[東京]小森宗次郎(木屋宗次郎・紅木堂)板。
【備考】分類「往来物」。近世流布本『商売往来』の改編版の一つで、同人作・同名の往来が同年に出ているが内容が異なる。「凡、商法売買に扱ふ文字之概略は、第一両替、通用の金銀、銅貨、紙幣、洋銀(ドル)、国立銀行、為換方、証券、印紙請渡、注文、仕切、当座、仕入、出納、算用…」と筆を起こし、金融、雑穀、金石、発明品、商社・取引、食品、酒類、家財、文具、食器、諸道具・雑貨、履物、布帛、織物、衣類、染色、薬種、鳥獣、魚類等の語彙を列挙し、最後に商家児童の心得を略述して結ぶ。本文を大字・6行・付訓で記す。見返に「家名部類」を載せる。
★原装・刷外題・状態並み(表紙汚損)。記名・蔵書印あり。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、2,750円〜4,380円】。
2500円 〈増補〉暦講釈[解註暦]
【判型】中本1冊。縦178粍。
【作者】不明。
【年代等】江戸後期刊。[江戸]和泉屋市兵衛板。
【備考】分類「暦」。暦の見方や暦注関連の用語を解説した簡易な暦便覧。巻頭に「三鏡宝珠形」「二十四方位図」「三鏡宝珠形の方」「八将神」「鬼門の方」「月建并廿八宿月日値偶」「中段下名目の日」「天一天上」「中段(十二直)」「下段」に分けて、それぞれの用語を表形式で解説する。。
★原装・題簽付・状態良好(表紙やや傷み)。記名なし・蔵書印なし。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、類書が、2,750円〜16,500円】。
2500円 しん板色里たのしみどゝいつ[しんぱむ色里たのしみ都々一]
【判型】中本1冊。縦174粍。
【作者】不明。
【年代等】明治初年刊。刊行者不明。
【備考】分類「歌謡」。「妻子あるのがいまさら忘れて二世といゝしも水のあは」などの都々逸を集めた絵入り本。裏表紙に「明治八年八月、宮野駅ニ而求之」の書き込みがある。
★原装・色刷表紙・状態良好。記名なし・蔵書印なし。稀書(全国に所蔵数カ所(国文学研究資料館DB))。
2500円 新撰はうた浄瑠璃都々一[はうた上るりいり都々一](2編)
【判型】中本1冊。縦174粍。
【作者】梅暮里谷峨(ウメボリコクガ)2世(萩原乙彦・鈴亭谷峨・金竜山人)作。歌川国郷(立川斎・立川国郷)画。
【年代等】明治初年刊。美音堂板。
【備考】分類「歌謡」。「人目しのんで恋ぢの関を…」以下を収録した絵入り都々逸集。
★原装・色刷表紙・状態良好。記名なし・蔵書印なし。稀書(全国に所蔵数カ所(国文学研究資料館DB))。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、落丁本1冊が、3,500円】。
2500円 はうた家根の猫[はうた家根とも]
【判型】中本1冊。縦175粍。
【作者】不明。
【年代等】明治5年夏刊。刊行者不明。
【備考】分類「歌謡」。絵入りの端唄集。
★原装・色刷表紙・状態良好。記名なし・蔵書印なし。稀書(全国に所蔵数カ所(国文学研究資料館DB))。
2500円 本朝歳時考[〈俳諧発句狂歌重宝〉本朝歳時考](明治初年)
【判型】中本1冊。縦181粍。
【作者】松亭金水(中村経年ツネトシ・保定・金水道人・女好庵)編・序。
【年代等】嘉永4年2月自序。嘉永4年3月初刊([江戸]大和屋喜兵衛板)。明治初年再刊([東京]大和屋蔵板。[東京]大矢滝蔵ほか売出)。
【備考】分類「年中行事」。序文にあるように、「繁きを省き、短きを補ひ、一小冊となす時は、見るに簡易なるのみならず、求むるに心易く稚き女童部をして、その故実を知らしむる捷径(チカミチ)ならん…」という趣旨から、貝原好古編『日本歳時記』を参考にしながら年中行事のあらましを簡潔に記した書。12カ月の月毎に、月の異名やその月の年中行事の故事由来・意義などを記す。頭書には本文の補足や関連の挿絵を載せる。なお、明治期後印本の第15丁は、版木の破損で一部判読できない。
★原装・題簽付・状態良好。記名なし・蔵書印なし。稀書(全国に所蔵数カ所(国文学研究資料館DB))。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、2,000円】。
2500円 〈大橋・篠田〉書札集〈国尽・百官〉[大橋書札集]
【判型】横本1冊。縦189粍。
【作者】大橋重政(長左衛門)・篠田行休(長三郎)書。篠田長道跋。
【年代等】延享4年9月跋・刊。[江戸]前川六左衛門板(板元は同板別本による)。
【備考】分類「往来物」。『宝暦四年書目』に「大橋書札集」と記す。各丁の折り目が下になる特異な横綴じ手本。篠田行休および大橋重政筆「消息文」(大字・4-8行・無訓)と、篠田行休筆「諸国(大日本国尽)」「百官」「詩歌」(大字・約5行・無訓)から成る大橋流手本。「消息文」は、年頭祝儀披露状以下、武家公用向けの書状44通。そのほとんどが行休筆で、重政筆はわずか5通である。
★原装・題簽付・状態並み(小虫補修)。記名なし・蔵書印なし。稀書(他に所蔵無し(国文学研究資料館DB))。
2500円 〈寺沢手本〉書札私用集[〈寺沢〉書札私用集]
【判型】横本1冊。縦185粍。
【作者】寺沢政辰(友斎・玉流亭・玉流軒・友太夫・深淵堂)書。
【年代等】宝永3年7月書・初刊([江戸]野田太兵衛ほか板)。享保6年7月書・再刊([江戸]野田太兵衛ほか板)。
【備考】分類「往来物」。『書札筆用集』などと同様に、武家公私にわたる消息文例46通を集めた寺沢流手本。新年の嘉儀に始まり、加増祝儀、京都御留守居役就任祝い、若殿様御誕生祝いなど、武家社会における形式的な儀礼上の挨拶文を謹厳な書体で綴る。ただし、末尾4通のみは仮名文とする。本文を大字・8行・無訓で記す。
★原装・題簽欠・状態並み。記名なし・蔵書印なし。稀書(全国に所蔵数カ所(国文学研究資料館DB))。
2500円 増字消息往来[〈増字〉消息往来](近沢幸山・弘化4年)
【判型】大本1冊。縦255粍。
【作者】近沢幸山(信敬)書(本文)・跋。駒喜道書(再録本文)。
【年代等】弘化4年8月跋・刊。[江戸]玉金堂蔵板。[江戸]山城屋政吉(玉金堂か)ほか売出。
【備考】分類「往来物」。享和2年刊『改撰消息往来』(川関惟充編)を改訂した、いわゆる『増字消息往来』の一つ。「凡、消息者通音信・贈答・安否、近遠国長途不限何事、人間万用達之基本也…」で始まる文章で、書状冒頭の語句、相手の手紙の尊称、一二月異名および時候の言葉、相手の安否を問う言葉を始め、書状に用いる語句を列挙する。行書・大字・5行・無訓の本文に続いて、楷書・小字・9行・両点付きの本文を再録する(この部分は駒喜道書)。
★原装・題簽付・状態概ね良好(末尾やや小虫)。記名なし・蔵書印なし。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、類書が、2,200円(題簽欠・小虫)〜5,500円】。
2500円 理学秘訣(鎌田柳泓・コピー複製)
【判型】大本1冊。縦252粍。
【作者】鎌田柳泓(鎌田鵬・図南・曲肱庵)作・序。
【年代等】文化12年11月作・自序。文化12年11月、鎌田俊迪跋。文化13年10月刊。[京都]脇坂仙次郎板の複製。
【備考】分類「心学・漢学」。『理学秘訣』は1冊、心学、鎌田柳泓著。文化12年11月成稿、同13年10月京都脇坂仙次郎刊。内容は、師弟対話の形式をとり、日月星宿・玉石金石といった自然物の実態を問い、人身の生理や知識の根源を尋ね、最後は人心の本性についての究明を試みる。当時西欧より移入した自然科学的・医学的知識を取り入れ、感覚・知覚・記憶といった心理作用についても考慮しつつ、心の実態を明らかにしようと努めるのが特徴だが、究極では直感洞察を主とする独自の論理による心の性理を把握するまでに止揚している。石田梅岩についで、極めて緻密な思想大系を思想体系を持つ心学書として注目される(「日本古典文学大辞典」参照)。
★状態良好。記名なし・蔵書印あり。比較的稀書(全国に所蔵数カ所(国文学研究資料館DB))。
2500円 〈訳準〉開口新語[訳準開口新語]
【判型】大本1冊。縦264粍。
【作者】岡白駒(ハック・太仲・竜洲・千里)作。小川義方編。
【年代等】寛延4年3月、清田絢(清絢セイケン・?叟タンソウ・孔雀楼・君錦)序。寛延4年春刊。[京都]風月堂荘左衛門板。
【備考】分類「随筆」。漢文笑話。初学者に漢文を習得させるためには「訳スニ彼ノ文ヲ以テシ、又自ラ作リテ準則ト為ス」(序)必要を感じ、その教材に内容の平易な笑話を用いたもので、「訳準」と冠して作文階梯の名目で100話の漢文笑話を編み、自らも戯文を楽しんだもの。大半は既成の笑話や民間の俗伝を漢訳化したものだが、中国笑話の転載・改作も含まれ、長咄も数話ある。編者の選択眼と性格を反映して普遍的な佳話が多い。軽口咄と江戸小咄の橋渡し的存在であり、きびきびした叙述と斬新な内容を生み出した一因として、中国笑話集の抄訳本とともに高く評価される(「日本古典文学大辞典」参照)。
★原装・題簽付・並本(小虫補修)。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、4,000円〜10,180円】。
2500円 蓮如上人九十箇条[九十箇条制法]
【判型】大本1冊。縦252粍。
【作者】兼縁(蓮悟)編。
【年代等】明和5年初刊。江戸後期再刊。[京都]永田調兵衛板。
【備考】分類「真宗」。『九十箇条制法』は、浄土真宗の門徒、僧侶に対する掟や、浄土真宗の中興の祖である蓮如(1499没)の御文に見える掟などを集めたもので、寛文8年(1668)成立。本書巻末広告には「蓮如上人九十箇条、一/蓮如上人、当流真宗の肝要、且、常陸の国にて門徒と坊主のひがみたる処を上人より掟の御状を下し玉りたる条々を著せるなり」と記す。
★原装・題簽付・状態良好。記名・蔵書印あり。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、11,000円。写本1冊が、10,000円】。
2500円 〈永井保賢訓点〉古訓古語拾遺[〈古訓〉古語拾遺](明治9年)
【判型】大本1冊。縦267粍。
【作者】斎部広成(インベノヒロナリ)作。永井保賢校訂・訓点。
【年代等】明治9年2月刊。[東京]吉岡十次郎板。
【備考】分類「家伝」。『古語拾遺』は、平安時代前期の歴史書。斎部広成(いんべのひろなり)著。1巻。大同2(807)年成立。神代以降、奈良時代の天平年間(729〜749)にいたるまでの歴史を略述し、斎部氏が神事に奉仕してきた由来を述べ、さらに当時の朝廷の祭祀の不備な事項11条をあげ、斎部氏に対する不当な処遇を訴えている。/古代の氏族である斎部(いんべ)氏の由緒を記した歴史書。斎部広成(ひろなり)の撰述(せんじゅつ)で、807年(大同2)に成立。祭祀(さいし)を担当した斎部氏が、同様の職掌に携わっていて勢いを強めた中臣(なかとみ)氏に対抗して、正史に漏れている同氏の伝承を書き記したもの。本書は、正確にいうと、斎部氏によって提出された愁訴(しゅうそ)状であって、『古語拾遺』は後人による命名。伊弉諾(いざなぎ)・伊弉冉(いざなみ)の二神の国生みと、神々の誕生神話から筆をおこし、757年(天平宝字1)の時代までのことが記述されており、斎部氏の氏族伝承をはじめ、記紀に並ぶ古代史の貴重な文献である(コトバンク)。
★原装・題簽付・状態概ね良好(一部小虫、表紙やや傷み)・。記名なし・蔵書印なし。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、類書が、2,000円(新刻古語拾遺)〜16,040円(古語拾遺正訓)】。
2500円 千代見草(日遠・上巻)
【判型】大本1冊(全2巻中の上巻)。縦256粍。
【作者】伝日遠(心性院、尭順)作。
【年代等】宝永7年9月刊。江戸後期後印。[京都]栗山宇兵衛原板。[京都]蓍屋宗八再刊。
【備考】分類「日蓮」。日蓮宗の教義に基づき臨終教化や看病の心得などを説く。
★原装・題簽付・美本。記名なし・蔵書印なし。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、2冊揃いが、16,500円(明治期後印)〜33,000円】。
2500円 〈大字新板〉女今川操鑑(安政2年)
【判型】大本1冊。縦259粍。
【作者】沢田吉作(元禄板系統)。西川竜章堂書。森川保之画。
【年代等】安政2年1月再刻。[江戸]山城屋佐兵衛板。
【備考】分類「往来物」。『女今川』は全23カ条と後文から成る壁書形式の教訓で、本書は元禄板系統の一種。これは、貞享4年刊『女今川』を改編したもの(元禄板の序文に「此比有人の書し『女今川』をみるに…」とあり、「然るに、今また改かふる事は、全我言をよしとするにあらず。自かたましき所をひそかにしるして…」とある)で、本文各条は貞享板と同傾向ながら、後文については改編が著しく、具体的には「心かだまし」と「心すなほ」の強調が目立つ。本書を自戒の書として書いた吉の理想は、「かだまし」き点のない、「すなほ」な心延えの女性だったのであろう。また、第5条では「主・親の深き恩」を「父母の深き恩」と言い換え、「忠孝」の代わりに「孝の道」とした点、さらに後文で、天地の道や五常を説いた抽象的な表現や、下僕や他人に対する心得などを割愛する一方、孝・貞の見地から己の心の善悪を内省することを説いた点に特色がある。
★原装・題簽付・状態概ね良好(表紙やや疲れ)。
2800円 徂徠先生学則解
【判型】大本1冊。縦264粍。
【作者】三浦瓶山(衛興エイキョウ・淳夫・淳夫・与稽・元卿)作・序。
【年代等】寛保3年9月自序。延享元年5月刊。[江戸]小林新兵衛(嵩山房)板。
【備考】分類「教育」。荻生徂徠作『徂徠先生学則』の注釈書(漢文注)。『徂徠先生学則(学則)』は、1冊、儒学、荻生徂徠著。外題・内題ともに「徂徠先生学則」とあって、これが正式書名。成立は享保2年作『弁道』とほぼ同じ頃と推定される。享保12年江戸須原屋新兵衛刊。付録として徂徠が諸家に与えた書翰5通を添える。『徂徠集』巻17にも「学則」の題で所収。徂徠が自己の学問の方法と内容を簡明に解説した書。経書を正しく読解するためには古代中国語に習熟しなければならないこと、聖人の道は人それぞれの能力を育成する寛容さを本質とすることなどを説く。文章の難解さで聞こえ、『学則考』(宇佐美?水(シンスイ)著、未刊)、『徂徠先生学則并附録標註』(伊東藍田著、天明元年刊)などの注釈書が著された(「日本古典文学大辞典」参照)。
★原装・題簽付・状態概ね良好(小虫補修)。記名なし・蔵書印あり。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、3,300円(虫損)〜18,900円】。
3000円 小竹斎和文章
【判型】半紙本1冊。縦222粍。
【作者】篠崎小竹(弼・畏堂・退庵)書。篠崎竹陰(概・訥堂)作・跋。
【年代等】嘉永6年、篠崎竹陰跋。嘉永7年1月刊。明治初年後印。[大阪]梅花書屋蔵板。藤屋禹三郎板。
【備考】分類「往来物」。「新年挨拶状」以下、上巳・端午の節句、紅葉見物誘引状、その他四季に伴う消息文例など13通を収録した往来。大字・2行・無点の手本で、草書体で綴る。
★原装・題簽付(題簽上からなぞり書き)・状態並み。記名なし・蔵書印なし。稀書(全国に所蔵数カ所(国文学研究資料館DB))。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、虫損本が、11,000円】。
3000円 〈必家撰用〉諸通文鑑[必家撰用諸通文鑑](享和3年) ★ゆうパック着払い
【判型】半紙本2巻合1冊。縦213粍。
【作者】戸田栄治(玄泉堂・韶光)作・書・序。宝文堂(大野木市兵衛)・鎌田環斎(禎・資庸・志庸)序。
【年代等】寛政12年1月初刊。享和3年6月補刻・再刊。[大阪]秋田屋(大野木)市兵衛板。
【備考】分類「往来物」。上巻に「年始状」から「暑気伺之状・返事」までの54通、下巻に「中元祝儀状」から「歳暮祝儀状・返事」までの60通、合計114通の消息文例を収録した用文章。時候の文や年中行事に関するものなど四季折々の手紙を季節順に配し、その間に季節とは無関係の各種書状を挟む。これらの書状は、吉凶事に伴う祝儀状・見舞状、その他諸用件の手紙が大半を占めるが、一部、手形証文類や結納目録等の例文も含む。手形証文と用文章を同一視して配列するのが特徴。本文を大字・5行・付訓で記す。頭書に替え文章・替え言葉(言い換え表現)を載せるほか、下巻巻末に「書状上中下次第」「書式心得之事」の記事を掲げる。なお、本書の海賊版に仙台板の『〈万民調法〉書状早指南』がある。
★原装・題簽付・状態良好(表紙やや汚損)。
3000円 町人書状鏡(五書堂板)
【判型】半紙本1冊。縦222粍。
【作者】西川竜章堂(閑斎・美暢ヨシノブ)書。
【年代等】文化7年春初刊(文化7年板は異板で、増田春耕編、竹村一玄書)。天保2年再刊([京都]吉野屋仁兵衛板)。江戸後期後印。[京都]五書堂蔵板。菊屋七郎兵衛製本。
【備考】分類「往来物」。町人から士農工商別に出す消息例文を分類・集成した町人向けの用文章。「士之部」は「年頭状」から「家移祝儀状」までの各種祝儀状20通、「農之部」は「植付之歓状」「豊年之祝状」「農家江祭呼に遣す」の3通、「工之部」は「誂物注文遣す」から「奉公人肝煎を頼む」までの注文状・依頼状等11通で、これに対して「商之部」は「為替手形遣す状」から「祝言文章」までの66通と圧倒的に多く、売買・取引、出店祝儀、種々依頼、また社交、法事、遊興・行楽、不幸・災害等に伴う例文を載せる。本文を大字・5行・付訓で記す。目録上欄に「書初之詩歌」「七夕之詩歌」、巻末に「京町尽」「大日本国尽」「日本二十二社」を載せる。
★原装・題簽付(一部破損)・状態良好(一部小虫)。記名なし・蔵書印なし。稀書(全国に所蔵数カ所(国文学研究資料館DB))。
3000円 〈孝行繁栄・目ざまし艸〉人道二十四箇条(天保板)
【判型】半紙本1冊。縦224粍。
【作者】荒井方久(玉泉堂・玉宝)作。長秀画。
【年代等】天保7年初刊。[京都]刊行者不明。
【備考】分類「往来物」。『人道二十四ヶ条掟書』の増補・改題本。同書の後に『孝の道しるべ』『〈家内安全〉富貴繁栄丸』『絵本目ざまし艸』の3編を合綴したもの。実際に文政8年刊『〈家内安全〉富貴繁栄丸』(菱屋半兵衛板)や天保3年刊『孝の道しるべ』(刊行者不明)等の単行本が存し、同書広告で各単行本を紹介するように、それぞれの単行本がまず出版され、後にそれらを合冊した本書が板行されたと考えられる。『孝の道しるべ』は、『孝行和讃』風に「希々(たまたま)に人と生れし果報には、万物(もの)の霊(つかさ)と聞からに、たゞ両親(ふたおや)の大恩を、しらでは人といはれまじ…」と七五調で親の高恩と孝のあり方を説いたもの。『富貴繁栄丸』は、薬の能書き風に家内和合・子孫長久・修身斉家の秘訣を説いたもので、「一、第一上をすみやかにして下のいたみをやはらげ…」のように効能(心得)を一つ書きにし、続く「薬味調合」では、「富貴繁栄丸」の成分である「堪忍・思案・了見・分別・善事・陰行・実儀」の七味を掲げ、さらに禁忌(毒だち)として「大酒・博奕・諸勝負・遊芸」など一〇毒やこの薬の使用法などを教える。最後の『絵本目ざまし艸』は、短冊型に縦長に仕切って半丁に2葉ずつの挿絵とイロハ短歌を掲げた往来で、例えば冒頭「いとけなきよりならはぬ文字は」「ろうごくやめどせひがない」のように七・七・七・五で完結する教訓歌になっている。
★原装・題簽付・状態良好。奥付欠。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、江戸期板が、8,230円〜22,000円】。
3000円 新増箋注蒙求[徐状元補註蒙求] ★ゆうパック着払い
【判型】大本3巻3冊。縦264粍。
【作者】平田豊愛注・序。岡白駒(ハック)例言・箋注。津布久清濱校。
【年代等】弘化5年2月自序。嘉永2年春初刊。嘉永2年3月初刊。[江戸]万屋忠蔵(一貫堂)板。
【備考】分類「漢学」。明和4年刊『箋注蒙求』の増補版。
★原装・題簽傷み・本文は状態良好。記名・蔵書印あり。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、5,000円〜11,000円】。
3000円 〈誤正再板〉小野篁歌字尽(天保7年・山口屋板・2種)
【判型】中本1冊。収録順に縦180粍。
【作者】不明。
【年代等】天保7年5月再板。[江戸]山口屋藤兵衛(錦耕堂)板。
【備考】分類「往来物」。別本も抄録した。所謂『小野篁歌字尽』寛文2年板系統(椿本*冒頭が「椿」で始まる)を小型に改編したもの。『小野篁歌字尽』は、何らかの意味で類似している漢字を1行に並べ(これを仮に1単元と呼ぶ)、これに和歌を添えて記憶の便を図った往来。1単元の文字数は2-8字と様々で、全体の83%が、(1)偏・冠・構・旁など漢字の字形の共通点を基準にした単元で、ほかにも(2)「aiたばかる)・姦(かしまし)・轟(とどろく)」などの俗字や、(3)「東来(ひらり)・西来(しゃらり)・左右袖(ともかふも)」などの世話字、また、(4)字形が似通った「末・未・賣・買」等の類字、さらに、(5)一つの物名を表す熟語のうち、その文字の一つが共通するものを選んで構成した同字を含む異語、(6)「美人草(びじんさう)・女郎花(をみなへし)」「鶏冠木(かへで)・鴨脚(いちやう)」のように奔放な連想によって連ねた二つの宛字などである。以上の構成で、寛文2年本系統では「椿・榎・楸・柊・桐」以下全126単元・625字(重複分を除くと586字)を載せる。本往来は、江戸中期より明治初年にかけて著しい普及の足跡を遺した。
★原装・題簽欠・状態良好。記名なし・蔵書印なし。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、類書(弘化2年板)が、16,500円】。
3000円 寺子節用宝来蔵[寺子節用錦袋鑑]
【判型】中本1冊。縦177粍。
【作者】不明。
【年代等】江戸後期刊。刊行者不明。
【備考】分類「往来物」。寛延4年5月刊『寺子節用錦袋鑑』([江戸]鱗形屋孫兵衛板原板)の改題本で、仙台書肆による海賊版『子供字引(子供早字引)』の前付を一部改変したもの。書名に「節用」と称するが、『節用集』というよりも、むしろ『節用集』のイロハ分けにならって庶民の日用語を集めた往来物で、『節用集』のような意義分類(部分け)はなく、単に語彙の第一音によってイロハ順に配列するのみで、各語彙を大字・6行・付訓で記す。寛延板では前付に「陰徳あれば陽報有といふ事」以下10の俚諺についての解説と挿絵を掲げるが、底本では見返しに「堪忍之二字」、裏表紙見返しに「天知地知(テンシル、チシル)」の記事を載せる。
★原装・題簽付・状態並み・表紙傷み。記名なし・蔵書印なし。稀書(他に所蔵無し(国文学研究資料館DB))。
3000円 実語教童子教余師(天保15年・山田常助)
【判型】中本1冊。縦181粍。
【作者】山田常助(常介・常典)注。
【年代等】天保15年2月作。天保15年6月刊。[江戸]本屋又助板。
【備考】分類「往来物」。寛文4年刊『〈新板頭書〉実語教・童子教』や天明5年刊『〈註釈絵入〉実語教童子訓』を参照して編んだと思われる注釈書。二教本文を1句ないし5句ずつ掲げ(大字・7行・無訓)、比較的簡単な割注を施したうえ、頭書に同本文の読方(書き下し文)を付す。口絵に弘法大師の図と二教の由来を載せる。また、安政5年板では、口絵に代えて金屯道人の序文を追加し、巻末の「山田常助註」を抹消した。なお、本書に挿絵を増補した注釈書として『〈画本〉実語童子教余師』『〈絵本余師〉実語童子教』など数種が登場した。
★原装・題簽付・状態並み。記名なし・蔵書印あり。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、2,000円〜8,000円】。
3000円 〈増補〉訓蒙農業往来
【判型】中本1冊。縦179粍。
【作者】橘慎一郎作。。
【年代等】明治6年11月刊。[東京]柴田清照蔵板。吉田屋文三郎(木村文三郎・文江堂)売出。
【備考】分類「往来物」。同内容で版式の異なる半紙本と中本の2種がある。七五調・美文体で明治初年の農業や税制、農業従事者の心得などを記した往来。「夫、億兆之人民之衣食を国に充(みた)しむる其根原は農家なり…」と書き始め、潅漑を始めとする農業諸施設や地方関連語彙、明治5年7月の地租改正のあらまし、五穀・四木・三草等の農作物、畑作産物、山菜、薬用植物、果実、その他耕作全般・農具、さらに日本の国土、気候、府県制、国内各地の諸産業等について述べる。末尾は、信仰、法令遵守、質素倹約、六親和睦、家業出精などの心得を諭す。半紙本は本文を楷書・大字・5行(中本は4行)・付訓(しばしば左訓)で記す。頭書に「日本国尽」「国郡を定る事(由来)」を載せる。なお、本書のうち地租軽減など一部改訂した『〈開明〉農業往来』(鶴田真容作)が明治11年に刊行された。
★原装・題簽欠・状態良好。記名なし・蔵書印なし。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、5,090円】。
3000円 道歌心の策
【判型】中本1冊。縦183粍。
【作者】無染居士(沙羅樹下参徒)作。
【年代等】天保4年冬刊。[京都]蓍屋宗八板。
【備考】分類「教訓・和歌」。仏教道歌。檀林皇后・栄西禅師・明慧上人〜白隠和尚・遂翁・東嶺和尚等50名の道歌集。臨済宗の高僧を中心とする。半丁1人、下段に肖像と歌、上段に略伝を記す。自序によれば、松月庵の机上にあった編者不明の道歌集冊子に増補を加え、肖像略伝を付して上梓したもの(西尾市岩瀬文庫・古典籍書誌DB)。
★原装・題簽付・美本。記名なし・蔵書印なし。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、3,500円(題簽欠)〜7,000 円】。
3000円 〈年中行事〉こよみしなん[〈増補〉懐宝年中行事]
【判型】中本1冊。縦180粍。
【作者】不明。
【年代等】天保頃刊([江戸]広栄堂初刊)。江戸後期再刊([江戸]吉田屋三次郎板)。
【備考】分類「暦」。書名に「年中行事」の語を含むが、特定地域の年中行事に関する記述は冒頭のごく一部で、大半が暦注全般の解説を表形式で掲げた暦の手引き書。もともとの刷表紙と思われる中扉に「広栄堂蔵版」と明記し、「節分」「門松」「七五三飾」「若水」の由来や意義などを略述する。続いて「屠蘇」「鏡餅」「雑煮」「七種」など正月を主とする年中行事の解説を掲げた後、「歳徳神」「金神」「鬼門」「うけむけの入をしる事」「七よう」「廿八宿」「八将神吉凶」「彼岸」「二百十日」「社日」「冬至」「八十八夜」「半夏生」「入梅」「四季土用」「三伏日」「八専」「十方暮」「暦注中段十二之部」「下段廿三の部」「日そく」「月そく」「土公神」までを解説する。
★原装・題簽付・状態良好。記名なし・蔵書印なし。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、5,500円】。
3000円 〈心学絵入〉道歌百首和解(銅版和装)
【判型】中本1冊。縦161粍。
【作者】守本恵観編・序・跋。茂世画。
【年代等】明治19年秋、桜戸玉緒序。明治34年3月再刊。[京都]為法館蔵版。[京都]西村十次郎売出。
【備考】分類「心学」。「風は息、月日は眼、躰は土、海山かけて、吾身なりけり」から「闇の夜に、啼ぬ烏の、声聞けば、生れぬ先の、父ぞ恋しき」までの道歌100首を詳しく解説した絵入りの心学系教訓書。なお、守本は信行社社長。銅版和装。
★原装・題簽付・美本。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、類書が、4,000円〜7,000円】。
3000円 〈玉置流〉万世用文童習字便
【判型】大本1冊。縦265粍。
【作者】玉置某書か。
【年代等】寛保3年11月書。延享元年5月刊。[京都]野田藤八(藤八郎・橘屋藤八・橘枝堂)ほか板。
【備考】分類「往来物」。「新年祝儀状」から「注文の香道具が用意できた旨を知らせる手紙」までの41通を収録する用文章。本文を大字・4行・稀に付訓で記す。収録書状は四季贈答の手紙が多く、また諸品調達、年中行事、その他慶事、諸用件に関するものである。頭書に「二十六点」「小野篁歌字尽」「百官名尽」「七いろは」「証文類文例」「飾り物・目録等礼法」「献立」「千字文」「名字尽」等、巻首に「弘法大師故事」「筆を取へき次第」「服忌令」等の記事を載せる。享保頃刊『万世用文章』と関連があるか。
★原装・題簽欠・状態並み(小虫)。記名なし・蔵書印なし。稀書(全国に所蔵数カ所(国文学研究資料館DB))。
3000円 女用智恵鑑(享保5年)
【判型】大本1冊。縦260粍。
【作者】柏原屋清右衛門編(享保14年板に明記)。
【年代等】正徳2年3月初刊([大阪]柏原清右衛門板)。享保5年1月再刊([大阪]柏原清右衛門板)。
【備考】分類「往来物」。女性の教養や、生活上の諸知識についての記事を種々集めた一種の重宝記・女子合本型往来。正徳2年3月の刊記を有する柏原屋板が実在したらしいが(甲南女大図が所蔵という)、今日確認できる最古本は享保5年1月刊本である。本文欄には、20カ条の諸教訓・諸知識から成る「女用智恵鑑」、また『和俗童子訓』「教女子法」から13カ条を抽出してアレンジした「新女訓抄」(11カ条)、仏説による美人相を述べた「三十二相之事」を始め、「しみ物おとしやうの事」「絹のねりやうの事」「万年暦大ざつしよ相生の事」「男女相生の事并に歌」「四季四皇帝の占ひ」「当流女秘伝書」「女文章指南」「琴の組指南」を収録する。このうち「新女訓抄」は、『女大学』の母体となった点で重要であり、『女大学』が板元・柏原屋清右衛門によって編集されたことを示唆するものである。本文を小字・ほぼ16行・所々付訓で記す。頭書を上下2段に分かち(本文を含めて3段になることから、俗に「三階板」と呼ばれる)、生まれた年・月・日・時などの干支でその一生を占う「女一代かゞ見」を始め、「女諸礼」「女中文書やう」「万包やう折形」「万積やうの図」「女中名づくし」「秘伝男女相生」「かなづかひ」「風流紋尽(この記事は享保14年の改刻により「当流裁物秘伝」に替わる)」「双六手引」「女中文ことばの事」「増補やまとことば大成」を載せる。また、巻頭に「十界和歌」「女中書物目録(享保14年板では削除)」「五常和歌」などを掲げる。なお、本書を大幅改訂した改題本『女用智恵鑑宝織』が明和6年1月に刊行された。
★改装・題簽欠・状態並み(小虫・汚損・本文の一部破損)。記名なし・蔵書印なし。稀書(全国に所蔵数カ所(国文学研究資料館DB))。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、類書が、10,000円(傷み、疲れ)〜63,800円(虫損、傷み)】。
3000円 商売往来/農業往来/初登山手習状・腰越状・国名尽・手習状の手習本3冊セット
【判型】大本〜特大本3冊。縦243〜285粍。
【作者】不明。
【年代等】江戸後期(安政6年・文久3年・年代不明)書。
【備考】分類「往来物」。安政6年書(表紙に文久3年1月と記載)「商売往来」は豊後国日田郡北高瀬村で使用された手習本。書写年不明の「農業往来」は門前村(国名不明)と記載(末尾1-2丁不備か)。安政6年書「初登山手習状ほか」は、信州水内郡北高田村で使用されたもの。なお、冒頭の「初登山手習状」と末尾の「手習状」は全くの別内容。
★原装・概ね状態良好。記名なし・蔵書印なし。
3000円 形見草[東堤形見種・東堤先生遺稿形見草]
【判型】大本1冊。縦245粍。
【作者】落合東堤(落合直養ナオカイ)作。栗林堂春水書。
【年代等】天保7年作。嘉永3年3月書。
【備考】分類「漢学・教訓」。主に農工商の家業や生活上の心得を述べた教訓書。まず、士農工商の四民のあり方から説き始め、神道も人道も究極は「誠」の1字であること、物事の備え(余裕)の重要性、忿兵(怒りに任せた挙兵)と博奕の戒め、運と鬼神、創業と守成、久留米藩お抱え力士「揚羽」、曲がりが生じない家、商いの運など種々の処世訓36項を説く。
★原装・題簽付・状態良好。記名なし・蔵書印なし。稀書(全国に所蔵数カ所(国文学研究資料館DB))。
3000円 一向専修念仏編
【判型】大本1冊。縦257粍。
【作者】亮光(麗空亮光*一向専修念佛沙門亮光)作。
【年代等】明治2年春、音空序。明治2年2月刊。[名古屋(尾張国愛知郡鳴海山中泉谷)]西方真教室蔵板。
【備考】分類「仏教」。「一向専修」とは、「ひたすら一つの修行、とりわけ念仏に励むこと」(コトバンク)で、本書は「一向専修念仏」の真意を、『勅修御伝(チョクシュゴデン、法然上人行状絵図)』『円光大師夢想記』『和語灯録(黒谷上人語灯録の和語篇)』『漢語灯録(同漢語篇)』を引きながら詳しく諭した書。巻頭に「円光大師御真筆」「円光大師一向専修念仏を弘通し給ふの図」「円光大師御詠」を掲げる。
★原装・題簽付・状態良好。記名なし・蔵書印なし。稀書(全国に所蔵数カ所(国文学研究資料館DB))。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、5,000円(明治2年・小虫)〜9,000円(明治4年・原装題簽付)】。
3000円 宝訓文彙(朱筆校訂本)
【判型】大本1冊。縦267粍。
【作者】角田忠行(ツノダタダユキ)作・序。
【年代等】元治元年11月自序。明治6年7月刊。辻鼻家蔵板。[京都]菅廼舎池邨製本。
【備考】分類「教訓」。本書序文(宝訓文をかきあつめし故よし)によれば、もともと「子弟を教ふる手便になれる条々」を抜き書きしたもの(本編)に「『日本宝訓』『枕草子』その余の書」からの抜粋(付録)も加えて一書にまとめた教訓書。本編に40条、巻末付録に61条の金言や教訓文を列挙する。
★原装・題簽付・状態良好(一部、朱筆あり、小虫)・書袋付き。比較的稀書。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、3,500円】。
3000円 〈京師複刻〉日課念仏士女訓[日課士女訓・士女訓](蓍屋板)
【判型】大本1冊。縦253粍。
【作者】念海(倫譽念海大僧正)作・序。定伝序。隆円跋。
【年代等】文化8年7月、念海(超倫)序。文政10年3月、定伝序。同年同月跋・刊。[京都]蓍屋宗八(向松堂)板。
【備考】分類「浄土」。首題に「につくわねんぶつじによくん」とルビを振る。序文冒頭で、「まさにいま、受がたき人身をうけて、あひがたき仏法にあひながら…道を遠ざけて何ごとをなすとしもなく、あかしくらして…いたづらに一生を送りて、永く三途にまよはんことは、あに浅ましからずや」と煩悩にとらわれ迷いから抜け出られずにいる凡夫を歎き、彼らに浄土を願う心を進めるために、(1)三世因果門、(2)人身難得門、(3)厭欣(エンゴン)三心門、(4)一向専修門、(5)日課念仏門、(6)現生護念門、(7)子孫繁昌門の7門に分けて、「愚ならん男女の輩」が悟りやすいように平易に諭した書。便宜上、七門に分けて説くが、所詮は「ただ念仏に励む」ことに尽きるので、書名は「日課念仏士女訓」と名付けたと記す。なお、書名の「日課念仏」は、「毎日、数を決めて称える念仏」を指す。
★原装・題簽欠・【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、6,000円〜11,000円】
3000円 〈江戸〉古今役者物がたり[古今役者物語](活版和装・複製)
【判型】大本1冊。縦254粍。
【作者】菱川師宣(菱川吉兵衛・菱河師宣)画。
【年代等】延宝6年春(清明日)初刊([江戸]本問屋板)。大正4年複製(珍書刊行会刊)。
【備考】分類「演劇」。『古今役者物語』は、1冊、歌舞伎絵本、菱川師宣画、延宝6年、江戸通油町本問屋刊。野郎歌舞伎の芝居の図に歌詞・台詞などを添えた狂言尽し絵本。内容は、冒頭に役者付があり、太夫座本として江戸の四座中村勘三郎・市村竹之丞・坂東又九郎・山村長太夫をあげ、子供及び成人の役者あわせて133名の名を連ねる。次は序文で、江戸芝居町の繁盛をたたえ、芝居略史と過去の名優に言及した後、本書出版の意図を遠国人や屋敷仕えなどで芝居を見られぬ人のためにと説明する。以下は絵で見開き24図が続く。各図すべて雲形で句切った上部に文を記し、さらに最上部に役者の紋を掲げる。図柄は当時の野郎評判記と同じで芝居案内の順序を踏み、劇場正面外観図に始まる。資料の少ない野郎歌舞伎の上演の実態をつぶさに知り得る唯一の絵本。現存は全世界に5本のみ(「日本古典文学大辞典」参照)。
★原装・題簽付・状態良好。記名なし・蔵書印なし。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、複製本が、880円(テープ補修傷み本)〜11,000円】。
3000円 やく者ゑづくし[役者絵尽・役者絵づくし](複製)
【判型】大本4巻1冊。縦273粍。
【作者】古山師重(菱川師重・太郎兵衛)画。
【年代等】元録頃刊本の複製(稀書複製会2期)。大正10年5月刊。[東京]米山堂板。
【備考】分類「演劇・絵画」。『役者絵づくし』は、4巻3冊、絵本、古山師重画、元録初年刊。上(巻1・2)・中(巻3)には、市村・中村・山村・森田座の江戸四座の歌舞伎役者の図を掲げ、下(巻4)には土佐少掾(トサノショウジョウ)・天満八太夫・和泉太夫・伊勢大掾・江戸半太夫・江戸孫四郎の浄瑠璃・説教座のほか、花洛の十二人芸・猿芝居・放下芸の図などを載せ、各巻上段に物真似狂言尽しの台詞を収める。本書は芸能史料として古来より有名で、『声曲類纂』にも4巻の10丁分が転載されている。巻2の屏風図の左に「大和絵菱川葉師重図」と筆者名が記されている(「日本古典文学大辞典」参照)。
★原装・題簽付・状態概ね良好(一部シミ)。記名なし・蔵書印あり。
3000円 万那備能広道[学の広道]
【判型】大本1冊。縦254粍。
【作者】城戸千楯(大江千楯・曙廼舎主人アケボノヤ-)作。藤井高尚序。
【年代等】文化13年1月、本居大平序。文化14年5月刊。志美廼牟呂屋蔵板。[京都]俵屋清兵衛(謙々舎)売出。
【備考】分類「国学」。入門初学者のために古学の大要を説明した書。巻末に「加万那備能広道巻末歌」と題した長歌をを掲げる。その中で、文化13年9月29日に著したことを記す。
★原装・題簽欠・美本。記名なし・蔵書印あり。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、13,200円】。
3500円 往生要集勧考
【判型】半紙本2巻2冊。縦233粍。
【作者】大行寺作。
【年代等】江戸後期書カ。
【備考】分類「仏教」。源信(恵心僧都)作『往生要集』の注釈書。全19章にわけて『往生要集』の要点を解説したもの。『往生要集』は、恵心僧都源信の著。3巻。寛和1 (985) 年成立。現実の苦悩や汚穢を直視し、念仏を勤めて、西方極楽浄土の阿弥陀如来の国に往生すべきことを説いたもの。「厭離穢土」「欣求浄土」「極楽の証拠」「正修念仏」「助念の方法」「別時念仏」「念仏の利益」「念仏の証拠」「往生の諸行」「問答料簡」の 10章から成るが、各章はさらに細分されて整然とした体系をなす。百六十余の仏典からの 900条に近い引用文によって構成されたものであるが、日本浄土教を確立した貴重な著述として、のちの宗教、文学、美術などに多大の影響を与えた。往生の事実を示す慶滋保胤 (よししげのやすたね) の『日本往生極楽記』と密接な関係にあるが、本書は地獄の精細な記述など、往生の願いを人々に起させようとするところに力点がある(コトバンク)。
★原装・状態良好。記名なし・蔵書印あり。稀書(他に所蔵無し(国文学研究資料館DB))。
3500円 大学国字解(伊藤鹿里)
【判型】半紙本2巻2冊。縦230粍。
【作者】伊藤鹿里(ロクリ、伊藤祐義・祐慶・大助・忠岱・仰継堂)注。
【年代等】江戸後期刊。[江戸カ]仰継堂蔵板。
【備考】分類「漢学」。朱子註を基本とし、作者の意見も交えて、童蒙向けに平易を旨として施注した『大学』の注釈書。冒頭に『大学』の解題や朱熹の事跡と「章句」等の解説を置き、以下、『大学』本文を半丁に楷書・大字・6行・無訓で記し、割注形式(半丁12行)でそれぞれ注解する。作者の伊藤鹿里(1778-1838)は、江戸時代後期の儒者、医師。安永7年生まれ。江戸で儒学を大田錦城に、京都で医術を吉益南涯に学ぶ。生涯1000巻以上の書物を書写したという。天保9年2月27日死去。61歳。信濃出身。名は祐義(スケヨシ)。字は忠岱(チュウタイ)。通称は大助。別号に仰継堂。著作に「孝経国字解」「傷寒論国字解」など。
★原装・題簽欠・美本。記名なし・蔵書印なし。稀書(全国に所蔵数カ所(国文学研究資料館DB))。
3500円 〈商家通用・即席自由〉自在文章[商家通用自在文章](文政4年)
【判型】半紙本1冊。縦225粍。
【作者】西川竜章堂書。
【年代等】文政4年冬刊。[京都]小川源兵衛ほか板。
【備考】分類「往来物」。本書は通常の用文章とは異なり、日用の手紙文を5段に分けて、それぞれ手紙文に多用する文言を分類・列挙したもの。5段は、例えば「発語・時候・安否・用文・結文」の5段で、一例として順に「一筆啓上仕候」「甚暑之節御座候処」「御家内様御安全奉賀候」「然者来ル七日神事ニ付…」「右申入度、如此御座候。恐惶謹言」を掲げる。具体的には、端書発語・時候寒暖・安否尋問・祝詞文言・此方安否・一章発言・返事端書・返事結文・書留返事之習・脇付・月之異名までの一般用語(語句)に続けて、年始状・五節祝詞・物を贈る・遊楽催之文・諸祝儀之文・雑用文面・商用文言・凶事文言の8分類で適当な文言を羅列する。これらの語句を組み合わせて5段の文面を自由に作るという、従来に見られない独特のものである。本文を大字・6行・付訓で記す
★原装・題簽付・状態並み(小虫)。稀書(全国に所蔵数カ所(国文学研究資料館DB))。
3500円 〈明治新撰〉幼童訓(富谷通仙子)
【判型】半紙本1冊。縦229粍。
【作者】富谷通仙子作・跋。金山広斎・別所友賢・忘筌校。
【年代等】明治3年跋・刊。[京都]大ォ館塾蔵板。大津市郎兵衛売出。
【備考】分類「往来物」。儒教経典中の語句を用いて童蒙が努め守るべき礼儀・道徳・学問・人倫などの心得と名数等の語彙を列挙した往来。『実語教』風の漢字5字1句形式の全474句から成る。朝の身繕い、父母への挨拶、礼拝、食事から始まって学業や遊芸、生活全般の心得、さらに孝悌等の人倫を、和漢の人物を例に引きながら諭すのが特徴。後半部には、中国歴代王朝名、三才・四方・五行(木・火・土・金・水)・五色(青・黄・赤・白・黒)、その他身体・鳥獣・数・度量衡・五倫五常・六芸・六義などの語彙を列挙する。さらに、末尾に漢字10字1行・合計11行の文章を続けて、八卦・十干十二支や時候・日月に関する語彙を並べた後で、「汝等各早修、勉旃勿懈矣」と結ぶ。本文を楷書・大字・5行・無訓で記す。巻末に「五十音仮字切指南」「五行八卦」「三十韻」「類似抄略」「俗制字略」および「略字引」を載せる。
★原装・題簽付・状態良好。記名なし・蔵書印なし。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、11,000円】。
3500円 〈童子専用〉寺子調法記(弘化3年)
【判型】半紙本1冊。収録順に縦223粍。
【作者】速水春暁斎画。池田尚古館校。
【年代等】安永5年1月初刊。弘化3年1月五刻・再刊。[京都]蓍屋宗八ほか板。
【備考】分類「往来物」。安永5年の初板本以来、文化5年、文政7年、天保3年、弘化3年、元治2年と幕末に至るまで六刻を数えた江戸後期の代表的な合本科往来。本文は「実語教」「童子教」「今川状」「腰越状」「商売往来」の5本から成り、いずれも大字・5〜6行・付訓で記す。従来の合本科往来には付き物であった「庭訓往来」「御成敗式目」「風月往来」などを収録せず、また、『古状揃』中からも「今川状」「腰越状」以外を省いた点が独特である。頭書等に、「国尽」「名尽」などの基本語彙や「書初・七夕詩歌」「証文之事」「九々の声」等の記事、また、「謡講廻状」「当流小うたひ」「京町小路」など京都町人子弟の学習にふさわしい内容を簡潔にまとめるのも特徴。なお、本書からの抜刷本『〈童子専用〉実語教・童子教』が存するように、本書を部分的に流用した刊本も種々存したと思われる。
★原装・題簽付・状態概ね良好(冒頭数丁小虫)。記名なし・蔵書印あり。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、7,500円】。
3500円 〈頭書増補〉金鶴古状揃倭鑑(天保5年)
【判型】大本1冊。縦252粍。
【作者】勝春暁画。
【年代等】天保5年春再刊。和泉屋市兵衛ほか板。
【備考】分類「往来物」。『古状揃』は近世初頭に『今川状』を中心に『腰越状』『含状(義経含状)』『弁慶状』『直実送状』『経盛返状』『曽我状』『大坂状』などの古状・擬古状や、『初登山手習教訓書(手習状)』『風月往来』などを組み合わせて出版した往来物。近世期を通じて最も流布した往来物の一つ。本書本文には、今川状・手習状・腰越状・義経含状・弁慶状・熊谷状(送状)・経盛返状・大坂進状・同返状の9状を収録。また巻頭に「神功皇后故事」、頭書に「曽我状同返状」等を掲げる(角書に「頭書講釈」とあるが、本文の注釈はなく、古状単編や和算・証文類等の記事を収めるのみ)。
★原装・題簽付(方簽欠)・状態良好。記名なし・蔵書印あり。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、11,000円】。
3500円 一枚起請述讃[一枚起請文述讃]
【判型】大本1冊。縦258粍。
【作者】素信作。
【年代等】享保14年9月、恕信序。文化4年5月、順阿序・刊。[京都]沢田吉左衛門板。
【備考】分類「浄土」。法然が建暦2年(1212)臨終の際、門弟の源智の求めに応じて浄土往生の要義を和文で1枚の紙に書き、遺戒とした、いわゆる『一枚起請文』の解説書。
★原装・題簽付・美本。記名なし・蔵書印なし。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、9,720円〜22,000円】。
3500円 消息往来大全[消息書法往来](鼻山人)
【判型】中本1冊。縦179粍。
【作者】鼻山人(細河並輔)作(「消息書法往来」)。
【年代等】弘化2年1月刊。[江戸]森屋治兵衛板。
【備考】分類「往来物」。「消息往来」「〈講釈〉消息往来」「消息書法往来」の3編から成る往来。いずれも単行本としても刊行されたものと思われる。このうち「消息往来」と「講釈」は『大全消息往来』と同内容。また、「消息書法往来」は、文字通り手紙の書法(形式)を中心に綴った往来で、「端作(手紙の冒頭語)」「書止(手紙の末尾語)」、日付・宛名の位置関係や婚礼状・弔状などの場合の書き方、文面における文言の注意などを説くが、末尾では古来からの習慣は改めるべきでなく、世間通用を旨とせよと諭す。本文を大字・4-5行・付訓で記す。頭書に「女の称号」「遊女の号」の記事を載せる。
★原装・題簽付・美本。記名なし・蔵書印なし。
3500円 〈開化〉東京方角[開化東京方角]
【判型】中本1冊。縦177粍。
【作者】安保兼策作。
【年代等】明治13年11月刊。[東京]宮田伊助板。
【備考】分類「往来物」。慶応2年刊『江戸方角名所杖』(又玄斎作)の挿絵や注釈を参酌しながら、適宜、明治初年の実情に合わせて東京府下の地名・名所の概要を列挙した往来。「抑東京は天下の大都会にして、街衢(ちまた)の称号(となえ)指屈して、陳次するに遑は更に靡れとも、其大概を枚挙すれは、恐多くも皇城外、東は和田倉橋より…」で始まる本文を大字・5行・付訓で記す。また、頭書にも『名所杖』を模倣した挿絵11葉とその解説を載せるほか、「四季花名所一覧」「諸官省位地表」「東京府下郡区役所表」を掲げる。
★改装・題簽欠・状態並み。記名なし・蔵書印なし。稀書(他に所蔵無し(国文学研究資料館DB))。
3500円 〈改正〉竜田詣・隅田川往来(山田屋板)
【判型】中本1冊。縦174粍。
【作者】不明。
【年代等】文化6年5月再刊([江戸]蔦屋重三郎板)。江戸後期再刊([江戸]山田屋庄兵衛板)。
【備考】分類「往来物」。『竜田詣(竜田往来)』は、江戸中期から江戸後期にかけて広く流布した往来で、既に正徳5年刊『女童子往来』(「大和廻竜田詣さそひにやる文」)や享保19年刊『〈寺沢〉年中往来』後半部にも収録されている。『往来物分類目録』は近松門左衛門による元禄頃の作と記すが、現存の単行刊本では宝暦6年刊『竜田詣〈并散艸〉』が最古である。諸本によって内容に異同があるが、正徳5年板の「大和廻竜田詣さそひにやる文」は、「日来(ひごろ)申合まいらせ候竜田詣の御事、紅葉も漸々時分にて候まゝ、何比(いつごろ)覚し召、御立候はんや…」で始まり「…御目にかゝり御物かたり申まいらせ候。めでたくかしく」と結ぶ女文形式で奈良より大和路をたどって竜田に遊び、次いで大坂を経て京都に至るまでの名所旧跡・神社仏閣等を紹介する。ただし、後世に流布したのは、「内々竜田詣之事、紅葉も漸可得時候…」で始まり「…猶又東山之参会、近日之条、心緒期其節候。穴賢々々」で終わる享保19年本所収の「竜田詣」である。底本の山田屋板は文化6年蔦屋板の後印本で、後者の「竜田詣」を本文に掲げ、頭書に「隅田川往来」「隅田川八景」を載せる。
★原装・題簽付・状態良好。記名なし・蔵書印なし。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、1,650円(題簽欠)〜2,540円(題簽欠)】。
3500円 婦人手紙之文言[〈頭書万用〉婦人手紙之文言〈児女教訓手習状入〉](明治32年)
【判型】中本2巻2冊。縦181粍。
【作者】十返舎一九作・序。青木臨泉堂(至誠)書。
【年代等】文政3年9月初刊([江戸]西村屋与八ほか板)。明治32年3月再刊([東京]富士書店板)。
【備考】分類「往来物」。「年頭披露の文」から「年賀の文」までの43通を収録した女用文章。前半18通は五節句や季節の行事に関する手紙で、中程は吉凶事に伴う手紙、後半は金銭貸借その他の例文で、本文を大字・5行(後半「女手ならひ教訓の書」は6行)・付訓の並べ書きで記す。「飛鳥山」「王子」などの江戸の地名や町名を用いて、江戸の人々に親しみ深いものとしたり、宴会に付き物の「茶番」や当時盛んだった神仏「開帳」、その他「神田祭」や「恵比寿講」など当時の風俗を折り込むのも独自の趣向だが、「助六」をめぐる団十郎と菊五郎との不和など芸能界のゴシップをこっそり忍ばせるあたりは、戯作者の面目躍如たるものがある。巻末「女手ならひ教訓の書」は享保元年刊『女手ならひ教訓の書』と同内容で、この部分のみを独立させた単行本(外題『女手習教訓書』)もある。頭書に「文の封じやう」「月のかはり名」「女中詞づかひ」「大和ことば」「万染色の名」「畳紙折形の図」「婦女をしへ艸」「諸礼躾がた」「食事しつけかた」「給仕の次第」「平生女こゝろ得」「名香六十一種名寄文章」「婦女いましめ艸」「衣裳の正字尽」「小児之薬法」「一生涯の祝事」など多彩な記事を掲げる。
★原装・題簽付・極美本。記名なし・蔵書印なし。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、2,500円(表紙傷み本)】。
3500円 〈雅言俗語〉翌檜[雅言俗語翌檜・俳諧あすならふ・明日檜]
【判型】小本2巻2冊。縦160粍。
【作者】越谷吾山(会田秀真・師竹庵)編・序。不二亭来義・春雷堂建朱映校。東原子田未央刪補。吾中序。
【年代等】安永8年6月初刊。寛政12年9月再刊。文化14年5月再刊。[大阪]河内屋太助板。
【備考】分類「俳諧」。会田吾山(あいだ-ござん、1717−1788)は、江戸時代中期の俳人。享保2年生まれ。佐久間柳居、のち白井鳥酔に学ぶ。俳諧宗匠となり、明和6年江戸座判者。門人に滝沢馬琴がいた。編著に俳諧用語集「翌檜」、全国的規模の方言辞典「物類称呼」など。天明7年12月17日死去。71歳。武蔵越谷(埼玉県)出身。姓はのち越谷。名は秀真(ほつま)。通称は文之助。別号に師竹庵など(コトバンク)。
★改装・題簽付き・状態概ね良好(一部小虫)。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、5,000円〜10,500円】。
3500円 〈尊円親王〉庭訓往来
【判型】大本1冊。縦254粍。
【作者】不明。
【年代等】延宝2年1月初刊。江戸中期後印。[京都]菊屋七郎兵衛板。
【備考】分類「往来物」。『庭訓往来』本文を大字・6行・所々付訓で記した手本系の往来物。『庭訓往来』は、古写本のみで約70種、近世より近代初頭にかけての板本は約300種に上り、中世から明治初年に至るまで最も普及した往来物の一つ。月往返2通ずつ1年24通、これに単簡1通(7月状または8月状)を加えた計25通の手紙文より構成される。内容は、武家および上層・庶民の社会生活を中核として新年の会、詩歌の会、地方大名の館造り、領国の繁栄、大名・高家の饗応、司法制度・訴訟手続、将軍家の威容、寺院における大法会、大斎の行事、病気の治療法、地方行政の制度等を主題とする手紙で、各手紙とも類別単語集団を収める(衣食住370語、職分職業217語、仏教179語、武具75語、教養46語、文学16語、雑61語、計964語)。底本は上記本文を大字・6行・付訓(両点)で記し、頭書に絵抄(本文要語の図解や語注等)を施したもの。
★原装・題簽付・状態良好。記名あり・蔵書印あり。
3500円 続後のりの衣[続後法の江]
【判型】大本1冊。縦258粍。
【作者】公阿(旦空)編。
【年代等】文久元年春、陽焔庵釈音空(七十九齢青翁・規保)序。文久2年11月刊。[三河国岡崎]崇福講寺(浄土宗西山深草派の三河十二本寺の一つ)蔵板。
【備考】分類「歌集」。彫工=[名古屋]中村屋庄助(玉連堂)。『続後のりの衣』は、三河辺の諸家による釈教和歌撰集。「一枚起請文」(「もろこしわかてうの…」)の文字を1字宛冒頭に置く。涌蓮編、宝暦11年成立(文政元年刊)『法のえ』、伴蒿蹊編、文化3年成立『続法乃え』に続く集。君渓(刻印「弘信」)画口絵見開1図あり。巻末に作者一覧1丁分あり(全51名、最終行彫残しあり)。頭に仏霊題歌(朱刷下絵入り)と見開き口絵1葉を掲げる。編者は浄土宗の僧。三河国幡豆郡の人。同郡横須賀村福泉寺(浄土宗西山深草派、現・吉良町上横須賀八王子)住職。本書の作者一覧に「公阿〈旦空/号公庵〉〈横須賀〉福泉寺」とあり。明治12年没58歳。蔵版者の崇福寺は碧海郡中島村(現・岡崎市中島町)、浄土宗西山深草派の中本寺で三河三檀林の一。巻頭題歌の仏霊は同寺の貫主(西尾市岩瀬文庫・古典籍書誌DB)。巻なお、岩瀬文庫には、法然の六百五十年遠忌(万延2年1月25日)追善に同じ趣向で詠まれた340首の釈教和歌集である高畠式部(刀美子)作、万延2年作『続々法のえ』の自筆稿本を所蔵する。
★原装・題簽付・美本。記名なし・蔵書印なし。
3500円 越後蘇生人篠田力次郎直譚記[越後蘇生人篠田力次郎直譚記親聞顛末]
【判型】大本1冊。縦252粍。
【作者】狂子盛庸(知止堂カ)作。
【年代等】大正頃書。
【備考】分類「仏教」。明治42年1月11日にいったん死去し、その3時間後蘇生した篠田力次郎(越後国北魚沼郡小千谷町在木津村)の臨死体験を、直接本人に取材し、まとめたルポルタージュ。そのきっかけは、大正2年1月21日の天童町善行蘭若(現、山形県天童市の善行寺)における平松英理の法話でこの蘇生物語を知ったことであったが、作者は仲間2人とともに翌2月5日には出発し、まず、江州綺田(カバタ)の源通寺住職らの指導を仰ぎ、さらに、京都御本廟(親鸞聖人廟所)などを参拝・修業し、さらに、水原の無為信寺や越前吉崎御旧跡を参拝した後、2月23日、篠田氏の最寄り駅である越後北魚沼郡来迎寺駅から小千谷に向かい、案内人を雇って約1里の雪道を歩いてようやく篠田氏の家に着いた。そこで、篠田氏から聞いた臨終から蘇生するまでの体験談を詳細に記録した。岐路でも所々に立ち寄り、大正2年2月27日に帰宅したが、それまでの顛末を記した後、今回の体験を通じての感想を述べて結ぶ。 
★原装・題簽付・状態良好。記名なし・蔵書印なし。稀書(他に所蔵無し(国文学研究資料館DB))。
3500円 女今川宝箱(嘉永元年)
【判型】大本1冊。縦259粍。
【作者】沢田吉作(元禄板系統)。西川竜章堂書。森川保之画。
【年代等】天保8年9月再刊。嘉永元年6月再刻。[京都]丁子屋源次郎板。
【備考】分類「往来物」。『女今川』は全23カ条と後文から成る壁書形式の教訓で、本書は元禄板系統の一種。これは、貞享4年刊『女今川』を改編したもの(元禄板の序文に「此比有人の書し『女今川』をみるに…」とあり、「然るに、今また改かふる事は、全我言をよしとするにあらず。自かたましき所をひそかにしるして…」とある)で、本文各条は貞享板と同傾向ながら、後文については改編が著しく、具体的には「心かだまし」と「心すなほ」の強調が目立つ。本書を自戒の書として書いた吉の理想は、「かだまし」き点のない、「すなほ」な心延えの女性だったのであろう。また、第5条では「主・親の深き恩」を「父母の深き恩」と言い換え、「忠孝」の代わりに「孝の道」とした点、さらに後文で、天地の道や五常を説いた抽象的な表現や、下僕や他人に対する心得などを割愛する一方、孝・貞の見地から己の心の善悪を内省することを説いた点に特色がある。
★原装・題簽付・状態概ね良好(表紙やや疲れ)。
4000円 女童手習文
【判型】半紙本2巻2冊。縦225粍。
【作者】深沢菱潭編・書。光斎画。
【年代等】明治6年10月、小川持正序・刊。[東京]島屋儀三郎板。
【備考】分類「往来物」。語彙・消息・教訓にわたる内容を含む女子用往来。上巻には「いろは(真書いろは・平仮名いろは・かたかないろは)」「数字」「手習ふみ(女子の学芸を説いた教訓文)」「行書名尽」「ひらかな名尽し」を収録し、いずれも大字・2-4行・無訓(「手習ふみ」のみ付訓)で記す。下巻は「語彙集(衣服類・絹布類・糸類・染色類・器財類)」と「四季の文(年始の文・花見に招く文・暑中見舞い・祭礼に招く文・歳末の文の往復文8通)」を大字・4行・付訓で記す。内容や表記が徐々に高度になるように編集されている。
★原装・題簽付・状態良好。記名なし・蔵書印なし。比較的稀書。【参考価格(初出品時の相場です):某古書店で、別本を6300円で購入】。
4000円 女小学操艸(文化12年・仙台板)
【判型】大本1冊。縦259粍。
【作者】池田義信(渓斎英泉)画。
【年代等】文化12年秋刊。[仙台]伊勢屋半右衛門板。
【備考】分類「往来物」。『女小学』の本文を大字・5行・付訓で記し、巻頭に「女諸芸図」「婚礼式法之次第」「懐帯(ハラオビ)の祝儀」「喰初の祝」「髪置の祝儀」「願成就日・不成就日等」の記事や図解を掲げ、頭書に「和歌三神」「三十六歌仙之図」「縫物秘伝」「男女相性の事」「女中言葉づかひ」「小笠原折形の図」「書初詩歌」「七夕詩歌」「以呂波三体」「女中名頭字」、巻末に「不成就日・願成就日・元服漿付嫁取吉日」を載せたもの。本文の『女小学』は、金言・俚諺・教訓歌や和漢貞女・節婦の故事を引きながら、「孝行の道をしへの事」から「心のかゝ見といへる事」まで二九項(孝行、婚姻、舅姑への孝、夫への服従、他人との和順、堪忍、報恩、その他心の修養、婦女四徳、教養等)にわたって述べた教訓。
★原装・題簽付・状態並み(表紙・本文やや汚損・書き入れ多し)。記名なし・蔵書印なし。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、15,680円〜26,170円】。
4000円 〈新板女筆〉女用文色紙染[〈女筆新板〉女用文色紙染]
【判型】大本1冊。縦264粍。
【作者】田村よし尾書。石川豊信(石川孫三郎・糠屋七兵衛・西村重信・秀葩)画。
【年代等】元文3年7月初刊([江戸]村田治郎兵衛ほか板)。宝暦12年再刊。[江戸]鶴屋喜右衛門ほか板。
【備考】分類「往来物」。五節句祝義状を含む四季の手紙20通を収めた女筆の女用文章。一部の例外を除いていずれも季節の花鳥風月を織り混ぜた女文で、奇数状を散らし書き、偶数状を並べ書き、いずれも大字・所々付訓で記す。前付・頭書には働く女性の姿(海人・女農業・塩汲み・蚕婦人)の挿絵や、「女諸礼」「女いましめ草」「諸芸鑑」等の記事を掲げる。後に、十返舎一九によって改編され同一書名で出版されたが(文政7年刊『女用文色紙染』)、各書状の主題は踏襲されたものの、文面にはかなり手が加えられた。
★原装・題簽付・状態概ね良好(わずかに小虫)。記名なし・蔵書印なし。稀書(全国に所蔵数カ所(国文学研究資料館DB))。
4000円 万葉山常百首[万葉集山常百首](文政6年)
【判型】大本1冊。縦258粍。
【作者】本居大平(オオヒラ)編・跋。安田長穂校・序。
【年代等】文化12年秋作。文政3年春自跋。同年8月序。文政6年3月刊。[東京]内野弥平治(柏悦堂)板。
【備考】分類「和歌」。文化12年初稿成り(跋文)、改訂を施し、文政3年の安田長穂序と同年の編者跋文を付して刊行。『万葉集』中より、心詞の整い、意趣平明で古道を学ぶ助けとすべき長歌・短歌計百首を、巻の順に選出した書(「日本古典文学大辞典」参照)。
★原装・題簽付・極美本。記名なし・蔵書印あり。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、文政6年板が、8,000円】。
4000円 専念往生伝(初編2・3巻*端本2冊)
【判型】大本2冊揃(初編2・3巻の2冊)。縦257粍。
【作者】音空(観粋)作。
【年代等】元治2年3月作・刊。尾張祐福寺蔵板。[京都]神先宗八ほか売出。
【備考】分類「浄土」。本書は、専修念仏の徳により往生した人々の伝を集めた叢伝書。漢字かな交じり。初編は、寛延4年より元治元年まで、ほぼ同時代の往生人67人の伝や奇瑞を見聞により録す。尾張三河人が多い。巻1巻頭に「超山上人」(願空上人乗阿、尾州愛知郡沓掛郷藪田の草庵に閑居、嘉永6年没)、巻2巻頭に「白木大和尚」(学僧の弁才)の伝、巻3に「万空上人」(三河幡豆郡矢田村養寿寺住)あり。巻頭に「善導大師御真蹟」名号、「〈円光大師/夢中感見〉善導大師之図」、「円光大師御真筆」(全文「若我成仏十方衆生称我名号下至十声若不生者不取正覚彼仏今現在世成仏当知本誓重願不虚衆生称念必得往生」、陰刻)、その釈文と解説、あり。題言の後に「述意」あり、念仏往生の現証として尾州塚本村浄蓮寺主大乗が江戸で本所番場の荻野氏より聞いた奇瑞譚を記す(西尾市岩瀬文庫・古典籍書誌DB参照)。
★原装・題簽欠・状態並み。記名なし・蔵書印あり。稀書(特に、6冊揃いは全国に所蔵数カ所(国文学研究資料館DB))。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、2編6巻揃が、40,740円。初編3巻が、33,000円〜49,500円。2編3巻が、33,000円】。
4000円 〈頭書註解〉商家日用新語
【判型】中本1冊。縦181粍。
【作者】佐藤百太郎作。西城忠之書。
【年代等】明治4年冬、嶋村利助序。明治5年刊。[東京]嶋村利助(島村利助・英蘭堂)板。
【備考】分類「往来物」。文明開化期の貿易品や舶来品の増加に伴い、商業関連の新語に焦点をあてて編んだ往来。通貨(金・銀・銅貨、旧貨幣、外貨)、衣類・布帛・織物、食料(穀物・パン・菓子・肉・茶・醸造品等)、薬種(薬品)・重量の単位、果物、樹木、兵器類、発明品、家財・日用品・諸道具・文具、金石類、鳥獣類、観測機器・交通機関・紡績機等、代表的な海外の貿易港に関わる語彙を順次列挙し、最後に油断なく商売すべきこと、起業や商取引の要点、必要な学問などの心得に触れる。本文を大字・5行・付訓で記す。頭書「註釈」には、本文要語、特に舶来品等の新語について略注を施す。
★原装・題簽付・美本。記名なし・蔵書印なし。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、5,800円】。
4000円 〈御家〉諸国書状指[書状指]
【判型】横本1冊。縦113粍。
【作者】十返舎一九作(仮託か)。橘正敬(山子篤)書。
【年代等】寛政9年1月初刊。文化9年7月求板。文化10年5月再刻。嘉永2年10月求板。[江戸]英文蔵板。
【備考】分類「往来物」。本書は、豊富な例文と付録記事から成る用文章。文化10年再板本には「江都、重田一九撰集」と記すが、寛政9年初板本や嘉永2年求板本には記さないため、十返舎一九作は仮託と思われる。「年始披露状」から「後妻を迎たる方へ遣文・同返事」までの一一三通を収録する。五節句や季節に伴う手紙は冒頭の約20通のみで、他は通過儀礼その他慶事に伴う祝儀状、また、売買取引、金銭貸借、旅行など実生活上の諸用件の手紙や、趣味・療養・病気・入学・奉公・災害・死去その他諸事に関わる手紙から成る。本文を大字・7行・付訓で記し、所々、細注で書簡作法や言い替え表現、類語、異名などを示す。末尾に、諸証文文例として「借用申金子之事」以下16例、また「毎月之異名」「時候之差別」「書簡尊卑之差別」等の書簡作法・用語、さらに、「新年の文」など女文6通を収録する(以上を十返舎一九編とする)ほか、イロハ引きの商用語集である「諸商売平生取扱文字」や「苗字大概并百官平名」「平人之名概」「十干・十二支」を付す。なお、このうち証文類以下の記事を除いた『書状指』や、本書に漏れた例文を増補した『諸国書状指大全』などの類書も刊行されたという(文政5年板『文化用文章』広告)。
★原装・題簽欠・状態良好。記名なし・蔵書印なし。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、13,200円】。
4000円 冠附名取之津衛[名吟冠附名取つゑ・〈名吟〉冠附集・〈冠附〉日新集]
【判型】横本1冊。縦114粍。
【作者】和田麻貫マカン編。
【年代等】安政4年刊。[大阪]茨木屋藤七ほか板。
【備考】分類「雑俳」。後半に雪光庵素洲編「〈名吟〉冠附集」、脇田素閣編「〈冠附〉日新集」を付す。
★原装・題簽付・美本・色刷り模様表紙。記名なし・蔵書印なし。稀書(全国に所蔵数カ所(国文学研究資料館DB))。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、7,000円〜8,500円】。
4000円 曹大家女誡和解(堀田正穀・文化9年)
【判型】大本1冊。縦262粍。
【作者】堀田正穀(宮川正穀ミヤガワマサザネ・豊前守・紀正穀・門次郎・三四郎)注。定信序。林衡跋。
【年代等】文化9年1月作。文化9年、左少將定信(松平定信)序。文化9年5月、林衡跋。文化9年8月、安善跋・刊。[近江]宮川藩(鼓文堂)板。
【備考】分類「往来物」。曹大家(班昭)作『女誡』を平易な和語に翻訳したもの。明暦板『女四書』(明暦翻刻張氏校正後漢書)を始め、『寄板廿一史後漢書』『汲古閣十七史毛氏正本後漢書』『陳仁錫評閲後漢書』『説郛曹大家女誡』の5本を校合して施注したもの。まず作者・班昭と撰作の次第を略述し、続いて『女誡』の書名や各章の題名とともに、本文の和解を数段に分けて掲げる。本文を楷書・やや小字・10行・付訓で記し、注釈文を字下げして本文と同一大で綴り、特に施注者自身の意見や疑問については細字の割注形式にする。また、末尾に諸本の異同について注記する。なお、序文では、明暦板『女四書』が大意のみの諺解でその趣旨を十分伝えるものではなく、また、『女範』に代えて『女孝経』を収録するなど王相編『女四書集註』と異なるため、杜撰の誹りを免れないと批判する。
★原装・題簽付・状態並み(小虫)。記名なし・蔵書印なし。
4000円 番匠町家雛形
【判型】大本2巻2冊。縦257粍。
【作者】広岡保教(十一堂)作・序。
【年代等】明和6年1月自序。明和7年9月刊。明治初年後印。[江戸]須原屋茂兵衛板。
【備考】分類「建築」。『番匠町家雛形』は著者十一堂広岡保教、全2巻で、刊記によると、明和7年9月に須原屋茂兵衛から板行された。記載内容は、「四角化粧がま仕様」「上下定りたる所はぎ付る方立仕様」「小間返之物手違組仕様」などの特殊な継手・仕口や、繰見世の台数、上戸の釣り方が前半部に記され、後半部には規矩が記されている。いずれも特殊な構法で、それを文章主体で詳しく説明するが特色(麓和善ほか「雑作雛形の書誌的考察」(『技術と文明』8巻1号)参照)。/本書上巻見返しに「往昔より匠家便用の書、数編、予、蔵板たり。然ども角割(カクワリ)の法といふ事を闕よし、十一堂の主、多年是を世にしらしめんことを願となん。予、此事を聞て、せちに乞求て、二巻として鬻(ヒサグ)ことゝはなりぬ」と記す。また、序文にも「先師相伝の説を輯録し、凡、町家作りのふりくせ物も、伏地(フセジ)指図に及ばず。其木割分一金遣の法をあらはし、名付て『番匠町家雛形』と号し、工学の徒に便せんとす」と記す。目録と本文の見出しは必ずしも一致しないが、目録によると、上巻は、「四方四面見物仕様」「しのぎ物四つ留仕様」「三方びらき仕様」「上下定物取附仕様」など12項、下巻は「登中形当仕様」「同其木割形当仕様」「登組手引金菱中当様」「四方はちかる物くせ取仕様」など10項を収録する。
★原装・題簽付・状態良好。記名なし・蔵書印なし。稀書(全国に所蔵数カ所(国文学研究資料館DB))。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、5,500円(虫食い・傷み本)〜16,800円】。
4000円 赤穂義人録補正[重訂赤穂義人録補正](明治5年)
【判型】大本2巻追加1巻2冊。縦255粍。
【作者】室鳩巣(直清・新助・新介)作。国枝松宇(惟煕コレヒロ・老足庵)補正・序。
【年代等】明治5年3月、国枝松宇序。明治5年1月官許。明治5年9月刊。老足庵(国枝松宇)蔵板。[名古屋]美濃屋文次郎ほか売出。
【備考】分類「実録」。室鳩巣作『赤穂義人録』に、『武庸筆記』『梶川筆記』『赤穂書翰』『重勝聞書』『寺坂談』『寺坂劣孫覚書』『赤穂実録』『東氏記録』『堀部妙海尼談』『赤城盟伝略』など16種以上の文献により補訂を加えた書。本文欄に『赤穂義人録』を載せ、頭書に詳細な補訂・施注を載せる。/『赤穂義人録』は、元禄14年(1701年)に発生した赤穂事件を称揚する立場から書かれた室鳩巣による漢文体の歴史書。室鳩巣の自序は元禄16年(1703年)10月の日付が記されているが、その後も改訂が行われて宝永6年(1709年)に定稿が成立している。また、同じ宝永6年には鳩巣の弟子らが同書を読んだ感想や同書にちなんで作成した詩などを収めた『鳩巣先生義人録後語』(編者は大地昌言)が編纂され、その中の鳩巣の弟子・奥村脩運の跋文には鳩巣が『赤穂義人録』を編纂した経緯が述べられている。この中で鳩巣は大石良雄らの忠義は中国の史書に記された忠臣のそれに劣らないのに彼らを顕彰する文章がなくただ雑説だけが流布するのを憂慮して著したとする。同じく弟子で赤穂藩の本家筋である広島藩の家臣でもあった小谷勉善の跋文には自分が広島藩の江戸藩邸で赤穂藩や事件を良く知る人たちから話を聞いて師である鳩巣に報告をしたところそれを元に改訂が行われたと証言している。上巻は赤穂藩主浅野長矩が江戸城松の廊下で吉良義央に刃傷を起こした事件から、赤穂藩の家老であった大石良雄ら四十七士が吉良を討ち取って江戸幕府から切腹を命じられた経緯が時系列に記され、下巻は大石以下四十七士の経歴や逸話を記す。『赤穂義人録』は江戸時代においては主に写本として流布されたが現在確認できるだけでも100冊以上知られ、後に安中藩主・板倉勝明によって甘雨亭叢書に所収・刊行されたことでより流布されていった。また、鳩巣の草稿は前田育徳会が所蔵して尊経閣文庫に伝存されており、昭和10年(1935年)に複製本が刊行されている。史料的な制約から鳩巣の記述内容に正確さに欠ける部分もあり、明治5年(1872年)に国枝惟?により『赤穂義人録』の誤謬を訂正した『赤穂義人録補正』が出された(Wikipedia参照)。
★原装・題簽付・美本。記名なし・蔵書印あり。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、2,800円(題簽1冊欠)〜19,800円】。
4000円 〈専念往生伝中・尾張国名古屋〉還寿信女往生略伝(「専念往生伝二編」抜刷)
【判型】大本1冊。縦粍。
【作者】音空(観粋)作・序。吉川弘信(君渓・春助・益翁)画。
【年代等】慶応3年10月自序。慶応3年12月刊。[尾張国鳴海宿]尾州鳴海山中泉谷蓮社蔵板。
【備考】分類「浄土」。音空(観粋)編、慶応4年頃刊『専念往生伝・二編』(尾張祐福寺蔵板)第1巻より、「還寿信女略伝」(第38〜49丁)を抜粋し、巻頭に序文と口絵3葉(「還寿信女化仏に従ひ浄土の東門に至りけるとき、諸聖衆迎へ給ふの図」「還寿信女始て浄土の門に入、遙に諸の荘厳を見奉るの図」「還寿信女蘇生の後、浄土のものがたりの図」)を付したもの(この際、第49丁裏の左半分を改刻し、刊記等に改めた)。内容は、尾州名古屋巾下(ハバシタ)押切町、美濃屋治吉の嫡男、徳三郎に15歳で嫁いだ恒(ツネ)の往生伝で、恒が17歳の冬のある夜の夢に高僧が現れ、「汝が定命は24歳にして尽る。今日からは後生の菩提を願求(ガング)せよ」と告げたことから念仏修行を始めたが、21歳になった文久2年の春でも「後世の一大事の安心未だ決定せず」という状態であった。しかし、その年の6月30日に麻疹によって死去したものの7月1日に蘇生し、この臨死体験で浄土の実在を知った彼女は敬虔な信仰生活を送り続け、やがてお告げの通り、24歳になった慶応元年4月12日の日中過ぎに「頭北面西、合掌し高声念仏して命終」したという。なお、本書の臨死体験の記述は、恒が生前に何度も原稿を読み聞かせて校訂した聞書を元にしたものであると、本書末尾で断る。
★原装・題簽付・状態並み(表紙小虫補修)。記名なし・蔵書印なし。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、25,000円】。
4500円 隅田川往来〈并〉八景詩歌[隅田川往来并八景詩歌]
【判型】大本1冊。縦270粍。
【作者】坂川峻谷(芝泉堂・貴重)書。山東京山跋(この跋文を欠く本もある)。
【年代等】嘉永元年4月刊。[江戸]和泉屋吉兵衛(泉栄堂)板。
【備考】分類「往来物」。「隅田川往来」と「隅田川八景詩歌」を記した陽刻の書道手本(底本は京山跋を欠く)。『隅田川往来』は、「昨日は御庭前の花に戯れ、流石に永き春の日を黄昏早きと惜(かなし)み侍りき…」と書き始め、梅柳山木母寺の梅若忌(旧暦3月15日)に際して隅田川一帯を散策する計画を奨める一通の女文形式で、江戸・両国橋から亀戸天満宮・永代島八幡宮までの隅田川周辺の名所旧跡・神社仏閣を紹介した往来。『江戸出版書目』等によれば溝口庄司筆の宝暦4年板が最古本だが、この初板本と、これに次ぐ明和2年板(禿箒子作)も未発見であり、現存最古本は明和8年3月刊の『〈新板・絵入・頭書〉隅田川往来〈并〉八景和歌』(中本)と同年9月刊の『〈長雄〉隅田川往来』(大本)である。
★原装・題簽付・美本。記名なし・蔵書印なし。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、類書が、1,650円(無刊記・中本)〜8,000円(文化板)・中本】。
4500円 女大学宝箱(弘化5年)
【判型】大本1冊。縦256粍。
【作者】柏原屋清右衛門作カ。
【年代等】享保元年初刊。弘化5年3月再刊。[大阪]柏原屋清右衛門ほか板。
【備考】分類「往来物」。『女大学』本文のみ、またはそれに多少の記事を付録させたり、『百人一首』その他の女子用往来と合綴するなど種々の形態で、また、その書名も初板本『女大学宝箱』を始め『女大学宝文庫』『女大学教文庫』のように『女大学○○』の書名で極めて多数の刊本が伝わるほか、『女訓大学』なる改題本も存する。普及の面では『女今川』と並んで最も板種の多い女子用往来だが、その背景には一般に「貝原益軒作」と信じられてきた事情があったと考えられる。しかし本書の成立に柏原屋清右衛門が関わっていたことは疑いない。まず『和俗童子訓』巻之五「教女子法」全18カ条のうちの13カ条を抽出して改編した『新女訓抄』(全11カ条。正徳2年刊『女用智恵鑑』中に所収)が益軒生存中に成り、さらにこの『新女訓抄』中の7カ条を母体に、各条を短文に分けて全19カ条および後文としたものが『女大学』であった。内容は、第1条「親の教え」、第2条「女徳」、第3条「男女の別」、第4条「七去」、第5条「舅姑への孝」、第6条「夫への服従」、第7条「夫の兄弟との和睦」、第8条「嫉妬と諌言」、第9条「言葉の慎み」、第10条「家事への専念ほか」、第11条「信仰について」、第12条「分限に基づく家政」、第13条「男女の隔て」、第14条「衣服の心得」、第15条「親戚付き合い」、第16条「舅姑への孝と婚姻後の心得」、第17条「家事は自らなせ」、第18条「下女を使う心得」、第19条「婦人の心の五病」で、後文には以上の条々を幼時よりよく学ぶことが女子生涯の宝となることを強調して締め括る。初板本系『女大学宝箱』は、「女大学」本文を大字・5行・付訓で記し、頭書に「女職人之図」「同商人之図」など庶民女性の職業を紹介し(往来物では最も早い)、さらに前付に「女農業之図」「南都八景之図」「十二月色紙和歌」「源氏物語絵抄」「同引歌」、後付に「(婦人)世継草」「同産前之次第」「同産後之養生」「小児やしなひ草」「同急病妙薬」「二十四孝和解」「百人一首絵抄」などを収録する。また、本書に『百人一首』を加えた増補版も寛政期以降に数回出版されるなど、初板本系統だけで明治初年までに約20種の板種を数える。そのほか、『百人一首』や『女今川』、あるいは女用文章等と合冊されたものなども含め、『女大学』は江戸中期〜明治期にかけて180種以上の刊本が発見されている。
★原装、題簽付・概ね状態良好。記名なし・蔵書印あり。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、題簽欠の弘化板が、5,000円】。
4500円 〈湖月文章・万用宝訓〉女要珠文庫[湖月女文章](享保6年)
【判型】大本1冊。縦260粍。
【作者】寺田正晴(絮柳)作。
【年代等】享保6年4月刊。[大阪]寺田正晴(寺田与右衛門)板(刊記は同板別本による)。
【備考】分類「往来物」。付録記事が充実した特異な女用文章。本文の「湖月女文章」は、『源氏物語』の各帖を詠んだ和歌1首と、主要な登場人物1名の肖像画を最初に掲げ、さらに各帖にちなんだ仮名文(計54通)から成る。『源氏物語』『伊勢物語』を女子教育に用いるべきでないという意見が少なからず存在した時代に、これらを題材にした点は注目される。いずれも、大字・9行程度・稀に付訓の散らし書きあるいは並べ書きの書簡文形式で綴られるが、一般的・実用的な消息文例ではない。むしろ頭書「女用ぶんしやう」の方が実用案文であって、五節句祝儀状を始め、部屋見舞い、出産祝い、弔状、伊勢参宮下向の文など19通の例文を掲げる。付録記事にも独特なものが多く、前付に「伊勢道中記」「女実語教(躾実語教)」、頭書に「風流文字人形(絵の中にデフォルメした文字を組み込んだもの)」、当時流行のデザインを紹介した「当世櫛ひいながた」「当世もやうかんざし」を始め、和歌の教養、言葉遣い、被服、養生、家庭医学、婚礼、出産、暦占関係の記事を収録する。本書は寛保2年以降に記事が若干増補され、『〈湖月文章・躾実語教〉女要新玉文庫』の書名で再刊された。
★原装・題簽欠・状態並み(表紙やや汚損、本文一部小虫)。記名なし・蔵書印なし。稀書(全国に所蔵数カ所(国文学研究資料館DB))。
4500円 百人一首略解[百人一首解]
【判型】大本1冊。縦269粍。
【作者】栗本英暉注。本居公校閲。
【年代等】宝暦6年作。明和8年初刊。江戸後期再刊。[京都]山城屋佐兵衛(藤井文政堂)板。
【備考】分類「百人一首・和歌・注釈」。本書は、小倉百人一首を俚諺を用い、通俗的かつ簡潔に解説した註釈書。明和8年刊『百人一首解』の改題本。改題にあたり宝暦6年夏自序を削除した。見返に「小倉百首に俚諺をそへ、事少なに歌の意(ココロ)をさとしぬれば、此釈の格をもて俗言にうつし見給はゞ、自ら、手にをはとゝのひ、又てにをはの迷ひを定め、歌の言葉を得ること、此書にしくはあらじ」と本書の概要を紹介する。/和歌本文の所々に言葉を補なって読解の助けとしさらに割注をも加えている(国文研DB)。
★原装・題簽欠・概ね状態良好(一部小虫補修)。記名・蔵書印あり。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、5,000円(明和板)〜15,000円(寛政板)】。
4500円 詞の玉緒[言葉の玉緒・辞の玉の緒・詞瓊綸](明治19年) ★ゆうパック着払い
【判型】大本7巻7冊。縦255粍。
【作者】本居宣長(鈴屋大人(スズノヤウシ))作・序。稲懸大平序。田中道万侶跋。
【年代等】安永8年12月自序。寛政4年補刻。文政12年再刻。明治19年9月再刻([大阪]岡島真七ほか板)。
【備考】分類「語学」。本書は、自著『紐鏡』で示した係り結びの法則につき、その例証をあげて詳しく説明した書。あらゆる「てにをは」を詳密に検討したもので、宣長の学風そのままに徹底した実証主義・実例網羅主義で、一つの例外も漏らさず取り上げて説明し尽くす態度に貫かれている。体言・用言・副詞などを装身具の玉にたとえ、てにをは(助詞・助動詞)を玉を連ねて一つにまとめる緒にたとえて書名とした。巻一は総論で、「てにをは」には「本末をかなへあはするさだまり」(係助詞が一定の陳述形式と対応すること)があり、さらに、『紐鏡』に示した「三条の大綱」すなわち「は・も・徒(タダ)」「ぞ・の・や・何」「こそ」の3種に対応する「結び」(活用語の語形の異同)があることなどを説く。巻二では、倒置法、変格(係助詞のない場合)その他の異例や誤用を説く。巻三では、「は」について体言止め、その他三転以外の結びがあること、「も」も同様であることや、「ぞ」について結びの活用語がさらに後へ続く特殊例などを説明し、さらに「の」について「ぞ・や・何」に比してやや軽いから格にはずれて結ぶことがあるとして特殊例を述べ、「が」にも触れる。巻四では「や」について体言止めその他の異例を説き、関頭助詞の「や」をも詳述し、さらに「何」の類につき「なに」のほか「など・なぞ・たれ」など計12種類の疑問詞の例をあげる。巻五では、「こそ」について体言止めその他の異例を含む諸例を説き、さらに、「と」「ど・ども」「を」「に」「て」、そのほか、「で・な・み・よ・ね・し・らく・まく・けく・かし」などの様々な用例を列挙する。巻六では、係りに対する「むすび辞」を説明し、さらに「三転の外」として、「まし・らし・つつ・かな・がな」など活用のない「てにをは」で結ぶ例をあげる。巻七では、「古風の部」で、歌でも文章でも「てにをは」の整わないのは「つたなき手して縫ひたらん衣」のようなものだと言い、『万葉集』によって古風の歌をよむ人達への諸注意として、「万葉集の中てにをはたがへる歌」「同集の中てにをは違へるに似て違へるにあらざる歌」その他特殊な語法を説き、「文章の部」で「てにをは」は歌に限らず文章でも重要だとして、『古今集』の序および詞書、『土佐日記』『伊勢物語』『源氏物語』の例をあげて説明する(「日本古典文学大辞典」参照)。
★原装・題簽付・状態概ね良好(表紙小虫、本文はほぼ良好)。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、7冊揃いが、5,000円〜19,800円】。
4500円 文林百人一首大和鑑 ★ゆうパック着払い
【判型】大本1冊。縦254粍。
【作者】長玄海堂書。下河辺拾水画。口絵は西川某(祐春カ)画。
【年代等】天明8年1月初刊。嘉永5年11月求板。[京都]大文字屋与三兵衛板。
【備考】分類「百人一首」。本文に「百人一首」と「女今川」を合本したもの。巻頭に宮殿から遠方を望む貴族女性図(色刷り)、また、前付に「七夕の歌」「難波八景」「三十六歌仙」「錦織の部」「和歌三神像」を掲げる。本文上欄頭書を二段に分ける三階板形式で、「諸芸鑑」「女文章柱立」「女いましめ草」「女中ことばづかい」「諸礼躾がた」「女職事」「名掛香方組」「女風俗調」「きぬねりやう」「かなづかひの心得」「祝言一まき」「女中春雨の記」「夫婦相生記」「名相生字」「懐妊食物」「女一生鑑」「夢はんじ占」(以上「百人一首」)を載せ、続いて「女今川」の上欄は一段の頭書で「七草の弁」「曲水の宴の事」「端午」「星合」「八朔田面の弁」「重陽」「婦人名尽」「仕立物の弁」「たち物いそぐ時読歌」「倭言葉」「女妙薬療治手箱底」「鶯蛙歌読し事」「夫婦相生事」「小笠原流折形図」「結納荷物請取事」「歌道女心得弁」「祝言の夜忌言」「女髪結様之名」「懐胎によく食物」等を載せ、巻末に「忍の字訓」を収録する。」
★原装・脇題簽付(書名題簽は欠)・状態並み。書名は旧蔵者のメモによる。記名なし・蔵書印なし。稀書(他に所蔵無し(国文学研究資料館DB))。
4500円 〈絵入講釈〉童子教稚絵解[〈訂字改訓〉童子教稚絵解](2丁落丁)
【判型】中本2巻2冊。縦178粍。
【作者】笠亭仙果初世(轍斎)注。橋本貞秀(玉蘭斎・五雲亭・歌川貞秀)画。
【年代等】嘉永5年8月初刊。江戸後期後印。[江戸]山口屋藤兵衛板。
【備考】分類「往来物」。『〈絵入講釈〉実語教稚絵解』『〈絵入講釈〉童子教稚絵解』は、絵双紙の体裁で編んだ『実語教・童子教』の注釈書。各丁とも中央(のど方向)に見開きの挿絵を大きく載せて、その両端に本文ならびに注釈文を置くのが基本的な形式。二教本文を1〜4句毎に楷書・大字・付訓で掲げ、細字の注を施す。『実語教画本』を始めとする先行注釈書の影響が確認できるが、単なる模倣を超えてさらに平易な施注を試みたり、独自の注解を展開した箇所も少なくない。和漢の故事や譬え話によった説明が多く、漢字の少ない仮名文で童蒙本位の平易な注釈に徹する。また、「余力学問」の範囲での学問奨励が目立つのも特徴である。
★原装・題簽1冊付・状態並み・後印・上巻末尾2丁落丁。記名なし・蔵書印なし。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、端本(上巻・傷み本)が、5,500円】。
4500円 〈武田勝次郎編輯〉大日本府県往来[府県往来]
【判型】中本1冊。縦179粍。
【作者】武田勝次郎(勝治郎・交来)作。
【年代等】明治11年8月刊。[東京]上阪久次郎(松永堂)板。
【備考】分類「往来物」。日本の国土と、府県名および府県庁所在地、所轄郡数などを七五調で綴った往来。「大日本は亜細亜の中、東の方に位して、豊葦原の中津国、又蜻蛉洲とも旧称す。直径凡一千余里、其表面は十六万…」で始まる本文を楷書・大字・6行・付訓で記す。また、頭書「改正府県表」には、三府三五県の郡名・郡数を旧国名毎に記す。
★改装・題簽欠・状態良好。稀書(全国に所蔵数カ所(国文学研究資料館DB))。記名なし・蔵書印なし。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、12,220円】。
4500円 〈諸数名寄〉万物往来
【判型】中本1冊。縦181粍。
【作者】高井蘭山作。歌川芳盛(一光斎芳盛)画。
【年代等】天保6年夏序。文久2年7月刊。[江戸]若林喜兵衛板。
【備考】分類「往来物」。和漢の諸書から名数や単位に関する語彙を集めて、一〜十の順に配列した往来。「夫、一は万物の始、数の根原不可測もこれより起る。日月星辰は一気より旋(めぐり)、四万有余の文字も一画よりセ(はじま)る…」のように、一から十までの数字の字義を略説し、続いて「一刻」「一旬」「一月」「一年」「一里」といった名数関連の語彙を略解を付けながら列挙していく。また、本文に漏れた語彙を頭書にも数多く掲げる。本文を大字・5行・付訓で記す。巻頭に数の由来に関する口絵二葉を掲げる。
★原装・題簽付・美本。記名なし・蔵書印あり。
4500円 農隙余談
【判型】大本1冊。縦267粍。
【作者】利根川教豊(ノリトヨ)作・跋。
【年代等】天明3年春、高橋道斎(九峯・子啓)序・刊。[江戸]須原屋伊八(青黎閣)板。
【備考】分類「農業」。作者跋文に「右に述る所の農事の談は、古人の書を以て俚語に和らげ、彼是かい集むといえども、もとより浅智にして?謬(アヤマチ)多からん。且、すべて児童も能知れる事迄煩敷書出たるも、かたはらいたかるべし…」と記すように、先行の農書等を参酌しながら農業の基本的な心得や四季耕作の基礎知識をまとめた農書で、「大百姓心得」「中百姓心得」「小百姓心得、附り分地」「倹約」「水呑」「農業の教」「陰陽の土見分」「耕作」「春の耕」「夏至」「秋の耕」「冬田」「種子」「田艸」「糞」「水利、附旱心得」「山林、附穫収」「天災・豊凶・寒暑・風雨、并二百十日之事(惣じて十二ヶ条に記)」「七十二候之事」の19項について記す。
★改装・題簽欠・状態良好。記名なし・巻末に著者の朱印「弥」あり(これは諸本に押された作者の朱印であって、蔵書印ではない。 → http://base1.nijl.ac.jp/~collectors_seal/0039120.jpg?log=true&mid=40630&d=1591065515147 )。稀書(全国に所蔵数カ所(国文学研究資料館DB))。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、2万9160円(過去データ)】。
4500円 迷悟問答集[迷悟問答](明暦2年・松会板)
【判型】大本1冊。縦240粍。
【作者】不明。
【年代等】明暦2年11月刊。[江戸]松会板。
【備考】分類「禅宗」。仏教に関する様々な疑問について、問答形式で解説した書。「一、天地の沙汰、人間の数、仏教の事」「二、地獄の沙汰の事」「三、しで三づ(死出・三途)のさた」「四、仏ぼさつ(菩薩)の事」「五、れんげ座の事」「六、仏ぼさつ色相の事」「七、明王天道の事」「八、神祇のさたの事」「九、らいでん(雷電)のさた」「十、しゆそ・おんてき(呪詛・怨敵)の事」「十一、ひんぷく(貧福)のさた」「十二、諸宗のさたの事」「十三、食類の沙汰の事」「十四、同しな(品)の事、付、人間かほ(顔)の事」「十五、日月星よるひる魂のさた」など29項について諭す。なお、本書の版本には、寛永20年板のほか、慶安元年板、刊年不明板がある。
★原装・題簽付・状態良好。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、8,140円(慶安板・虫損・シミ)〜88,000円(寛永板)】。
4500円 臨終用心〈并附録〉[臨終用心・素衆威儀法](可円・安永9年)
【判型】大本1冊。縦267粍。
【作者】可円(慧恭エキョウ)作。
【年代等】安永9年2月、服部済(服部芝山カ)序・刊。[京都]赤井長兵衛板。
【備考】分類「浄土」。袋綴じ展開収録。臨終作法書の一つで、作者88歳時の著作。第一「看病は病者の心に背くべからざる事」、第二「病人心持の事」、第三「酒肉・五辛を食したる人、臨終の席へ入べからざる事」、第四「臨終近しと見ゆる病人に呪願安慰等無用之事」、第五「薬は病を治して命を延る事あたはずと知るべき事」、第六「病人の死を怕(オソ)れ、生を貪るべからざる事」、第七「末期の水無用の事」、第八「耳口へ高声に念仏を吹入る事無用の事」、第九「眼を撫て枕をはづす等のこと無用たるべき事」、第十「いまだ息たへざるに、泪をたれ、声を揚て哀泣すまじき事」、第一一「正しく命終の時、念仏すゝめやうの事」、第一二「死骸を頭北・面西にし、或は手足を屈むる等の類無用の事」、第一三「送葬急ぐべからざる事」の13ヶ条を掲げる。また、巻末附録の「素衆威儀法」は、「入寺法第一」「礼拝法第二」「知識相見法第三」「勤行法第四」「日課念仏法第五」の5カ条からなる仏道修行上の基本的作法。
★原装・題簽付・状態並み(小虫補修)。記名なし・蔵書印なし。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、11,000円〜22,000円】。
4500円 地蔵菩薩本願経和解[地蔵本願経和解]
【判型】大本1冊。縦260粍。
【作者】亮汰(俊彦シュンゲン・豊山亮汰)作。
【年代等】天保4年春、荷寮妙有跋・刊。[伊勢山田]善光寺板。
【備考】分類「真言」。本書は、大乗仏教の地蔵菩薩に関する代表的な経典である「地蔵菩薩本願経」の注釈書。同教の解題等は付けずに、冒頭から「?利天宮神通品(トウリテングウジンヅウホン)第一」から「囑累人天品(ゾクルイニンデンボン)第十三」までの本文を掲げ、所々に割注形式で施注する。巻頭に仏道修行や本書の読誦を奨める口上と「摂取山善光寺の地蔵菩薩像」の図を掲げる。なお、刊記に「勢州山田摂取山善光寺魔尼閣再刻此経印三千部普施十方浄信男女三五同志相共随喜受持読誦伏願藉斯勝縁始従今日乃至菩提常得値遇三宝親近恭敬二厳円備広作仏事利益有情満普賢願/天保四年癸巳春 荷寮?有謹識」(この部分入木)とあるように、本書は天保4年に3000部が施印された。
★原装・題簽付・状態概ね良好(小虫補修)。記名なし・蔵書印なし。稀書(全国に所蔵数カ所(国文学研究資料館DB))。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、8,500円(天保板・題簽欠・小虫)〜27,500円(明和板)】。
4500円 斥邪漫筆・斥邪二筆
【判型】大本2巻2冊。縦251粍。
【作者】深慨隠士(超然)作・序・校。憂国野叟校(二筆)
【年代等】初編(漫筆):元治元年秋自序。慶応元年5月、憂国野叟序・刊。[?]衛道書屋蔵板。2編(二筆):慶応2年冬自跋・刊。[?]衛道書屋蔵板。
【備考】分類「キリスト教」。斥邪漫筆(せきじゃまんひつ)』 釈超然著。この頃外人用の教会の設立とともにキリスト教関係の書物が多く出まわったため、仏教の立場からキリスト教. を排撃。はじめ深既隠士の名で出された。超然が著した排耶論の一つ(他に『寒更霰語』『斥邪三筆』がある)。まず慶応元年刊『斥邪漫筆』で、安政2年に水戸藩が刊行した『破邪集』や、浄土宗僧侶の杞憂道人(養?徹定ウガイテツジョウ)の明代の排耶論などを翻刻した『翻刻闢邪集』や『闢邪管見録』などにより、キリスト教が邪教である所以を知ったことを『斥邪漫筆』執筆の動機であることを述べたが、キリスト教の流入を阻止するためには、まず、キリスト教を知る必要があるとし、日本や中国におけるキリスト教の伝来を歴史的に把握し、その教義の問題点や日本に有害な点を明らかにしようとした。ただし、超然が『斥邪漫筆』における排耶論の根拠は、聖書やキリスト教書に対する直接的な反駁ではなく、明末の中国の儒者や僧侶の主張に基づくものであった。続いて、続編の慶応2年刊『斥邪二筆』では、中国語のキリスト教書(当時日本語で書かれた書物でキリスト教の教義を学ぶことは殆ど不可能であった)を参照して、カトリックとプロテスタントに分離した歴史的経緯を明らかにし、両者の対立が「同源異流」であると認めた。また、中国語のキリスト教書を用いて、キリスト教の教義を批判のメスを入れ、その問題点を指摘した。特に、英米の宣教師達が各地に学校や出版所を建て、宣教師自らが漢文を学ぶことによって、儒教や仏教の教えを取り入れるなどの巧みな手段を用いて伝道活動を行っていることに関して、超然の危機意識はさらに高まったという(岩田真美「近代移行期における真宗僧の自他認識」(『武蔵野大学仏教文化研究所紀要』2012年)参照)。
★原装・題簽付・状態良好。記名なし・蔵書印あり。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、2冊揃いが、5,000円〜26,250円】。
4500円 女大学宝箱(初板本系・天保12年板)
【判型】大本1冊。縦254粍。
【作者】柏原屋清右衛門作カ。
【年代等】享保元年初刊。天保12年3月再刊。[大阪]柏原屋清右衛門ほか板。
【備考】分類「往来物」。享保元年初板本系『女大学宝箱』の天保12年再刻本。長らく大阪書肆・柏原屋清右衛門の看板商品の一つであった同書の版権が柏原屋から離れて刊行されたもの。『女大学』は一般に、本文のみ、またはそれに多少の記事を付録させたり、『百人一首』その他の女子用往来と合綴するなど種々の形態で、また、その書名も初板本『女大学宝箱』を始め『女大学宝文庫』『女大学教文庫』のように『女大学○○』の書名で極めて多数の刊本が伝わるほか、『女訓大学』なる改題本も存する。普及の面では『女今川』と並んで最も板種の多い女子用往来だが、その背景には一般に「貝原益軒作」と信じられてきた事情があったと考えられる。しかし本書の成立に柏原屋清右衛門が関わっていたことは疑いない。まず『和俗童子訓』巻之五「教女子法」全18カ条のうちの13カ条を抽出して改編した『新女訓抄』(全11カ条。正徳2年刊『女用智恵鑑』中に所収)が益軒生存中に成り、さらにこの『新女訓抄』中の7カ条を母体に、各条を短文に分けて全19カ条および後文としたものが『女大学』であった。内容は、第1条「親の教え」、第2条「女徳」、第3条「男女の別」、第4条「七去」、第5条「舅姑への孝」、第6条「夫への服従」、第7条「夫の兄弟との和睦」、第8条「嫉妬と諌言」、第9条「言葉の慎み」、第10条「家事への専念」ほか、第11条「信仰について」、第12条「分限に基づく家政」、第13条「男女の隔て」、第14条「衣服の心得」、第15条「親戚付き合い」、第16条「舅姑への孝と婚姻後の心得」、第17条「家事は自らなせ」、第18条「下女を使う心得」、第19条「婦人の心の五病」で、後文には以上の条々を幼時よりよく学ぶことが女子生涯の宝となることを強調して締め括る。初板本系『女大学宝箱』は、「女大学」本文を大字・5行・付訓で記し、頭書に「女職人之図」「同商人之図」など庶民女性の職業を紹介し(往来物では最も早い)、さらに前付に「女農業之図」「南都八景之図」「十二月色紙和歌」「源氏物語絵抄」「同引歌」、後付に「(婦人)世継草」「同産前之次第」「同産後之養生」「小児やしなひ草」「同急病妙薬」「二十四孝和解」「百人一首絵抄」などを収録する。また、本書に『百人一首』を加えた増補版も寛政期以降に数回出版されるなど、初板本系統だけで明治初年までに約20種の板種を数える。そのほか、『百人一首』や『女今川』、あるいは女用文章等と合冊されたものなども含め、『女大学』は江戸中期〜明治期にかけて180種以上の刊本が発見されている。
★原装・題簽付・状態良好。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、類書の文政板汚損本が、3,990円】。
4500円 〈女教訓躾方〉女今川操種[女今川美佐保具射](江戸後期・口絵色刷)
【判型】大本1冊。縦253粍。
【作者】沢田吉作(元禄板系統)。
【年代等】江戸後期刊。[大阪]敦賀屋彦七ほか板。
【備考】分類「往来物」。『女今川』は全23カ条と後文から成る壁書形式の教訓で、本書は元禄板系統の一種。これは、貞享4年刊『女今川』を改編したもの(元禄板の序文に「此比有人の書し『女今川』をみるに…」とあり、「然るに、今また改かふる事は、全我言をよしとするにあらず。自かたましき所をひそかにしるして…」とある)で、本文各条は貞享板と同傾向ながら、後文については改編が著しく、具体的には「心かだまし」と「心すなほ」の強調が目立つ。本書を自戒の書として書いた吉の理想は、「かだまし」き点のない、「すなほ」な心延えの女性だったのであろう。また、第5条では「主・親の深き恩」を「父母の深き恩」と言い換え、「忠孝」の代わりに「孝の道」とした点、さらに後文で、天地の道や五常を説いた抽象的な表現や、下僕や他人に対する心得などを割愛する一方、孝・貞の見地から己の心の善悪を内省することを説いた点に特色がある。
★原装・題簽付・並本(やや疲れ、一部破損補修あり)・見返し及び口絵色刷り。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、同題の類書?(天保板)が、41,800円】。
5000円 俳諧問答[俳諧舌きり雀]
【判型】半紙本1冊。縦228粍。
【作者】桃流舎文哉作。
【年代等】嘉永2年、観月堂一松序。嘉永2年秋、作者題辞。嘉永2年11月作。嘉永3年初刊。明治初年後印。[東京]須原屋茂兵衛板。
【備考】分類「俳諧」。「霜うけぬ松の名高しふしの山 文哉」以下の歌仙「十返りの章」を批判した「板あられ」に対する反論書。同歌仙を批判した別の難書への反論書を付す(西尾市岩瀬文庫・古典籍書誌DB)。
★原装・題簽付・状態良好。記名なし・蔵書印あり。稀書(全国に所蔵数カ所(国文学研究資料館DB))。
5000円 くず花[葛花]・書袋付
【判型】大本2巻2冊。縦261粍。
【作者】本居宣長作。市岡孟彦跋。
【年代等】安永9年作。江戸後期再刊。[名古屋]永楽屋東四郎(東壁堂)板。
【備考】分類「国学」。「文政十亥年晩秋求之」の記載あり。市川匡麿(多門)の『直毘霊』批判(『まがのひれ』)を詳細に反駁した書。「葛花」の書名は、漢籍の毒酒の酔いを除去する薬草の意味。宣長の古道論を知るうえで不可欠の書。本書を契機にさらに論争が激化した。『まがのひれ』における宣長の儒教並びに聖人の排除、天照大御神を祖とする皇統の賛美、皇国優越の主張、『古事記』『日本書紀』所伝への盲従、老荘の自然説の影響などの指摘批判に返答したもの。宣長は、本書で再度皇統の尊厳と皇国の優越を説き、「記紀」の伝えの信ずべきこと、儒教および聖人の有害無益なる所以等を述べ、儒教に対抗しての老荘の自然と儒教渡来以前の神の道の自然とは自ずから異なるとの反論を為した(「日本古典文学大辞典」参照)。
★原装・題簽付・状態良好・書袋付。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、6,000円】。
5000円 〈誤字改正〉古状揃絵抄[〈文久新刻〉古状揃絵抄](原装本)
【判型】中本1冊。縦180粍。
【作者】槐亭賀全作。
【年代等】文久頃刊。[江戸]吉田屋文三郎板。
【備考】分類「往来物」。往来物本文の左側に1行ずつの細字の略注を置き、さらに本文中に人物・風景など小さな挿絵を随所に点在させるという、文江堂(吉田屋文三郎)独特の体裁の往来物が文久頃にシリーズで出版されたが、本書はその中の一つ。「今川状」「手習状」「腰越状」「義経含状」「弁慶状」「熊谷状」「経盛返状」「曽我状」「同返状」の9状を収める。本文を大字・4行・付訓で記す。なお、本文の挿絵を色刷りにした豪華版もある。
★原装・題簽付・状態概ね良好(やや小虫)。記名なし・蔵書印なし。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、10,000円〜41,800円】。
5000円 欧行用文[欧行用文章](初編)
【判型】中本1冊。縦178粍。
【作者】瓜生寅(三寅・政和・於莵子・梅亭金鷺・楳亭・橋爪錦蔵・橋爪錦造)作・序。
【年代等】明治年間刊。[東京]吉田屋文三郎ほか板。
【備考】分類「往来物」。作者が海路で西洋各国を順覧した際の紀行文を往来物風にまとめたもので、いわゆる用文章ではなく、消息文形式で世界地理を綴ったもの。本文を大字・5行・付訓で記す。仏国の郵船で横浜を出港してから、仏国、マルセイユ港に到着するまでの航路に従って、上海・香港・サイゴン・シンガポール・セイロン・アデン・スエズ運河・など各地の風俗・産業・歴史・地形・気候距離その他について略述し、頭書に本文中の語句や関連の挿絵を掲げる。なお、題簽に「初編」とあり、続刊の予定があったことを示すが、2編以降は未刊と思われる。
★原装・題簽付・状態良好(数カ所小虫)。稀書(全国に所蔵数カ所(国文学研究資料館DB))。記名あり・蔵書印なし。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、30,800円】。
5000円 〈新撰幼学〉地方分間図解
【判型】中本2巻2冊。縦182粍。
【作者】三上忠左衛門作。堀口亀水書。
【年代等】明治7年4月刊。[下総国・千葉県木更津]織本仙五郎(織媛堂)板。
【備考】分類「測量」。測量に用いる器具から測量の方法についての基本や地方関連の各種計算法を、多くの図解を示しながら説いた測量教科書。上下2巻に分け、次の18項を収録する。上巻は、第1「量地必用器械之図」、第2「分間縄張之仕方并図解」、第3「高低ノ地ヲ平地坪数ニ均ス仕方、附器械用方図解、并算法」、第4「嵯峩地分間縄張之図、附算法差段数之図式」、第5「分間地形縮図速計之伝、附手続順次各図解」、第6「建物アル宅地縄張図解」、第7「直方地坪員計、并竪横積方之図」、第8「井綫十字綫ヲ以竪横計算、并仕方図解」、第9「異形地反別算方、并竪横積方各図解」、下巻は第10「方円積、并周径法大略」、第11「絵図面製造新策之伝詳細図解」、第12「距里測量図解、并算法」、第13「立木之高サ、并距里遠見測量、附算法術書各図解」、第14「用水溜井水面測量図解、并算術」、第15「田方用水分量算術」、第16「地得金配当差分術」、第17「地方分見必用平方術、并開図」、第18「釣股弦、并三斜田算法術」。
★原装・題簽付・状態良好。記名なし・蔵書印なし。稀書(全国に所蔵数カ所(国文学研究資料館DB))。
5000円 〈折句冠句〉福原いさ子[福原砂子・和田の松後編]
【判型】横本1冊。縦108粍。
【作者】年々坊叟夫・雪光庵素洲ほか編。雪光庵素洲序。
【年代等】嘉永2年9月刊。[兵庫本町]油屋荘五郎ほか板。
【備考】分類「雑俳」。改題本に「芽吹柳」あり。また、早大本の原題簽は「自撰晩花集」。本書は、絵入りの雑俳集で、前半3分の2に冠句、後半3分の1に折句を収録する。冠句は、上五文字(冠)のイロハ順に配列し、白抜きのイロハ丸付き文字をイロハの区切りとし、「言ぶんなし」「一心ふらん」「勢ひ破竹」…のように冠を見出しにして、「い」〜「京」まで多くの作品を列挙する。また、後半の折句は、「直な気の頭に、何の樹が匂ふ」以下の作品を収録する。
★原装・題簽付・美本。記名なし・蔵書印なし。稀書(他に所蔵無し(国文学研究資料館DB))。
5000円 〈深造答問〉こゝろえ艸[心得草]
【判型】大本2巻2冊。縦260粍。
【作者】久世友輔(クゼトモスケ、軽花坊・盧甫)作・序。
【年代等】文化8年6月作。文化8年6月、丹羽氏祐跋。文化8年夏自序。文化8年8月、上河淇水(正揚)序。文化8年11月刊。[大垣]深造舎蔵板、[美濃]本屋善兵衛ほか売出。
【備考】分類「心学」。手島堵庵に学び、帰郷後に深造舎を設立して心学を広めた作者が日々の講習や討論の記録などを元にして編んだ心学書。上巻に「渡世の安楽」「学問は養生」「道を得れば楽」「心学にて災(わざわい)を免(まぬ)かる」「仏道も嫌はれず」「死生一」の6話、下巻に「冠昏喪祭の礼」「奇怪は信ずるに足らず」「人の非は咎(とがめ)ずに済(すむ)」「短気は損気」「遺言は健(すこやか)なる時」「恩は知らねばならぬ」の6話を収録する。いずれも問答形式で、例えば上巻冒頭では、「安心に渡世のなるべき心得もあらば示し給へ」との問いに対して、「本心を知り、人欲をすてゝ天理にしたがふ」ほどの安心はないとし、吉凶禍福は天命だが己からその命に背かざれば自ずと災いも免れるだろうと説く。以下、同様にして、『知心辨疑』等で説かれた本心の工夫、『前訓』で展開された和合のための実践行、『かなめ艸』の心・身・家の養生、賢を好み徳を積むことなどを、しばしば和漢古今の故事を引きつつ諭す。
★原装・題簽付・概ね美本(数丁欄外余白部シミ)状態良好。記名なし・蔵書印なし。
5000円 篆隷十体千字文[〈篆隷〉十体千字文](文化14年)
【判型】大本1冊。縦259粍。
【作者】孫丕顯編。王基校。
【年代等】文化13年10月、永寿堂主人跋。文化14年5月再刊。[江戸]若林喜兵衛板。
【備考】分類「往来物」。梁・周興嗣作『千字文』本文の漢字を一字ずつ楷書・両点付きで見出し語とし、続いて篆書・隷書など10体前後(10種以上もあれば、わずか数語の場合もあり、一定していない)の書体で示したもの。表紙見返に周興嗣の『千字文』の由来等を略述し、巻末に永寿堂の跋文を付すが、この跋文によれば、寛永・天和頃の『十体千字文』を校訂して文化13年に刊行したものという。
★原装・題簽付・状態良好。記名なし・蔵書印あり。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、文化板が、27,500円】。
5000円 〈寺子重宝・名所文絵入〉新撰大和往来[新撰大和名所往来・大和名所往来](文化13年)
【判型】大本1冊。縦260粍。
【作者】不存斎白鳥作。
【年代等】天明7年初刊([京都]菊屋安兵衛(鹿野安兵衛・菊英館)板)。文化13年9月求板([京都]鉛屋安兵衛板)。
【備考】分類「往来物」。大和国の名所旧跡等を記した往来。頭書に多彩な往来を盛り込み一種の合本科往来の趣を持つ。「夫、大和一国中は神武帝より代々の帝所々へ宮居ましませし国なれば、名所・古跡多く、神社仏閣頗多し。其名跡霊跡等具(つぶさ)に書集て其志を達せんとおもはん人々委鋪(くわしく)順覧させん事を願ふ…」で始まる文章で、京都・伏見街道・稲荷明神・藤の森神社から玉井寺・東観音寺・木津川・笠置山・柞杜(ははそのもり)・西大寺・唐招提寺・薬師寺・般若寺・東大寺・春日大社・三笠山・興福寺・三輪大明神・長谷寺・多武峰(とうのみね)・大織冠鎌足公廟・吉野山・法隆寺・竜田川・葛城明神・橘寺・飛鳥・橿原(かしはら)等々を歴覧し、さらに紀州和歌浦・紀三井寺・粉川寺、河内観心寺・叡福寺・道明寺・天王寺・住吉明神・大坂城下を経て京に戻るまでの沿道の名所・古跡の景趣・縁起・古歌・名物・風俗などを紹介する。内容が豊富で、大和一国のみならず周辺諸国にも言及するのが特徴。本文を大字・6行・付訓で記し、主要名所の風景画を頭書に載せる。前付・頭書に「奈良春日図」「和州初瀬景」「十二月之異名」「商売往来」「小野篁歌字尽」「七伊呂波」「廿四孝絵抄」「大日本国尽(郡附)」「書初乃詩歌」「小笠原諸礼之図式」「百官名尽」「東百官」「京町づくし」「〈西山名所〉嵯峨野の秋」を収録する。
★原装・題簽欠・状態並み(本文は概ね良好)。記名なし・蔵書印なし。稀書(全国に所蔵数カ所(国文学研究資料館DB))。
5500円 農稚教[田舎大学]
【判型】半紙本1冊。縦230粍。
【作者】木村敬斎(彦介)作・序。
【年代等】天保6年冬作。天保8年4月自序・自跋・刊。[江戸]柳花苑蔵板。須原屋伊八(慶元堂・青黎閣・北沢伊八)ほか売出。
【備考】分類「往来物」。『三字経』に似た漢字3字1句、2句1行、合計302句から成る文章で、四季農事のあらましと農民心得を綴った往来。序文・本文を陰刻、巻末「農稚教訳文」を陽刻にする。「天地者、万物親、農事者、万業基、先耕作、知季節、暦者則、示時術…」と書き始め、農事・耕作の基本、五穀に最適の地味、肥料や時候に即した耕作手順、季節毎の作物、気候・天気への精通、余力学問・勤勉・年貢貢納・法令遵守等の心得を述べる。本文を楷書・大字・4行・無訓で記し、巻末に「訳文」として行書・やや小字・6行・付訓の略注付き本文を添える。
★原装・題簽欠・状態概ね良好。記名なし・蔵書印なし。稀書(全国に所蔵数カ所(国文学研究資料館DB))。
5500円 全体新論
【判型】大本2巻2冊。縦251粍。
【作者】英国ホブソン・ベンジャミン(合信、宣教師・医師)作・序。
【年代等】安政4年12月刊。[京都]勝村治右衛門ほか板。
【備考】分類「医学」。清本(咸豊元年=1851年、越智蔵板)の翻刻。『全体新論』は近代中国においてはじめて西洋医学(特に解剖生理学)を紹介した生理学入門書であり、イギリスのロンドン会に所属する宣教医ホブソンにより漢文で著され、咸豊元年(1851)に中国の広州恵愛医館から出版され、中国知識人や中国在住の欧米人、さらに中国の官界と医学界にも高く評価された。『全体新論』出版後、日本へは嘉永末年(1854)頃に伝わり、安政4年(1857)年に翻刻された。さらに明治期に入ると、2種の和訳書(高木熊三郎訳、石黒厚訳)である『全体新論訳解』が出版された。『全体新論』は日本に伝わったあと、当時の知識人に広く学習された。和刻本と和訳書の刊行は幕末明治初期の日本医学に影響を与えた。また、『全体新論』には、当時の中国伝統の諸医書をはるかにしのぐ精美な解剖図が多数掲載されているが、これらの解剖図は、ウィルソン『人体解剖学体系』と、カーペンター『動物生理学』が主要な出典である。ただし、出典の解剖図が本来備えもつ重要な解剖学的意義の多くは、『全体新論』において切り捨てられていたと言わざるを得ず、中国近代医学史にとって『全体新論』の伝えた西洋解剖学は専門レベルではなく、あくまで概観に止まるものであった(許春艶「日本における『全体新論』医学用語の受容」、松本秀士・坂井建雄「『全体新論』に掲載される解剖図の出典について」参照)。
★原装、題簽付・状態並み(一部シミ、小虫補修)。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、2冊揃いが、6,300円〜44,000円】。
5500円 〈頭書絵入〉四民往来永楽通宝[四民往来](文政8年・仙台板)
【判型】中本1冊。縦175粍。
【作者】不明。
【年代等】寛政2年初刊([江戸]榎本屋吉兵衛板)。文政6年5月刊。[仙台]伊勢屋半右衛門(裳華房)板。
【備考】分類「往来物」。享保5年刊『諸職往来』の本文に種々の付録記事を付けた改題本。本文を大字・6行・付訓で記す。巻頭見開き口絵に士農工商図、頭書に「書札法式指南」「文字遣分」を掲げる。なお、再板本の後半部に「七ッいろは」「旁冠構尽」「名頭字尽」「難字苗字尽」など11丁を増補した版もある。また、本書の海賊版『〈新板頭書〉四民往来』が仙台書肆・伊勢屋半右衛門によって文政6年に刊行された。
★原装・題簽欠・状態並み。記名なし・蔵書印なし。稀書(全国に所蔵数カ所(国文学研究資料館DB))。
5500円 〈女教訓・用文章・百人一首〉女万歳宝文庫(天明4年) ★ゆうパック着払い
【判型】大本1冊。縦259粍。
【作者】蔀関牛画。
【年代等】天明4年9月刊。[大阪]柏原屋清右衛門板。
【備考】分類「百人一首」。『女万歳宝文庫』は、女用文章と百人一首を本文に種々の挿絵や記事を盛り込んだ往来物・百人一首。口絵に桜花や雪中梅・冬牡丹等の図(色刷り)、前付に「和歌三神」「大中姫・衣通姫・草香幡梭姫(クサカノハタビヒメ)・小式部内侍ほか小伝」「十種香きく事」「四民女いとなみ草」「七夕のゆらい」「七夕の歌尽」「六玉川」「貝桶の図説」「御厨子・黒棚」「婚礼略式」「女小学五章」「熱田縁采女之事」「照田姫之事」「千代能姫之事」「周防内侍之事」などを掲げる。また、本文上欄頭書に「女用文通心得之事」「五色和歌」「五行和歌」「三十六歌仙」「小笠原流折形」「小倉山庄之図」「源氏物語五十四帖引歌」「女手わざ草」「染物之方」「しみ物落しやう」「十二月和歌」「婦人懐妊産後心得之事」「男女相性之事」「相性極秘伝」「女中名づくし」「六十の図」を掲げ、巻末に「暦の中段善悪日之事」「暦の下段善悪日之事」「庚申待之事」「女中大和詞」「裁縫之初り之事」「百人一首よみくせ」などを収録する。
★原装・題簽付き・状態良好。厚冊本。口絵・刊記等色刷り。稀書(全国に所蔵数カ所(国文学研究資料館DB))。★【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、8,800円(改装・題簽欠・並本)〜25,000円】。
5500円 赤穂忠義士四十七人木像写図絵并法号実名辞世和歌行年記/大石内蔵助遺状写[大石良雄遺書]
【判型】行年記:半紙本1冊。縦219粍。遺状写:半紙本1冊。縦231粍。
【作者】不明。
【年代等】行年記:嘉永5年初刊。元治元年2月再刊。[京都]岩屋寺(山科郷西野山村)蔵板。板。遺状写:江戸後期刊。[京都]岩屋寺蔵板。
【備考】分類「記録」。「赤穂義士像」の全絵図と、大石良雄の遺言状の写しを上梓したもの。
★原装・題簽付・状態良好。記名なし・蔵書印なし。2冊とも稀書。
5500円 今川諺解大成[今川諺解](享保13年)
【判型】大本1冊。縦249粍。
【作者】山岡元隣(而慍斎・而媼斎)注か。
【年代等】元禄2年作・初刊([京都]永原屋孫兵衛(中村孫兵衛・昌陽軒)板)。享保13年11月再刊([京都]長谷川正右衛門板)。
【備考】分類「往来物」。『今川諺解大成』は、『今川状』の初期注釈書の一つ。本書を山岡元隣注『今川抄』と見なす説もあるが確証はない。本書以前に脇野光正注、寛文13年刊『今川諺解大成(今川之抄増補)』が存在するため、少なくとも江戸前期刊本で3種以上の注釈書が存在したことになる。底本は『今川状』の本文を51段に分かち、それぞれ大字・6行大・無訓で記して細注を施す。注釈文は本文より若干字下げし、さらに要語を四角で囲むなど、読みやすさにも工夫を凝らす。施注内容は、類書中でも群を抜く精密さで、享保13年にも再刊されるなど考証的な注釈書として江戸中期に広く行われたと見られる。『下学集』『字彙』『事物紀原』『説文』『字訓字彙』『残儀兵的』『尉繚子』『帝範』『徒然草』『定家卿小倉問答』『梵網経』など和漢の諸書を引きながら、『今川状』の書名の由来から各条の要語の語意・典拠・故事等を詳述する。また、巻頭に「今川了俊系図」と了俊の和歌一首を掲げる。
★改装・題簽後簽・状態並み(小虫補修)。記名あり・蔵書印なし。稀書(全国に所蔵数カ所(国文学研究資料館DB))。
5500円 近道子宝[近道子宝知恵袋・童子智恵嚢](仙台板・陸前板の2冊)
【判型】大本2冊。縦249・262粍。
【作者】平井自休作。
【年代等】嘉永5年板([仙台]菅原屋安兵衛ほか板)と文久元年板([陸前若柳]鈴木屋善蔵板)。
【備考】分類「往来物」。『近道子宝』は、手習い初学者に必要な衣食住・職業などの基本語彙と心得を綴った往来物。「童部(わらんべ)の時早く習しるへき事あり。先(まず)上をは天という、下をは地と云。月日の出る方を東といふ…」で始まり、天地・四方・四季・年号・十干十二支・日本国名・地形・生物・幼少時の通過儀礼・学習上の心得(学習すべき往来物として『手習状(初登山手習教訓書)』『実語教』『江戸往来』『今川状』『庭訓往来』を挙げる)・布帛・衣類・食物・住居・武士用字・百姓用字・職人用字・商人用字・町人の利・神儒仏・芸能・禁制(童蒙にふさわしくない遊び)・富裕者になるまじないと倹約の誓い、の順に語彙や心得を列記する。初刊本は大本1冊で大字・3行・付訓の手本用に記すが、後続の諸本は頭書に絵抄や関連記事を付す。また、本書は江戸・仙台・山形など東日本のみで板行・普及したのが特徴で、上方では『近道子宝』の書名での出版例はなく、京都では享保15年刊『示童宝鑑』、大阪では明和5年刊『寺子宝久種(寺子幼訓往来)』などの改編版が上梓された。このほか江戸では、本書の改編版『早道童子宝』が明和以降に刊行されている。また、本書は基本語彙の学習に適していたことから、明治6年刊『〈文明捷径〉子宝習字章』、明治初年刊『〈開化〉近道子宝』など明治期の往来物にもしばしば模倣された。
★原装・題簽1冊付・状態並み(汚損・疲れ)。記名なし・蔵書印なし。陸前板は特に珍しい。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、同板の陸前板が、19,750円。仙台板が、11,000円】。
5500円 御成敗式目[御成敗式目絵鈔](天明3年・仙台板)
【判型】大本1冊。縦261粍。
【作者】北条泰時ほか作。小槻伊治(宿禰)跋。
【年代等】天明3年夏刊。[仙台]伊勢屋半右衛門(墨雲堂)板。
【備考】分類「往来物・法制」。貞永元年7月制定、同8月に公布された鎌倉幕府の基本法典。頼朝以来の慣習法や判例などに基づいて、御家人の権限・義務、所領の訴訟等について成文化したもの。全51カ条だが、現存の条々は随時条文の合併や追加が行われたものと思われる。執権・北条泰時が中心となり、評定衆代表11名が加わって編纂にあたり、泰時・北条時房および評定衆全員が起請文に連署して公布した。政治・行政の規範として古来より公武において尊重・研究され、特に武家社会においては必須の教養として、中世より読み書きの手本に多用された。現存最古の鎌倉中期写本など古写本だけで20種以上あり、注釈書についても既に鎌倉時代に六波羅奉行・斎藤唯浄の正応2年書『唯浄裏書』や、幕府評定衆・二階堂是円の正和元年書『是円抄』(逸書)等が成立した。一方、刊本では大永4年12月板(小槻宿禰跋)が最古本だが、次の享禄2年8月板とそれに続く慶長板は、近世に夥しく流布し刊本の源流となった。近世以降は、庶民の手習い用にも広く用いられ、手本・読本用で約190種のほか、天文3年刊『清原宣賢式目抄』(古活字版)、寛永21年刊『式目抄』、寛文9年刊『貞永式目諺解(御成敗式目諺解)』、杉村次兵衛注・元禄6年刊『〈頭書絵抄〉御成敗式目』、元禄12年刊『式目諺解』、高井蘭山注『御成敗式目証註(詳解)』など約25種の注釈書が刊行されるに及んだ。
★原装・題簽欠・状態並み。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、仙台板が、30,550円(天明板・題簽欠)〜33,000円(文政板・題簽付)】。
6000円 〈新発明・実地経験〉染色法
【判型】半紙本1冊。縦226粍。
【作者】児島栄太郎作。
【年代等】明治20年11月初刊。明治28年2月再刊。[東京]大川錠吉板。
【備考】分類「染織」。簡便で実用的な化学的な染色法を普及させるために、作者が「多年の苦辛と数多の実試とを以て化学上より発明した」様々な色の染色法を解説した書。第1種「紺色染液(コンイロソメシル)製造法」、第2種「緋色染液製造法」、第3種「間色染液製造法」、第4種「絹布を黒に染揚る法」、第5種「木綿を黒に染揚る法」、第6種「絹と木綿を同じ法にて黒に染揚る法」、第7種「木綿を紅に染揚る法」、第8種「友禅染揚法」、第9種「木綿に種々の形を附る法」、第10種「木綿を赤にて種々の形附る法」、第11種「絹及びフクリン地へ日の丸を染め抜く法」、第12種「同品へ種々の形附法(カタツケホウ)」、第13種「染業者の注意四項」の13項について説明し、巻末に染色上の秘訣15カ条を記した「秘法十五法」を載せる。なお、巻頭に各種紋様の刷り見本や色見本を掲げる。
★原装・題簽付・美本・色刷り口絵6丁。記名なし・蔵書印なし。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、6,300円〜15,750円(題簽欠)】。
6000円 節倹論[士太夫節倹論]
【判型】大本1冊。縦261粍。
【作者】竜草廬(武田鳳鳴・竜公美キミヨシ・武田竜・子明・呉竹翁)作。山崎士璋跋。
【年代等】寛政3年夏、上林元禎(世吉・菟道)序。寛政3年8月刊。[京都]林伊兵衛原板。[京都]永田長兵衛後印。
【備考】分類「経済・教訓」。学問を修めた知識階級の人が守るべき節倹の心得を述べた書。まず「論足財之道只在節倹」と題して、節倹(倹約)が足財の道の基本であることを説き、続いて節倹の具体的な実践方法を「守倹ノ件目」として「悪衣服」「菲飲食」「?第宅」「遠色」「罷饗応」「不請君臨我家」「減臧獲」「諸器械・馬具・駕輿等不可改作之」「勿求諸玩器・古画・名墨之類」など22項目を列挙して解説する。この22項目が「守倹之提綱」であって、家庭においても一国においても、この基本は替わらないと述べて締め括る。
★原装・題簽付・状態並み(小虫補修)。記名なし・蔵書印なし。稀書(全国に所蔵数カ所(国文学研究資料館DB))。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、12,000円】。
6000円 〈百人一首・女躾方〉女要小倉文台(文化8年) ★ゆうパック着払い
【判型】大本1冊。縦260粍。
【作者】不明。
【年代等】文化8年8月再刊。[大阪]塩屋平助板。
【備考】分類「百人一首」。本文に「女用文章」「百人一首」を収録したもの。巻頭に「花短冊・花色紙」の図(色刷り)を掲げ、前付に「和歌の初の事」「歌貝(歌かるたの事)」「貝合の事」「機織の由来」「縫針の事」「神功皇后」「衣通姫」「小式部内侍」「和泉式部」「小野小町」「紫式部」「小野頼風」「今出川近衛」「滝口横笛が事」「何がし大納言殿より御息女へおくり給ふ御消息」「万裁物寸法の図」「逢坂山従三位為子」「斎宮女御」「儀同三司母」「小式部内侍」「江侍従」「雛遊之図」「雛遊之由来」を始めとする多彩な記事を載せる。また本文上欄に「万染物の事」「歯黒の事」「文字濫觴之事」「琴のはじめの事」「碁・双陸初の事」「女眉そる事」(以上「女用文章」上欄)、また、「和歌三神」「五節句の由来」「婚礼式法」「祝言床かざりの事」「懐胎養生之事」「三十六歌仙」「茶の湯之事」「香道之事」「奇南(キャラ)の名」「たきもの之方」「女中大和言」「あらひ粉の方」「にほひ袋之方」「七夕歌づくし」「小笠原流折形」「秘伝男女相性善悪之事」、巻末に「琴名どころ・三味線の名どころ」「ちしごくりやう・不成就日の事・願成就日の事」などを載せる。
★原装・題簽付・状態概ね良好(表紙やや傷み、巻末一部やや汚損、本文2丁下角数p破損)。刷り良好。記名なし・蔵書印なし。稀書(全国に所蔵数カ所(国文学研究資料館DB))。
6000円 女教百人一首合鏡(江戸後期刊) ★ゆうパック着払い
【判型】大本1冊。縦252粍。
【作者】松川半山画。
【年代等】江戸後期刊。刊行者不明。
【備考】分類「百人一首」。本文に「女用文章」「女大学」「百人一首」を収録したもの。巻頭に「子の日の小松引き」の図(色刷り)と、「摂州住吉社図」「女子諸芸図」「名所六之川」「産前産後心得之事」「名所六之山」「当流しつけ方」「竪文ちらしぶみ認やう」を掲げる。また本文上欄頭書に「鏡の由来」「神功皇后・尼将軍・形名が妻・田道が妻鎌田が妻・新田忠常が妻ほか小伝」「おしへぐさ」「母親読入前教訓の事」「婦人経閉」「裁縫早学」「日本月令筌云」「夫婦の縁」「縁談の仲人」「結納の小袖積やう」「迎小袖積やう」「結納の事」「輿請取渡しの事」「打合儀式之図」「夫へ女の持参物の事」「本式饗膳之図」「婚姻之図」「聟入五百八十餅之事」「嫁舅へ見参之事」「むこ入之事」「着帯」「産道具」「色直し」「喰初」「髪置」「袴着」「婚礼祝儀の文・安産悦文ほか例文」「小笠原折形尽」「源氏短歌」「女用礼式折形集」「安産心得の事」「日和の晴降を知事」「妙薬」「染物染やう伝授」「しみよごれおとしやう」「文封じ様脇書」「十二月書かへ名の事」「五性名づくし」「四季衣裳の事」「嶋台の事」「鏡の由来の事」「文字の由来」「色紙の事、同書様」「短冊の事、并書様」「七夕歌づくし」を載せ、巻末に「百人一首よみくせ伝」「男女相性事」「五性相性名頭字」「十二月異名略」「六十図」掲げる。
★改装・題簽付・状態並み(表紙やや傷み)。刊記欠。記名なし・蔵書印なし。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、11,000円〜33,000円】。
6000円 秘伝衛生論[秘伝大人小児衛生論](前編・文化9年)
【判型】大本2巻2冊。縦257粍。
【作者本井(もとい)子承(ししよう)(本井伊左衛門・頴川・遙重(はるしげ))作。
【年代等】寛政6年序。寛政7年1月、田中陳介跋。寛政7年5月初刊([大阪]著者蔵板、敦賀屋六兵衛売出)。文化9年1月求板。[大阪]加賀屋善蔵板。
【備考】分類「医学」。子供から老人までの回虫症に関する代表的な医書。序文で、子供から大人まで回虫症によって多大な健康被害を受けるにも関わらず、その恐ろしさを知らない者が多いため、「蛔虫(むし)にておもてへしれざる病を見分、早く治せし」事例に基づき、回虫症の早期発見・早期治療の秘訣をまとめた書で、これらを心得ておけば小児の難病や大人の夭折の愁いを免れるだろうと述べる。乾坤二巻に分かち、乾卷は「小児無事に育(そだつ)伝之事」以下9章で、蛔虫症の恐怖、腹部外観による見分け方や駆虫薬、子供の回虫症の前兆と予防法・治療法などを述べる。また、坤卷は「男女大人老人蛔蟲おもてえ不知(しれず)、急に害をなす事」以下5章で、主に成人の回虫症の症状・対処法・治療薬等を医書からの引用や種々の症例を交えて記す。なお、『教訓童草』巻末広告に「秘伝衛生論、伏田井先生著、全二冊、古人の医書にもれたる秘伝をあつめ、腹中の虫をさり、諸(もろもろ)の病根を断(たつ)法、及び疱瘡のまじなひ、小児を育(そだつ)るよりして大人に至るまでの養生、及び、妙薬配剤の加減をことごとくしるし、諸人の助(たすけ)とす。医に乏しき辺鄙には殊更必用の書なり」と記す(「伏田井先生」については未詳)。別本の書籍広告には「〈大人小児〉秘伝衛生論、全二冊/此書は古来医書に漏たる秘伝を集て、専ら小児を無事に育てしめんことを要とし、一切病根たる蟲を治し、又、疱瘡まじなひ、或は薬法・配剤等都而(スベテ)男女とも出生より大人にいたる療養の専術を著す」とある。
★原装・題簽付・状態概ね良好(一部シミ・傷み)。記名なし・蔵書印なし。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、前後編4冊が、73,500円】。
6000円 六諭衍義大意(安政4年・奥州白石・石津屋板・2種)
【判型】大本1冊。収録順に縦265・267粍。
【作者】室鳩巣作。
【年代等】弘化4年2月、横山友輔序。安政3年冬、菊地某(石津屋)跋。安政4年1月刊。[奥州白石]石津屋重郎左衛門(静情堂)施板。
【備考】分類「往来物」。同板別本も抄録した。本書は、奥州白石の農夫、菊地某(石津屋重郎左衛門・静情堂)が自ら上梓した私家版・施印の『六諭衍義大意』。跋文によると、天保年間の初め頃に『六諭衍義大意』の上梓を志したという。その様子を「『六諭衍義』を梓にのぼせ、普く世に施して童子等に忠孝の道を教へんとする事既に七年におよびぬ」と記す。しかしながら、独力では広大な陸奥国に行き渡らせることは困難なので、まずは刈田(カッタ)郡(現在の宮城県白石市・蔵王町・七ヶ宿町)に各村10冊ずつ配布し、その他の郡にも速やかに送る旨を伝えたが、もし私の志を助けようという人がいたらぜひ協力して欲しいと訴えている。『六諭衍義大意』は、享保6年刊『〈官刻〉六諭衍義』とともに将軍・吉宗の命によって庶民教化用に編まれた官刻の往来物。享保6年板は荻生徂徠が程順則本『六諭衍義』(『六諭』は、明の太祖・洪武帝が洪武31年(1398)に発布した『教民傍文』41カ条中の「自治章程」の1条で、「孝順父母」「尊敬長上」「和睦郷里」「教訓子弟」「各安生理」「母作非為」の6項に及ぶ庶民の生活心得)に訓点を施しただけのものであったが、さらに平易な仮名書きの教訓書として編まれたのが『六諭衍義大意』である。『六諭衍義』のうち当代の実情に合わない「律例(法度の箇条)」と「古人の事跡」を省いて、その「大略をとりて、和語をもて、是をやはらけ」たと編集の経緯を示す鳩巣の自序(享保7年2月)および自跋と「大意」本文のみで、『〈官刻〉六諭衍義』に収録された竺天植序、范メ序、范メ跋、程順則跋などは全て省かれた。
★原装・題簽付・美本。記名なし・蔵書印なし。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、12,000円】。
6000円 喫茶養生記(複製)
【判型】大本2巻1冊。縦271粍。
【作者】明庵栄西(明庵ミンナン)作。
【年代等】承元5年作。建保2年再編。複製本は、鎌倉同人会編(かまくら春秋社、昭54年刊)。
【備考】分類「茶道」。鎌倉・寿福寺蔵本の複製本(限定880部)。解説本を欠く。『喫茶養生記』は、喫茶の薬効を説いた書。上下2巻。茶書としてはわが国最古のもの。著者は建仁寺(けんにんじ)開山栄西(えいさい)禅師。初治本は1211年(建暦1)、再治本は1214年(建保2)に成立。上巻には茶の生理学的効能を説く「五臓和合門」を叙し、下巻には鬼魅(キミ)を駆逐する桑の病理学的効能を説く「遣除鬼魅門」を叙す。茶と桑の薬用効能をあわせ説いたところから、室町時代には「茶桑経(チャソウキョウ)」ともよばれ、それはおりしも茶の湯成立期にあたり、本書が茶書として関心をもたれたことを例証して興味深い。なお1214年2月、将軍源実朝が二日酔いで苦しんだとき、茶一服とともに「茶徳を誉める書物」としてこの書が献じられた条が『吾妻鏡』にみえる(コトバンク)。
★原装・題簽付・状態良好。布張り装丁。解説欠。記名なし・蔵書印なし。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、複製本が、13,200円〜25,000円】。
6000円 後千字文
【判型】大本1冊。縦261粍。
【作者】安井其名作・序。林鳳谷(子恭・士恭・松風亭・藤原信言)跋。
【年代等】宝暦6年春自序。宝暦6年5月、林鳳谷跋・刊。[京都]明井仁右衛門板。
【備考】分類「往来物」。周興嗣『千字文』にならいつつ、同書に未使用の漢字で綴った異本『千字文』の一つ。「乾坤柔剛、穹蒼蕩茫、清風掃殀、北斗占祥…」で始まる文章で、天地、自然、万物、中国古代からの歴史・聖賢・文化、故実、人倫・教誡等を述べる。本文を楷書・大字・3行・所々付訓で記し、各行の左側に適宜注釈を施す。
★原装・題簽後簽・状態概ね良好(一部シミ)。記名あり・蔵書印なし。稀書(全国に所蔵数カ所(国文学研究資料館DB))。
6500円 〈万宝大成〉女用文綾錦(宝暦12年)
【判型】大本1冊。縦255粍。
【作者】西村末昭(恵十・収雷堂・一茎舎・恵十郎)書。
【年代等】宝暦12年8月跋・刊。[江戸]奥村喜兵衛板。
【備考】分類「往来物」。底本には宝暦12年の跋なし。宝暦12年刊『女用文立田川』の増補・改題本で、標記書名は巻末広告に「女用文綾錦、一冊出来」とあることや奥村喜兵衛蔵板書目(広告)により推定。『女用文立田川』の前半部に、「春のとくたる事、一夜を隔てこゝろ新玉り…」で始まる新年祝儀状から歳暮祝儀状までの短文の女文20通を増補したもので、末尾に「にし村恵十書(花押)」の署名がある。全て大字・稀に付訓の散らし書きで綴る。頭書には、「初春の文章」「久敷逢さるかたへ遣文章」「雪ふりに遣す文章」など19通の例文を始め、「小笠原流折形」「五性名頭」「裁物口伝」「縫物乃しなん」等の記事を載せる。この前半部分は宝暦頃刊『女今川春錦』中にも合綴されている。また、後半部分は宝暦12年書・刊『女用文立田川』に同じで、本文は「婚礼祝儀状」から「歳暮祝儀状」までの女文24通を、多く無訓の散らし書きで記す。例文は、帯祝い礼状、初対面での馳走の礼状、短冊に揮毫を頼む手紙、男子出産の祝儀状、重陽の節句祝儀状など親しい者との手紙が主である。頭書に「大和めぐり(やまと往来)」(『わかみどり』上巻とほぼ同内容)」「隅田川往来」の2つの往来と女子消息文(「春の文」〜「移徙祝儀の礼状」の17通)を収録する。
★原装・題簽付(書名題簽は一部存)・状態良好。記名なし・蔵書印なし。安永9年板(仙台板)とは全くの異本。稀書(他に所蔵無し(国文学研究資料館DB))。
6500円 学問関鍵
【判型】大本1冊。縦272粍。
【作者】伊藤東涯(源蔵・源蔵)作。
【年代等】享保15年作。元文2年春、菅原家長序。元文2年3月、奥田士亨(シコウ、嘉甫・宗四郎・三角・三角亭・蘭汀)跋。元文2年4月刊。[京都]瀬尾源兵衛(奎文)板。
【備考】分類「漢学」。伊藤東涯の初学者に学問の大旨を懇説した書。『学問関鍵』は享保15年成立で、東涯晩年の著作。刊行は元文2年。書名の示す如く学問の主眼点を明らかにしたもので、仁斎・東涯の学問観を簡潔に述べている。その主張するところは、「理は一般なるものにて、聖人より凡夫に至るまですこしもかはることなし。気のうけやう同からざるに因り、聖人の徳は清明純粋にして、すこしのまじはりなく、愚不肖なるものは、昆濁遅鈍にして、その理あらはれ難し。これを気質の偏と云」「又人たるもの生出て形気を具るときは、耳・目・口・鼻の欲あり。(中略)その欲熾盛にして、本性をおほひくらますに因て本来の天理を取失う。これを物欲の蔽と云」とある「気質の偏」「物欲の蔽」を取り除き、「虚霊不昧」という純粋な形而上的境地に立ち、尭舜聖賢と一体になるのが学問の本道である、というに存する。また、天地万物の理を極める格物窮理の道と、前者「虚霊不昧」の境地を綜合し、これを「居敬窮理」と称し、学問の本道はここに尽きるという。専ら古の聖賢の道にもどり精進すべきを説き、学問への姿勢・態度を論じたもので、学問の本質論ではない。門人、奥田士亨の跋文、菅原家長の序文を付す(「日本古典文学大辞典」参照)。
★改装・原題簽付(一部破損)・状態並み(小虫補修)。欄外余白に注記多数。記名・蔵書印あり。
7000円 〈新板〉早引定紋鑑[早引定紋鑒](江戸後期・原装)
【判型】横本1冊。縦110粍。
【作者】不明。
【年代等】天保3年7月刊([名古屋]寿永堂板)。江戸後期刊([大阪]塩屋喜助ほか板)。
【備考】分類「紋章」。本書は、約120種の紋章を本紋名のイロハ引きで配列した紋章辞典。凡例に「本紋・替紋とも古来名目正しきものを集めて、殊に名もなき異変の紋を載すといへども、狂紋・伊達紋の雅なるものはまゝ是を撰む」と述べ、紋章を幅広く集成したもので、替紋等は本紋に続けて掲げてあるため、紋章の基本形で類似する紋章も検索できるようになっている。また、紋名には▲●○の記号で、紋を描くときの割り方を示す。また、巻末に「名頭篆字・角字・八分」「源氏香の図」「増補地紋割」「紋割方の伝、并ニ渇楕(コッタ)円角字の割」「大小相応地割の伝」「紋所誂請取心得の事」「紋所切方の伝」を収録する。
★原装・題簽付き・状態良好。記名なし、蔵書印あり。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、5,500円(天保板・表紙傷み)〜15,270円(江戸後期・無刊記本)】。
7000円 法華初心要学論[初心要学論] ★ゆうパック着払い
【判型】大本2巻2冊+別本端本1冊。縦250粍(別本端本は269粍)。
【作者】日題(蓮華院)作。
【年代等】宝永2年10月初刊([京都]栗山弥兵衛板)。江戸後期後印。刊行者不明。
【備考】分類「日蓮」。初心者が抱きやすい、仏教に関する種々の疑問や、仏教諸宗における日蓮宗の優位性、さらに日蓮宗の主要法門について問答形式で諭した書。上巻は「第一、儒仏勝劣之事」から起筆し、儒仏の二道は車の両輪の如きものであり、儒者の排仏は末学(バツガク)の勝手な主張であること、「儒法は現世一旦の五常の道」のみを説くものだが、現世における同様の教えは仏教にもあり、何よりも来世について説かない儒教は、的(目当て)なしに虚空に弓を引くようなものであると指摘する。そして、仏法も本来「一仏の所説」であるが、小乗・大乗、権教(ゴンキョウ)・実教などの勝劣・邪正があるため、以下にその旨を段々と説き明かすと述べる。続く「第二、儒道に三世を明かさざる故に、現在の理に於いて済まざる義有る事」以下を問答形式で展開していく。以下、「第三、後生実有之事」から、「第八、真言宗は亡国の邪法なる事」までを上巻で述べ、下巻では「第九、仏滅後、邪師・正師有るべき証文文明なる事」から、「第十八、成住壊空の四劫の事」までを説く。
★原装・題簽付・状態良好(後印)。記名なし・蔵書印なし。稀書(全国に所蔵数カ所(国文学研究資料館DB))。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、江戸期刊本が、13,200円〜33,000円】。
7000円 鑑草(絵入本・延宝3年) ★ゆうパック着払い
【判型】大本6巻合2冊。縦253粍。
【作者】中江藤樹作。
【年代等】正保4年8月初刊(京都]風月宗知(庄左衛門初世・風月堂・沢田氏)板)。延宝3年改刻([京都]福森兵左衛門ほか板)。
【備考】分類「教訓・往来物」。本書は正保板の内容に挿絵を増補し、版式を一新させた改刻本。『鑑草』は、全6巻で、説話の大半を明の顔茂猷編『迪吉録』に取材し、また、李氏朝鮮世宗14年(1432)刊『三綱行実図』や『劉向列女伝』等から抄出した説話を引きながら、因果応報の道理を平易に説いた仮名書きの女訓書。幸福の源泉を「明徳・仏性」に求め、この「明徳・仏性」の修業の鑑として、巻1「孝逆之報」、巻2「守節背夫報」、巻3「不嫉妬毒報」、巻4「教子報」、巻5「慈残報・仁虐報」、巻6「淑睦報・廉貪報」の八報について述べる。孝行と不孝の因果論や舅姑への孝、夫への貞節、嫉妬の戒め、明徳・仏性教育、継子への愛、下僕への憐愍、姑・小姑との和睦などについて儒仏両面から平易に説く。いずれも最初に総説を掲げ、続いて、適宜評言を加え、中国先賢等の略伝を多数紹介する。正保板は本文をやや小字・11行(割注は22行)・付訓で記すが、延宝板では、行数を増やして12行に改めた。正保4年板を最初として、万治2年板・寛文9年板・延宝3年板・天明元年板・寛政元年板と版を重ね、延宝板からは絵入り本も普及した。また、本書を抄訳した元禄7年刊『女教訓文章』、享保14年刊『女家訓』およびその改編本である安永10年刊『本心近道真一文字』など、本書の影響下に生まれた往来物も少なくない。
★改装・題簽欠・状態並み(小虫・疲れ)。記名なし・蔵書印なし。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、刊年不明2冊本が、12,000円】。
7500円 〈異理和理〉安者世鏡[異理和理合鏡]
【判型】半紙本3巻3冊。縦225粍。
【作者】増穂残口(源最仲(モナカ)・十寸穂(マスホ)最仲・似切斎)作。中路定年画。
【年代等】正徳6年初刊。享保4年7月再刊。[大阪]山本九右衛門板。
【備考】分類「思想」。本書は、儒者や仏者が神道を我田引水して世を乱していることに対して、その誤りを正したもの。残口流の儒仏批判がもっとも発揮された書である。神道教化の手段として、各神社に神像を設置すべきとの主張が、残口流の真骨頂であるが、同じ神道者からも攻撃されるほど、当時から賛否両論があった(『愛媛大学図書館 鈴鹿文庫貴重書展(展示解説)』(平成30年)参照)。
★原装・題簽付・状態並み下(虫損補修)。記名なし・蔵書印なし。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、45,000円(3巻合1冊改装本)】。
8000円 百人一首峯のかけはし[百人一首峯梯]
【判型】大本2巻2冊。縦260粍。
【作者】衣川長秋作。本居大平・佐治景嶺・刑部卿貞直(富小路貞直)序。大杉繁跋。
【年代等】文化2年1月佐治景嶺序。文化3年3月刑部卿貞直序。文化3年8月刊。衣川長秋蔵板。[京都]河南儀兵衛ほか売出。
【備考】分類「和歌・注釈」。巻末広告に「此書ハ、百人一首ヲ俗言ニテトキシルシタル書ナリ」とある。百人一首の注釈書。口語による解釈を付す。例(最終歌)「人ノ家ノ年経テアレタル軒端ナドヘハエル草ヲ忍ブ草ト云ガ又昔ノコトヲ思ヒ出シテイロイロ思フコトヲシノブト云ソコデコノ内裏ノ御殿ノ古キ軒端ノヤウスヲ見テカノシノブ艸ト云艸ノ名ノトホリニ昔ノコトヲイロイロ思フテ見テモ思フテ見テモマダソンナコトヂヤナイモウギヤウサンナホドイロイロ思ヒ出スコトガアルコトヂヤワイ」(西尾市岩瀬文庫・古典籍書誌DB)。
★原装・題簽付・美本。記名なし・蔵書印あり。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、2冊揃いが、9,900円〜18,330円】。
8000円 をしまのとまや[をじまのとまや・雄島乃苫家]
【判型】大本2巻2冊。縦258粍。
【作者】細井平洲(紀徳民キトクミン・細井如来ジョライ)作。
【年代等】明和8年8月作。天保2年11月、細井徳昌序。天保2年刊。明治33年1月、小栗半右衛門跋。明治33年3月刊記。明治33年夏、山本駒(梅荘)跋・再刊。[愛知県半田町]小栗半右衛門蔵板。[愛知県半田町]嚶鳴館遺稿発行所売出。
【備考】分類「紀行」。明和8年、上杉鷹山に招かれた細井平洲が笹谷を越えて松島に遊んだ時の和文の紀行文。所々に和歌などを取り入れ、優雅な筆跡で綴る。明和8年8月の作で、天保2年に子息の徳昌が編集して出版した。底本はその版木を用いて明治期に再刊されたもの。
★原装・題簽付・状態概ね良好(ややシミ)・書袋付。記名なし・蔵書印なし。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、10,000円〜20,000円】。
8000円 〈花王〉伊勢物語絵抄[〈増補絵抄〉花王伊勢物語](宝暦13年)
【判型】大本1冊。縦256粍。
【作者】長谷川千四編。長谷川光信(永春・庄蔵・松翠軒・柳翠軒・梅峯軒)画。
【年代等】享保6年5月初刊([大阪]雁金屋庄左衛門板)。元文3年5月再刊([大阪]安井嘉兵衛板)。宝暦13年9月再刊([大阪]渋川大蔵板)。
【備考】分類「物語・往来物」。袋綴じ展開収録(見開き図再掲)。本書は、『伊勢物語』を本文に据え、多くの挿絵を配置し、さらに巻首や頭書に種々の記事を盛り込んだ往来物。『伊勢物語』本文をやや小字・11行・無訓で記し、所々に細字の略注を付す。また、本文の各場面を描いた挿絵(大和絵)20数葉を掲げる。巻頭に平安貴族の風俗画や「春日明神」「三輪明神」「琴由来」「婚礼道具」、また頭書に「小笠原流折形図」「婦人嗜種并貝合和歌読法」「六歌仙」「大和物語抜書」「百性いとなみ種」「女中髪の結い様」「五節句之次第」「大和言葉」「硯・筆・墨因縁」「女中身嗜之次第」「鳥の字づくし」「立花指南抄」等の記事を載せるが、これらは先行諸書の往来物類の模倣と思われる。なお、本書の改題・改訂本である『伊勢物語女訓大全』(1冊)、『伊勢物語教訓文』(2冊)の2種が宝暦13年、[大阪]升屋大蔵(渋川大蔵)から刊行されたが、前付・頭書の随所に改訂が加えられている。
★原装・題簽付・状態並み(一部小虫・汚損・補修)。記名なし・蔵書印あり。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、元文3年板が、80,000円】。
8000円 〈孝貞教訓〉郡玉百人一首千歳宝 ★ゆうパック着払い
【判型】大本1冊。縦259粍。
【作者】文海堂序。池田東籬亭書。松川半山画。
【年代等】天保14年刊。[大阪]河内屋茂兵衛ほか板(刊記は他の往来物の流用か)。
【備考】分類「百人一首」。本文に「女子口教(女前訓躾種)」「女今川」「隅田川名所」「百人一首」「女大学」「女用文章糸車」を収録した厚冊本百人一首。付録記事も多数。巻頭に色刷り口絵数葉。
★原装・題簽付・状態概ね良好(一部シミ・表紙やや傷み)。色刷り模様表紙。口絵数葉色刷り。厚冊本(厚さ5p以上)。記名なし・蔵書印なし。
8500円 女要大成小倉麓 ★ゆうパック着払い
【判型】大本1冊。縦252粍。
【作者】田中友水子編。北尾雪坑斎画(文化5年板は、石田玉山(玉峯)画とする)。中谷楮同書。
【年代等】文化5年初刊。江戸後期再刊。[大阪]近江屋善兵衛ほか板。
【備考】分類「百人一首」。彫工、藤村善右衛門。巻頭に牡丹や蝶などの色刷り口絵2葉と目録を掲げ、前付に「雛祭」「伊勢御」「行成卿息女」「染殿后」「花洛(ミヤコ)・東都(エド)・浪華・崎陽(ナガサキ)女性風俗図」「三十二相之事」「公家・武家・百性・町風・同娘風・商人室・職人妻・婢・神職・後室・尼・妾女(テカケ)・傾城風俗図」「慶賀和歌絵抄」「婚礼之事」「衣桁飾之事」「女三十六人歌仙絵」「三十六人歌仙絵」「貝おほひの事」「御厨子之図」「黒棚之図」「歌がるたの事」「四季景物之歌」「色紙短冊之事」「雛祭の事」「女中調度八景」「縫物口伝」「いろは教訓歌」「六歌仙」「和歌三神」等を掲げる。また、本文上欄頭書に「紫式部・小野小町・西行法師・津守国基・千代女・勾当内侍袈裟御前・奈良左近が妹・伊賀の局・常盤御前・遊女室君の小伝」「曲水の宴」「諸職八景狂歌」「婚礼仕用の次第」「七夕新歌づくし」「女中いましめ草」「琴・琵琶・三味線の図」「世話いろは新絵解」「三十六歌仙」「蝶花折形之図」「島台・手掛熨斗・押台の図」などを収録する。
★原装・題簽付・状態良好(本文美)。厚冊本。記名なし・蔵書印なし。
8500円 晤語[名島随筆・雙樹落葉]
【判型】大本2巻2冊。縦265粍。
【作者】名島政方(ナジママサミチ、北川政方・秦政身マサミ・桃源・文方・双樹園)作。
【年代等】文政7年1月、後藤古漁聖民序。文政4年11月、柴田以文序。文政9年11月、高橋知周序・刊。[伊勢]雙樹園(著者)蔵板。
【備考】分類「随筆」。「晤語(ゴゴ)」とは、向きあってうちとけて話すこと。主に国学に関する考証随筆。漢字かな交じり。見出し、上巻:五十連音、ん文字、冠辞、あしひき、ひさかた、さゝかね、いろは、旅行以前門出〈附七日を忌〉、真似、道祖神、敏太神社、比佐豆知神社、湯立、煤払、地獄の沙汰も金次第(『現果随録』の類話を引く)、布之津武、幸伊勢国、波多横山、渡唐天神、須利波太古、下巻:長瀬神社、御饌殿、賢木、秋茄子嫁にくらはさす、加太古、天狗、万葉集撰加、赤染右衛門、百人一首、〓{草冠・閭}茹、草頭薬、六代御前碑、葬儀〈附七々日〉、忌日〈附遠忌〉。著者は伊勢国一志郡大村(現・白山町二本木)の医者。天保3年没、享年未詳。津藩士で国学者、高橋知周の序によれば、本書はある年の9月に遠江国の栗田土麻呂(土満)に語った話をまとめたもの。著者は渡会政範の末子。国学を谷川士清に学び、さらに京に出て和漢の学を学ぶ。50歳餘の頃、帰国。津藩の禄を受ける。高橋が一志郡の郡奉行として大村に滞在中、著者と日々交流したという。後藤古漁序によれば、著者の嗣子桃渓は古漁の父(文政5年版『平安人物志』に見える後藤律庵か)の門下で、古漁の父が本書の序文執筆を依頼されたが急逝したため、古漁が代わって書いたもの(西尾市岩瀬文庫・古典籍書誌DB)。
★原装・題簽付・概ね美本(数丁小虫)。記名なし・蔵書印なし。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、28,000円】。
8500円 国会議員百首
【判型】中本1冊。縦187粍。
【作者】伊東洋次郎(洋二郎)編。歌川国英画。
【年代等】明治24年4月刊。[名古屋]三輪静観堂(三輪文次郎)板。
【備考】分類「和歌」。袋綴じ展開収録。同板別本も抄録した。明治中期の国会議員とその詠歌(殆どが和歌だが、漢詩数種を含む)を集めた異種百人一首。「小松彰仁親王」から「有栖川熾仁親王」までの100人の肖像画(多くは座像だが、一部、立像や頭部または上半身の肖像も含む)と詠歌、また、作者の出自・事跡・現職等の略歴や詠歌に関する情報を付記する。
★原装・題簽付・状態概ね良好(一部小虫補修)。記名なし・蔵書印あり。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、7,480円〜35,000円】。
8500円 百人一首倭歌占
【判型】中本1冊。縦174粍。
【作者】不明。
【年代等】江戸後期刊。[江戸]菊屋幸三郎(金幸堂)板。
【備考】分類「和歌・占卜」。前半は半丁に数葉の挿絵と百人一首の和歌数首を配置し、後半で歌占いの方法を説明する。その占い方は、身を清め心を正して神を祈り、目を閉じて百人一首の本を手に取り、他念なく左右に開いて下に置き、和歌のあたりを指さしてから目を開いて見る。押さえた和歌に含まれる「の」の字数と占う時節や年齢を合計して8で割った数字の余りで出た八卦で判断するというもの。巻末には八卦の判断と教訓歌を記す。
★原装・題簽付・極美本。記名なし・蔵書印なし。稀書(他に所蔵無し(国文学研究資料館DB))。
8500円 北里遊戯帖
【判型】折本1帖。縦257粍。
【作者】奥村政信画。
【年代等】明治29年6月、前田香雪序。明治29年9月刊。[東京]吉田金兵衛蔵板。[東京]纐纈(コウケツ)房太郎売出。
【備考】分類「絵本」。奥村政信画の遊女風俗絵本(諸本から集めたものと思われる)。吉原の遊女や浅草・駒形、吉原道土手、吉原馬道、吉原中ノ町、吉原江戸町、吉原二丁目、吉原京町、吉原新町等の風景、また、吉原習俗(初回の躰ほか)の様子などを描いた16図を収録。明治期の小説家・美術鑑定家の前田香雪序文に「この北里遊戯帖は、浅草川を舟にてかよふところより、馬道・日本堤のさたなど、当時の地勢をもうかゞひ知るべきものにて、いと興あり」と記す。
★原装・題簽付・状態良好。記名なし・蔵書印なし。
8500円 五人組御仕置帳[五人組帳前書](特大本・甲州板)
【判型】大本1冊。縦300粍。
【作者】不明。
【年代等】江戸後期刊。[甲州]清泉堂板か(未見だが「甲陽、佐久間環明筆刻」本あり)。
【備考】分類「往来物・法制」。『五人組帳』の前書部分を独立させた手本。後掲『五人組帳前書』とほぼ同じ。類書中では比較的早い刊本で、普及の足跡などから甲州板と推定される。享保10年1月の「御条目」(64カ条)と、「一、御料所国々之百姓御取箇并夫食種貸等、其外、願之儀ニ付…」で始まる「午正月」の1条、さらに、切支丹宗門に関する三カ条の「覚」(寛文4年11月25日)および文政6年の「宗旨御条目」(5カ条)までを記す。末尾に「文政六癸未年」とだけ記して刊行者を明らかにしないが、「御条目」末尾に「甲州何郡何村…」と記すことからも甲州の郡役所等が頒布した甲州板と思われる。なお、本書には異板があり、文政6年板の首題「五人組御仕置帳/条々」2行を「五人組帳前書」1行に改め、さらに末尾の文政6年云々の記載を単に「年号月日」とした改刻本も存する。本文を大字・5行・無訓で記す。なお、特大本の甲州版に文政6年板があるが、無刊年本とどちらが先であるかは不明。
★改装・題簽欠・状態良好。記名なし・蔵書印あり。特大本の刊本は稀書(他に所蔵無し(国文学研究資料館DB))。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、本書と同板の特大本が、63,800円。中本の類書が、15,750円〜50,920円】。
8500円 御成敗式目鈔[御式目鈔](寛政7年)
【判型】大本2巻2冊。縦263粍。
【作者】不明。
【年代等】寛政7年1月刊。[京都]蓍屋儀兵衛板。
【備考】分類「往来物・法制」。『御成敗式目抄』は、大本2巻2冊、また2巻合1冊。『御成敗式目』の注釈書の一つ。類書中の最古の刊本は、寛永21年板豊興堂板)。全51カ条中第30状までを上巻に、第31状以下を下巻に収録し、各条を1段ないし数段に分けて51カ条および末尾の起請文までを詳しく施注(割注)したもの。注釈文を平仮名交じり文で綴ることから一般に『平仮名式目抄』と呼ばれる。また注釈文には随所に清原宣賢の『御成敗式目諺解』の影響が窺われる。本書の系統に属する注釈書は高井蘭山の『御成敗式目証註』に至るまで10種ほどの板種があり、世俗に最も流布した注釈書であった。巻頭に『式目』制定時の時代背景や由来、書名の字義などを記す。注釈本も本文も同一大で、概ねやや小字・11行・所々付訓で記し、注釈文を字下げする。
★原装・題簽後簽・状態良好。記名なし・蔵書印なし。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、類書が、77,000円(江戸前期)】。
9000円 習文録(初編-4編・甲乙判編) ★ゆうパック着払い
【判型】半紙本5編10冊(初-4編・甲乙判編)。順に縦226・222・222・222・223粍。
【作者】皆川淇園(愿・有斐斎)作。
【年代等】初編:安永3年9月、葛西欽序。甲乙判:文化8年8月、和久田寅序。安永3年〜寛政10年初刊。弘化3年4月刊。[京都]菱屋孫兵衛板。
【備考】分類「漢詩文」。李長波「江戸時代における漢文教育法の一考察―伊藤仁齋の復文と皆川淇園の射覆文を中心に―」は次のように説く。『文林良材』「譯文式例」によれば、復文は、要するに、漢文の書き下し文から元の漢文を復元することによって漢文の作文と漢文法に習熟するための漢文教育法のことである。復文を発案し、それを最初に漢文教育に用いたのは、伊藤仁齊だが、仁齋自身、復文の方法について著作を残していない。一方、伊藤仁齋に遅れること約百年、同じく京都で漢学塾を開いた皆川淇園も、「射覆文」と称して漢文作法と漢文法の教育のために復文を用いたことが知られている。その教材を集めて出版した『習文録』(初編〜四編)であり、復文の成績判定の基準となる同訓異義語の意味と用法を詳しく解説した『増訂習文録甲乙判』(上下)が今に伝わる。このように、江戸時代において伊藤仁齋によって考案され、漢文教育法として用いられた復文であるが、明治十八年に始まる旧制の文部省教員検定試験には少なくとも大正元年から昭和15年まで毎回欠かさず『復文」の問題が出題され、漢文の作文や漢文法にとって、少なくとも戦前までは有効な手段として用いられていた。(中略)皆川淇園も伊藤仁齋、東涯と同じく、和習による語順の誤り、言葉の誤用を防ぎ、漢作文能力の向上を図るために「射覆文」を用いたことは明らかである。しかもここでは、いわゆる和習の原因を、「文字の讀」っまり漢文の訓読に求めていることが注目される。いわゆる和習とは、漢作文の際、漢文としてではなく、ひとまず和訓に基づいて漢文書き下し文のようなものを念頭におき、それを漢文に「訳」すという作業の結果として必然的に起きるものなのである。(中略)淇園の主張のミソは、「唐音」に拠らずして、「本邦の字音」を用いることにある。それを四声に呼び分けて、直読し、それに慣れたら、更に読み下し文になるように意味を取るという方法である。徂徠一派が主張する唐話による漢文教育が、かならず唐話に通じる人の指導なしでは実行できないという非現実的な問題点を鋭くつき、それをより現実的なものとして考案したものである。(中略)皆川淇園は、『功過格』『何氏語林』『智嚢』『知嚢補』『尚書故實』『三國典畧』『舊聞記』『龍城録』『明皇十七事』『語林』『康濟譜』『二酉委譚』等々、随筆小説類に広く題材を求めている。これは伊藤仁齋、東涯父子と、彼等から復文の方法を踏襲している皆川淇園との間の大きな違いとして注目される。(中略)皆川淇園が伊藤仁齋、東涯父子から「復文」の法こそ踏襲しているものの、その内実はすでに独自の文章観によって充たされ、しかもその文章観とて古文辞の学と一線を画していることを見ることができる。『習文録』(初編-4編)には、各編50題ずつ例題が収められているので、その数は全部で200にも上る。そして、題材を随筆小説に求めていることに関連して、字数は伊藤仁齋の復文より大体100字前後と大幅に減少した。(中略)ここで、伊藤仁齋、東涯父子、荻生徂徠と、皆川淇園を較べて見ると、まず共通して見られるのは、同じく和習を排することを漢文の作文教育の至上命題とすることである。しかし、伊藤仁齋、東涯父子が、「文勢」、r語脈」といっていずれも表現論の域を出ないような問題意識に終始していたのに対し、独り淇園は「文理」を重んじる。淇園の「文酌は文法論の範疇に属するものであり、「文勢」、「語脈」とは自ずから範疇を別にすることは明らかである。そして、荻生徂徠と異なり、皆川淇園はひたすら古文辞を追い求めようとはしない。淇園の関心は、もっぱら「文理」と「文字の貌付キ」、そして言葉を司るところの「神氣」にあった。(中略)「神氣」とは、ただ単に従来詩話において言われるところの「神」と、文についていわれる「氣」を合わせたものでは決してない。この「神氣」は両者を統べるところのもの以上に、日常の言語から文学の言語まですべての言語活動に通底し、それを司るところの精神活動そのものであった。/皆川淇園(1735*-1807)は江戸時代中期-後期の儒者。享保19年12月8日生まれ。「易経」をもとに字義、音声、文脈の関連を研究する「開物(かいぶつ)学」を独創し、門人に教授。晩年に私学弘道館をひらく。詩文、書画にもすぐれた。弟に富士谷成章(なりあきら)。子に皆川篁斎(こうさい)。文化4年5月16日死去。74歳。京都出身。名は愿(げん)。字(あざな)は伯恭。通称は文蔵。別号に有斐斎など。著作に「名疇(めいちゅう)」「淇園詩話」など(コトバンク)。
★原装・題簽付・状態良好。記名なし・蔵書印なし。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、江戸板10冊揃いが、13,000円〜16,500円。明治板が4,800円〜16,000円】。
9000円 蕉窓雑話(1-3編) ★ゆうパック着払い
【判型】大本3編3冊(全5編5冊中)。縦250(初編)・263(2-3編)粍。
【作者】和田東郭(泰純ヤスズミ・璞ボク)作。久保喬徳(タカノリ)・柁谷守清(カジヤモリキヨ)筆記。
【年代等】初編:文政元年12月、服部流謙序。文政4年6月、服部主一跋。文政6年秋刊。[京都]林喜兵衛板。2-3編:弘化3年1月刊。[京都]林喜兵衛板。
【備考】分類「医学・随筆」。和田泰純の医療経験に基づいた多くの主題に渡る講義を, 門人数名が個々に記?し, 服部流謙がそれらを編集したもの(Googleブックス参照)。和田東郭の教えを門人が筆記したもので、講義録風の形式(国文学研究資料館DB)。東郭の医学に関する談話を門人が筆記したもの(西尾市岩瀬文庫・古典籍書誌DB)。「蕉窓雑話」は、東洋医学の専門なら、誰でも知っている名医、和田東郭先生の教えを弟子がまとめたもの。 内容は漢方の処方から患者さんの診かた、患者さんとの話し方、医師としての姿勢など、今でも新鮮に心に響く(『飛訳モダン・カンポウ』広告HP参照)。
★原装・題簽2冊付(1冊欠)・状態良好。1冊入れ本。記名なし・蔵書印なし。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、全5編揃いが、25,000円〜35,000円】。
9000円 忠臣蔵人物評論
【判型】中本1冊。縦178粍。
【作者】畠中観斎(正盈マサミツ・頼母タノモ・胴脉先生・扁屈道人)作。
【年代等】天明元年6月刊。[京都]銭屋惣四郎板。
【備考】分類「伝記・滑稽本」。『忠臣蔵人物評論』は、1冊、滑稽本。扁屈道人作。天明元年、京都・銭屋惣四郎(竹苞楼)刊。内容は、序文に「扁屈道人忠臣蔵を読て、目をむき大きに罵て曰、大星めが大馬鹿、何としてくれうぞ。又莞爾と笑て曰、鷺坂殿の忠信、古今例(タメシ)少し、大に感心々々」というように、師直・大星以下13名の忠臣蔵登場人物を、世評の逆をついて月旦(人物の批評)したもの。例えば、師直の立腹も、「きかぬ薬を飲んでさへ相応の謝礼をするは世上の習はし」なれば、もっともの事とし、大星は家老の重職にある身ならば、この大事を未然に防ぐこそまず第一とし、10カ条の深慮なき点を難じ、かえって伴内をもって「忠臣蔵中第一の忠臣」に据えるなど、諷刺家銅脈先生ならではの皮肉な眼が光っている。なお、文化9年刊、式亭三馬の『忠臣蔵偏痴気論』は、本書を藍本(原典)としたものである(「日本古典文学大辞典」参照)。
★原装・題簽付(一部破損)・状態概ね良好(一部小虫)。封切紙の名残あり。記名なし・蔵書印あり。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、14,000円】。
9000円 女実語教??(「女教訓??」改題本)
【判型】大本1冊。縦263粍。
【作者】居初津奈原作。下河辺拾水画。
【年代等】享和2年1月刊。[京都]鉛屋安兵衛ほか板。
【備考】分類「往来物」。明和3年刊『女教訓??(オンナキョウクンコガネブクロ)』の改題本。本書は、元禄8年刊『女実語教・女童子教』(居初津奈作)の本文に種々の付録記事を満載した女子用往来。本文を大字・5行・付訓で記す。『女実語教』47カ条と『女童子教』128カ条をひとまとめにした175カ条を本文にすえ、元禄板にあった挿絵等を一切削除する一方、元禄板の序文を本書の跋文とし、さらに下記のような付録記事を増補した。すなわち、前付に「伊勢両宮風景図」「京嵯峨風景図」「女中風俗図(「御所風」から「遊女風」まで)」「四計之図」「視聴言動図」「女中教訓之図」「女中名字尽」「男女相性之事」「女言葉づかひ」「女官之称号」「女中文書様」「女諸礼万躾方」「裁もの秘伝」「十種香聞様口伝」「楊枝指仕様秘伝」「教訓身持狂歌」等、頭書に「宝船因縁」「女中身持鑑」「和漢貞女鑑」「五節句錺物図」「十二月倭名并節日由来」「祝言座次第」「盃の次第」「婚礼之法式」「懐胎身持の事」「三十六歌仙」「小笠原流折形」等を収録する。本書は享和2年に『女実語教??』と改題され、京都・鉛屋安兵衛らにより再刊されたが、本書以後、『女実語教』中に『女童子教』を含めて『女実語教』と総称するようになり、さらに原作者(居初津奈)の名も記載されなくなった。
★原装・脇題簽のみ付・状態並み(ややシミ)。挿絵多数。記名なし・蔵書印あり。稀書(全国に所蔵数カ所(国文学研究資料館DB))。
9000円 女寿蓬莱台(天保13年) ★ゆうパック着払い
【判型】大本1冊。縦255粍。
【作者】加藤随応編・書・序。森有煌(春渓)・渓斎英泉画。
【年代等】文政2年11月初刊。天保13年8月再刻。[大阪]河内屋和助ほか板。
【備考】分類「百人一首」。本文に「四季仮名文」「女今川」「百人一首」「女諸礼綾錦」「」「」「」「」を収録した厚冊本百人一首。付録記事も多数。巻頭に色刷り口絵数葉。
★原装・題簽付・状態概ね良好(表紙やや傷み・本文は美)。記名なし・蔵書印なし。巻頭口絵4葉および刊記色刷り。
9500円 開化童子往来(初編)[開化商売往来]
【判型】中本1冊。縦180粍。
【作者】松川半山(翠栄堂)作・画。
【年代等】明治6年刊。[大阪]河内屋茂兵衛(岡田茂兵衛・群玉堂)板。
【備考】分類「往来物」。近世以来の『商売往来』の用語が明治初年の実情に合わなくなったために、近代以後の舶来品などの新商品や商業用語を中心に列挙した往来。冒頭に明治初年に隆盛する貿易港や貿易相手国、続いて世界の海洋・その他地形、船舶(種類・各部の名称)、郵便・電信・交通、府県・学校など新施設、商業・運輸、舶来品の数々を列挙し、最後に文明開化周辺の語彙を掲げて締め括る。当時の日本人に馴染みの薄かった外国製品や海外の鳥獣等については特に図解を交える。本文を大字・四行・付訓で記し、語句の大半に左訓または略注を施す。巻頭に「小学校登校図」(色刷り)を掲げる。なお、本書の色刷の扉と口絵を削除した改題本に『開化商売往来』がある。
★原装・題簽付・状態良好・色刷り口絵入り。記名なし・蔵書印なし。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、16,500円(題簽一部欠落)〜63,800円】。
10000円 〈古今〉増補立花大全[古今増補立花大全]
【判型】半紙本1冊。縦223粍。
【作者】不明。
【年代等】元禄9年1月初刊。[大阪]万屋彦太郎板。
【備考】分類「花道」。2代池坊専好の弟子、十一屋太右衛門作と伝える天和3年刊『古今立花大全』(5巻)は、「立花」と「砂の物」の技法を初めて系統的に理論化した立花花道書の嚆矢となったが、同書は、立花を「たてはな」から「りっか」と初めて呼び改め、立花の構成を真・行・草の花型に分類し、真の花を役枝心(やくえだしん)の直立した儀式的な格式のある花とし、行の花を除心(のきしん)、狂いじんの立花、草を「砂の物」と定めた。さらに従来の七つの役枝に面道具(めんどうぐ)の機能を与え、心、正心から大葉(おおば)、後囲(うしろがこい)、繕之具(つくろいのぐ)に至る9から12の名称を固定、その寸法まで規定して、花型の完成を徹底させている。巻1・真の花型、巻2・役枝の素材による機能、巻3・砂の物や許し物の類、巻4・草木の居処、嫌うべき類、巻5・草木のため方、削り方など、従来の秘伝口伝に属する技法を公開した書であった(コトバンク参照)。『古今増補立花大全』は、同書を参酌・増補した花道書で、「真の花形の事、并、おもて道具つかひわけ」「立花草木しんのかたちの事」「同おもて道具すへやうの事」「しんに用るたぐいの事」「竹のしん一とをり用やうの事」など49項(目次による)を多くの図解を交えて解説したもの。
★原装・題簽付・状態良好。記名なし・蔵書印なし。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、55,000円(元禄板)。端本2冊(2・3巻*天和板か)が、8,000円】。
10000円 絵本忠孝美善録(前後2編10冊) ★ゆうパック着払い
【判型】半紙本前後2編10冊。縦222粍。
【作者】池田東籬(東籬亭菊人キクヒト・正韶マサツグ・悠・鳳卿ホウケイ)編。速水春暁斎2世画。田子u書(筆耕)。
【年代等】文政11年刊。江戸後期後印。刊行者不明。
【備考】分類「読本」。前編巻頭口絵に描かれた、「生田家忠臣、碓井大学」「浪士、横山帯刀」「月輪家侍女、梅の井」らをめぐる忠臣・孝女の美談の物語で、足利家の治世での出来事として展開する読本。前後2編各5巻(全10巻)。1巻は「発端」〜「円太夫横山を進挙せんと謀る話」の4話、2巻は「横山姦計を以て生田家に仕ゆる話」〜「生田家城中怪異の話」の4話、3巻は「八幡宮神験奇瑞の話」〜「横山再び浪士となる話」の4話、4巻は「碓井君命を奉じ横山を追ふ話」〜「碓井怪異を取挫(トケヒシ)ぐ話」の4話、5巻は「貴僧良円が由来の話」〜「猛尾多治馬知勇の話」の4話、6巻は「多治馬復讐の是非を論ずる話」〜「野上の遊女越の谷(コスノヤ)の話」の4話、7巻は「清水観世音霊験不測(フシギ)の話」〜「大川兵馬再び恥辱を蒙る話」の4話、8巻は「月輪家姫君異病に悩給ふ話」〜「両士忿(イカッ)て苫井を殺害する話」の4話、9巻は「加藤入野姫君の旅館を騒(サワガ)す話」〜「梅の井太守に報讐直訴の話」の4話、10巻は「碓井大学死を決して勝負を望む話」〜「梅の井本意を達する話」の4話。
★原装・題簽付・状態並み(表紙疲れ・汚損)。記名・蔵書印あり。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、端本が、1,320円(4冊・疲れ本)〜36,660円(4冊・原装題簽付・刷り良好)】。
10000円 国朝佳節録
【判型】大本1冊。縦268粍。
【作者】松下見林(慶摂ヨシカネ・西峯・松下秀明)編・跋。
【年代等】貞享5年4月自跋。貞享5年6月刊。[大阪]森田庄太郎(森田永英)板。
【備考】分類「年中行事」。日本古来の年中行事に関する諸説や故事などを種々の文献(日本書紀・旧事本紀(クジホンギ)・博雅・本草綱目・千金方・事文類聚・世諺問答・太平御覧・月令広義・居家必用・書言故事・事物起原・達生録・古文前集・名月記等)から引きつつ解説した書。正月は賀正(正ヲ賀ス)・屠蘇・射礼・七種菜羮・門松など10項。2月は釈奠(シャクテン)。3月は三日・草餅・桃華酒・闘鶏(トリアワセ)の4項。4月は浴仏。5月は端午・粽・艾楝葉・紙冑人など9項。6月は冰餅・嘉祥・名越祓いの3項。7月は七夕・盂蘭盆・灯籠の3項。8月は八朔・十五夜翫月の2項。9月は重陽・十三夜翫月の2項。10月は煖爐会・亥日餅・液雨(シグレ)の3項。11月は上履襪。12月は八日・臘八粥・除夜など5項。以上のほか「庚申説」を付録。
★原装・題簽付・状態良好。稀書。
10000円 鎌倉殿中問答記
【判型】大本2巻2冊。縦258粍。
【作者】日静編。日達注。
【年代等】寛保元年9月施注。文化13年7月刊。[大阪]加賀屋善蔵ほか板。
【備考】分類「日蓮」。本書は「鎌倉殿中問答」の記録。この問答は、1318年(文保2)12月20日から19年(元応1)9月15日までの間、前後3回にわたって北条高時(たかとき)の御前で行われたといわれる日蓮(にちれん)宗と他宗派との問答。問答は内管領(うちかんれい)長崎入道円喜(えんき)の邸内で行われ、加賀阿闍梨(かがあじゃり)十宗坊、樟曽根(くぬきそね)入道慧海(えかい)、伊羅護(いらご)律師道日(どうにち)らが日蓮宗を批判したのに対して、日蓮の孫弟日印(にちいん)がこれに反論し、諸宗堕獄と断じて彼らを屈伏せしめようとしたとされている。鎌倉末期における日蓮宗と他宗派との関係をうかがうことができる事件である。事件の内容は列席した日印の弟子の日静がこれを記録、『鎌倉殿中問答記』(1巻)として残っており、『改定史籍集覧』に所収。またこの注釈書として日達の『鎌倉殿中問答記略註(りゃくちゅう)』がある(コトバンク)。/道日と日印の問答。日印の弟子、日静が記録したとされる鎌倉殿中問答記録には、鎌倉幕府執権高時により日蓮の弟子の日朗に諸宗との問答対決の命を下され、高齢の日朗に代わった門下の日印が、文保2年(1318年)12月30日から翌元応元年(1319年)9月15日にかけて諸宗派をことごとく論破し、これにより題目宗の布教を鎌倉幕府が許可したとある。但し吾妻鏡や鎌倉年代記などの史料にはこれについての記載はない(Wikipedia)。本書巻末広告に「此書は、文保二年鎌倉北条高時の執事長崎入道円喜の館において、松葉が谷の日印対信の事、并、翌元応元年同日印、伊羅護の律師道日と問答の事ども、記録・註釈を今、平仮名にして梓す。実に日蓮宗門の亀鑑たり」とある。
★原装・題簽付・状態概ね良好(表紙やや傷み)。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、江戸期刊本が、30,000円〜55,000円】。
10000円 女万歳宝文庫(天明4年・「女用文章糸車」増補版) ★ゆうパック着払い
【判型】大本1冊。縦264粍。
【作者】蔀関牛画。
【年代等】天明4年9月刊。[大阪]柏原屋清右衛門板。
【備考】分類「百人一首」。『女万歳宝文庫』は、女用文章と百人一首を本文に種々の挿絵や記事を盛り込んだ往来物・百人一首だが、さらに巻末に明和9年板『女用文章糸車』の前付と本文を増補した厚冊本。『女万歳宝文庫』の部分は、口絵に桜花や雪中梅・冬牡丹等の図(色刷り)、前付に「和歌三神」「大中姫・衣通姫・草香幡梭姫(クサカノハタビヒメ)・小式部内侍ほか小伝」「十種香きく事」「四民女いとなみ草」「七夕のゆらい」「七夕の歌尽」「六玉川」「貝桶の図説」「御厨子・黒棚」「婚礼略式」「女小学五章」「熱田縁采女之事」「照田姫之事」「千代能姫之事」「周防内侍之事」などを掲げる。また、本文上欄頭書に「女用文通心得之事」「五色和歌」「五行和歌」「三十六歌仙」「小笠原流折形」「小倉山庄之図」「源氏物語五十四帖引歌」「女手わざ草」「染物之方」「しみ物落しやう」「十二月和歌」「婦人懐妊産後心得之事」「男女相性之事」「相性極秘伝」「女中名づくし」「六十の図」を掲げ、巻末に「暦の中段善悪日之事」「暦の下段善悪日之事」「庚申待之事」「女中大和詞」「裁縫之初り之事」「百人一首よみくせ」などを収録する。この後に明和板『女用文章糸車』の前付「教訓おきな草」と同本文を合綴したものがこの増補版である。
★改装・題簽欠・状態良好(刷り良好)。厚冊本(約6p)。口絵・刊記等色刷り。
10000円 女大学絵抄[〈元治新板〉女大学絵抄]
【判型】中本1冊。縦175粍。
【作者】光盛舎作丸作・序。歌川芳盛(一光斎)画。
【年代等】元治元年4月自序・刊。[江戸]吉田屋文三郎板。
【備考】分類「往来物」。『女大学(女大学宝箱)』†の本文を大字・4行で記し、本文中の所々に本文要語を絵解きした小さな挿絵を加え、さらに本文の左側にごく簡単な解説文を小字で付記した往来。本書と同体裁の往来物が、幕末に江戸書肆・吉田屋文三郎によって数多く出版された。
★原装・題簽付・状態良好。記名なし・蔵書印あり。【参考価格(初出品時の相場です):購入価は12600円】。
10000円 通詩選笑知[李不尽通志選笑知]
【判型】中本1冊。縦180粍。
【作者】大田覃(フカシ、四方山人・大田南畝・蜀山人・寝惚先生)編。山崎景貫(朱楽菅江1世・朱楽館主人・芬陀利花庵)注・序(戯言)。
【年代等】天明3年1月初刊。天明4年1月、四方山人序・再刊。[江戸]和泉屋吉兵衛板。
【備考】分類「狂詩」。狂詩。大田南畝撰。天明3年正月自序。蔦屋重三郎刊。題名は明和元年刊『唐詩選掌故』のもじり、序のあとの朱楽菅江の戯言も同書の付言のもじりである。御見節句は五言絶句のパロディ、最初の無馳走の「題変士別遊」は賀知章の「題袁氏別業」のパロディ、以下72首はいずれも作者と題と詩が原作がパロディとなっているばかりでなく、それぞれに頭注を付した形は『掌故』の形式に模している。たとえば、干武陵の「勧酒」を不風雅の「勧醴」とし、「君に勧む金屈巵」を「君に勧む三国一」、「満酌辞するをもちいず」は「甘酒辞するをもちいず」、「花ひらいて風雨多く」を「胸焼けて皆迷惑」、「人生別離おおし」は「先生別儀なし」とする。そして頭注は三国一甘酒の解説である。パロディは遊里や色情にこじつけたものが多く、それだけに分類は狂詩というより洒落本とする方が適当ともいえる(「日本古典文学大辞典」参照)。
★原装・題簽付き・状態良好。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、33,000円】。
10000円 〈三国一本〉松魚智恵袋(カツオノチエブクロ)
【判型】横本1冊。縦112粍。
【作者】山東京伝(岩瀬醒サムル・北尾政演・菊亭主人・醒斎・岩瀬田蔵)作・画。
【年代等】寛政5年春序・刊。[江戸]蔦屋重三郎板。
【備考】分類「滑稽本」。袋綴じ展開収録。いわゆる宴会芸的な奇術・妙術集になぞらえて著した滑稽本。序文で『法界次第』を引いて「よく一切に通達する」ことを智恵と言い、般若とは智恵のこと、般若経は智恵経であることに触れ、人間として尊むべきは智恵であるとし、智恵や智者について述べた後、それにまさる大智である奇術・仙術を集めた本書は、書肆が「神変不思議の奇術」と感嘆のあまりに上梓したものであると出版の経緯を述べる。「ならはずして名歌をよむ伝」「わがはらの中をじゆうにみる伝」「きつねつきをおとす伝」「人の心をちうにつる伝」「屁にてつゞみのおとをさせる伝」「わきざしをさやごとのむ伝」「人のからだより火をとる伝」「火の上をはしる伝」「中のわるき人の中をなをす伝」「ざしきに月を出す伝」「つんぼをなをす伝」「悪女を美人にする伝」「金持にたちまちなる伝」など合計21項について、まず本文前半部にそれぞれの様子を描いた、台詞入りの挿絵を掲げ、本文後半部の「総伝授書」で、21項の種を明かす。例えば、冒頭の「ならはずして名歌をよむ伝」の場合、古道具屋などで白い碁石だけを安く購入して、それにイロハ48字を1字ずつ書き込んで、毎日暇な時間にその碁石を31字ずつ色々と並べているうちには、生涯に1首くらいの名歌が詠めるだろうと説く。また、「悪女を美人にする伝」では、顔から体にかけて嫁入り時の持参金を飯粒でペタペタと貼れば悪女も美人に見えるが、「鼻にかけて貼るのは良くない」と注意を促すといった感じのパロディである。
★原装・題簽付・状態良好。記名なし・蔵書印なし。稀書(全国に所蔵数カ所(国文学研究資料館DB))。
10000円 万民徳用(江戸前期・山本板)
【判型】大本1冊。縦269粍。
【作者】鈴木正三作。
【年代等】江戸前期刊。[京都]山本平左衛門(秋田屋平左衛門)板。
【備考】分類「仏教・教訓」。鈴木正三が著した、日常生活に即した仏教徒のあるべき姿を説いた著作。具体的には「修行之念願」「三宝徳用」「四民日用」の三部からなる。成立年代は「修行之念願」が慶安5年(1652)であり、「三宝徳用」が慶安3年(1650)であり、「四民日用」は武士日用のみ、寛永8年(1631)に和歌山で正三縁者の家で書いたという。ところが、開版が慶安2年のため、前者二論の著述年時には議論がある。内容は、一般に江戸時代の諸階級に於ける修行のありようを示したのは、最後の「四民日用」である。修行即仏行の考えを、それぞれの階級(士農工商)に当て嵌め、職業即仏行に昇華させたものである。正三独自の仏法世法観を知るために、重要である。また、中村元博士は、正三の発想がマックス・ウェーバーのプロテスタンティズム分析と重なると評価される。一方で、当時の階級差別をそのまま無批判に受け容れていることについて、仏道者の平等観念に抵触するとの指摘もある(つらつら日暮らしWiki〈曹洞宗関連用語集〉参照)。
★原装・題簽摩滅・状態良好。
10000円 〈万葉集十六巻〉竹取翁歌解
【判型】大本1冊。縦267粍。
【作者】荒木田久老(ヒサオユ、宇治久老・正恭マサタダ・正董マサタダ)作。
【年代等】寛政10年2月、度会助侑跋。寛政11年4月、橘経亮序。寛政11年8月刊。[京都]林安五郎ほか板。
【備考】分類「和歌・注釈」。『万葉集』巻第16「有由緒并雑歌」(3791-3802)に所収の「竹取翁歌」群の注釈書。「竹取翁歌」、すなわち、「昔、老翁有りき。号を竹取の翁と曰ひき」で始まる長文の詞書を持つ長歌(竹取の翁がたまたま9人の女神に逢い、狎(ナ)れ近付いた罪を贖(アガナ)って作った歌)1首ならびに短歌と、「反歌二首」「娘子等和歌九首」を語句ごとに詳しく施注するほか、頭書にも若干の語注や用例などを載せる。
★原装・題簽付・状態並み(表紙やや傷み補修、本文小虫)。記名なし・蔵書印あり。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、11,000円(題簽欠)〜16,200円】。
10000円 光琳百図(前後編4巻2冊・明治27年)
【判型】大本2編4巻2冊。縦258粍。
【作者】尾形光琳(市丞イチノジョウ)画。酒井抱一(雨華庵ウケアン・鶯村・軽挙道人・屠竜)編・跋。亀田興(鵬斎)序(前編)。
【年代等】前編:文化12年6月、抱一暉真跋(「文化乙亥(12年)の六月二日尾形法橋の百年に当れは」とあり)・初刊。後編:文政9年6月、文晁序。文政9年6月、抱一暉真跋・初刊。明治27年3月求板。[東京]博文館板。
【備考】分類「絵画」。尾形光琳作画の縮図集。『光琳百図(前編)』は、酒井抱一が、文化12年(1815)の光琳百回忌を記念して遺作展を開催した際に編集・刊行した光琳の作品集。続編はその10年後に刊行されたもの。
★原装・題簽付・状態概ね良好(表紙やや汚損)。記名なし・蔵書印なし。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、明治版が、22,000円〜41,800円】。
10000円 赤穂義士随筆[義士随筆・赤城落穂集・義士伝一夕話拾遺] (3冊) ★ゆうパック着払い
【判型】大本3冊(全4冊中、春巻欠)。縦258粍。
【作者】山崎美成(久作・北峰・好問堂主人)編・跋。歌川貞秀(橋本玉蘭斎・五雲亭貞秀・松亭寿山)画。
【年代等】嘉永7年7月、大沼枕山(厚・子寿・捨吉・水竹居)序。安政2年秋自跋。刊。板。
【備考】分類「伝記」。袋綴じ展開収録(見開き図再掲)。同板別本も抄録した。本書は、赤穂浪士の事蹟に関する考証や、筆蹟の模刻、遺物の縮図を収めた雑記随筆。『赤穂義士伝一夕話』の附編。見返に「山崎美成編輯/橋本玉蘭画図(刻印「江都書林宝集堂版」)/〈一夕話は義士の銘々伝なりこの書は一夕話に書載せさる四十七士の遺物真蹟の品々諸国の墓碑なほ且天野屋利兵衛の伝の類ひ義士に預ることは記て洩すことなし一夕話に併せ見る時は遺憾なしといふべし〉」(西尾市岩瀬文庫・古典籍書誌DB)。/一名『義士伝一夕話拾遺』と称するように、山崎美成作、橋本玉蘭画、嘉永7年刊『赤穂義士伝一夕話』(2編10巻10冊)では取り上げることができなかった赤穂義士関係の遺物・肖像・書画・文書・碑文など数多くの図解を掲げて解説したもの。1巻は「浅野家紋道具の図」「同内匠頭長矩の像」「鉄砲洲屋敷の図」「赤穂城」「領分郡村」等。2巻は「大石良雄画賛」「大石屋敷の瓦」「二巴紋付刀の縁」「同遺愛の行厨(ベントウ)」「堀部金丸の笄」「同武庸(タケツネ)の書」等。3巻は「義士四十六人の像」「同真蹟姓名」「同分限帳」「同変名異同考」「同江戸の隠棲」(全5項)。4巻は「義士平間村の僑居」「義士男子姓名」「芝泉岳寺義士墳墓の図」「同所南条氏の碑銘」「同亀田鵬斎の義士碑文」「同妙海尼の墓」等。
★原装・題簽付・状態概ね良好(一部小虫)。記名なし・蔵書印なし【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、4冊揃いが、33,000円〜55,000円】。
11000円 〈生花正意〉四季之友[生華正意四季友・生花正意編・生花に専可心得事](初刷)
【判型】半紙本3巻3冊。縦226粍。
【作者】落帽堂暁山作。霊白室主人跋。
【年代等】寛延2年1月、釈寂照(天然)序。寛延4年1月刊。[京都]中川茂兵衛ほか板。
【備考】分類「花道」。同板3冊原装本も抄録した(表紙の文様が異なる)。上巻は冒頭の「花を賞するの惣評」に続けて「生華惣論の事」から「書院懸り囲かゝりの生花の事并図」までの5項、中巻は「生花に伝授口決有無の事」から「出船入船の事并泊ま舟の事」までの19項、下巻は「花を貯え養ふの事」および「諸品生方図」を収録する。
★原装・題簽付・美本(初刷)。記名なし・蔵書印なし。稀書(全国に所蔵数カ所(国文学研究資料館DB))。
11000円 自娯集(貝原益軒) ★ゆうパック着払い
【判型】大本7巻4冊。縦271粍。
【作者】貝原益軒(篤信・損軒)作。
【年代等】正徳2年9月、竹田定直(春庵)序。正徳4年3月刊。[京都]永田調兵衛板。
【備考】分類「漢文」。益軒が漢文で認めた文章を集めたもの。1巻は「勧学論」「順事論」「事天地説」ほか、2巻は「奉若天地論」「禍福論」「本邦七美説」ほか、3巻は「耶麻止辨」「古文真宝秋風辞註誤字辨」「学術辨」ほか、4巻「学術論」「学貴有疑論」「義利説」ほか、5巻「択賢才論」「塞乱源論」「兵法論」ほか、6巻「文論」「筑前続風土記序」「楽説」ほか、7巻「清福説」「武学論」「読書説」ほかで、全巻で合計178編を収録する。なお、李芝映「元禄期における「日用」言説の展開:貝原益軒の伊藤仁斎批判」(京都大学大学院教育学研究科紀要(2012),58:355-367)によれば、『自娯集』は益軒が著した様々な文書を集めて益軒の死後に出版されたので、『自娯集』に集録された文書がいつ書かれたのか不分明である。
★原装・題簽付・状態概ね良好(一部小虫)。記名なし・蔵書印あり。
11000円 柳樽教の手ぶり
【判型】小本2巻2冊。縦162粍。
【作者】川柳5世(川柳翁・水谷緑亭・腥斎佃ナマグサイタヅクリ)編。
【年代等】弘化2年春、斗瓢庵松父序。嘉永4年11月刊。[京都]菱屋友七郎(沢田文栄堂)板。
【備考】分類「雑俳」。
★原装・題簽付(一部破損)・状態概ね良好(一部小虫)・書袋付き。記名なし・蔵書印なし。稀書(全国に所蔵1カ所(国文学研究資料館DB))。
12000円 諸士男子訓[〈諸士〉男子訓・和俗男子訓・武士訓後編] ★ゆうパック着払い
【判型】半紙本5巻5冊。縦230粍。
【作者】井沢長秀(蟠竜子)作。
【年代等】享保4年1月刊([京都]茨木多左衛門(柳枝軒)板)。江戸後期後印。[京都]山城屋佐兵衛(藤井文政堂)板。
【備考】分類「教訓」。井沢長秀作、正徳5年刊『武士訓』の後編として編まれた武士の教訓書。全5巻で、1-2巻「文武教」、3巻「武芸」、4巻「武具・軍用」、5巻「武具・旅具」から成る。内容は、1巻「文武教」が文武両道を和漢の故事や俚諺、典籍の引用などによって諭した教訓、2巻「文武教」が友との交際や友の善悪などの心得、3巻「武芸」が武家の「三節(衣・食・住を分相応にする)・三要(軍・旅・客の道具を調える)・三行(神儒の教・諸芸・教えや芸を行うこと)」にまつわる諸心得、4巻「武具・軍用」が武具・甲冑のあらまし、5巻「武具・旅具」が4巻の続く武具関係と旅行の心得で、特に3-5巻については巻頭で「俗士のさとしやすからんことをおもひて俗字を以て記之」とそれぞれ明記する。概ね武士初心者が身に付けるべき教養と心得を記したもので、所々図解を交える。
★原装・題簽付・状態良好。稀書(全国に所蔵数カ所(国文学研究資料館DB))。
12000円 〈余師〉三字経童子訓[三字経和訓図解・三字経抄](2種)
【判型】半紙本1冊。縦224・224粍。
【作者】額田正三郎(双額堂・一止人)注。内瀕逸人序。井上春曙斎画。池田東籬校。
【年代等】天保12年1月刊記。天保12年8月序・刊。[京都]額田正三郎(双額堂)板。
【備考】分類「往来物」。初板本(口絵色刷り)と早印本の2種。本書は、『三字経』の絵入り注釈書。いわゆる「経典余師」スタイルで、『三字経』本文を2〜11句の全80段に分けて楷書・大字・6行大・付訓で記して割注を施し、さらに頭書に総振り仮名付きの書き下し文を載せたもの。典拠を逐一示すことは控え、平易かつ簡潔な注釈を心懸ける。また、本文中に「五行七情の大意」「西狩得麟而孔子作春秋」など数葉の挿絵(記事)を挟むほか、巻頭に「伯厚先生教授幼童」図や「天地人三才之図」などを載せる。なお、初印本は巻頭口絵を色刷りにする。
★原装・題簽付・状態良好(1冊表紙やや汚損、1冊数丁シミ)。記名・蔵書印あり。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、2,200円(虫損本)〜7,700円(明治)】。
12000円 百躰百人一首[百体百人一首]
【判型】枡形折本2巻2帖。縦255粍。
【作者】坂川暘谷(芝泉堂)書。山東京山(百樹)跋。
【年代等】嘉永元年8月書・跋・刊。[江戸]和泉屋吉兵衛(泉栄堂)板。
【備考】分類「百人一首・書道」。各種の散らし書きで「小倉百人一首」を綴った折手本で、色刷り模様を背景にした色紙型の折帖。
★原装・題簽付・状態良好。記名なし・蔵書印あり。稀書(全国に所蔵数カ所(国文学研究資料館DB))。
12000円 新撰雛形[新撰大工雛形](宝暦8年) ★ゆうパック着払い
【判型】大本5巻5冊。縦257粍。
【作者】木暮甚七作・序。
【年代等】宝暦8年9月自序。宝暦9年秋初刊。江戸後期後印([江戸]須原屋茂兵衛板)。
【備考】分類「木工」。江戸中期を代表する大工雛形本の一つ。ここで言う雛形本は「建築を作る上の技術あるいは意匠の手本などを内容とする江戸時代の木版本」(コトバンク)のことで、本書は、1巻「宮形」、2巻「門形」、3巻「堂形」、4巻「塔形」、5巻「絵様」の5巻から成る雛形本。このうち絵様には、木鼻・虹梁・大瓶束・蟇股・懸魚・鬼板などの代表的な建築部材が順次記され、それぞれ図解を掲げる(麓和善ほか「木版本彫物書系絵様雛形の時代的特質」参照)。江戸時代の職工だった木暮甚七(生没年不詳)による大工の手引き書。建築の図面や採寸、装飾などについての記述が豊富である(秋田県立図書館HP参照)。
★原装・題簽付・状態良好。記名なし・蔵書印なし。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、5冊揃いが、28,000円〜88,000円】。
12000円 大和詞4種(大和詞大全/やまと詞大成/新増大和詞大成/大和詞)
【判型】小本4冊。縦155〜159粍。
【作者】不明。
【年代等】延宝9年、[京都]中村孫兵衛板/享保11年8月刊、[京都]菱屋治兵衛板/寛政4年9月、[大阪]柏原屋清右衛門板/宝暦6年1月、[京都]菱屋治兵衛板。
【備考】分類「語彙・辞書」。古刊本『大和言葉』の見出し語を削除・増補した812語を、いろは分けにしたもの。和歌・俳諧の初学の一助として、また古典読解の手掛かりとして、あるいは消息の用語選択の便のために編集された。「恋の詞付合」「世話字尽」を付す。諸本に、「いまち月」で始まるもの、「いもせ」で始まるもの、合輯体のもの、意義分類体のものなど30種以上ある(「日本古典文学大辞典」参照)。
★3冊は原装・題簽付(1冊は改装・題簽欠)付・状態概ね良好(一部小虫)。記名・蔵書印あり。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、1冊が、4,500円(寛政板)〜25,460円(寛政板)】。
12000円 続世継[今鏡・小鏡] ★ゆうパック着払い
【判型】大本10巻10冊。縦266粍。
【作者】不明。
【年代等】慶安3年1月刊。[京都]中野道伴板。
【備考】分類「歴史物語」。平安末期の歴史物語。1170年(嘉応2)成立説とそれ以後とする説とがあり、作者は藤原為経(ためつね)(寂超)説が有力。『大鏡(おおかがみ)』を受けて、1025年(万寿2)から1170年までの歴史を、座談形式を用い、紀伝体で叙述したもの。巻1〜3は後一条(ごいちじょう)天皇から高倉(たかくら)天皇までの帝紀(ていき)、巻4〜6は藤原氏、巻7は村上源氏、巻8は諸皇子の各列伝で、巻9、10は風流譚(たん)、霊験譚(れいけんたん)などからなる。宮廷貴族社会の朝儀典礼や風流韻事に多くの筆が費やされ、現実の政治的・社会的変動には意識的に深く立ち入っていない。これは、当時危殆(きたい)に瀕(ひん)していた王朝とその文化を、依然として確かに存在するものとして描こうとしたためで、ここに『今鏡』の独自性がある。/『小鏡』『続世継』ともいう。『大鏡』『水鏡』『増鏡』とともに四鏡の一つ。平安時代末期の歴史物語。 10巻。後一条天皇から高倉天皇にいたる時期 (1025〜1170) の朝廷および藤原、村上源氏両氏の歴史を主として記す。『大鏡』に語り手として設定された「大宅世継」の孫で、紫式部に仕えたと称する長谷寺参詣の老女の昔語りを筆記したという体裁をとる。抒情的な文章で、文学、芸術など貴族生活の華麗な側面を詳述し、政権争いなどに触れることは少い。老女の昔語りの時点を嘉応2 (1170) 年としているが、作品の成立期もその頃であろう。作者は歌人として著名な藤原為経 (法名寂超) か。なお巻十の「打聞」は和歌説話や源氏物語論など余談めいたものであるが、かえって注目される。『国史大系』に収録(コトバンク)。
★原装・題簽欠・状態並み(小虫補修)。記名なし・蔵書印なし。
12000円 神宮秘伝問答[神明秘伝問答]・神宮続秘伝問答
【判型】大本2巻2冊。縦268粍。
【作者】出口延佳(度会延佳・延良)作。
【年代等】正編:万治3年3月作。板。続編:天和2年3月作。元禄11年5月、北水浪士惟中序・刊。刊行者不明。
【備考】分類「神道」。伊勢神道における秘伝口訣等の伝授事項に類するものを集記した問答体の書。『神宮秘伝問答』(底本上巻)は、万治3年作、1巻、元録11年刊。伊勢神道における秘伝口訣などの伝授事項に関するものを集めた問答体の書。二宮の祭神に関する秘伝を中心として、諸神の霊徳や神宝・神蹟・神書などに神道的解釈を与えたもので、延佳の神学書とみることができる。自跋によると、本朝神聖の道は異教に混ぜられて後は、天下国家の道であることが忘れられ、神国の教化は廃れるにいたったので、自分の管見の及ぶ限りを設問して一書にまとめ、無窮に伝えるものであると述べている。また、『神宮続秘伝問答』(底本下巻)は、天和2年作。前書の続編で、紀州淡嶋神主紀如尚の求めに応じて撰した書。伊勢両宮の鎮座・御祭神・御造営・祠職・参宮・禁忌、その他について詳しく問答体で記したもので、その時期における伊勢神道思想の一面、また、俗的な信仰面もうかがうことのできる書。神宮文庫に自筆稿本があるが、それは流布本と比べると異同があって、初稿本とみられている(「日本思想史文献解題」参照)。度会延佳(1615‐90:元和1‐元禄3)は、江戸初期の神道家、国学者。外宮権禰宜で、出口延佳ともいう。著書には《陽復記》、《神宮秘伝問答》、《神宮続秘伝問答》、《中臣祓瑞穂鈔》、《神代巻講述鈔》があり、校訂板行した書に《鼇頭旧事紀・古事記》および《士仏参詣記》などがある。また豊宮崎文庫を創設し神官祠官の子弟教育にも努力したが、1670年(寛文10)11月の大火で多年収集の書物および校訂の書冊いっさい烏有に帰した。71年10月には両宮師職銘論の訴訟があり、江戸に提訴した外宮方は敗れ、祠官一同とともに閉門に処せられ、以後志気衰えて著述も中止し、90年正月18日76歳をもって没した(コトバンク)。
★原装・題簽付・状態良好(随所に朱筆入り)。記名・蔵書印あり。
12000円 熊野遊記・熊野名勝図画
【判型】大本3巻3冊(熊野遊記1巻、熊野名勝図画2巻)。縦273粍。
【作者】北圃恭(キタバタケヤスシ、仲温・北圃恪斎カクサイ・須原屋茂兵衛)作。 鈴木芙蓉(老蓮・木芙蓉・芙蓉木雍ボクヨウ)画。
【年代等】安永3年春、太室井孝徳序。寛政12年9月、芙蓉木雍跋。寛政13年1月刊。[江戸]須原屋茂兵衛板。
【備考】分類「紀行・地誌」。安永2年8月、紀州湯浅より熊野に遊んだ際の漢文体紀行文。同行者は隣郷の真宗僧積門離染とその女阿歌及び従者1人。行程は、8月12日:出立、湯浅より博川、井関村、河瀬村、原谷村、塩屋村(泊)、13日:白河帝行宮趾、上野村、印南村、切目村、千里浜、南部村(泊)、14日:境村、牛鼻、田辺、三栖村、鍵岩、芝村(泊)、15日:高原阪、十条村、野中村(泊)、16日(本文では「十五日」に誤る):赤城村、湯川村、茨城、湯峰村(泊)、17日:無音里、本宮村本宮、(熊野川を舟行、以上上巻)、新宮(泊)、18日:西谷、佐野、宇久井、太池崎、赤色浜、那智(泊)、19日:大悲閣、雲鳥阪、妙法嶺、地蔵茶坊、石堂村、小口村(泊)、20日:川合村、請川村、本宮(泊)、21日:高原(泊)、22日:三栖阪、芳養村、岩白(泊)、23日:小松原、博川、湯浅(帰宅)。名所旧跡の歴史譚を交えつつ、風景・風俗や見聞を描写する。巻2・3は「図画」で、名勝風景の写生画集。末尾に、描かれた地名についての解説を付す。著者は江戸の大書肆須原屋茂兵衛(刊行時の須原屋の先々代)で、郷里の湯浅にも家があった。天明2年没、52歳。序によれば、名勝地である熊野に記が無いために、渋井太室が勧めて記文を作ったもの。跋によれば、絵は著者没後に子の須原屋主人の依頼により鈴木芙蓉が熊野に出かけて写生したが、寛政11年に主人が没したため、翌年夏にその子(著者の孫)が江戸に来た際に絵を託したという。なお、旅行の年は、本文に「今茲丁巳之秋」とあり、丁巳は寛政9年であるが、安永3年春の渋井太室序に著者が「懐記来謁」とあり、その前年の安永2年癸巳の誤記と推定した(西尾市岩瀬文庫・古典籍書誌DB)。
★原装(1冊改装)・題簽欠・状態並み(表紙小虫補修、本文一部小虫補修)。記名なし・蔵書印なし。
12000円 〈当用消息〉明衡往来[明衡消息](寛永板後印)
【判型】特大本3巻合1冊。縦269粍。
【作者】藤原明衡作。
【年代等】寛永19年初刊。江戸中期再刊。[京都]中川茂兵衛板。
【備考】分類「往来物」。『明衡往来』(近世刊本)は、伝藤原明衡作、平安後期作の古往来で、本書は寛永19年刊本の後印本。『明衡往来』は、消息文例89条131通(または88条130通)を収めた古往来で、古写本とはやや異なる。第1条第1通より第23条第46通までは『群書類従』本(前項)と一致するが、これ以後に多くの相違があり、『群書類従』本とは別系統と見なすべきもので、その先蹤としては室町時代中期書『明衡消息抄』(謙堂文庫蔵)等や、寛永19年の刊記を持つ『明衡往来富貴大成』(2巻合1冊)等がある。近世刊本の嚆矢となった寛永19年板(西村又左衛門板)は有郭で、本文(89条131)を楷書に近い行書・大字・6行・稀に付訓で記し、所々割注を施す。その後、流布した江戸初期刊本(無刊年本・中川茂兵衛板)は、『寛文10年書目』に「振仮名付、三冊」と記された無郭の付訓本で、習字手本としての色彩が強く、本文(88状130通)を行書・大字・6行・付訓(総振り仮名)で記す(割注なし)。また、この両者は、ともに文政9年に北村曹七によって再刊されるなど江戸後期にも流布した。
★原装・題簽後簽・状態良好。記名なし・蔵書印なし。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、写本が、22,000円】。
14000円 浄土宗回向文和訓図会 ★ゆうパック着払い
【判型】大本3巻3冊。縦255粍。
【作者】山田案山子(山田野亭・好華堂・大和屋圭蔵・意斎)作。真阿上人(真阿顕興)校・序。松川半山(翠栄堂)画。
【年代等】弘化3年冬、真阿顕興序・刊。[大阪]秋田屋太右衛門(田中宋栄堂)板。
【備考】分類「浄土」。下巻末の広告に「浄土宗回向文絵抄、好華堂主人著、松川半山図画、全二冊/浄土宗朝夕勤行の回向文をはじめ、発願経焼香文、懺悔文、三礼九拝の訳を委しく註解して功徳無量のことを知らしめ、また、絵図を加へて解しやすきやうにし、元祖上人一枚起請まで記せし浄土宗必用の書也」と記す。「回向文」は、回向偈ともいい、勤行・法要などの終わりに称える偈文であって、仏事を行った功徳を己だけのものにすることなく、広く有縁の人々あるいは一切有情に回向するために読誦されるもの(Wikipedia参照)。『浄土宗回向文和訓図会』は、好花堂野亭によって著された全3巻の書で、上巻は「円光大師略伝」、中巻は「善導大師二河白道之譬喩并大意」や「看経之心得并焼香文」、「百萬遍念仏之起源」、下巻は「元祖大師一枚起請略解」など浄土宗の法をさまざまな逸話・伝説を交えて説明した勤行の解説書である。中巻の「利剣名号の文」では利剣名号の由来とともに、「かさね」の伝説から累と与右衛門の因果応報を例とし、利剣名号が無明、果、業因(すべての苦をもたらす原因)を滅ぼすと説く。さらに、累の霊の解脱は祐天上人の名号の功徳によるものだと説き、念仏を尊ぶべきだとしている(明顕山祐天寺HP参照)。
★原装・題簽付・状態良好。記名なし・蔵書印なし。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、3冊揃いが、25,000円(題簽欠)〜60,500円】。
15000円 実語教画本[画本実語教・絵本実語教](享和元年) ★ゆうパック着払い
【判型】半紙本5巻5冊。縦225粍。
【作者】岡田玉山作・画。中沢道二校・序。
【年代等】享和元年11月、中沢道二序。享和元年12月、筱子逸跋。享和2年1月刊。[大阪]河内屋宗兵衛(河内屋惣兵衛・河内屋総兵衛・得宝堂・川口宗兵衛)ほか板。
【備考】分類「往来物」。『実語教』を俗解した絵本。『実語教』本文を数句毎に分けて扉あるいは注釈文の前に大字で掲げ、細字の注釈を施す。施注内容は至って平易で、簡潔な語注に対して本文を敷衍する和漢人物故事等の説明が詳しいのが特徴。道二の序文にも本書を「其説詳にして言外の義を拡(おしひろ)め、和漢の人物を評論し、燦然として義理細明也。加之(しかのみならず)、山水・人物・堂舎・牛馬等の絵画を加へて其大略を示せり」と記す。なお、本書は後続の嘉永5年刊『実語教稚絵解』(橋本貞秀注)、嘉永〜安政頃刊『絵本実語教(実語教童子教絵本講釈)』(鷦鷯斎春水注)にも影響を与えた。また、本書と対をなす『童子教画本』(玉山作・画)が文化3年に刊行されている。
★原装・題簽付・美本。記名なし・蔵書印あり。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、江戸期板が、27,500円。明治板が、15,000円〜30,000円】。
15000円 〈地方〉新器測量法
【判型】大本2巻2冊。縦239粍。
【作者】五十嵐篤好(蟹瀬厚義・小豊次コトヨジ・孫作・臥牛斎・雉岡チコウ)作。五十嵐豊生・高島正秋校訂。下巻「八線表」は石川弥助・俣沢四郎兵衛・久江田亀之助・河合弥三大夫校訂。
【年代等】安政3年11月、成菴序。安政3年12月、高島正興跋。安政4年3月、五十嵐豊生跋。安政4年12月刊。鳳吟堂蔵板。[金沢(上安江町)]近岡屋太兵衛板。
【備考】分類「測量」。著者が考案した新器、すなわち「量地槃(量地盤)」(扱いにくい羅針盤を用いずに弧度を測定する円板)の詳細と、それを用いた測量方法を示し、さらに、測量を簡便・迅速に行うための三角関数表である「〈六位十分〉八線真数表」を収録した測量術書。上巻はまず「量地槃円板之図」「機策之図」「円板ニ機策ヲ掛タル略図」を掲げて量地槃の概要を説明し、続いて、「測遠之法」「村里領形之図ヲ造ル法」「地割紙之図及び用方」「野帳」「下図および下図書ク心得」「用具」「象限八線之図」「測遠算術」「経術」「緯術」「九角六辺之図八線表ヲ不用術」「屈曲数所各弧度アリ各辺アリテ首尾直径ヲ得ル術」「象限儀ニテ高ヲ測ル術」「量地槃座板等之図」「小槃之図」などを解説する。また、下巻には「六位十分の八線表」の凡例と計算表を載せる。/作者の五十嵐篤好(寛政5年12月(1794年1月) - 万延2年1月24日(1861年3月5日))は、江戸時代後期の越中国砺波郡内島村(現富山県高岡市東五位)の十村肝煎(庄屋にあたる村役人)、国学者。号は臥牛斎・雉岡。十村としては五十嵐小豊次と名乗り、国学者としては篤好と称していた。本居大平・富士谷御杖らに師事。『天朝墨談』『歌学訓』『伊勢物語披雲』などの著作がある。和算や測量にも通じ、「新器測量法」を著した。文久元年(1861年)、67歳で没した。五十嵐家の初代は越後国蒲原郡伊賀良志神社の神主と伝えられている。五十嵐家の屋敷跡は現在高岡市立東五位小学校となっている。その近くには凶作に備えた「備荒倉」があったと伝えられ、その跡地に石碑が現存している。農政にも多くの功績を残した。十村となった篤好は、測量に13年、掘削工事に7年かけた大工事「舟倉野用水」(富山県富山市大沢野)にたずさわり、文化13年(1816年)に完成させるが、讒言にあい投獄され、一時、島流しの刑にあった(Wikipedia参照)。
★原装・題簽付・状態並み(小虫補修)。記名なし・蔵書印なし。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、85,000円〜141,900円(小虫)】。
16000円 平太郎事蹟談[常陸国平太郎事跡談]
【判型】半紙本5巻2冊。縦225粍。
【作者】無染衲子(ムゼントッシ)作。
【年代等】寛政7年9月、中川昌房跋。寛政8年11月、多田順序・初刊。江戸後期後印。[京都]菱屋友七郎(沢田文栄堂)板。
【備考】分類「伝記」。『親鸞聖人伝絵(デンエ)』(または『御伝鈔』下巻)5段「大部(オオブ)の平太郎」に登場する親鸞の門人、常陸国那荷西郡大部郷(現・茨城県水戸市飯富町)の平太郎の事蹟を記した絵入り本。平太郎は、親鸞の教えによって熊野神宮を参詣して霊夢を見たという。『平太郎事蹟談』は全5巻からなり、1巻が「親鸞上人東国御化導発端之話、并ニ、牧太郎夫婦稲田参詣信心之話」、2巻が「稲田御坊にて御教化之妙話、并ニ、牧太郎夫婦素性を物語る答話」、3巻が「平太郎熊野代参之疑話、并ニ、上人之了解に伏する対話」、4巻が「藤代権藤内勇敢、并ニ、平太郎死穢に逢ふ事」、5巻が「熊野権現の御霊夢の秘話、并ニ、節分の夜、演説由来の伝話」を記し、各巻とも数葉の挿絵を載せる。
★原装・題簽付・状態良好。記名なし・蔵書印なし。稀書(全国に所蔵数カ所(国文学研究資料館DB))。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、35,200円〜49,500円】。
16000円 新撰六帖題和歌[新撰和歌六帖・寛元和歌六帖] ★ゆうパック着払い
【判型】大本6巻6冊。縦274粍。
【作者】藤原家良(衣笠家良)・藤原為家(融覚)・藤原知家(蓮性・六条知家)・藤原信実(寂西)・藤原光俊(真観・辨入道)作(詠)。
【年代等】寛元頃作。万治3年2月刊。[京都]中野五郎左衛門板。
【備考】分類「歌集」。『新撰六帖題和歌』は、6巻、和歌。鎌倉時代の類題和歌集。「新撰六帖」「寛元和歌六帖」とも。寛元元年11月末頃から詠み始められ、同2年6月末頃知家が詠み終わって5人の作が揃い、寛元2年のうちに成立したか。その後、5名の歌人が自詠を除く全作品に相互に評点を加えた。『古今和歌六帖』における歌題(六帖題)を襲用して、右の5名が詠じ、歌題ごとに部類し、相互に批点を加えたもの。一般に私撰集に準ずる扱いを受けているが、5名が同一歌題を詠じ、それらを選歌することなく収めているので、厳密な意味では撰集とはいえない。勧進者は為家か。歌題は計527題、歌数は計2635首。和歌では比較的取り上げられる機会の乏しい題材をも多く含む六帖題を用いたこともその一因であろうが、本集の歌風は概して奇矯、特異である。日本の詩歌史において対立する和歌的抒情と狂歌的滑稽諧謔、俳諧的発想などの問題を考える際に本集の示唆するものは大である(「日本古典文学大辞典」参照)。
★原装・題簽2冊付(4冊欠)・状態概ね良好(本文は美。表紙やや傷み)。記名なし・蔵書印あり。【参考価格(初出品時の相場です):ヤフオクで、4冊本が、20,000円】。
16000円 枕詞燭明抄 ★ゆうパック着払い
【判型】大本3巻3冊。縦262粍。
【作者】下河辺長流作。
【年代等】寛文10年初刊。江戸前期(元禄頃)刊。[大阪]寺田与平次(菱屋与平次*寛文〜元禄期の書肆)板。
【備考】分類「語学」。『枕詞燭明抄』は、3巻3冊、和歌、下河辺長流著。寛文10年西沢太兵衛刊。成立の年時は明らかでないが、契沖は壮年時代の作という。序文に三条西実隆の説を引いたと言っているので、長流が三条西家に仕えていた後半の頃か。内容は、『万葉集』の枕詞99、『古今和歌集』『拾遺和歌集』等の枕詞10、計109を上・中・下の3巻に配して、『日本書紀』『風土記』『先代旧事本紀』『古事記』『古語拾遺』『万葉集』の古抄、古人髄脳の説々、殊には三条西実隆の説を用いたが自分の意見も所々に加えたという。また「枕詞燭明抄」と名付けた理由も、「むば玉のよるの枕詞あかく」見えるようにというにあった。しかし、実隆説と明記したものはなく、したがって長流の意見であることを分別する手立てもない。いずれにしても、実隆の著述の現存しない今日では、枕詞のまとまった注解の最初のものと言うべく、賀茂真淵の『冠辞考』の先蹤をなすものであるが、やや雑駁の感をまぬがれない(「日本古典文学大辞典」参照)。
★原装・題簽付・状態概ね良好(一部小虫)。記名なし・蔵書印なし。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、22,000円(3冊本、虫損)〜50,000円(3冊本、刊年不明)】。
16000円 浄土宗回向文和訓図会 ★ゆうパック着払い
【判型】大本3巻3冊。縦259粍。
【作者】山田案山子(山田野亭・好華堂・大和屋圭蔵・意斎)作。真阿上人(真阿顕興)校・序。松川半山(翠栄堂)画。
【年代等】弘化3年冬、真阿顕興序・刊。[大阪]秋田屋太右衛門(田中宋栄堂)板。
【備考】分類「浄土」。下巻末の広告に「浄土宗回向文絵抄、好華堂主人著、松川半山図画、全二冊/浄土宗朝夕勤行の回向文をはじめ、発願経焼香文、懺悔文、三礼九拝の訳を委しく註解して功徳無量のことを知らしめ、また、絵図を加へて解しやすきやうにし、元祖上人一枚起請まで記せし浄土宗必用の書也」と記す。「回向文」は、回向偈ともいい、勤行・法要などの終わりに称える偈文であって、仏事を行った功徳を己だけのものにすることなく、広く有縁の人々あるいは一切有情に回向するために読誦されるもの(Wikipedia参照)。『浄土宗回向文和訓図会』は、好花堂野亭によって著された全3巻の書で、上巻は「円光大師略伝」、中巻は「善導大師二河白道之譬喩并大意」や「看経之心得并焼香文」、「百萬遍念仏之起源」、下巻は「元祖大師一枚起請略解」など浄土宗の法をさまざまな逸話・伝説を交えて説明した勤行の解説書である。中巻の「利剣名号の文」では利剣名号の由来とともに、「かさね」の伝説から累と与右衛門の因果応報を例とし、利剣名号が無明、果、業因(すべての苦をもたらす原因)を滅ぼすと説く。さらに、累の霊の解脱は祐天上人の名号の功徳によるものだと説き、念仏を尊ぶべきだとしている(明顕山祐天寺HP参照)。
★原装・題簽付・状態良好。記名なし・蔵書印なし。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、3冊揃いが、25,000円(題簽欠)〜60,500円】。
16000円 絵本年代一覧[年代一覧](初・2編)
【判型】中本2巻2冊。縦182粍。
【作者】山崎美成(ヨシシゲ、山崎久作・北峰・好問堂主人・三養居)編。
【年代等】嘉永4年刊(別本による)。[江戸]山崎屋清七ほか板。
【備考】分類「年代記」。神代から江戸後期の嘉永年間に至るまでの本朝の歴史をまとめた30冊の草稿より、各時代の記述のバランスを図り、「要を採り、文を節略し、なほ童蒙にもよみ易く、且は徒然のなぐさめにもなれかし」という趣旨で、まずは「世人の耳速に源家のさかんならん御代はじめより梓にちりばめ」たもの。当初はさらに多くの冊数で刊行する計画もあったようだが、実際は初・2編の2冊までで終わった。初編は、仁安元年(1166)の六条天皇即位から、源頼朝が死亡した正治元年(1199)までで、末尾は、北条政子が出家した頃までを記し、「遂に、武家一統の世となりぬることは万々歳太平の基といふべし」と結ぶ。また下巻は正治元年に北条時政が問注所を設置したことから、元弘元年(1331)に北条茂時が執権となった頃までを記す。従って、鎌倉幕府成立直前から滅亡直前までの、ほぼ鎌倉時代の年代記に止まる結果となった。なお、初編巻頭に「六条天皇幼稚御即位」「平清盛太政大臣に任ず」の2葉、2編巻頭に「源頼家・北条時政」「楠正成朝臣、南朝の勅諚に依て吉野へ軍議に赴むく」の2葉を掲げるほか(以上の口絵を色刷りにするものもある)、本文中にもそれぞれ15葉前後の見開き挿絵を載せる。
★原装・題簽付・状態良好。記名なし・蔵書印なし。稀書(全国に所蔵数カ所(国文学研究資料館DB))。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、2冊揃いが、30,000円〜85,800円】。
18000円 〈和解図式〉算法天元指南(元禄11年)
【判型】半紙本9巻5冊。縦224粍。
【作者】佐藤茂春作・序。
【年代等】元禄11年1月刊記、元禄11年3月、佐藤茂春自序・刊。[京都]田中庄兵衞板。
【備考】分類「和算」。佐藤茂春は元禄11年(1698)天元術の入門書として「算法天元指南」九巻を著わした。これはそれまでに出た天元術の解説書の中最も親切丁寧なもので、現在でも和算初学者にとって極めて良好な教科書である。なお、この書の版木が焼失したため、寛政4年(1792)に藤田貞資がこれを訂して「改正天元指南」を刊行した(和算の館HP参照)。三上義夫『日本数学史』によれば、澤口一之の門人、佐藤茂春が『算法天元指南』(元禄11年、1698)
を作って天元術を詳説し、後、寛政4年(1792)に至って藤田貞資が再刻したが、貞資の如き数学教育に熟達した功労者がこのようなことを行った事実も、天元術がいかに後代まで重要なものであったかを示す証である。『算法天元指南』は全5巻で、1巻が「用字凡例」「算盤名目」「大数」「小数」「九九合数」「算木縦横和解」「同置備品」の7項、2巻が「因乗凡例」「商除凡例」「方廉隅進退」「因乗」「商除」「開平方」「開立方」「開三乗方」の8項、3巻が「矩合適等」1項、4巻が「天元定例」「算籌正員解」「相減定例」「相減和解図式」の4項、5巻が「相加定例」「相加和解図式」の2項、6巻が「自乗相乗定例」「自乗相乗和解図式」の2項、7巻が「寄左品」「相消定例」「相消和解図式」の3項、8巻が「開方定例」「開方和解図式」「翻法之品」「翻狂之品」「翻法和解図式」「翻狂問答図式」の6項、9巻が「天元法術凡例」「天元法術」「同和解」「同図解」の4項。
★原装・題簽付・美本。記名あり・蔵書印なし。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、9巻5冊揃いが、44,000円〜75,600円】。
18000円 〈尊円親王〉百人一首(尊円親王書・古版)
【判型】大本1冊。縦265粍。
【作者】尊円親王書。
【年代等】江戸前期初刊。江戸中期後印。刊行者不明。
【備考】分類「百人一首」。古雅な歌仙絵の小倉百人一首。初期刊本の百人一首の一つ。
★原装・題簽付・状態並み(表紙やや傷み、本文並み)。記名なし・蔵書印なし。
18000円 江戸方角名所杖[江戸方角杖](2編)
【判型】中本1冊。縦180粍。
【作者】柳河春三(又玄斎南可・楊江・暾・春蔭・喫霞楼仙客)注。歌川広重二世(歌川重宣・安藤広重・立斎広重・一立斎・立祥)画。
【年代等】慶応2年夏刊。[江戸]大和屋喜兵衛板。
【備考】分類「往来物」。明和2年刊『御江戸名所方角書(江戸方角)』の本文をほぼ地名毎の189段に分け、大字・6行大・付訓で記し、段毎に割注を施した絵入りの注釈書。施註内容は天保9年刊『江戸方角註解』とほぼ同じ(ただし、地名には若干の出入りがある)で、半丁に2葉(各丁とも右側上段と左側下段)ずつ該当の風景図を入れる。なお、初編・2編とも、「富士眺望図」「四民男女図」「江戸城郭図」「江戸府内図」などの色刷り口絵を掲げる。また、本書を模倣した明治期改編本に安保兼策作、明治13年刊『開化東京方角』がある。
★原装・題簽欠・美本・口絵色刷り。記名なし・蔵書印なし。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、25,000円(題簽殆ど欠)〜58,000円(美本)】。
18000円 文芸類纂 ★ゆうパック着払い
【判型】大本8巻8冊。縦252粍。
【作者】榊原芳野(鬲蔵・琴洲・豊洲・佳園)編。
【年代等】明治10年12月、西村茂樹序。明治11年1月刊。[東京]文部省蔵板。
【備考】分類「事典」。日本の文芸学芸の沿革概略を記す。巻1〜2は「字志」(文字について)、巻3〜4は「文志」(文章・文体について)、巻5〜6は「学志」(諸学問について)、巻7〜8は「文具志」(文房具について)より成る。絵入り(西尾市岩瀬文庫・古典籍書誌DB参照)。/各巻の詳細は次の通り。1巻「字志上」は、「字志総論」「平仮字及いろは」「片仮字及五十音」「五十音図諸体」「五十音韵所生原始」「日文及諸神字論及肥人薩人書及諸可疑古字」「習字沿革」「仮字字音総論」「和字総論」「附録、点図」。2巻「字志下」は、「仮字字源并別体」「片仮字字源并別体」「片仮字に交へ用ゆる略体」。3巻「文志上」は、「文章沿革」「文章分体図」「文章諸体(古文、祝詞附祭文、宣命、消息、後世女文章、仮字消息余論、日記紀行文、物語文、漫筆文、和歌序同小序、戦記文)」「歌学(旋頭歌、中古、中世、近古、近世、今世、和歌所、連歌)」。4巻「文志下」は、「漢文(古漢文、漢文、詔勅、排儷文、雑筆大体、官府下行文并上請文、往来書簡文、日記記録文、詩志)」。5巻「学志上」は、「学志総論」「儒学総論(明経道、紀伝道附文章道、明法道、?サン、音博士)」「科試及第(公学)」「大学(国学、私学)」「昌平校古図(元禄二年刻江戸図・明和元年刻江戸図・元禄六年刻江戸名所拙に載する所湯島学問所の図)」「書学」「画学(「年中行事絵」〜「十二月品定」の12図)」。6巻「学志下」は、「医学(医官、附法薬院、乳院、医学則、外科、鍼術、女医、耳目口歯科、按摩)」「薬物学」「暦学(暦官、暦奏、諸暦沿革)」「漏刻学(漏刻説に載する所漏刻図ほか挿絵、漏刻分度)」「時辰儀」「天文学」。7巻「文具志上」は、「紙(造法概略、挿画(楮雄本雌本ほか挿絵)、古昔諸紙、諸国産紙)」「筆(筆論、諸家用筆図)」。8巻「文具志下」は、「硯(製造法、挿画(石を分解する器)、諸研各様図、諸研材産地)」「墨(製造法、挿画、採烟法)」「刻本(刻法并図解、刷法并図解、刷印諸法、刷印諸器、書籍縫綴法、挿画(第一帖の内面ほか))」。
★原装・題簽付・状態概ね良好(一部小虫)・色刷図・淡彩図入り・帙入り。記名なし・蔵書印あり。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、32,000円〜69,300円】。
20000円 〈新板絵入〉商人軍配団[世渡軍配団] ★ゆうパック着払い
【判型】大本5巻5冊。縦249粍。
【作者】江島其磧作。川島叙清(ノブキヨ、川島信清)画。
【年代等】正徳2年刊カ(江島屋市郎左衛門板)。江戸中期後印。[京都]菊屋喜兵衛板。
【備考】分類「浮世草子」。『商人軍配団』は5巻5冊、浮世草子、江島其磧作、川島叙清画。別称「世渡軍配団」(尾題)。正徳2年冬、京都、江島市郎左衛門刊。内容は、京都島原の揚屋の紙屑籠から飛び出した白玉、実は貧乏の神司(カミヅカサ)と、大宮通りの俄分限の米屋の算盤玉がかたまった黒玉、実は福神の重手代(オモテダイ)が行く先を相談するのを発端(巻1)に、最後に勤倹の家から貧乏神が逃れ去ること(巻5の3)で首尾照応させて、この間に貧福にまつわる13章をおく。各章独立の短編であるが、2章連続のものが2話ある。対称的な人物やケースを関連の相で、または葛藤として取り上げ、構成の調っている点や、技巧に偏し趣向重視の姿勢が見られる点、さらに、談理・教訓的姿勢が強い点などの特徴がある。西鶴の町人物に比べ、構成の整正という点でまさるが、現実感がそれだけ乏しいのは欠点といえよう。発端・末尾の趣向は『けいせい色三味線』の二番煎じである。諸本として、江島屋の住所を削った後印本、京都菊屋喜兵衛刊の求板本があるほか、文化15年2月の江陵山人序を付した改題本『商人軍配記』(角書「出世早合点」また「立身招福」)がある。
★原装・題簽4冊付・状態並み(小虫裏打ち補修・表紙やや傷み)。稀書(全国に所蔵数カ所(国文学研究資料館DB))。記名なし・蔵書印あり。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、110,000円〜165,000円】。
20000円 六帖詠草 ★ゆうパック着払い
【判型】大本7巻7冊。縦261粍。
【作者】小沢蘆庵(玄中)作。小川布淑(ノブトシ)・前波黙軒編・校。
【年代等】文化元年、織田信憑序。文化8年3月刊。[京都]吉田四郎右衛門板。
【備考】分類「歌集」。江戸後期の歌集。7巻7冊。小沢蘆庵作。門人の小川萍流(おがわへいりゅう)・前波黙軒(まえばもくけん)らの編。文化8年(1811)刊。約1950首を収め、蘆庵の唱えた「ただごと歌」の実践を示す。書名は「古今和歌六帖」にちなむ。/歌集。7冊。小沢蘆庵作、小川萍流・前波黙軒ら編。1811年刊。蘆庵の主張する「ただごと歌」の実践を示す約2000首の和歌を、四季・恋・雑および雑体に部立して収録/江戸後期の私家集。7巻7冊。小沢蘆庵の詠歌を、弟子の小川萍流、前波黙軒らが編纂。文化元年成立。同8年刊。集録歌は約1950首。四季・恋・雑に部類。雑体(長歌・旋頭歌・俳諧歌)の歌も収められている。蘆庵の唱えた「徒言歌(ただごとうた)」の実践を示すものとして意義深い。名称は「古今和歌六帖」にちなむ。他に萍流が編纂した嘉永2年刊の「六帖詠草拾遺」2巻がある(コトバンク)。
★原装・題簽付・概ね良好。記名なし・蔵書印あり。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、7冊揃いが、35,000円〜45,000円】。
20000円 富士日記[不尽日記](賀茂季鷹)
【判型】大本1冊。縦254粍。
【作者】賀茂季鷹(加茂季鷹・山本雲錦亭)作。菅原雪臣跋。
【年代等】寛政2年作。文化11年4月、瀬尾文跋。文化11年9月、三宅公輔序。文政6年5月刊。[大阪]河内屋茂兵衛ほか板。
【備考】分類「紀行」。富士山登山の和文紀行文。漢字かな交じり。和歌を交える。寛政2年7月18日江戸亀島のやどりを出発、供1人が同行、四谷、高井戸、石原、府中で六所明神に参詣。玉川を徒渡り、日野、八王子駅に泊。19日駒木野の関、小仏峠、吉野、関野、上野原、鶴川を徒渡り、野田尻、犬目に泊。20日山坂(座頭ころばし)、猿橋駅、駒橋、谷村、吉田里の浅間社祠人刑部国仲方に着。21日諏訪社の祭礼あり。諏訪社外宮の神主佐藤上総を訪ねる。22日祭の相撲を見る。24日卯の半、富士登山に出発、強力が案内、浅間社に参詣、登山門を通り、馬がへしまで乗馬、未刻頃、八合目の石室に着、日も高いので更に山頂に登り、八合目の石室に戻り泊。10人程が相宿。25日、「我輩三人は二王の前にさゝげしやうなるわらぐつを、うへにはきそへて、左の方ヘ横ざまにをれて、五合めまではすばしり(砂走)とて、ありくともなく、たゞすべりにすべり下りて、砂はらひといふ所にてかの大わらぐつはぬぎ捨て…」。小御嶽の御社、すゞ原、すそ野、吉田の里に戻る。28日、吉田を出発、川口駅、川口湖、み坂峠(天神峠)、藤の木、黒駒、石和駅、道に迷い翁に案内してもらう。上村、上小河原、嶋田左衛門(式穀)方に泊。8月2日嶋田と近隣の甘利好道の案内で、つゝじが崎の武田の古城を見に行く。その後、甲府の伊藤可春を訪ね、町のをさ山本昌預に招かれ訪問、旧知の藤井守成に逢う。朝気村馬場徴信を訪ね、泊。3日国玉の御社に参詣、神主磯部正逸を訪ねる。酒折社に参詣、神主飯田正房、皆で歌を詠む。磯部方に泊。4日和戸、在原塚、川田の平橋庵敲氷を訪問、俳諧歌を好む世すて人。田中村萩原元克を訪問、甲斐の『名勝志』を上梓した人。ともに指出の磯を見に行く。等力村水宮の神主堀内茂実を訪問。石森を見、萩原方に泊。5日嶋田方に戻る。10日出発、笛吹川を舟で渡り、栗原、勝沼、鶴瀬、駒飼、笹子峠、黒野田、初雁里、大月泊。11日猿橋、犬目、上野原、諏訪、小仏峠、駒木野の関の手前で泊。12日八王子、日野、府中、高井戸、四谷、「いぬの時ばかり家にはかへりつきにたり」。絵入り(岡豊彦・孝敬・原在明・雪臣画)。菅原雪臣による古事や引き歌等についての頭注入り。本文の前に自筆和歌の模刻半丁あり、「明和九年正月十九歳にて始て下りし時 季鷹/今日も亦ふしの裾野に暮にけりあすもかくてや草枕せむ すへて五度はかり登り下りに見しに又をとゝし下りし時/東路の往還毎に富士の嶺は見し眼にも似ず驚かれ筒」。巻末に「浜田のとの」と書博士賀茂保考の和歌を付す(西尾市岩瀬文庫・古典籍書誌DB)。
★原装・題簽欠・状態並み(やや疲れ)。記名なし・蔵書印なし。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、80,000円〜120,000円】。
20000円 小野篁歌字尽(寛文2年最古本)
【判型】大本1冊。縦256粍。
【作者】不明。
【年代等】寛文2年4月刊。[京都]山森六兵衛板。
【備考】分類「往来物」。冒頭が「椿」で始まる寛文2年板系統の「椿」本の『小野篁歌字尽』。底本は最古本の一つ(寛文2年板に2種ある)。『小野篁歌字尽』は、何らかの意味で類似している漢字を1行に並べ(これを仮に1単元と呼ぶ)、これに和歌を添えて記憶の便を図った往来。1単元の文字数は2-8字と様々で、全体の83%が、(1)偏・冠・構・旁など漢字の字形の共通点を基準にした単元である。このほかは、(2)「aiたばかる)・姦(かしまし)・轟(とどろく)」などの俗字や、(3)「東来(ひらり)・西来(しゃらり)・左右袖(ともかふも)」などの世話字、また、(4)字形が似通った「末・未・賣・買」等の類字、さらに、(5)一つの物名を表す熟語のうち、その文字の一つが共通するものを選んで構成した同字を含む異語、(6)「美人草(びじんさう)・女郎花(をみなへし)」「鶏冠木(かへで)・鴨脚(いちやう)」のように奔放な連想によって連ねた二つの宛字などである。このような構成で、寛文2年本系統では「椿・榎・楸・柊・桐」以下全126単元・625字(重複分を除くと586字)を載せる。本往来は、江戸中期より明治初年にかけて著しい普及の足跡を遺した。
★改装・題簽欠・状態並み。記名なし・蔵書印なし。稀書(全国に所蔵国会図書館1カ所(国文学研究資料館DB))。
25000円 徴古図録
【判型】特大本1冊。縦291粍。
【作者】長野美波留(長野美晴・藤原美波留)編。
【年代等】文化8年閏2月序・刊。刊行者不明。
【備考】分類「考古」。文化8年うるふきさらき、源恒悦序、文中に「我美波留のうしふるきものゝかたともをあつめてそれにその故よしをさへかうかへしるされたるを見るにまたく備りたる七巻におよへり…彼七巻のはしめのまきよりゑりしるすことゝはなりぬ」。無刊記。本書は、古器物・調度類の絵図集。古記録や歌書・物語等に見える関係記述を注記する。内容、揣(タヽリ)・加世比・麻笥(内宮御神宝)、通障子、御帳台、御帳、軟障、簀薦、春日祭?案、御壁代、南殿御椅子、切灯台、灯台打敷代、玉冠、高台寺所安豊太閤像、文嚢、道長公御笏、笏筥、桐木古几、弾棊盤(東大寺所蔵)、瑠璃陶・白瑠璃鉢(東大寺所蔵)、松尾若菜二合、折櫃、玉箒・子日鋤(東大寺蔵)、六月茅ノ輪、乞巧奠、綾藺笠(十界絵巻物所載)、立柱上棟次第(檜扇)、蘇木骨扇、杖(持金剛寺縁起所載)、鳩杖、御賀杖、水晶御杖(東大寺蔵)、鹿背杖(加茂祭絵巻物所載)、御賀杖、御杖・加世杖(東大寺蔵)、杖(文永加茂祭絵巻物所載)、還城楽面(南都薬師寺什物)、亀山帝御腰輿(南禅寺所蔵)、いたしきぬ(文永加茂祭絵巻物所載)、いちひはゝき(同)、放免のつけもの(同)、みこ(職人尽歌合所載)(西尾市岩瀬文庫・古典籍書誌DB)。
★原装・題簽付・美本・帙入。記名なし・蔵書印あり。
25000円 伊勢物語3種6冊セット[明暦板/江戸中期板/安永5年「伊勢物語傍註」] ★ゆうパック着払い
【判型】大本6冊。
【作者】不明。
【年代等】順に、@明暦元年7月刊。刊行者不明。本文のみ/A江戸中期刊。[大阪]柏原屋与市板。絵入り/B安永5年11月刊。[江戸]須原屋伊八板。本文注釈本。
【備考】分類「物語」。平安時代中期の歌物語。作者、成立年未詳。在原業平(ありわらのなりひら)を思わせる男を主人公とした和歌にまつわる短編歌物語集。流布本では125の章段から成り、初冠(ういこうぶり)から臨終まで生涯をたどる形に配列。『古今集』以前に成立していたが、その後次第に章段の増補や改編が行われて成長していき、現在みる形になったのは11世紀以後。流布本は藤原定家の校訂したものであるが、かなり組織の異なる塗籠(ぬりごめ)本なども伝わる。初め業平の詠歌を中心につくられた物語が、そのうちの二条后や斎宮との禁じられた恋の絶唱から、やがて好色者の物語として、業平とは無関係な庶民の純愛の物語などが増補されていったものであろう。抒情的な作品の代表として古来広く愛され、近代にいたるまで多くの影響作を生んだ(コトバンク)。
★原装・題簽は江戸中期板2冊のみ存・状態並み〜概ね良好(一部小虫・補修)。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、「「伊勢物語傍註」2冊だけで、25,000円〜27,500円】。
25000円 算法量地捷解(前編) ★ゆうパック着払い
【判型】大本3巻3冊。縦259粍。
【作者】松沢信義(鏡蔵)編。市川方静(運八郎・律襲)校。加藤千浪(藤原千波・弥三郎・弥助・萩園)序。
【年代等】文久元年7月、比原直(白水散人)序。文久2年1月刊。[黒羽]明石舎蔵板。[江戸]須原屋茂兵衛ほか売出。
【備考】分類「測量」。下巻末尾の書籍広告に、「此書は、量地術の起原を明にし、測器の製作、及、用法は図を以てさとし、又、説を挙て示す。術路は細解を施し、開平方を用ふべき場は別に其表を挙て平方に開くの労を省き、遠近・高低等を量り易からしむ。且、別解には表を用ひず、乗除一次而已にて遠近・高低を速に知る術を著はす。故に、八算見一だに知るときは、急務の用便自在なり。又、分度規・曲尺・四方曲尺を兼備したる器を新に製し、量盤と名け、縮図を描くに、遠近・高低、或は遙の山上より見下す要害・砦等の真形を紙上に求、或は国郡郷村等の大測たりといへども、量り得るにちかみちの器なり。其用法は悉く巻中に記せり」とあるように、本書は主に、作者が考案した「量盤」についての説明とそれを用いた各種測量の実際を豊富な図解とともに解説した測量術の入門書である。巻末広告に本書後編の詳しい紹介があるが、実際に刊行されたのはこの「前編」のみであった。前編は3巻から成り、目録によれば次のような構成になっている。【上之巻】「量地測器之図説」「調方儀之全図」「同解分る図」「量盤之図」「水縄之図」「間竿之図」「仮標之図」「示通之図」「野帳」「度量之図」「界針之図」「方位を求る図」「盤面用数名義」「算籌(サンチュウ)正負」「傍書」「同矩比例」「勾股(コウコ)」「規矩表」「同図解」「調方儀用法」「高き所を量る図」「低き所を量る図」「量地規則」「甲乙両所より目的を見込図」の24項。【中之巻】「量地町見之図説」「川幅を量る図」「耕地を隔て追分を量る図」「海岸より島をはかる図」「川向の鳥居をはかる図」「嶋より夷船をはかる図」「畷(ナワテ)より村迄の距離を量る図」「耕地を隔て小社を量る図」「平地より山の直高を量る図」「島より磯山の直高を量る図」「平地より山上の杉を量る図」「岨道(ソバミチ)より滝の直高を量る図」「坂より低地の杉をはかる図」「仮りの開を求め島を量る図」の14項。【下之巻】「縮図之解義」「陸より海上の船を量る図」「平地より塔の直高を量る図」「山上より狼煙(ノロシ)の升(ノボ)りを量る図」「山上より谷の直低を量る図」「耕地の反別を量る図」「池の積をはかる図」「廻り分見の図」「山上より池の広狭を量る図」「山岳を掘抜、用水を引図」の10項。
★原装・題簽付・美本。記名なし・蔵書印なし。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、30,800円】。
26000円 〈新板頭書・九州名所・讃岐国象頭山〉金毘羅詣[さぬき詣](十返舎一九)
【判型】中本1冊。縦176粍。
【作者】十返舎一九作。
【年代等】文政5年3月刊。[江戸]西宮新六板。
【備考】分類「往来物」。讃岐国金毘羅山参詣の道中と同社の結構などについて紹介した往来。『続膝栗毛』初編序文にも一九が若年の頃に所用で高知を訪問した際に同社を参詣した旨を記すが、あるいは当時の道中日記などをもとに編んだものであろう。江戸から東海道で大坂へ向かい、道頓堀から早朝の「讃州丸亀船」に乗船して兵庫沖を通過し、丸亀港に着岸するまでのルートと所々の風景について述べ、大黒屋某という旅籠屋に泊まって翌朝金毘羅山へ登るという想定で、沿道風景や名物、同山本社など境内の様子や由来などを書き記す。下山後は、四国遍路の札所である善通寺・曼陀羅寺・出釈迦寺、弥谷寺を参詣して、多度津から丸亀へと向かうコースについて述べる。「厄払い」と称して子ども達が猿面などを付けて踊り歩いて物乞いをする習慣なども紹介する。本文を大字・5行・付訓で記す。頭書に「播州より芸州・宮嶋までの名所」ついての記事を載せる。
★原装・題簽付・概ね美本(角やや傷み、刷り極美)。稀書(全国に所蔵数カ所(国文学研究資料館DB))。記名なし・蔵書印あり。【参考価格(初出品時の相場です):購入価格、約3万円】。
26000円 歩操新式(生兵教練・小隊教練)
【判型】横本2冊(生兵教練1冊、小隊教練2巻1冊)。縦113・112粍。
【作者】高島秋帆(敦)ほか編。
【年代等】生兵教練:元治元年5月刊。求実館蔵板。小隊教練:元治元年7月刊。求実館蔵板。
【備考】分類「軍事」。『歩操新式』は西洋式軍事教練の叢書で、「生兵教練」1巻、「小隊教練」2巻(2冊または1冊)、「大隊教練・歩操新式附録・皷譜」3巻の合計6冊(または5冊)。生兵教練(書)は、オランダ・フランスなど海外列強の歩兵教練書を翻訳したもので、数種ある。底本は、やや大きい『生兵教練〈附増補〉』と小ぶりの高島秋帆作『生兵教練書〈新式〉』の2種でいずれもオランダの歩兵教練書の邦訳である。前者の内容は、第1部が「生兵姿勢及頭首運動」「左右転向及右転背面向」「直行進」「斜行進」の4項(教)、第2部が「執銃法」「八勢節装填、附点放姿勢」「手銃建立姿勢」「信地休憩」「技芸」など12項(教)、第3部が「直行進」「斜行進」「却行」「側面行進」など10項(教)で、さらに付録として「手銃降伏及起立」の1項、増補として「行進間右転背面向」「趨歩」「手銃交叉及放解」の3項(教)からなり、従来の項目中に変更や増補を加えたものについては目次に「改」「増」などを記載する。また、後者の内容は、冒頭に概則として「歩兵ノ区別及編制」「鼓手・吹角手、及楽手ノ位置」「籏監」「令詞」に分けて歩兵教練の基本を説明し、本文「教練ノ区別」では3部12教構成で、第1部が「銃ヲ執ラザル兵士ノ姿勢及ビ頭首左右ノ運動」「右向左向及ビ右転回」「進退歩兵ノ基本」「斜行進ノ基本」、第2部が「銃ヲ執ル基本」「技芸」「装填法」「点放」、第3部が「整頓ノ原則」「正面行進及ビ急歩行進」「側面行進」「旋転」で、合計147条の記事を載せる。ちなみに、南谷直利ほか「「訓練」の語誌的研究」(「北陸大学紀要」第27号、2003)によれば、「訓練」は「兵を教練すること」「教訓修練すること」「教えならす」「教えこんで慣れさせること」であり、総じて「兵士たちに戦いに勝つための活動、動作及び技術等を教え、練り身に付けさせること」である。訓練も教練もほぼ同義で、「教えて…させる」意である。そして、「訓練」という言葉は、幕末の幕府における軍事教育で定着傾向を示し、それは明治期の軍制(近代的西欧型軍隊)発足と深く関わり、明治7年頃から一般化し、明治10年前後にはほぼ定着した。教育界も同様で、西欧の近代的体育の導入で「訓練」の語が定着していった。
★原装・題簽付・美本・書袋付。記名なし・蔵書印なし。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、端本1冊が、5,500円〜11,880円。5冊本が、100,000円〜132,000円(5冊)】。
28000円 婦人ことぶき草[婦人寿草](享保11年) ★ゆうパック着払い
【判型】大本6巻6冊。縦260粍。
【作者】香月牛山(カツキギュウザン、則真ノリマサ・啓益・貞庵・披髪翁)作・序。坂部ァ堅序。
【年代等】元禄5年7月自序。宝永3年初刊([京都]上村四郎兵衛(松葉屋四郎兵衛)板)。享保11年1月求板([京都]蓍屋勘兵衛ほか板)。
【備考】分類「医学」。江戸時代を代表する産育書の一つで、女子用往来・百人一首等の付録記事に多大な影響を及ぼしたと思われる。「例言」に「婦人嗣をもとむるの術より、妊娠十月の間の保養、産後百日まての摂養の事共」を和漢の典籍によって平易な仮名交じり文で綴った絵入り啓蒙書。適宜、漢語に左訓を施したり、難解な引用部に割注を加えるなど「世俗日用」に徹した記述だが、典拠を示しつつ諸説を紹介したり、自説も加えながら産育全般にわたって詳述する。ただし、俗間における薬の誤用を恐れて薬法は意図的に排除する。内容は、巻上一が「求嗣の説」以下4章、巻下二が「子を求るの術」以下5章、巻中三が「胎教の説」以下10章、巻中四が「妊婦胎を下し、并産を断の説」以下8章、巻下五が「妊婦臨月摂養の説」以下4章、巻下六が「産後調護の説」以下5章の計36章から成る。本文をやや小字・11行・付訓で記し、各巻とも数葉の挿絵を掲げる。
★原装・題簽付・状態概ね良好(表紙やや疲れ、本文は良好)。記名なし・蔵書印なし。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、6冊本揃いが、126,000円〜165,000円】。
28000円 専念往生伝(2編6巻6冊揃) ★ゆうパック着払い
【判型】大本2編6巻6冊揃(初編3巻・2編3巻)。縦258粍。
【作者】音空(観粋)作。
【年代等】初編:元治2年3月作・刊。尾張祐福寺蔵板。[京都]神先宗八ほか売出。2編:慶応4年頃刊。尾張祐福寺蔵板。[京都]神先宗八ほか売出。
【備考】分類「浄土」。本書は、専修念仏の徳により往生した人々の伝を集めた叢伝書。漢字かな交じり。初編は、寛延4年より元治元年まで、ほぼ同時代の往生人67人の伝や奇瑞を見聞により録す。尾張三河人が多い。巻1巻頭に「超山上人」(願空上人乗阿、尾州愛知郡沓掛郷藪田の草庵に閑居、嘉永6年没)、巻2巻頭に「白木大和尚」(学僧の弁才)の伝、巻3に「万空上人」(三河幡豆郡矢田村養寿寺住)あり。巻頭に「善導大師御真蹟」名号、「〈円光大師/夢中感見〉善導大師之図」、「円光大師御真筆」(全文「若我成仏十方衆生称我名号下至十声若不生者不取正覚彼仏今現在世成仏当知本誓重願不虚衆生称念必得往生」、陰刻)、その釈文と解説、あり。題言の後に「述意」あり、念仏往生の現証として尾州塚本村浄蓮寺主大乗が江戸で本所番場の荻野氏より聞いた奇瑞譚を記す。 二編も同様にして合計74人(ほかに2人追加)の往生伝を収録する(西尾市岩瀬文庫・古典籍書誌DB参照)。
★原装・題簽付・美本。記名なし・蔵書印なし。稀書(特に、6冊揃いは全国に所蔵数カ所(国文学研究資料館DB))。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、2編6巻揃が、40,740円。初編3巻が、33,000円〜49,500円。2編3巻が、33,000円】。
28000円 銃戦紀談 ★ゆうパック着払い
【判型】大本4巻4冊。縦255粍。
【作者】長山樗園(長山貫)作。
【年代等】文久3年5月、大沼枕山(厚・子寿・捨吉・台嶺)序・刊。[江戸]大和屋喜兵衛ほか板。
【備考】分類「戦記」。『銃戦紀談』は、「軍陣第一の神器」である鉄砲は兵法家が考究すべきであり、「諸の軍記に見ゆる所を抄録して戦国の人々の此術を修練せし事を挙て、後の考証に備」(附言)えんとした書。すなわち、「引書目録」に見える如く、『日本紀』『荻野流伝書』『南海治乱記』『太平記』『東西火攻辨』『何氏兵録』『本朝軍器考』『重編応仁記』『炮術伝書』を始めとする約60点から、銃戦にまつわる記事を抜粋・集成したもの。全4巻から成り、主な記事は次の通り。1巻は、「大炮並鉄炮、日本へ伝来の始元(ハジメ)」「予州河野家銕炮伝来、並木炮を初て製する事」「陶全姜(スエゼンキョウ)厳島城攻に鳥銃(テッポウ)を用ゆる事」「石州福光城攻、鉄炮一挺にて敵を退し事」「織田信長、三州村木城攻の事」「川中島合戦、上杉謙信、鉄炮を切し説」など10話。2巻は、「厳島後詰大筒の事」「高橋紹運家士、市川平兵衛、鉄炮手練の事」「米倉丹後、竹束を製する事」「桶狭間合戦、鉄炮の事」「小西行長、柴山の城に向ふ事」「馬場重介武勇、鉄炮に当る事」など17項。3巻は、「長久手合戦、奥平家士働之事」「長篠篭城金堀の事」「大津篭城寄手大筒早打の事」「滝川辰時武勇の事」「肥後国本渡合戦の事」「蒲生氏郷、木造左衛門鳥銃糶合(セリアイ)の事」など21項。4巻は、「大垣籠城の話」「大坂御陣後、藤森鳥銃打方下知の事」「同じ時、鳥銃打方加録の事」「同じ時、水野家の士、広田図書働きの事」「同じ時、小田切所左衛門、武功の事」「同じ時、山本才助、中間初陣働きの事」など21項。。
★原装・題簽付・美本。記名なし・蔵書印あり(新美南吉ゆかりの半田町新美家蔵書印あり)。比較的稀書(全国に所蔵10カ所程度(国文学研究資料館DB))。【参考価格(初出品時の相場です):最近(2017年)のヤフオク落札価格で、79,110円】。
30000円 製油録
【判型】半紙本2巻2冊。縦221粍。
【作者】大蔵永常(黄葉園主人)作。松川半山(翠栄堂)画。
【年代等】天保7年11月刊。[三河国田原]黄葉園蔵板。[大阪]河内屋長兵衛ほか売出。
【備考】分類「産業」。『製油録』は、天保7年(1836年)に刊行された。著者の大蔵永常は、全国を訪ねて研究した農政家・農学者で、著書は30冊を超える。『農家益』、『農具便利論』など農業全般に係わるものの他、菜種の栽培法を記した『油菜録』などもある。その中でも『製油録』は特に評価が高く、英訳もされている。本書では、関東・灘・大坂の菜種搾油の実態、すなわち必要な人員と賃金・経費、菜種を乾燥させるところから油を搾り上げるまでの工程、それに必要な技術・施設・道具等が、挿絵を利用しながら解説されている。搾油の採算見積もりも数字で示されている。きわめて実用的で、搾油業者、あるいはそれを志す人を読者に想定している(東京油問屋史HP参照)。上巻は「関東の搾り方」「諸油垂口(タレクチ)の事」「油算用荒見当」「菜種子を干事」「油搾る道具」など9項、下巻は「大阪流油搾り方」「白しぼり油の事」「江戸にて大坂油仕入元直段」「菜種子六拾目金一両二付、何計がへといふとき油垂口の見当」「しぼるといふ字の考(カンガエ)」の5項で、それぞれ詳細な図解を施す。なお、見返の序文(岡田群玉堂・杉岡石倉堂合版)に「此書は関東流油のしぼりやう、摂州灘の水車搾り、并、綿実のしぼりやう、大坂流油の搾り方、并、白搾り早晒の秘傳等、図画をもて委しく記し、同く、油算当の事、又、江戸と大坂との油相場見くらべの早勘定、此外、油一条は残る所なくしるしたる書なれば、油を業にする人は必見るべき書也」とある。
★原装・題簽付・美本。記名なし・蔵書印あり。稀書(全国に所蔵数カ所(国文学研究資料館DB))。
50000円 日本山海名物図会[日本名物図会] (2種)
【判型】大本5巻5冊。縦252粍。
【作者】平瀬徹斎(平瀬草野・輔世・赤松閣鬼望・千種屋新左衛門)編・序。長谷川光信(松翠軒・柳翠軒・永春)画。
【年代等】宝暦4年4月、半時庵(松木淡々・呂国・渭北・勃卒翁)序・初刊。寛政9年1月求板([大阪]塩屋卯兵衛ほか板、[大阪]河内屋源七郎ほか後印)。明治初年後印([大阪]塩屋卯兵衛ほか板)。
【備考】分類「物産」。寛政板と明治初年板の2種をそれぞれ全冊収録した。本書は、江戸中期の生産技術に関する図解書。諸国の鉱業・漁業・特産物生産の技術について図を添えて説明したもの。なかでも製鉄や松煙による墨生産などの図は注目される(国文学研究資料館DB)。/日本各地の産物の生産や捕採の技術を図示し解説を加えた本。全5巻からなり、1巻に鉱山、2巻に農林系加工品、3・4巻に物産、5巻に水産に関することが記されており、その中には豊後の物産として「河太郎」(=河童)のことも紹介されている。所収された画図は全部で93図におよび、採鉱用の諸道具、製鉄用のたたら、樟脳製法の図などは技術史上貴重なものとされている。なお本書は、宝暦4年(1754)の初版から43年後の寛政9年(1797)に再版されたのである(文化遺産オンラインHP参照)。/江戸時代の物産図会。5巻。平瀬徹斎編著。長谷川光信画。江戸中期以降の物産会所や物産学の隆盛を背景に1754年刊行。鉱山業,農林水産,民芸,軽工業,市など庶民生活に関する産業技術を図解。産業史,技術史研究の重要資料。/産物名産案内書。著者の平瀬徹斎が画師の長谷川光信に頼んで実物を写させ、これに解説をしたもので、挿絵が主役の文字どおりの図会。1754年(宝暦4)刊。2人とも大坂の住民なので、約7割が近畿の産物である。鉱山の記事から始まり、ついで近郊の農産物や水産物が扱われているが、「名物」の概念が明確に整理されていないので、有名なものなら産物だけでなく、福井の石橋(橋の半分を石、半分を木でつくる)のような名所や、豊後河太郎(カッパ)のような俗信なども取り上げている。名物は美濃釣柿(つるしがき)、宇治茶、紀州蜜柑、尾張大根、天王寺蕪、大和三輪索麺、淀鯉、明石の章魚(たこ)から捕鯨にまで及んでいる(コトバンク)。
★原装・題簽付・状態良好(第5巻ややシミ)。記名なし・蔵書印なし。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、150,000円〜638,000円】。
55000円 測量集成(4編10巻11冊揃)
【判型】横本4編10巻11冊。縦125粍。
【作者】福田理軒(本橋惟義ノブヨシ・主計カズエ・順天堂主人・福田泉)・花井健吉(静庵・花井静)編(初編・2編、3編は上原一成、4編は平松信孝が編者に加わる)。花井畊●(舟+基)(健吉・鯤斎)・参天堂主人凡例。
【年代等】初編(1-3巻):安政2年7月、福田理軒序。安政3年1月、野呂鱗(」庵)序。安政3年2月、広瀬元恭(恭・天目山人・藤圃)序。安政3年5月、高島秋帆(敦)序。安政3年4月刊。[大阪]順天堂塾蔵板。河内屋太助ほか売出。2編(4-6巻):安政3年11月、六十一翁芳洲序。安政3年11月、福田理軒序。安政4年春、鈴木世孝(子養・星斎・南山)跋。3編(7上下-9巻):慶応元年4月、上原一成小引。慶応2年4月、福田半(治軒)序。慶応3年2月、花衣静(赤城・閑事翁)序。慶応3年3月、佐藤政養(笙渓)序・刊。4編(10巻):明治初年後印。[東京]島屋平七ほか板。
【備考】分類「測量」。測量集成は、1856(安政3)〜1867(慶応3)年にかけて和算家・洋算家であり、順天堂塾の創始者でもある福田理軒(1815〜1889)によって著されたものである。当時、井野浦が日本全土を測量した際には長さの比が中心の測量であった。19世紀にはいると日本に外国船が次々と来航し、幕府が1825(文政8)年に外国船打ち払い令を出すまでに至った。この危機に、幕府は測量技術の向上を求め、国内では多くの三角法による測量関係の著書が出版された。これらの本を福田理軒が体系的にまとめ、順天堂塾生用に書いたのが『測量集成』である(丸山洋幸「福田理軒『測量集成』の体験的学習を通した生徒の数学観の変容」参照)。
★原装・題簽付(9冊題簽存、2冊題簽欠)・美本。稀書(11冊揃いは全国数カ所)。測量計算のメモあり。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、全4編11冊揃いが、58,000円。10冊(1冊欠)が、65,000円〜66,000円】。
90000円 摂津名所図会 ★ゆうパック着払い
【判型】大本前後2編9巻12冊。収録順に縦261粍。
【作者】秋里籬島(湘夕・舜福)作。竹原春朝斎(信繁)・丹羽桃渓・下河辺維恵・石田友汀・西村楠亭・小畑文祐・西村中和ほか画。
【年代等】寛政6年春、中山愛親序。寛政10年8月、秋里籬島跋。後編(7-9巻)4冊、寛政8年9月刻成。前編(1-6巻)8冊、寛政10年9月刻成・刊。[大阪]田村九兵衛ほか板。
【備考】分類「地誌」。1巻「住吉郡」、2巻「東生郡」、3巻「東生郡・西成郡」、4巻上下「大坂部」、5巻「嶌下郡・嶌上郡」、6巻上「豊嶌郡・河邊郡」、6巻下「河邊郡」、7巻上下「矢田部郡」、8巻「武庫郡・菟原郡」、9巻「有馬郡・能勢郡」。『摂津名所図会(攝津名所圖會I』は、摂津国の名所を絵画と文章で紹介した地誌。京都の町人・吉野屋為八が計画。1796年(寛政8年)〜1798年(寛政10年)に刊行された、摂津国の通俗地誌。観光案内書でもあった。9巻12冊。編集は俳諧師・秋里籬島(あきさとりとう)が担当し、絵は『(絵本)名物浪花のながめ』『鳥羽絵欠び留』などを描いていた竹原春朝斎(たけはらしゅんちょうさい)が担当。秋里籬島による名所の由来記、竹原春朝斎による俯瞰図を多用した挿絵が特徴である。この2人は『都名所図会』を皮切りに、吉野屋為八が企画した多くの名所図会を手がけていた。その上、編者や画家に、籬島、春朝斎以外の人々、たとえば画家の丹羽桃渓らの参加を求めたので、名所図会は見た目が一層にぎやかになった。秋里籬島、竹原春朝斎が中心となった大坂シリーズには、この『摂津名所図会』以外に、『河内名所図会』『和泉名所図会』『住吉名所図会』があった。なお、歌川広重にも『浪花名所図会』がある。また東都の『江戸名所図会』が刊行されるのは、この『摂津名所図会』刊行の約40年後のことである。摂津名所図会は、まず後部となる7〜9巻(三巻4冊)を寛政8年(1796年)に発行し、2年後の寛政10年(1798年)に前部となる1〜6巻(六巻8冊)を発行した。これを合わせて9巻12冊本となる(Wikipedia参照)。
★原装・題簽付・状態概ね良好。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、12巻揃いが、90,000円(やや虫損・傷み)〜220,000円】。

価 格 【2020年 春】
商 品 概 要
4000円 心学女子訓[〈心学〉女子訓・女子訓]
【判型】半紙本1冊。縦225粍。
【作者】朽木某女作。
【年代等】明和4年3月初刊。寛政5年6月再刊。[江戸]須原屋市兵衛ほか板(刊記は同板別本による)。
【備考】分類「心学・往来物」。明和4年刊『女教訓ともかゝ見』のうち付録記事・挿絵などを一新した改題本。江戸後期の女性に要用の諸教訓を記す。上巻は、「女性は絶えずわが身を振り返っての反省に努め、何よりも父母、また嫁しては舅・姑などに孝養を尽くさねばならない」「親類一同とも和順して交わらねばならない」「自身の心の持ちようにより禍福を招く」「婦容についての心がけ」「無益のことに夜中の宮寺への参詣は慎まねばならない」「仏法・僧侶等への信仰は大切であるが、節度を保たねばならない」「女徳の中心は和順であり、家族関係を平和に保ち、その家の繁栄に尽くさねばならない」の七項から成る。下巻は、「父母・親類によく仕え、暇があれば読書(『女四書』『大和小学』等)に励むべきである」「下女の告口や巫女の言葉に惑わされてはならない」「衣装は分相応を心がけねばならない」「武家の娘は衣装に誇ってはならない」「度重なる歌舞伎見物や好色の浄瑠璃見物、物語類は慎むべきである」「女性の嗜んでよい芸能、嗜んではならない芸能」「婦功(女性にとって大切な技芸)」「神仏への信仰は大切だが、淫してはならない」「諸教訓のまとめ」の九項よりなる。各項目とも一面にわたる挿絵を設けて教訓歌を添えるのが特徴。なお、本書角書に「心学」とするのは、女性の心構えを中心に諭すためであろうが、いわゆる石門心学の教化理念と特段の関連はない。本文を大字・6行・付訓で記す。刊記に記す明和4年とは本書の先行書たる『女教訓ともかゝ見』の刊年を示す。なお、本書の改題本に天保年間刊『大学女子訓』がある。
★改装・題簽欠・状態概ね良好(数丁小虫)。記名なし・蔵書印なし。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、改題本の「大学女子訓」(天保15年)が、99,000円】。
5500円 家業相続力艸(天保12年)
【判型】半紙本1冊。縦219粍。
【作者】土屋巨禎編・跋。
【年代等】寛政6年冬自跋。寛政7年1月初刊([大阪]土屋氏蔵板(施板)。[大阪]大野木市兵衛売出)刊。天保12年1月補刻・再刊([大阪]秋田屋太右衛門ほか板)。
【備考】分類「心学」。跋文によれば、親しい老人から聞いた教えを思い出しながら書き綴り、病床にあってこれらの教えを痛感した著者が私見を加えて施板としたもの(従って、初刊は寛政六年頃の私家版で、後に書肆から再刊された)。全17カ条の多くが老人の聞書と思われ、和漢の故事や儒書を引きながら「敬を守る」「堪忍」「一家和睦」「内端(うちば)商い」「倹・勤・和・緩」「道・天・地・将・法」「人を知る」「銭財の心得」「塩梅の工夫」「下人を召し使う」「遠慮」「遺言(書置・譲状)」「守成と創業」「守成の難しさ」「貝原益軒の五計(正しくは朱新仲の「五計」)」「子弟教育」「陰徳」について平易に記す。なお、寛政板の裏見返には「此本売買にはいたし不申候。御希望の方は取次之書肆へ被仰候得ば施し申候」とあり、当初施本であった様子を物語る。また、万延元年刊の改題本『家業相続教草』(万延元年、井上敬慮序。[江戸]祖誉堂板*外題のみ「家業相続教草」と改題))の見返に「篤信(貝原益軒)先生作」と記し、土屋氏の跋文も削除して作者を改竄したほか、井上敬慮(逢故斎)の序文を付す。
★原装・題簽付・状態良好。記名なし・蔵書印なし。稀書(全国に所蔵数カ所(国文学研究資料館DB))。【参考価格(初出品時の相場です):購入価格6800円】。
5000円 町人常の道
【判型】半紙本1冊。縦230粍。
【作者】茂庵老人作。木村柳之編・序。木村嘉助校。
【年代等】享保19年10月作。安永8年6月刊。[大阪]柏原屋嘉助ほか板。
【備考】分類「心学」。表紙見返に「信の一字を守り家業を勤め行う時は祈らずして寿福円満・子孫繁昌疑いなきものなり」とあるように、庶民倫理における「信」の重要性を説いた教訓書。まず、町人は聖賢の教えの深い道理を知らずとも、町人相応の道=「信」を心得よと述べる。「信」とは「何事も契約を違えず、始めから其の終わりまでをよく慎む」ことで、「信」の中にこそ町人相応の礼も含まれ、信を守れば自ずと「孝悌忠信」も「忠孝」も備わると諭す。続いて、親孝行、子育て、兄弟・夫婦、三不去・七去、友との交際、吝嗇と倹約、信仰、読書、分限、学問、奉公人の使い方、家業出精などについて説く。なお、『大阪出版書目』107頁に「町人常の道 一冊/校合者 木村嘉助(南久宝寺町五丁目)/板元 柏原屋嘉助(博労町)/出願 安永八年二月/許可 安永八年三月二十五日」とある。また、本書の改題本が、寛政8年刊『諸人常の道』で、首題に「大福長者訓(おしえ)」と傍書するなど一部改刻されている。
★原装・題簽付・状態良好。記名なし・蔵書印なし。稀書(全国に所蔵数カ所(国文学研究資料館DB))。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、題簽欠が、5,500円、原装題簽付の別本を8200円で購入】。
8000円 〈教訓名歌〉五拾人一首[〈童蒙〉教訓名歌〈五拾首〉・教訓名歌集]
【判型】半紙本1冊。縦225粍。
【作者】邨井正宣(臨泉堂)作・序・刊。奈良富則跋。
【年代等】寛政5年1月序・跋・初刊([京都]邨井正宣(臨泉堂)蔵板。近江屋荘兵衛・銭屋惣四郎売出)。江戸後期後印([京都]小川柳枝軒板)。
【備考】分類「心学」。「至誠/こゝろだにまことのみちにかなひなば、いのらずとても神や守らむ」のように童蒙教訓となる金言・格言とそれを敷衍する教訓歌50首を集録したもの。教訓歌の主題は至誠・明徳・学問・性善・孝・恕・節操・柔・忍・知足・慈愛・三省等々で、所々、歌人名を小字で付記する。巻頭口絵に「童蒙手習い図」と「婦女子読書の図」の2葉(見開き2丁)と、「附言」半丁を掲げる。同附言によれば、道歌は無数にあるが、諳誦しやすい点を重視して50首に絞ったこと、外題は幼童にも通じた『百人一首』にならったこと、道歌の作者も極力明記し、聖賢の語により各首に標題を付けたことなどを記す。また自序では、子供のみならず、子供の傍らで大人も本書を学べ日常生活で実践すれば裨益大なりと奨励する。なお、奥付予告の『〈釈教名歌〉五拾人一首』は未刊である。
★原装・題簽付(一部摩滅)・状態良好(見返一部破損)。記名なし・蔵書印なし。稀書(全国に所蔵数カ所(国文学研究資料館DB))。
2500円 孝の道(天保6年、黄牛子序)
【判型】半紙本1冊。縦236粍。
【作者】黄牛子(松田黄牛か)序。
【年代等】天保6年・3月序・刊。好古窩蔵板。
【備考】分類「心学」。江戸後期に数種の施本が見られるが、その序文によれば細田某による施本が最初で、以後、同じ板木を用いて何度も施印されたものという。巻頭に2首の教訓歌を掲げ、続けて「それにんげんと生れては、まづ孝行のみちをしれ…」と七五調で綴った教訓文を載せるが、これは『孝行和讃』にかなりの増補(『孝行和讃』が225句であるのに対して本書は280句)を行ったもの。特に、本文中程で自分の利得が他人の害となること、人との約束は必ず守ること、他人の恩は忘れず自らがなした恵は恩にきせないこと、自分を諌める人を大切にすべきことなどを述べた部分(40句)は完全な増補部分で、そのほか、『孝行和讃』とわずかに文言が異なる所も散見されるが、説くところの教訓は同様である。また、巻末に「竹の子はみな竹の子といわるゝに 人の子ひとゝいわれぬぞうき」以下の教訓歌八首と「天はおそろし」以下8カ条の教訓、また、「御高札のうつし」「或賢君の御教詠」等を載せる。また、天保板の裏見返に薬種の効能書きに見立てた教訓文「〈一心伝受〉家内相続丸」を付す。なお、柱に「好古窩蔵」と記す。また、天保板の序文末尾にあった「天保六の年春三月、黄牛子識」の記述は嘉永板では削除されている。。
★原装・題簽付・状態良好。記名なし・蔵書印なし。
2500円 孝子源助伝[孝子伝・源助伝]
【判型】半紙本1冊。縦226粍。
【作者】伊藤祐直(養宣)作。休民画。
【年代等】文化4年9月、中邨元茂(伯先)序。文化8年6月、中邨元恒(中?)跋。文化8年7月刊。坎水園蔵板(正式な出版であることを示す朱印を押す)。[京都]吉田四郎右衛門売出。
【備考】分類「伝記」。信州上伊那郡宮田(ミヤダ)村(現長野県宮田村)の孝子、湯沢源助(源介・長好)の伝記。後半は、楠仏歎の「録孝子源助事」(寛政12年6月)、酒井忠恕の「贈源助子詩并序」、釈実巌の「普門品書写供養塔銘并序」(寛政8年冬)など12編の賛辞・題辞を収録する。本書は「旧高遠藩黌進徳館教科書」といい、惟神教会によって昭和11年に復刻版が出ているが、底本はその元になった江戸期版本である。
★原装・題簽付・並本(裏表紙破損、表紙等汚損)。稀書(全国に所蔵数カ所(国文学研究資料館DB))。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、複製本が、4,500円】。
6500円 〈教訓絵入〉百物語[教訓百物語]
【判型】半紙本2巻2冊。縦226粍。
【作者】村井由清作。
【年代等】文化8年5月初刊。文化12年3月再刊。[大阪]加嶋屋久兵衛(盛藻堂)板。
【備考】分類「心学」。夜、数人が集まって順番に怪談を語り合う遊び。ろうそくを100本立てておいて、1話終わるごとに1本ずつ消していき、100番目が終わって真っ暗になったとき、化け物が現れるとされた「百物語」に見立てて、処世訓を諭した心学書。「あさおきて夕べに顔はかはらねど、いつの間にやら年寄けり」といった道歌を多く交えるほか、挿絵数葉を載せる。
★原装・題簽付・状態不良(表紙虫損、本文は概ね小虫で補修済み)。記名なし・蔵書印あり。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、70,000円85,800円】。
4000円 〈教訓〉鄙都言種[〈教訓〉ひとこと艸・人言草](後編)
【判型】半紙本2巻2冊。縦222粍。
【作者】樗樸(撲)道人作・序。玉山画。
【年代等】享和2年9月序・刊。[大阪]今津屋辰三郎板。
【備考】分類「心学・教訓」。前後2編4巻4冊。和漢の名言・名句・名歌等を題材に綴った童蒙教訓書。後篇上巻は「天は卑(ひくき)に聞(きく)」「鴬は梅にすむもの」「君臣」「親子」「朋友」など二七項、同下巻は「孝行」「恭敬」「猿の尻わらひ」「誕生日(たんじようにち)」「子に教ゆる法」など二七項を収録し、随所に小さな訓話や教訓画を鏤める。
★原装・題簽付・状態良好。記名なし・蔵書印なし。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、前後2編4冊本が、27,500円77,000円。前編・後編端本2冊が、27,500円】。
4000円 うすひき歌信抄[宇須飛幾歌信抄]
【判型】半紙本1冊。縦225粍。
【作者】伊賀国某作。諦住編・序。
【年代等】安永7年自序。安永8年1月刊。[京都]菊屋喜兵衛板。
【備考】分類「真宗」。臼を挽きながらうたう仕事唄である「臼挽き唄」になぞらえて真宗入門の手引きとしたもの。もと伊賀国某が作ったものに「要文の類似するものを輯めて、その言を証」sたもの。「鐘てしらずも太鼓でよぶも、余所に迷ひしわし故に」のように七七七五調の俗謡を大字・二行で掲げて、それぞれ細字の半丁1丁程度の解説を付す。
★原装、題簽欠・状態良好。稀少本。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、16,500円32,400円】。
5000円 於千代物語[〈薩州〉お千代物語・〈薩州〉おちよ物語]
【判型】半紙本1冊。縦225粍。
【作者】不明。
【年代等】嘉永7年初刊。明治初年後印。[京都]西村七兵衛板。
【備考】分類「伝記」。薩摩藩における真宗弾圧関連史料。藩の掟を破って浄土真宗に篤く帰依した薩摩藩士、青木清助の娘お千代が京都参詣したことに対する吟味および処刑の顛末を記したもの。彼女は、寛政5年18歳の時に浄土真宗本山参詣のため、表向きは「花見遊山」と称して同行3人とともに京都旅行を果たし、しばらくは表沙汰にならなかったが、寛政8年7月にその噂を聞きつけた役所から呼び出され、同行した3人とともに厳しい吟味を受け、吟味役人より「心底を改め浄土真宗の信仰を捨てたならば命は助けてやる」と改宗を迫られた。しかし、お千代以下4人は皆、真宗の信仰を捨てることはあり得ないと主張し、いかなる刑罰も受ける覚悟である、改宗は言わば、二人の主人に仕える武士、あるいは二人の夫に仕える妻の如きもので、阿弥陀仏に対して二心を持つことはできないと固く信念を曲げなかった。処刑の直前に、お千代は「七十万石の女人往生の先達であるから」と言って、南無阿弥陀仏の6字を頭に取った辞世の和歌6首を書き残した。処刑直後に西方より紫雲がたなびき、斬首された首が一瞬空中に止まり念仏した後、西方に向かって飛び去ったという。このような経緯を述べて、金剛堅固の信心の大切さを諭し、最後に弘法大師の十無益の詠歌を掲げて締め括る。
★原装・題簽付・美本。記名なし・蔵書印なし。稀書(全国に所蔵数カ所(国文学研究資料館DB))。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、13,200円(題簽欠)70,000円】。
2000円 善悪因果経絵抄[善悪因果経之絵抄・〈仏説善悪〉因果経絵抄](2巻)
【判型】半紙本7巻5冊中の第2冊(2-3巻)1冊。縦225粍。
【作者】不明。
【年代等】元禄13年初刊(宝永5年に版木類焼)。享保17年7月再刻。[京都]天王寺屋市郎兵衛板(同板別本の刊記による)。
【備考】分類「仏教」。『善悪因果経』の由来等の解題と、『善悪因果経』の本文を一句ないし数句毎に詳しく注解したもので、頭書にも関連の絵図や補注を掲げる。なお『善悪因果経』は、6世紀に中国で成立した偽経である。内容は、祇樹給孤独園(祇園精舎)にて神々や人々に対し説法する釈迦に対し、アーナンダ(阿難)が世間の人々の間にある境遇の違いはいかなる理由で生じるのかを尋ね、釈迦がそれに答える。前世での行為が今生でどんな境遇を引き起こすか、今生での行為が来世でどんな境遇を招くか、列挙していく。容姿の美しさは忍辱によるもの、身分の高さは礼拝によるもの、と個別の善行・悪行とそれが招く境遇が明確に対応させてある。輪廻の中で衆生が受ける苦しみの原因は十悪業にあると説かれる。殺生や邪淫のような罪は人々を地獄道、畜生道、餓鬼道に堕とし、たとえ人として生まれることができても、前世での各悪行に対応する災いをかぶることになる。以上のような釈迦の説法を聴いていた聴衆の一人に十悪業を犯した人達がおり、彼らは泣き叫んでどんな善行をすれば、先に説かれたような来世の苦しみを避けられるのかを問う。 問いに対し、釈迦は衆生の教化に勤め、福となる業を招くことをすすめる。その方法として塔や寺を建立する事、燈火をつけて明かりをつける事、人に飲食を施す事、等をあげていき、各善行に対応する福徳を告げていく。釈迦はアーナンダに、この教えを衆生に勧めて読み上げ修行し、苦難から逃れられるようにせよ、と説く。また、この経典を聴いて誹謗する人がいれば、その人の舌は堕ちる、と述べた。アーナンダは釈迦にこの経の名前は何にするか尋ねると、『善悪因果(経)』又は『菩薩発願修行経』であると命名がなされる。最後に、釈迦がこの経典を説いたとき、聞いていた聴衆のうち、八万人の天女たちは阿耨多羅三藐三菩提心を起こして男性となり、千二百人の悪人たちは毒となる考えを捨てて自身の宿命を知り、多数の善人たちは無生忍(無生法忍、「一切のものは不生不滅である」という真理をさとること)を得、正者たちは浄土に生まれ変わり仏たち菩薩たちと共に過ごすようになり、他の衆生たちも帰宅して大きな福と喜びを得た、と記される(Wikipedia参照)。
★原装・題簽付。全5冊または7冊本の第2冊(2-3巻)のみ。状態並み(小虫)。記名・蔵書印あり。稀書(全国に所蔵数カ所(国文学研究資料館DB))。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、40,000円(5冊本)85,800円(7冊本・原装本)】。
6800円 大和名所記(山村重三郎板)
【判型】半紙本1冊。縦232粍。
【作者】不明。
【年代等】江戸後期刊。[奈良]山村重三郎板。
【備考】分類「地誌」。大和国の概要と奈良の名所旧跡や奈良から諸国への道法、また、南都七大寺などを明記した小冊子(表紙とも全8丁)の奈良の名所案内(田舎板)。刷外題の目録題簽に「大和国寺社方/本尊宗旨付/寺領会式付/大和国十五郡図/御給人御居城付/并御蔵屋敷付」と記す。また、見返に「大和国十五郡之図」を掲げる。
★原装・刷外題・状態概ね良好。記名なし・蔵書印なし。稀書(全国に所蔵数カ所(国文学研究資料館DB))。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、類書が、7,700円(明和6年)68,000円(明和6年)】。
2000円 〈大成当流〉七宝小うたひ百番(宝永3年板後印)
【判型】半紙本1冊。縦225粍。
【作者】不明。
【年代等】宝永3年1月初刊。江戸中期後印。[京都]菱屋治兵衛板。
【備考】分類「謡曲」。春・夏・秋・冬・雑の5部に分けて主要な謡曲を収録したもの。頭書に「五節句謡并門出諷之事」「船中謡并新宅謡之事」「歌・連歌後謡之事」「万手本づくし」「奉公人請状之事」「家売券状之事」「貸屋請状之事」を掲げる。
★原装・題簽付・状態並み(一部小虫)。記名なし・蔵書印あり。稀書(他に所蔵無し(国文学研究資料館DB))。
5500円 世継草[世つぎ草](嘉永3年・鈴木重胤)
【判型】半紙本1冊。縦231粍。
【作者】鈴木重胤作。
【年代等】嘉永2年11月、大滝光憲(ミツアキラ)序。嘉永3年1月、竹内経成跋・刊。刊行者不明。
【備考】分類「神道」。関東・東北における間引きの風習をとどめるために、古道を解説して人心に訴えたもの。嘉永2年11月の大滝光憲の端文と、同3年正月の竹内経成の後序とが付いている。なお、桂誉重の『世継草摘分(ヨツギグサツミワケ)』3巻(明治16年刊)は本書の抄注(「日本思想史文献解題」参照)。
★改装・題簽欠・状態良好。記名なし・蔵書印あり。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、6,600円】。
10000円 〈名家合作〉地口画譜[画口合]
【判型】半紙本1冊。縦228粍。
【作者】暁鐘成(鶏鳴舎)序。九鳳・淡水・舞園・雲洲・半山・米冲・琵水・青洋・瓢水・湖竜・竹渓・公長・野亭・長水・君峰・芳園ほか作・画。
【年代等】嘉永3年7月、篠崎小竹序。明治27年6月刊。[東京]博文館(発行人:大橋新太郎)蔵板。
【備考】分類「遊戯」。庶民風俗画や風景画などを多く掲げた地口絵集。天保10年刊『絵口合種瓢』3巻(上・下・附録)より絵入りの丁だけを抜粋した改編本。
★原装・題簽付・状態良好(本文は全頁絵入りで、色刷り挿絵も多数)。記名なし・蔵書印なし。
500円 草子洗小町(観世流・活版洋装本)
【判型】縦228粍。
【作者】観世左近24世校訂。
【年代等】昭和16年9月刊。[東京]檜書店板。
【備考】分類「謡曲」。詳しい解説と図解を付す。
★原装・題簽付・状態良好。記名なし・蔵書印なし。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、1,650円】。
15000円 救荒孫之杖[救荒孫の杖・孫杖]
【判型】大本1冊。縦238粍。
【作者】雲洞(神竜・枕雲洞・法天・無心庵)作。
【年代等】天保7年12月、丹羽悳(積善堂)序。天保8月3月、熊倉備貞序・刊。[越後笠槙]優学館蔵板。
【備考】分類「災異」。日本の飢饉の歴史や飢饉の状況、飢饉の予兆や越後における飢饉について述べ、さらに、飢饉時の救荒食や、瀕死の人に対する救助法などにも言及した絵入りの救荒書。「本朝飢饉運数之事」「飢饉先兆の事」「奥羽飢饉風説の事」「当国飢饉の事」「宝暦義夫餓?の事」「古今人情生計くらべ」「飢饉扶食糧製(実類・根類・?葉ワカバ類・荒地に植べき物・干糧ホシガテにして長貯へらるゝ物・海産長く貯へらるゝ物・獣肉・糧物の心懸に蒔べき物・粃味噌製法・飢饉の時、雑食いたし喰あたりに用る法・餓?ウエジニを救う法・縊死クビククリジニ)を救う法・溺死ミズニオボレジニを救う法他)」「飢饉雑食之事」について記す。諸本によって部分的な改刻が少なくない。
★原装・題簽付・概ね状態良好(わずかに小虫)。田舎板・稀書。記名なし・蔵書印なし。
16000円 百人一句
【判型】半紙本1冊。縦228粍。
【作者】蘆竹庵(芦竹庵)白?作・序。
【年代等】天保15年8月、芦竹庵序・刊。刊行者不明。
【備考】分類「俳諧」。。
★原装・題簽付・美本。稀書(全国に所蔵数カ所(国文学研究資料館DB))。記名なし・蔵書印なし。
15000円 和歌童翫抄(宝暦板2種)
【判型】半紙本1冊。早印本・後印本の順に縦229・227粍。
【作者】亨辨(コウベン、高辨・遁危子トンキシ)作。
【年代等】宝暦4年5月刊。[江戸]大坂屋平三郎板。江戸後期後印。[江戸]岡田屋嘉七板。
【備考】分類「歌学」。早印本と後印本の2種。『和歌童翫抄』は、1巻1冊、語学、遁危子著、宝暦4年刊。初心者の詠んだ和歌に、てにをは・仮名遣いの誤りの多いことから、その正しい使い方を教えようとした書。係り結びの法則を中心に記憶しやすいように歌に作り、更に種々のてにをはの用法、「うつつ」「つれなき」等誤りやすい数語の意味を説いた後、「い・ゐ」「を・お」「え・ゑ」「たふ・とふ」の仮名遣いについても法則化したものを和歌に作って示した後解説を加えている(「日本古典文学大辞典」参照)。
★原装・題簽付・早印本は手彩色模様表紙で美本。後印本は表紙やや汚損だが中は状態良好。記名・蔵書印あり。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、虫損・改装本が、7,500円】。
10000円 孝経義
【判型】半紙本2巻2冊。縦233粍。
【作者】金岳陽(コンガクヨウ。秀順ヒデヨリ・順・金天祐テンユウ)注・序。金秀信(高朗)校。
【年代等】天保5年1月自序・刊。[秋田]久保田藩板カ。
【備考】分類「漢学」。久保田藩校「明徳館」学頭の金岳陽が平易に解説した『孝経』の注釈書。金岳陽(1758-1813)は、江戸時代中期-後期の儒者。宝暦8年2月10日生まれ。山本北山にまなび、出羽(でわ)久保田藩(秋田県)につかえる。財用奉行などをへて藩校明徳館でおしえ、祭酒(学頭)となった。文化10年10月16日死去。56歳。名は秀実・秀順。字(あざな)は天祐。通称は宇平治。別号に寛斎・玉振。著作に「孝経義」「論語始末」など。
★原装・題簽付・状態概ね良好(わずかに小虫)。田舎板・稀書(全国4カ所)。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、20,000円22,000円】。
3000円 〈士農工商通用〉百姓袋[百姓嚢](5巻1冊後印本・益軒仮託)
【判型】半紙本5巻1冊。縦224粍。
【作者】西川如見(忠英・求林斎)作(後印本では貝原益軒に仮託)。
【年代等】享保6年10月序。享保16年10月初刊。江戸後期再刊。[大阪]秋田屋太右衛門(宋栄堂)板。
【備考】分類「農業・教訓」。幕藩体制下の農民の処世訓。『百姓嚢』は、5巻、教訓、西川如見著、享保6年自序、同16年京都柳枝軒刊。いわゆる「ふくろもの」と呼ばれる如見の代表作の一つ。士農工商の階級中、最も重要な生産力を持つ農人を百姓と代名し、重農主義を強調したもの。人間の食糧生産の十分な向上のため、元禄期の農業書の出版普及を受けて、技術の普遍化を企図している。農業を中心としているが、漁業にも言及し、食生活の古今東西の相違を論じ、粗食長命・肉食短命論を展開し、一夫一婦制をも強調する。その倫理観は謙下質素を基本とすべきことを論じ、中国思想、神仏混淆思想によって、諺・童謡などにも言及する。巻1は百姓の定義を始め12項、巻2は殺生の戒を始め12項、巻3は積善積悪の論を始め14項、巻4は薯藷論を始め8項、巻5は夜さむ麦吉の論を始め12項を収める。本書は、宮崎安貞著『農業全書』の影響下に、幕藩体制下の農漁業従事者の倫理を説いたものであるが、重農主義の立場を強調して、食生活の改善、質素実義の重要性を論じた点は特異である(「日本古典文学大辞典」参照)。百姓への心得書。衣食住を人間の三養として、その三養を生産する百姓の重要性を述べ、同時にその百姓に対し、節約・勤勉を奨励した内容(日本史研究参考基礎史料一覧HP参照)。
★原装、題簽付・状態並み(一部小虫)。5巻合1冊本。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、5冊本が4万950円6万900円】。
10000円 〈士農工商通用〉百姓袋[百姓嚢](5巻3冊文政板・益軒仮託)
【判型】半紙本5巻3冊。縦224粍。
【作者】西川如見(忠英・求林斎)作(後印本では貝原益軒に仮託)。
【年代等】享保6年10月序。享保16年10月初刊。文政8年8月再刊。[大阪]秋田屋太右衛門(宋栄堂)ほか板。
【備考】分類「農業・教訓」。幕藩体制下の農民の処世訓。『百姓嚢』は、5巻、教訓、西川如見著、享保6年自序、同16年京都柳枝軒刊。いわゆる「ふくろもの」と呼ばれる如見の代表作の一つ。士農工商の階級中、最も重要な生産力を持つ農人を百姓と代名し、重農主義を強調したもの。人間の食糧生産の十分な向上のため、元禄期の農業書の出版普及を受けて、技術の普遍化を企図している。農業を中心としているが、漁業にも言及し、食生活の古今東西の相違を論じ、粗食長命・肉食短命論を展開し、一夫一婦制をも強調する。その倫理観は謙下質素を基本とすべきことを論じ、中国思想、神仏混淆思想によって、諺・童謡などにも言及する。巻1は百姓の定義を始め12項、巻2は殺生の戒を始め12項、巻3は積善積悪の論を始め14項、巻4は薯藷論を始め8項、巻5は夜さむ麦吉の論を始め12項を収める。本書は、宮崎安貞著『農業全書』の影響下に、幕藩体制下の農漁業従事者の倫理を説いたものであるが、重農主義の立場を強調して、食生活の改善、質素実義の重要性を論じた点は特異である(「日本古典文学大辞典」参照)。百姓への心得書。衣食住を人間の三養として、その三養を生産する百姓の重要性を述べ、同時にその百姓に対し、節約・勤勉を奨励した内容(日本史研究参考基礎史料一覧HP参照)。
★原装、題簽付(一部摩滅)・状態良好。5巻3冊本。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、5冊本が4万950円6万900円】。
10000円 冥加訓(5巻3冊・後印本)
【判型】半紙本5巻3冊。縦223粍。
【作者】関一楽(輔仁堂)作・序(序文によれば著者81歳の著作)。
【年代等】享保9年8月刊記。享保9年11月序・初刊。江戸後期後印。[大阪]河内屋清七ほか板。
【備考】分類「教訓」。『貴賤身躰直し』の巻末広告「教訓人々読みて益有る書目録」には、本書が「天道に叶い、仁義の道を弁うれば、冥加あって福寿を得、子孫も栄ゆる道理を詳しく記す」と紹介されている。また、江戸中期刊『筆道稽古早学問』の書籍広告には「冥加訓、関一楽翁著、五巻合本、全三冊。人の衣食住の冥加はもとより、朝夕の行いにつけても冥加を知らしむる事を要とす。貴賤、此の書により人生を守り給うべし」とある。本書は『書経』洪範篇に説かれた「五福六極」や陰隲(インシツ)論を中心に、天道に沿った正しい生き方を通じて冥加を得ることを諭した教訓書。まず第1巻では、寿命・富・康寧・悠好徳・好修命の「五福」と凶短折・貧・疾・憂・悪・弱の「六極」、また、福を極に変ずる要因である「飲・食・色」や「貪・瞋・痴」のあらましを述べる。第2巻でこれらの原理を士農工商の家職に当てはめ、身の養生や住居内外の清掃、天地・五行の恩、伊勢・八幡・春日・稲荷・天神・敷地の神等の崇拝、起床後の挨拶・拝礼、凡情の戒めについて諭し、第3巻では寿命に関する所説として養生、七情、名利の欲、飲食の欲、男女の欲などを説く。第4巻は脾胃の養生や父兄の心得や育児、君臣の関係、第5巻は夫婦、兄弟、姑と嫁・養父と養子・継母と継子、朋友などの人倫を中心に展開した後、生類の殺生に言及して締め括る。なお、天明8年刊『〈諸家〉渡世肝要記』には本書からの引用が多く見られる。
★原装・題簽付・極美本。記名・蔵書印あり。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、江戸後期後印本が、75,000円】。
15000円 訓蒙勧孝録(前編・初板本)
【判型】半紙本前編3冊。縦226粍。
【作者】平井庸慎(ツネヨシ、主善・守善・舟山)編。馬杉恭(謙亭)・和気朝臣惟亨・平井敬恭序。石原房貞跋。速水春暁斎画。*後編は平井庸慎編。平井敬恭序。石原房貞跋。速水春暁斎画。
【年代等】文化13年5月序。文化14年5月刊(初板本)。見幾堂蔵板。[大阪]河内屋太助ほか板(見返には「瑞錦堂発行」と記す)。
【備考】分類「往来物・教訓」。本書は、凡例に「『孝経』の四、五章の意と『小学』の書に孝悌のことをいへるを主として、其ことの類ひによりて篇をわかち聚(あつ)め侍り」とあるように、『孝経』『小学』の教えを核に勧孝の契機となる金言・故事・略伝等を和漢の孝子伝等から数多く集めた仮名書き絵入りの教訓書。細かい編目に分けて記述し、前編に「五倫五常篇」「総要篇」「朝夕事親篇」「出入必告(かならずもうす)篇」「子婦無自専(みずからもっぱらにすることなき)篇」「供養(きょうよう)篇」「養志(こころざしをやしなう)篇」「敬身篇」「致敬篇」「順父母(ちちははにじゅんなる)篇」「感応篇」「娶妻(つまをめとる)篇」「事舅姑(しゅうとしゅうとめにつこうまつる)篇」「事母(ははにつこうまつる)篇」「事継母(ままははにつこうまつる)篇」「継子篇」の16篇を収録。前編上巻の前半で「天命の性」「元亨利貞」「五常(仁義礼智信)」「性善」「四端」「五倫」「智仁勇」などを略述し、上巻後半からは和漢諸書を引きながら具体的かつ平易に説く。上欄余白に要語や出典を明記し、各冊とも挿絵数葉を掲げる。
★原装・題簽付・状態良好。記名なし・蔵書印なし。稀書。『国書総目録』に板本所蔵なし。
26000円 訓蒙天地辨
【判型】半紙本3巻3冊。縦224粍。
【作者】高井蘭山(文左衞門・思明・伴寛トモヒロ・三遷・哂我シンガ)作・序。
【年代等】寛政3年8月自序。寛政3年冬刻。寛政4年春初刊。江戸後期後印。[江戸]須原屋伊八板。
【備考】分類「天文」。天・地・人より成り、天は日・月・星について、地は風や雲・虹・地震などの自然現象について、人は人と仙人について、俗説も含め、童蒙向けに絵入りでわかりやすく述べた書。天文のみならず自然現象一般に関する常識的啓蒙書。問答体をなし挿図が多い(国文学研究資料館DB)。目次によれば、上巻は「開闢」「天」「地」「日」「日の出入り大く見ゆる」「月」「月の盈虚(ミチカケ)」「満月十五夜に限らず」「月の出大く見ゆる」「朏(ミカヅキ)の正斜」「日月の中の黒物(クロキモノ)」「日月の触」「日月の暈」「星」「白昼の星」「星月を貫(ツラヌク)」「日月星天に麗(カカリ)て隕(オチズ)」「星の飛并妖火(イカリモノ)」「星隕(オチ)て石となる」「彗星(ハハキボシ)」「天漢(アマノガワ)」「寒暑行(オコナワ)るゝ」「運気」の23項。中巻は「風」「二八月風強く吹」「二百十日・八朔荒」「雲」「雲に種々(サマザマ)の色を現(アラワ)す」「山より煙の起(タツ)」「霞」「春の花曇」「霧」「雨」「入梅(ツユ)」「時雨(ユウダチ)」「虹」「日照雨」「雪」「雪の降前温(アタタカ)なる」「高山に早く雪降」「霰(アラレ)・霙(ミゾレ)」「夏雹の降」「露」「霜」「雷(ライ)」「電(イナビカリ)」「地震」「震動」「温泉」「潮汐(シオ)」「海水鹹氷(シワハユク、コオラ)ず」「津浪(ツナミ)」「蜃気楼」「木を斬(キッ)て火の出る」「野燐(キツネビ)」「火柱」「天狗」の34項。下巻は「人」「仙人」の2項。
★原装・題簽付・美本(わずかに数丁のど余白部に小虫)。記名・蔵書印あり。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、3巻合本・傷み本が、55,000円】。
8000円 家道訓(文化12年)
【判型】半紙本6巻3冊。縦224粍。
【作者】貝原篤信(益軒)作、茨木多左衛門(茨城信清、柳枝軒)跋。
【年代等】正徳2年(1712)1月跋・初刊([京都]茨木多左衛門板)。文化12年再刊。[京都]勝島喜六郎(瑞錦堂)板。
【備考】分類「教訓」。士農工商の全てにおける修身斉家や家政全般のあり方を述べた仮名書きの教訓書。第4巻以降は特に「用財(財を用いる法)」について焦点を当て、私欲を抑えて倹約に徹し家業を勤める勤倹二道や分相応の生活、家屋・家財の修繕、家計収支の管理、陰徳・積善、父母の奉養、器物や書物の借用、倹約と吝嗇、粗食三養など多方面にわたる心得を説く。あえて区分すれば、理念を主とした13巻と、やや具体例の多い46巻に分けられるが、重複的な記事が各巻に散見されるなど巻構成上の明快な区分はない。
★原装、題簽付・美本。記名・蔵書印あり。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、江戸期版本が、7,500円(3冊本)96,800円(6冊本)】。
1000円 梅花心易掌中指南[聚類参考梅花心易掌中指南・掌中指南](破損補修本) ★ゆうパック着払い
【判型】半紙本5巻5冊。縦221粍。
【作者】馬場信武(時習斎)作。
【年代等】元禄9年6月、泉田梅翁序。元禄9年6月自跋。元禄10年1月初刊。寛延4年再刊。[京都]上坂勘兵衛ほか板。
【備考】分類「占卜」。
★原装・題簽付・状態不良(1・3巻は虫損が目立つ、他巻は小虫で、全巻補修済み。参考品です)。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、5冊本が4,500円28,000円】。
25000円 絵本野山草[画本野山草](明治初年・芸艸堂板) ★ゆうパック着払い
【判型】半紙本5巻5冊。縦234粍。
【作者】橘保国(法橋保国・後素軒)画。
【年代等】宝暦5年8月初刊([大阪]渋川清右衛門板)。明治初年後印。[京都]芸艸堂板。
【備考】分類「植物」。甘菊花・紫宦E花蔓草・熊谷草・敦盛草等約200種の野草類を描いた絵本。各植物の解説文あり(西尾市岩瀬文庫・古典籍書誌DB参照)。/大坂の絵師、橘保國のあらわした植物図譜。のびやかに生き生きと描かれた花の絵は意匠性に富み、眺める楽しさに満ちており、いくつかの植物には詳しい説明が添えられている。マリーゴールドやポピー等、珍しい渡来植物を多く載せることも本書の特徴である。浮世絵師、北尾重政の図様の典拠であるとの指摘もあり、植物図と浮世絵花鳥画との関連も窺わせる(千葉大学、江戸・明治期園芸書コレクションHP参照)。/本書は、絵手本ながら立派な植物図譜。本文は各巻20丁前後、草木は線描によって画かれ各々の植物の特徴をよく表現している 序文にもあるごとく外来植物を取り入れ、銀銭花、らんぎく(だんぎく)、午時花(ごじか)、夕錦(おしろいばな)、羽衣草(のこぎりそう)、紅黄草(マリーゴールド)、鬱金(うこん)、立葵(ホリホック)、時計草、千日紅、あらせいとう(ストック)、日車草(ひまわり)、美人草(ポピー)、鳳仙花、べにのはな、朝鮮(ちょうせん)蕣(あさがお)(一年草ダツラ)、貴船菊(八重咲しゅうめいぎく)などである(名古屋園芸HP参照)。
★原装・題簽付・極美本・書袋付。記名なし・蔵書印なし。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、50,000円30万8,000円(初刷)。明治初年後印本が、66,000円93,500円】。
25000円 広益農工全書[〈広益〉農工全書] ★ゆうパック着払い
【判型】半紙本1冊。縦227粍。
【作者】宮崎柳条編。農商務少輔品川公題辞。
【年代等】明治14年10月凡例・刊記。明治14年11月、金子精一序・刊。[東京]牧野善兵衛(清風閣)板。
【備考】分類「産業」。文明開化による変化が著しい明治初年の農工関係の技術について、本邦伝来の技術のうち有益なものは残したうえで、西洋諸国の科学技術も吟味・精選して導入すべく、殖産興業の点から重要な農工技術について図解を多く交えて詳しく論じた書。全5巻からなり、1巻「植液類」は、「採漆の工」「植?の工」「○様?説」「搾油(サユ)の工」「○水車搾(シボリ)」「○綿子油(メンシユ)」「○油を精製する法」「○白搾(シラシボリ)油」など、2巻「植液類」は、「砂糖の工」「○洋法砂糖製造略説」「○糖蔗種類」「○蘆粟糖評論」「○同栽培及び製糖試験説」「○産糖各国供給の沿革」「蔗糖国」「?(テン)菜糖国」「椰糖(ヤトウ)国」「槭糖(シュクトウ)国」など、3巻前半「醸造類」は、「酒造の工」「○?(モヤシ)の製法ほか」「○本?(モト)仕込方ほか」「醤油の工」など、3巻後半「染料類」は、「■(青+定)藍(アイ)の工」「○製藍洋法」「紅藍(ベニ)の工」「○洋法燕脂(カタベニ)製法」「茜根(アカネ)の工」「紫草の工」など、4巻前半「澱粉類」は、「漿粉(ショウフ)の工」「葛粉(クズ)の工」「豆腐の工」「飴の工」など、4巻後半「繊維類(上)」は、「紙漉の工」「○書院紙漉法」「○漆漉紙漉法」「附録、諸国産紙品類」「織布の工」「○蚊帳地品類」「○苧麻(カラムシ)植法」「○麻布品類」「○葛布(クズ)織法略説」など、5巻「繊維類(下)」は、「草綿の工」「○草綿栽培法」「○諸国産綿品隲」「○綿繰器械」「○洋式綿繰器械」ほかについて記述する。
★原装・題簽付(1冊欠)・美本・本文挿絵多数、各巻に色刷り数葉あり。記名なし・蔵書印なし。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、端本3冊が、7,630円】。
8000円 四ッ谷雑談[四谷雑談] ★ゆうパック着払い
【判型】半紙本15巻7冊中の6冊(11-12巻1冊欠本)。縦220粍。
【作者】不明。
【年代等】江戸後期書。
【備考】分類「実録」。いわゆる「東海道四谷怪談」を題材にした実録体小説。底本は全15巻7冊構成であるが、そのうち11-12巻1冊を欠く。11-12巻を除く各巻の構成は次の通り(原則目録によるが、目録を欠く巻は本文の小見出しによるが、附けたりの見出しは割愛)。1巻は「江戸繁栄并四ッ谷開発の事」「伊東喜兵衛、庭前花見之事」の4項、2巻は「伊藤喜兵衛妾お花懐妊の事」「伊藤喜兵衛、田宮が女房に初て対面の事」の2項(以上第1冊)、3巻は「田宮伊右衛門邪見の事」「伊藤喜兵衛、田宮伊右衛門は妹聟になる事」の2項、4巻は「田宮伊右衛門、婚礼の事」「田宮伊右衛門前妻、鬼女に成事」の3項(以上第2冊)、5巻は「伊藤喜兵衛、隠居の事」「田宮伊右衛門屋敷へ幽霊出る事」の3項、6巻は「田宮伊右衛門が屋敷、不思議有事」「田宮伊右衛門が女房歎きの事」の2項(以上第3冊)、7巻は「今村伊兵衛、長右衛門に異見の事」「田宮伊右衛門女房、病気の事」の2項、8巻は「伊藤喜兵衛、隠居新左衛門を養子にする事」「多田三十郎、吉原へ行事」の2項(以上第4冊)、9巻は「鈴木三太夫、多田三十郎を討事」「伊藤喜兵衛、気田覚兵衛御仕置の事」の2項、10巻は「伊藤新左衛門追放になり、深川永代寺へ退く事」「田宮伊右衛門、前妻の生死尋る事」の3項(以上第5冊)、この後11-12巻の第5冊は欠本、13巻は「田宮源五右衛門、乱心に依て御扶持召放さるゝ事」「秋山長右衛門、同(オナジク)庄兵衛、病死の事」の4項、14巻は「秋山小三郎家へ化物出る事」「秋山小十郎、病死の事」の2項(目次は3項だが本文は2項)、15巻は目録がないため本文小見出しによると、「伊藤土快最期の事」の1項(以上第6冊)。本書に類似するものとして、明治17年刊『〈今古実録〉四ツ谷雑談』([東京]栄泉社*活版)があるが、項目や本文は異なる。
★原装・状態概ね良好(表紙痛み、本文は概ね良好)。記名なし・蔵書印あり。稀書(国文学研究資料館DBでは所蔵がないが、全国に数点はあると思われる)。
38000円 〈図解〉武用辨略[武用辯略](延享5年) ★ゆうパック着払い
【判型】半紙本8巻8冊。縦219粍。
【作者】木下義俊(豊臣義俊)編。負暄子(?衣斎)校。
【年代等】貞享元年自序。延享5年1月再刊。[大阪]糸屋市兵衛求板。
【備考】分類「兵法」。所領支配や武家諸役、武具・馬具・軍陣など兵法全般の事柄を集めて解説した軍学書。全8巻。第1巻は「天時之辨」「国府之辨」の2章からなり、「天時之辨」は気象や暦占関連の記事で、「天時」「気」の45項、「国府之辨」は律令国および国府・国力等の記事で、「国」「田数高」の12項。第2巻は「城郭之辨」「殿屋之辨」「武兵之辨」の3章からなり、「城郭之辨」は城郭に関する記事で、「城」「塵落不浄流」の23項、「殿屋之辨」は住居その他の建物に関する記事で、「殿屋」「牢屋」の12項、「武兵之辨」は武家上下の諸役から紋様・印判までの記事で、「武」「将軍略譜(源頼朝4代将軍徳川家綱)」の50項。第3巻は「弓矢(キュウシ)之辨」の1章からなり、弓矢と関連の武器に関する記事で、「弓」「根(矢尻)」の42項。第4巻は「射事之辨」の1章からなり、弓術・射芸全般に関する記事で、「的」「檠(弓矯ユダメ)」の34項。第5巻は「著具(着具チャクグ)之辨」の1章からなり、甲冑全般と着用に関する記事で、「甲冑」「采幣(サイヘイ、采配)」の32項。第6巻は「備器之辨」の1章からなり、軍陣等に関する記事で、「旛(ハタ)」「六具」の14項。第7巻は「馬事之辨」の1章からなり、馬具に関する記事で、「馬」「楼額(ロウガキ)」の30項。第8巻は「鷹犬(ヨウケン)之辨」の1章からなり、鷹狩りに関する記事で、「鷹」「緤(キズナ)」の21項。いずれも各分野に関する要語を詳しく解説し、多く図解を交える。なお、本書は、貞享元年初刊の後、正徳2年・延享5年・文化9年(増補校正)・文化10年(同)・弘化3年(図解)・刊年不明板など何度も再刊されている。
★原装・題簽付(1冊題簽1/2破損)・美本。記名なし・蔵書印なし。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、原装題簽付8冊本が、63,800円(安政板)84,000円(安政板)。題簽欠の8冊本が、44,000円(無刊記)】。
15000円 華実年浪草[華実年浪草三余抄・俳諧三余抄] ★ゆうパック着払い
【判型】半紙本12巻15冊。縦225粍。
【作者】鵜川麁文(三余斎・油幕庵・木雁子・鵜川鹿文)編・序。蓼太序。
【年代等】安永10年3月、金峨井純卿序。天明元年12月自序。天明3年9月刊。三余斎蔵板。[京都]野田藤八ほか板。
【備考】分類「俳諧」。『華実年浪草』は、15冊、俳諧、油幕庵木雁子麁文編。天明2年、河内屋茂兵衛ら刊。俳諧歳時記の最も詳細なもの。近世の歳時記の例に洩れず、もっぱら四季の事物の考証を主とする。引用する書物も、『尚書』『漢書律暦志』『礼記』『爾雅』『世諺問答』『五雑組』『和訓義解』『日本酌明』『公事根源』『江家次第』『栄花物語』『岷江入楚(ミンゴウニッソ)』など和漢にわたっている。『滑稽雑談』のような同種の先行書の引用も目に付く。好評をもって世に迎えられたらしく、数種の版がある(「日本古典文学大辞典」参照)。/季語2760余を掲げ、季題を四季・月順に配列し、諸書を引用して考証・解説したもので、俳諧歳時記で最も詳細なもの。作者は、生没年未詳、天明頃の俳人で、下野の人。京都に住んで御所方に勤め、蓼太(リヨウタ)と交遊があり、季語の考証解説を試みた。
★原装、題簽付、状態良好。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、15冊揃いの同等品が、4,500円(傷み本)39,900円】。
【2019年 夏】
価 格 商 品 概 要
3000円 〈両点便用〉増補類語消息往来[増補消息往来](寛政11年)
【判型】半紙本1冊。縦225粍。
【作者】不明。
【年代等】寛政11年3月刊。[江戸]鶴屋喜右衛門(仙鶴堂)板。
【備考】分類「往来物」。鶴屋から安永7年に刊行された『累語文章往来』の増補改編本。見返「凡例」に「先に小冊の『消息類語往来』を板行せしに、便用よろしとて、大にもて扱(アツカエ)るにより、今般、新に弘むるものは、其漏たる言(コトバ)を増補して両仮名を附、つかひ方に便(タヨリ)あらしむる」と記す。ほぼ『類語文章往来』と同様の「凡、消息者、一筆・一翰・一札・一簡、啓上・啓達・呈上、任筆而、致染筆、令、仕、貴札・貴墨・芳書・御状、拝見・拝誦・披閲・披見・一覧、尊書・雲翰、公方様、倍(マスマス)御機嫌能、克、宜、御勇健、殿様書也…」と起筆し、所々に語彙を補って「…先方之事には墨を嗣、我方乾(カスリ)も有ぬべし。夫も要事は濃(コク)ぞあれ。有増書状通用文談如斯。荏其期所(ソノゴトコロニノゾンデ)用捨可有心得也。穴賢」と結ぶ。消息に多用される書簡用語を始め、用件・他出・饗応、時日・慶事・人倫・栄華・出産・贈答、商取引・旅行・運送・社交にまつわる語彙を列記し、若干の書翰作法にも言及する。本文を大字・6行・両点(漢字の左右に音訓)で記す。巻頭口絵に「相生の松」を掲げ、続けて前付として「試毫・七夕(詩歌)」「蘇東坡・朱文公故事」、頭書として「文章要字解」「文章心得草」「偏傍冠履構」を掲げる。
★原装・題簽一部欠(目録題簽は存、書名題簽は一部のみ存)・状態並み(やや汚損・疲れ)。記名なし・蔵書印なし。稀書(全国に所蔵2カ所(国文学研究資料館DB))。
3000円 〈註釈絵入〉百家用文章[年中書札]
【判型】半紙本1冊。縦225粍。
【作者】池田東籬作・書・序。
【年代等】嘉永元年11月刊。[京都]近江屋佐太郎(弘文堂)ほか板。
【備考】分類「往来物」。民家通用の消息文例を集め、注釈を施した用文章。「民家通用を専らと做(なせ)るがゆゑ、文中に漢語を省き、俗通の文字を以て、其文意要用の解易(わかりやす)きを専一とす」という方針で編まれたもの。「年頭祝儀状」から「歳暮祝儀状・同返事」までの58通を収める。四季折々の手紙や各種祝儀状・誘引状・見舞状などから成る。本文を大字・5行・付訓(漢語の一部に左訓)で記し、所々、年中行事など関連事項の注記や挿絵を施す。巻末に「殿様高下」「脇付高下」「書状留高下」「月々異名」「四季時候」を載せる。
★原装・題簽摩滅・状態概ね良好(一部汚損)。記名なし・蔵書印なし。稀書(全国に所蔵2カ所(国文学研究資料館DB))。
1200円 〈喰代豹蔵著〉開化小学用文(明治7年・半紙本)
【判型】半紙本1冊。縦230粍。
【作者】喰代豹蔵(ホウジロヒョウゾウ)作。青木東園(理中・隆)書。
【年代等】明治7年8月書。明治7年7月官許。明治7年8月自序。明治7年9月刊。[東京]別所平七(万青堂)ほか板。
【備考】分類「往来物」。消息文例(私用文例)と公用文例(「請届願証書之部」)を収録した用文章。消息文例は、「年賀状」から「獵人(かりうど)より漁者に贈る文・同答」までの45通。旧来の用文章が多く四季の書状であったのに対し、本書では「年始状」以外に季節の手紙は見られず、婚姻・出産・出仕・到仕・新居落成そのほか諸般の用件に関する例文がほとんどで、いずれも郵便や電信の時代にあって「唯簡潔ヲ貴フ」という方針で綴られている。また「請届願証書之部」には、「請書類」「届書類」「願書類」「第一類之証書」「第二類之証書」「界紙可相用証書類」の分類毎に合計32通の例文を集める。本文を大字・5行(証文類は7行)・付訓(漢語に左訓)で記す。頭書には、消息に用いられる漢語(表現)を集めた「用文字類」と、証文類に関する「証文類心得方」を載せる。なお、本書を中本仕立てにした簡略版(前項)や本書続編の『続開化小学用文』が同年に刊行されたほか、本書の改題本『〈往復自在〉帝国開花用文』が明治28年に刊行された。
★原装・題簽欠・美本。記名なし・蔵書印なし。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、1,200円3,240円】。
4000円 〈幼童〉小学近道[〈幼童〉小学ちか道]
【判型】半紙本1冊。縦223粍。
【作者】島次三郎(圭潭・嶋桂潭)編。深沢菱潭(巻菱潭)校・書。
【年代等】明治6年10月刊。[東京]島次三郎蔵板。石垣新助ほか売出。
【備考】分類「往来物」。皇国民が守るべき3カ条、日本の地理、地球および世界地理、地形・海陸・産業、祝日・暦・四季、衣食住・家業等について七五調の文章で記した往来。「掛巻もかしこかりける皇国(スメクニ)に、生繁りぬる民くさの…」と始まり、皇国民はまず第1条、神を敬い国土を愛し、第2条、天道を仰ぎ五倫を明らかにし、第3条、学問に出精すべきことを説き、次に、そもそも皇国民として国土をよく理解すべきであるとして日本の位置や領土、府県制や国内の名山や河川、さらに五大洲・五大洋、陸海の地形や自然現象、日本の港や通商・開化の状況、紀元節・天長節、太陽暦、四季時候、産業等について述べ、最後に各人が自らの家業に尽力することが孝の道であり、世の文明は人々の心によることを諭す。本文を大字・4行・付訓で記す。
★原装・題簽付・状態良好。口絵色刷り。記名なし・蔵書印なし。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、虫損本が 6,170円】。
10000円 実語教・童子教注釈書3点[天明5年板系統「実語教童子訓」、天保9年板系統「実語教童子訓」、天保14年板系統「実語教童子教具註抄」]
【判型】半紙本3冊。順に縦233・222・222粍。
【作者】【年代等】別項参照。
【備考】分類「往来物」。「実語教・童子教」の江戸中期後期の代表的な注釈書3点。それぞれの内容は次の通り。
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(1) 〈註釈絵入〉実語教童子訓〈小野篁哥字尽〉 【作者】木村某(*書肆)序。【年代】天明5年(1785)刊。[江戸]山崎金兵衛ほか板。また別に[京都]須原屋平左衛門ほか板(後印)あり。【分類】教訓科。【概要】半紙本1冊。寛文4年(1664)刊『〈新板頭書〉実語教・童子教』に挿絵や付録内容を増補して、童蒙により親しみやすく改編した往来。注釈文はほとんど同じだが体裁が若干異なり、二教本文を1行2句ずつ大字・7行・付訓で掲げ、1行ないし2行毎に小字の注釈文を付記し、さらに本文中に挿絵数葉を挟む。また、巻首に「北野天満宮図」「小野篁歌字尽」「九九の次第」「八算見一割掛之術」「月異名」等を載せる。本書は、文化9年(1812)刊『実語教絵抄』(岡田玉山注)、天保9年(1838)刊『〈絵入註解〉実語教童子訓』(八島五岳注)、天保14年刊『実語教童子教具註抄』(山崎美成注)、天保15年刊『実語教童子教余師』(山田常助注)など後続の類書に多大な影響を与えた。
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(2) 〈絵入註解〉実語教童子訓 【作者】八島五岳注・画・序。【年代】天保9年(1838)刊。[京都]大文字屋得五郎ほか板。【分類】教訓科。【概要】異称『註解実語教』『註解童子教』。半紙本1冊。江戸前期から中期にかけて流布した『実語教・童子教』の注釈書は多くが寛文10年(1670)刊『実語教諺解・童子教諺解』または天明5年(1785)刊『実語教童子訓』の系統に属するものだが、本書は『諺解』と『童子訓』の双方を折衷して編んだ二教の絵入り注釈書で、江戸後期明治初年に何度も出版され普及した。儒仏に偏らない施注が特徴で、注釈文は概ね簡潔だが、適宜重点的に解説する。二教本文を16句毎に大字・6行・付訓で掲げ、小字・3行の割注を施す。また、自画の挿絵7丁(1丁4コマ)を本文中に挟む。挿絵を随所に掲げたり、漢文の引用を書き下し文にするなど童子の学習を意識した編集になっている。巻頭に「弘法大師帰朝して参内し給ふの図」を掲げる。なお、本書の影響が明らかなものに天保14年刊『実語教童子教余師』がある。また、本書は明治初年にも藤井佐兵衛によって再刊されたが、これらには『〈新板大字〉実語教・童子教』『〈太字〉実語教・童子教』など他書の題簽を流用したものが見られる。
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(3) 実語教童子教具註抄 【作者】山崎美成(北峰・久作・好問堂)注。【年代】天保13年(1842)作。天保14年刊。[江戸]藤屋宗兵衛ほか板。【分類】教訓科。【概要】異称『実語教具註抄』『実語教(童子教)余師』。半紙本1冊。『実語教・童子教』の注釈書。文化13年(1816)刊『実語教童子教証註』(振鷺亭貞居注)からの影響を色濃く受け、さらに天明5年(1785)刊『実語教童子訓』、文化9年刊『実語教絵抄』(岡田玉山編)を参照して施注したもの。仏典の引用を極力控えるなど排仏的で簡潔な施注が特徴。編集形式は『証註』と同様で、二教本文を24句毎に大字・7行・無訓で掲げ、続いて割注を置き、頭書に書き下し文を載せる。本書を模倣した注釈書として、弘化4年(1847)刊『実語教童子教増注鈔』(近沢幸山注とする)や嘉永3年(1850)刊『実語教童子教精注鈔』(蔀関牛注とする)があり、さらに頭書に若干の挿絵を加えた慶応元年(1865)刊『実語教童子教具註鈔』(蔀関牛注とする)も本書の亜流である。
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★原装・題簽付(1冊欠)・状態良好(1冊状態並み。茶渋あり)。記名なし・蔵書印なし。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、(1)が7,000円8,000円、(2)が2,060円、(3)が5,400円】。
2000円 今川状・腰越状(半紙本・河内屋板)
【判型】半紙本1冊。縦215粍。
【作者】不明。
【年代等】江戸後期刊。[大阪]河内屋佐助板。
【備考】分類「往来物」。「今川状」は、今川貞世が弟(首題に「愚息」とあるが子息ではない)の仲秋にあてた教訓で、「一、不知文道而、武道終不得勝利事」で始まる23カ条と後文から成る往来。文武両道を強調する室町初期を代表する武家家訓とされる。以下、無益の殺生の戒め、罪人の公正な裁き、領民に対する非道と己の奢侈の戒め、先祖の建造物保持、忠孝怠慢の戒め、公平な賞罰、臣下を見て己を慎むこと、他人の不幸を己の利としないこと、分限相応、賢臣・侫人の見極め、非道の富裕と正しい零落、遊楽と家職など、武人として弁えるべき条々を列挙し、後文でも文武両道を繰り返し強調し、上下や友人の善悪、また己の心の善悪の見極めなど武士の心得を諭す。なお、近世刊本では本文末尾に「応永19年」と記すものと「永享元年」と記すものの二様がある。また、『今川状』古写本における2巻本の存在から前半の23カ条が先に(応永7年以前に)成立して、後文がやや遅れて増補された可能性もある。また、「腰越状」は、いわゆる『古状揃』所収の古状中最も古く確実なもの。前内大臣平宗盛父子を捕らえた義経が鎌倉に入ろうと腰越に到着したところ、先の八島の合戦での逆櫓をめぐる口論で恨みを持つ梶原景時が頼朝に讒言し、兄頼朝の怒りを買ったことに対し、自らの功績を列挙し兄をないがしろにする気持ちのないことを、大江広元宛てに切々と述べる。本来『平家物語』『義経記』等に収められていたものだが、刊本の「元暦二年六月日進上、因幡守殿」という年時・宛名の書き方は、流布本『義経記』や百廿句本『平家物語』に近い。単行刊本は『今川状』と合本したものが大半で、寛永19年・安田十兵衛板以降、類似の出版が続出した。
★原装・題簽付・状態良好。江戸期の記名あり(慶応2年と記す)・蔵書印なし。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、類書が、2,370円5,000円】。
2000円 〈新板大字〉今川・腰越状(半紙本・伏見屋板)
【判型】半紙本1冊。縦215粍。
【作者】不明。
【年代等】江戸後期刊。[大阪]河内屋佐助板。
【備考】分類「往来物」。「今川状」は、今川貞世が弟(首題に「愚息」とあるが子息ではない)の仲秋にあてた教訓で、「一、不知文道而、武道終不得勝利事」で始まる23カ条と後文から成る往来。文武両道を強調する室町初期を代表する武家家訓とされる。以下、無益の殺生の戒め、罪人の公正な裁き、領民に対する非道と己の奢侈の戒め、先祖の建造物保持、忠孝怠慢の戒め、公平な賞罰、臣下を見て己を慎むこと、他人の不幸を己の利としないこと、分限相応、賢臣・侫人の見極め、非道の富裕と正しい零落、遊楽と家職など、武人として弁えるべき条々を列挙し、後文でも文武両道を繰り返し強調し、上下や友人の善悪、また己の心の善悪の見極めなど武士の心得を諭す。なお、近世刊本では本文末尾に「応永19年」と記すものと「永享元年」と記すものの二様がある。また、『今川状』古写本における2巻本の存在から前半の23カ条が先に(応永7年以前に)成立して、後文がやや遅れて増補された可能性もある。また、「腰越状」は、いわゆる『古状揃』所収の古状中最も古く確実なもの。前内大臣平宗盛父子を捕らえた義経が鎌倉に入ろうと腰越に到着したところ、先の八島の合戦での逆櫓をめぐる口論で恨みを持つ梶原景時が頼朝に讒言し、兄頼朝の怒りを買ったことに対し、自らの功績を列挙し兄をないがしろにする気持ちのないことを、大江広元宛てに切々と述べる。本来『平家物語』『義経記』等に収められていたものだが、刊本の「元暦二年六月日進上、因幡守殿」という年時・宛名の書き方は、流布本『義経記』や百廿句本『平家物語』に近い。単行刊本は『今川状』と合本したものが大半で、寛永19年・安田十兵衛板以降、類似の出版が続出した。
★原装・題簽付・状態概ね良好(やや小虫・表紙汚損)。江戸期の記名あり(天保4年、寺垣邑と記す)・蔵書印なし。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、類書が、2,370円5,000円】。
8000円 〈童子専用・増補画(絵)入〉小笠原諸礼調法記[〈童子専用〉当流諸礼調法記](天保9年)
【判型】半紙本2巻2冊。縦218粍。
【作者】速水春暁斎画。松川半山補画。
【年代等】天保9年4月刊。[大阪]堺屋新兵衛(文精堂)板。
【備考】分類「往来物」。享和3年刊『〈童子専用・増補絵入〉諸礼調法記』の改編版。童蒙向けの小笠原礼法書の一つ。巻頭に和漢の礼法の由来を略述し、以下、「素礼の事」から「御厨子・黒棚の図」までの約80項に分けて、礼法の基本を解説した絵入り礼法書。上巻には太刀・刀・脇差その他の受け取り渡しに関する作法や、菓子・果物・赤飯・餅その他の食礼、下巻には婚礼全般の作法を記す(本文はやや小字・11行・付訓)。さらに下巻後半部に、五節句や吉凶事に伴う消息例文や基本的な書簡作法、証文手形文例等を載せた「初学用文章」を収録する(大字・7行・所々付訓)。頭書には「五節句の事」「四季衣服の事」「本菓子の事」「濃茶の事」「懐妊帯の事」「食初の事」など佳節・時服・華道・茶道・通過儀礼等の記事を掲げる。婚礼時の「三盃饗膳献々本式」に続けて「同町家作法」にも言及するなど、武家礼法の庶民への浸透・普及ぶりを示す記述もある。享和板は全て春暁斎画であったが、本書において松川半山の挿絵(「足利義満」「立花生花之見様」「立花手引指南之事」など)数葉が増補されたほか、下巻に『〈当流観世〉泰平小謡童児訓』が収録された(同頭書に「国尽」「書札文字略大中小の事」「万物の数書様之事」「八さんのわりごゑ」「銭小遣ひ相庭割」「五性名がしら」等を掲げる)。
★原装・題簽付・美本。記名なし・蔵書印あり。
3500円 〈文化増補〉日用商売往来[新増商売往来]
【判型】半紙本1冊。縦225粍。
【作者】春候堂作。碧雲居画。堺屋嘉七(尚文館)序。
【年代等】文化12年1月刊。[京都]堺屋嘉七板。
【備考】分類「往来物」。元禄7年刊『商売往来』の語彙を増補・改編した往来。商取引関連語を始め、衣類・食物・家財・武具・馬具・獣類等を大幅に増補する一方、薬種・鳥類の語彙を削減した。本文を大字・6行・付訓で記す。「夫、商売平生取扱文字次第不同、雖為混乱、荒増者、日記、注文、証文、送状、請取渡、員数、目録…」で始まる本文中に、「板元店頭」「米問屋」「呉服商」など数葉の挿絵を載せる。巻頭に「九九」「京町尽」、巻末に「男名頭字尽」「日本国尽」を収録する。
★原装・題簽欠・本文並み(一部小虫)。記名なし・蔵書印なし。比較的稀書。
5500円 〈教訓絵抄・幼学重宝〉合書童子訓(天保6年)
【判型】半紙本1冊。縦226粍。
【作者】暁鐘成(木村明啓・重雄)作・画。和田正兵衛書。
【年代等】天保6年刊。[大阪]綿屋喜兵衛ほか板。
【備考】分類「往来物」。江戸時代後期に流布した合本科往来の一つ。文政8年刊『新童子手習鑑』の改題本。改題に際し、従来、江戸・名古屋・京都で販売されてきた『新童子手習鑑』に大阪書肆が加わり、販路がより広域化した。本文欄に「商売往来」「今川状」「実語教・童子教」「小野篁歌字尽」を大字・7行・付訓で掲げ、頭書に「蛭子命」「書法心得の秘伝」「能之濫觴」「当流小謡」「改算塵功記」「七以呂波」「名乗字尽」等、前付に「菅丞相之図」「五倫の図」「芸能の図」「花押書様」「四民の図」「和漢人物略伝」を掲げる。なお、本書の増補版に『合書童子訓大成』がある。また、江戸中期刊(鱗形屋孫兵衛板)の『合書童子訓』も存在したが、本書との関連は不明。
★原装・題簽付・美本。記名なし・蔵書印なし。
6500円 〈童女専用〉女寺子調法記(天保13年)
【判型】半紙本1冊。縦224粍。
【作者】池田東籬編。小沢南画。
【年代等】文化3年5月初刊。天保13年1月再刻。[京都]山城屋佐兵衛ほか板。
【備考】分類「往来物」。男子用の合本科往来である安永5年刊『寺子調法記』を模倣して編んだ女子用往来。文化板では「女実語教」「女商売往来」「女今川」の3本を収録する。一方、天保13年再板本では「女手習教訓状」を増補し、収録順序を「女実語教」「女今川」「女手習教訓状」「女商売往来」と改めた。このうち、「女実語教」は元禄8年刊『女実語教・女童子教』(居初津奈作)の本文を「女実語教」と「女童子教」に分けずに一本化したもの。「女今川」は貞享4年刊『女今川』とほぼ同文。また、「女商売往来」は、元禄7年刊『商売往来』(堀流水軒作)を単に仮名交じり文に和らげたもの。冒頭に「凡、商売の家に生ゝ人は勿論、女とてもいづれの妻となるらん、持扱文字、員数、取遣之日記、証文、注文…」と述べるが、特に女性を意識して書かれた箇所はない。従って、その内容面よりも『商売往来』が初めて女子用往来に導入された意義の方が重要である。また、この部分を抽出した単行本もある。さらに、天保板で追加された「女手習教訓状」は享保元年刊『女手ならひ教訓の書』とは異文であり、実は天保2年刊『〈教諭必用〉女古状揃』所収の「女手習織縫教訓状」をほぼそのまま踏襲したものである。いずれも本文を大字・6行(それぞれ冒頭丁表のみ5行)・付訓で記す。文化板の前付・頭書には「琴・三味線由来」「香のきゝやう」「歌かるたの事」「茶湯の事」「双六のはじまり」「女身持鑑」「女中言葉づかひ」「婚礼云まじき詞」「小笠原折形の図」「大日本国尽」「京都町尽」「男女相性の事」「縫物秘伝」「家名尽」「女中名頭字」「諸道具字尽」「衣類の字」「草木字尽」「四季の文づくし」「書初詩歌」「七夕詩歌」「十二月倭名」等の記事を載せるが、天保板では「女手習教訓状」部分の頭書が追加されるなど若干の変更が生じた。
★原装・題簽付・状態良好。色刷り模様表紙。記名なし・蔵書印あり。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、37,800円(天保13年板)】。
2000円 〈陳的問答〉万物始
【判型】半紙本1冊。縦224粍。
【作者】不明。
【年代等】江戸中期刊。[大阪]糸屋市兵衛板。
【備考】分類「雑記・教訓」。『塵滴問答』の改編版。一般に『塵摘問答』は、僧と一商人の問答を筆記した形式の教訓書。問答には事物の起源などに関することも多いが、すべて仏教に引きつけて説く。『続群書類従』所収本によれば、書名『塵滴問答』は、老僧の名が妙塵坊、商人は出家して善滴と名乗ることに由来するが、古活字版では人名や問答の内容が全く異なる(国立国会図書館デジタルコレクション解題参照)。著者は、本文によれば「足スリノ大雲ト申ス非人」とあるが、仮託か。本文には正中2年(1325)のこととし、「塵摘問答鈔」と尾題する。「塵摘問答集」と題する伝本もある。内容は、遠江今善光寺の門前の茶屋で、白山参詣の修行者と名乗る五十余歳の老僧妙塵坊と、三十余歳の商人との問答を筆録した形式をとる。渡唐の祖師、日本国の開闢、伊弉諾・伊弉冉二神の本地、神明の存在理由、日本を六十六か国に分けること、歌・連歌、武士などの二十余項について、すべてを仏法に付会して、仏教の信ずべきことを説く。商人が妙塵坊と問答後に出家して善滴と称するのが書名の由来(「日本古典文学大辞典」参照)。
★原装・題簽付・状態並み(小虫補修)。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、15,000円】。
3500円 延命字学集(稀書複製会本)
【判型】半紙本1冊。縦235粍。
【作者】稀書複製会編。
【年代等】原本は元禄12年5月序・初刊。昭和13年複製。[東京]米山堂板。
【備考】分類「役者評判記」。稀書複製会10期。1丁ないし数丁おきに役者の肖像画と七言絶句風の戯文を掲げた通俗辞書の一種。役者は「女方、玉沢皆之丞」から「若衆方、山津林之丞」までの14人。また、本文の大半を占める字尽(15丁半)は、前半がイロハ類聚、後半が意義分類体の世話字集である。イロハ類聚(字尽型)と類別字尽型(名彙)とを併用する体裁の書は室町期より一種の流行となっており、古往来の『快言抄』もその一つであった。この傾向は江戸時代に入っても『童訓集』や『延命字学集』、寛政年間の『字尽節用解』などに受け継がれている。このような中で『延命字学集』のイロハ類聚の部分は、世話字的なものと基本語的なものとが混入した通俗辞書的な性格を持ちつつ、「世話字」そのものの含有率も高いものである。一方、後半の「名彙」は必ずしもそうではなく、この事実は前半と後半の典拠が異なることを物語る(木村晟「元禄十二年板「延命字学集」本文と索引」(『駒沢国文』19、駒澤大学文学部国文学研究室)参照)。
★原装・題簽付・状態良好。記名なし・蔵書印なし。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、3,800円】。
2000円 文字絵集「オサマルミヨノセイ大」
【判型】横本1冊。縦169粍。
【作者】蘭舎大人編。
【年代等】明治11年9月書。
【備考】分類「文字」。「オサマルミヨノセイ大」の10文字を1文字ずつ織り込んで描いた戯画集。
★原装・状態良好。記名あり・蔵書印あり。
12000円 風雨賦国字辨
【判型】半紙本2巻2冊。縦219粍。
【作者】中西敬房(華文軒・如環・華文軒風子・東嶺)作・画。
【年代等】安永5年6月自序。安永6年1月刊。[大阪]松村九兵衛(敦賀屋・文海堂)板。
【備考】分類「気象」。本書は、天文気象により陰晴風雷霜雪を占候せんとする通俗書(国文学研究資料館DB)。「真ニ太古ノ遺書ニシテ天時ノ陰晴及ビ風雷霜雪ヲ占候スルノ秘訣ナリ」(凡例)という漢籍の暦占書「風雨賦」(明の王鳴鶴編『登壇必究』所収)の諺解書。上冊は中西が新たに作った「図翼」で、本文の要所を全54図により図解する。下冊は本文に訓点を付して適宜区切って掲げ、漢字カナ交じりの諺解を割注で示す。本文冒頭部「高明上覆日月星辰、沈潜下載風雨雷神、占斗光之明暗弁月色之初新…」(西尾市岩瀬文庫・古典籍書誌データベース)。作者、中西敬房(?-1781)は、江戸時代中期の暦算家。京都で書店をいとなむ。関流の算法や暦学、天文に精通した。明和4年観天望気の法をしるした日本初の気象書「民用晴雨便覧」を刊行。同書には日本を中心とした世界図も収録。天明元年死去。字(あざな)は如環。通称は宇兵衛。号は華文軒。著作はほかに「風雨賦国字弁」「暦学法数原」など(コトバンク)。
★原装・題簽付・状態良好。記名なし・蔵書印なし。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、15,000円(題簽1冊1/2欠)42,000円】。
9500円 〈頭書図画〉遊仙窟鈔[〈鼇頭図画〉遊仙窟鈔](元禄板後印)
【判型】半紙本5巻2冊。縦224粍。
【作者】張文作作。一指(舞方辞眼)注。
【年代等】文保3年4月、文章生英房序。元禄3年3月、東海散人序・初刊。明治初年後印。[東京]藤井利八(松山堂)板。
【備考】分類「注釈」。『遊仙窟』の注釈書。『遊仙窟』は、中国唐代の小説。張?(ちょうさく)(字(あざな)は文成)著。主人公の張生が旅行中に神仙窟に迷い込み、仙女の崔十娘(さいじゅうじょう)と王五嫂(おうごそう)の歓待を受け、歓楽の一夜を過ごすという筋。四六文の美文でつづられている。中国では早く散逸したが、日本には奈良時代に伝来して、万葉集ほか江戸時代の洒落本などにも影響を与えた。古写本に付された傍訓は国語資料として貴重。遊僊窟(コトバンク)。
★原装・題簽付・美本。記名なし・蔵書印なし。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、8,000円(汚損、朱線引・濃いヤケ)126,000円(元禄板・5冊本、虫損)】。
8500円 和州清九郎伝
【判型】半紙本5巻2冊。縦225粍。
【作者】法安作。
【年代等】享和元年5月、辨恵(藍川)序。享和元年7月初刊([京都]丁子屋九郎右衛門ほか原板)。江戸末期後印。[京都]沢田文栄堂(菱屋友七郎)板。
【備考】分類「伝記」。和州清九郎(大和清九郎・鉾立清九郎)の一代記。清九郎は、延宝6年(1678)に谷田村に生まれ、幼少のころ両親とともに丹生谷村に移転、ここで生長した。仮名も読めない無学文盲だったが、孝心深く母によく仕えた。清九郎の親孝行が高取藩主の耳に入り、褒美に米5俵を与えられるが、「子が親に仕えるのは当たり前」と言って辞退。その志に打たれた藩主は再び清九郎を呼び、領内の山の木や柴を自由に刈り取ってよいという特権を与えた。また、買い手の言い値で売った清九郎に対しても、「其の故、後々には清九郎の売りに出たる薪は値切る人無しとなり」という逸話や、清九郎を訪ねて来て『清九郎は尊き信者なりと聞き伝え、遠路を訪ねて来たりしに、其の甲斐もなき大悪人なり。それでは極楽往生はなかなかかなうべからず』と言われたが、清九郎はこれを聞いて大いに喜び、『これまで御寺様がた彼是お尋ね下され、御法話色々有難き御教化に預かりしが、今日はとりわけ御懇志の御しめしに遇い奉り、さてさて有難き御事なり、仰せの如く私のようなる大悪人地獄一定のものなるを、このままにて御助け下され候如来の御本願と聴聞おさせなれ下され候えば、これでいよいよ往生決定なり」と喜んだ逸話など数多くの逸話があり、明和4年『孝信清九郎物語』、享和元年『和州清九郎伝』、文政元年『妙好人伝』(1巻)を始め、明治期以降も数多くの翻刻が刊行されている(晴天譜HP・大和の清九郎HP参照)。底本の『和州清九郎伝』は全5巻に発端(第1章)「清九郎の産并始終住所之事」から、第61章「清九郎行状惣括之事」までを収録した最も詳細な伝記で、本文中にも多くの挿絵を掲げる。
★原装・題簽付・状態良好。記名なし・蔵書印なし。稀書(全国に所蔵数カ所(国文学研究資料館DB))。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、48,600円(5冊揃)】。
4000円 売卜先生安楽伝受[売卜先生安楽伝授]
【判型】半紙本3巻3冊。縦227粍。
【作者】脇阪義堂(矩道・弘道)作。
【年代等】寛政8年春初刊([大阪]以徳舎蔵板、吉文字屋市左衛門ほか売出)。寛政10年春再刊。[大阪]以徳舎蔵板、吉文字屋市左衛門ほか売出。
【備考】分類「心学」。鎌田一窓作『売卜先生糠俵』の趣向を模した道話で、「諸人安楽伝授所(でんじゆどころ)」の看板を掲げた売卜先生が次々と訪れる相談者に助言する。例えば、己の意のままの世界を望むチョンガレ坊主には殺さんばかりに首を絞めて身勝手な世界の様相を痛感させ、知足が安楽世界の近道であることを教え、「安楽の伝授といふも外ならず たゞ足る事を知る迄の事」の道歌で結ぶ。また、貧乏に喘ぐ町人には、馴染み客の前で放屁した遊女がそれを偽りごまかした逸話を引いて貧乏人が貧乏を隠す愚かさや「損を懸(かけ)ぬが商人第一の本手(もとで)」であること、逼塞生活による再起や再起後の貧乏予防心得等を縷々諭し、「有(あり)ていにするが安楽伝授にて かくすにまさる苦しみもなし」の道歌で締め括る。以下、同様の問答形式で知足安分・家業出精・堪忍等により安らかな人生の秘訣を諭す。なお、扉に「此草紙は、貴賤・老若・貧福盛衰の人々の心労・苦痛をたすけ、あんらくに世をわたるのこゝろゑを、おもしろおかしくおしへさとせり」とあり、また、『あつめ草』2篇7巻末広告には「此本は、世の人、名聞・利よく・色よく、又は身体不如意・こんきう難渋にて心をくるしめ、又はかんしやう・短気・かんしやく、胸をこがし、くるしむもの多し。其心労・くろうすくひて大あんらくに世をわたる伝受を、おもしろくさとせり」とある。さらに『江戸出版書目』309頁に「売卜先生安楽伝授、全三冊、墨付五十六丁/同(寛政)八辰春/義堂著/板元、八文字屋仙次郎/売出、す原屋平助」と記す。
★原装・題簽付(一部摩滅)・状態概ね良好(一部小虫)。記名あり・蔵書印あり。なお、下巻末に「御代の恩沢」第5巻を合綴する。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、下巻欠2冊本が、2,160円】。
10000円 武家俗説辨
【判型】半紙本6巻3冊。縦225粍。
【作者】神田勝久(神田白竜子)作・序。
【年代等】享保2年4月自序。享保2年8月刊。[江戸]須原屋茂兵衛板。
【備考】分類「兵法」。武士や兵法に関する種々の故事を考証したり、諸文献を引きながら、武士の心得や兵法の要点を説いた書。全6巻からなり、1巻には「日取・時取、方角に依て軍に勝と云説」「牛宿を武具に除といふ説」「彗星(ホウキボシ)出れば兵乱おこると云説」「破軍をくりて軍に勝といふ説」「九宮八門を用ゆるの説」など6項、2巻には「運は天にありと云説」「大星を以て敵に勝と云説」「武具に神仏の名を書、封ずる説」「武将は文道を学ばず共、不苦と云説」「調伏して軍に勝といふ説」など8項、3巻には「甲冑は美麗に威したるを善といふの説」「具足櫃に枕絵を入置といふの説」「具足はためしの具足を可用といふの説」「具足の合せめを右を上にするは夷(エビス)の服なりと云説」「異国の合戦は日本の軍より手ぬるきといふの説」など8項、4巻には「王道は尊とく覇道はいやしゝといふの説」「武将たる人、詩歌を好む時は武道すたると云説」「弓・鉄炮の頭を大将と号するの説」「忠義の武士はかならず追腹きると云の説」「肥州嶋原合戦に高名したりといふの説」など7項、5巻には「三略六?は、太公望の作にあらずといふ説」「頼朝の薨逝分明ならずといふ説」「佐藤庄司は継信・忠信が討死を歎きて病死せしと云説」「熊谷次郎直実、敦盛を討て遁世したるといふ説」「小松内府重盛、妙典といふ唐人をかたらひ、金を医王山へ送りしといふ説」など7項、6巻には「小松内府重盛は聖人なりといふ説」「義経、一谷の合戦に馬を落して軍の吉凶を見しといふ説」「右大将頼朝を良将なりといふ説」「北条時政を中興の明将なるといふ説」「義経、西国落に兵庫の澳にて幽霊出しと云説」など7項、合計43項を収録する。
★原装・題簽付(上巻のみ題簽欠)・美本。記名なし・江戸期の蔵書印あり。比較的稀書(全国に所蔵数カ所(国文学研究資料館DB))。【参考価格(初出品時の相場です):某古書店で、端本1冊が、4000円】。
22000円 画口合瓢之蔓[絵口合瓢之蔓・諸名家芳吟] ★ゆうパック着払い
【判型】半紙本3巻合1冊。縦228粍。
【作者】雲和亭(ウンナテイ)主人(湖竜)作・跋。松川半山(翠栄堂)画。梅亭香味人校。
【年代等】嘉永3年7月、篠崎小竹(加藤氏・長左衛門・弼(タスク)・承弼・畏堂・南豊・聶江・退庵・些翁)序。嘉永3年9月、雲和亭湖竜自跋。嘉永3年11月、暁鐘成(木村弥四郎・鶏鳴舎・暁晴翁)序。嘉永4年1月刊。[大阪]著者(翠栄堂)蔵板。[大阪]灘屋為七ほか売出。
【備考】分類「雑俳」。口合(クチアイ、語呂を合わせた言葉のしゃれや地口)に挿絵を添えたもの。全3巻。上巻凡例に「此『瓢の蔓』は画口合(エグイアイ)を好む初心(ウイマナビ)の人の作例を見んが為に著す所にして、諸名家の芳吟を集るのみなり。又、鍛錬の人々たりとも、座右に置て広く是を見れば、猶々妙案を浮出(ウカミイダ)す一助ともなりなんかし」と記す。凡例にはさらに口合作りの作法や秘訣を縷々述べるほか、「倭音五十字」「引音略解之図」「絵口合十体(長高体(チョウコウテイ)・幽玄体・見様体(ミルヨウナルテイ)・濃体(コマヤカナルテイ)・有一節体(ヒトフシアルテイ)・面白体(オモシロテイ)・鬼粒体(オニトリヒシグテイ)・有心体(ココロアルテイ)・事可然体(コトシカルベキテイ)・麗体(ウルワシキテイ))」などの作例を掲げる。続く本文は、上巻から中巻冒頭にかけて、春・夏・秋・冬の四部の口合を掲げ、ほぼ1丁おきに半丁の挿絵を載せる。同様に中巻(秋・冬の部に続けて)に「倭故事之部」「漢(モロコシ)故事(之部)」「戯場(シバイ)句之部」(一部下巻冒頭まで)、下巻に「雑之部」「名所名物景色句之部」「神祇並祝之部」の口合を列挙する。なお、各巻見返・口絵は色刷り、本文挿絵は淡彩刷り。
★中巻原表紙による改装・題簽付・状態良好。記名なし・蔵書印なし。3巻揃いは稀(全国に所蔵数カ所(国文学研究資料館DB))。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、上巻1冊が、7,500年9,180円】。
35000円 本朝故事因縁集
【判型】半紙本5巻4冊(1-2巻合本)。縦225粍。
【作者】不明。
【年代等】元禄2年3月刊。[大阪]雁金屋庄兵衛ほか板。
【備考】分類「風俗・説話」。全国各地の奇談・伝承などを集めて、批評を加えた考証的説話集。全5巻で、1巻に「第一、淡路千光寺ノ山石」から「第廿九、讃岐国ノ松浦ノ恋忘貝」までの29話、2巻に「第三十、大峯山釈迦嶽ノ鐘」から「第五十九、羽州大泥芝祭」までの30話、3巻に「第六十、榎嶋(エノシマ)弁財天」から「第八十五、伊予国十六日桜」までの26話、4巻に「第八十六、猟師因果ノ病」から「第百十六、和州竜田ニ雷落ツ」までの31話、5巻に「第百十七、阿曽沼氏ノ因果」から「第百五十六、先山甲石玉ヲ吐ク」までの40話の合計一五六話を収録する。なお、南郷 晃子「『本朝故事因縁集』成立過程の考察−領主権力の変動と説話集成立を巡って」によれば、『本朝故事因縁集』の説話には、特定地域を舞台とする説話が多く、共通する地域を舞台とする説話には、時期や内容面での類似性も見られる。例えば、出雲国を舞台とする説話には、17世紀前半の武家に関わる話が多いが、これらの情報から出雲国、摂津国など説話集形成の拠点を具体的に見出すことができる。特に出雲国では藩祖松平直政周辺で説話収集があったことが想定され、これらが地域の「由緒」や家の「祖」を記録する写本に引用される形での版本享受が確認できる。また、『本朝故事因縁集』には、(1)周防・長門の洞門寺院を中心とする説話収集、(2)摂津国を舞台とする説話収集、(3)出雲国を舞台とする説話収集の、少なくとも3つの説話収集過程が見られる。すなわち、各地方において異なる文脈の下で収集された説話郡が予め存在し、それらを集成・編集する形で、都市で消費される「諸国ばなし」としての説話集が形成されていったと考えられる。
★原装(1-2巻のみ改装)・題簽2冊存・状態概ね良好(一部シミ)。江戸期の記名あり・蔵書印あり。稀書(全国に所蔵数カ所(国文学研究資料館DB))。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、129,600円(3巻本・虫損多し)162,000円(5冊本)】。
17000円 気海観瀾広義 ★ゆうパック着払い
【判型】半紙本15巻6冊。縦227粍。
【作者】(蘭)ボイス‐ヨハネス(?成弗ボイス、Buys‐Johannes、1764-1838)原作。川本幸民(川本裕)訳。
【年代等】嘉永3年9月、坪井信良(坪井教・良益・柊里・初白)序。嘉永4年夏初刊([江戸]静修堂蔵板。[江戸]和泉屋半兵衛ほか売出)。安政3年再刊。[江戸]和泉屋吉兵衛板。
【備考】分類「物理」。物理学書。川本幸民(こうみん)が訳述し、岳父青地林宗(あおちりんそう)訳述の『気海観瀾』を増補したもの。15巻からなる。1850年(嘉永3)原稿完成、5158年に5冊にまとめて刊行した。林宗は依拠した原書の「気性」の部だけを刊行したが、幸民は同一原書の1828年版を用い、イスホルジングJ.N.Isfordingの著書なども参考にして「気性」以外の内容を明らかにした。内容は物理学が主であるが、理学一般の総論から、力学・化学・熱学・電気学・光学などの説明がなされ、天体や潮汐(ちょうせき)の理も詳述されている。巻末に図解25を掲げて理解を助け、完備した理科の書となっている。林宗の書が漢文で難解なのに比べ、本書は和文をもって平易に解説しており、広く用いられてその影響が大きかった(コトバンク)。物理学の研究では、ゴロウニンの『日本幽囚記』等の翻訳でも知られる青地林宗(1775-1833)がオランダ人ボイスの著に基づき『気海観瀾』を著し(1827年刊)、先駆者と目されていたが、青地の娘婿の川本幸民(1810-71)は、漢文で要点のみを記した『気海観瀾』の内容に飽き足らず、その増補を試みた。嘉永3年(1850)に完成したのが、資料の『気海観瀾広義』。全15巻の内容は、費西加(ヒシカ=窮理学・物理学)の意義に始まり、物性、運動、熱、光、電気、磁気におよび、天体や光学器械についても詳しく解説されている。全15冊。嘉永4年(1851)から安政5年(1858)まで、全巻刊行に8年を要した。著者の川本幸民は、名は裕、摂津三田藩の医者で、のちに鹿児島藩主島津家の家来。蕃書調所の教授手伝を経て、文久2年(1862)に洋書調所の教授職を拝命した。彼はまた日本で最初にビールを醸造した人として、日本ビール史にその名が刻まれている(国立公文書館HP)。
★原装・題簽付・状態良好。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、5冊揃いが、21,600円(明治期)96,120円】。
2300円 おくれし雁[題作のせうそこ文]
【判型】大本1冊。縦259粍。
【作者】藤井高尚(松屋マツノヤ・松斎)作。
【年代等】文化4年12月作。文化8年4月刊。[京都]城戸市右衛門ほか板。
【備考】分類「書道・往来物」。高尚が作った往信・返信の範例各8通で構成し、書名で『雁のゆきかひ』を追っている(古橋信孝ほか『現古辞典』参照)。「年のはじめに人の許におくるふみ・同返事」「花見にゆかんとて人をさそひにやるふみ・同返事」「五月雨の比、人の許におくるふみ・同返事」「八月十五夜の月のまどゐをかねて人につげやるふみ・同返事」「菊の花をそへて人のもとにおくるふみ・同返事」「雪のあしたに友だちのもとにおくるふみ・同返事」「人にとはれたるよろこびいひやるふみ・同返事」「人の賀にものおくるにそふるふみ・同返事」の往復16通を収録する。
★原装・題簽欠・美本。林秋吉の序文なし。記名なし・蔵書印なし。
2500円 女人往生聞書(寛文9年・光玄)
【判型】大本1冊(下巻)。縦粍。
【作者】光玄(存覚)作。
【年代等】元亨4年作。寛文9年1月刊。[京都]植村藤右衛門板。
【備考】分類「真宗」。女人往生のあらましを説いた仏書。なお、底本は前半部を欠く。本書は、伝法然撰作『女人往生集』にも影響を与えた。なお、藤田香瑞「真宗における女人往生論の展開」は、「『女人往生聞書』には「女人為先」「女人為本」という、一見すると親鸞の思想とは異なる理論が展開されている。これは当時置かれていた女性の状況と、教団内における女人往生理論確立の必要性から、存覚が敢えて提示した理論であるといえよう。教団として、女性の往生への疑問の払拭・他宗に対し弥陀如来の超勝性提示の必要という切迫した状況が『女人往生問書』を生み出し、真宗教団において女人往生論が初めて形成されることとなった」と指摘する。
★原装・題簽摩滅・状態良好。本文第1827丁。記名なし・蔵書印なし。稀書(全国に所蔵数カ所(国文学研究資料館DB))。
13000円 本与録(2巻合1冊本+原装本・乾巻の2冊)
【判型】大本2冊。2巻合1冊本は縦249粍。乾巻1冊は縦259粍。
【作者】岡白駒(太仲・竜洲・千里)作。
【年代等】寛政5年1月、井沢彦謙(君光)跋。寛政8年1月刊。[大阪]播磨屋新兵衛板。
【備考】分類「教訓」。人民の心得にも触れるが、主として人を治める主君の心得を説いた教訓書。上巻では、まず、天地を万物の父母とし、人を万物の霊とする所以を述べ、身分の上下が共に天命であると説く。天命を知るとは、下民にとっては上を望み、貴きを願うことなく、己の天命に背かぬことであり、君主にとっては天に代わって民を治め、天を敬し天を畏れて身を慎むことであると諭す。また、誰もが職分を持つこと、人君は下民の標準(模範)たるべきこと、倹約と吝嗇、風俗と教化、学問の要諦、聖人の道や学問のあらまし、人君の要道(驕奢を戒む、寛裕人を容る、能(ヨク)人をしる)、人を選ぶ要所などについて述べる。また、下巻では、学問がなくてもそれなりに治まっている現状についての問答から書き始め、国家治方の道を述べ、続いて、人の性が同一でないこと、臣下を善導する必要性、人君の大智や明君と暗君の違いを始め、君主たるべき心得を、経書の要語や故事を引きながら縷々述べる。
★原装・題簽付(2巻合1冊本の題簽は手書き後簽)・美本。2巻合1冊本は、黒川真前・黒川真道旧蔵書。記名なし・蔵書印あり(端本には「白川藩臣岡干嘉蔵」の蔵書印あり)。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、2冊揃いが、15,000円。某古書店で、30,000円】。
6500円 〈古風今様〉舞曲扇林〈評判絵入〉(稀書複製会本)
【判型】大本2巻2冊(取り合わせ)。上下巻の順に、縦233・237粍。
【作者】原本:河原崎権之助(初世)作。蝉憂婆塞序。複製本:山田清作編。
【年代等】複製本:大正7年1月刊。[東京]米山堂板。
【備考】分類「演劇」。『舞曲扇林』は2巻2冊、歌舞伎劇書。初代河原崎権之助著。角書は「古風(ムカシ)今様」。題号下に「評判絵入」と割書する。無刊記のため、成立年については諸説ある。従来、貞享3年成立説が行われてきた。これは上方での最初の続き狂言『非人の敵討』(『南水漫遊』によれば寛文4年頃上演)を「二十二年以前」と記すためである。一方、『南水漫遊』の記事が根拠不明であるため、内容から推して今少し成立年代を下げるべきとの説も主張されてきた。最近では、役者の動向などより、元禄2年を中心に考えるべきだという諏訪春雄説、2代目伊藤小太夫の没年の考証より、元禄2年から3年前説も提出されている。これらにより、本書の成立は元禄2年から3年前半と見られる。内容は全28章から成り、歌舞伎舞踊の理論・心得を中心に述べ、歌舞伎の起源や故実についても記すところがある。身体表現をこととする舞踊の理論を文章によって綴るため、内容には難解な所が多い。著者が見聞した役者の芸を例証にあげ、理論の具体化を図っており、そのため舞踊方面に勝れた初期歌舞伎役者の評判の書ともなっている。歌舞伎の起源については、佐渡嶋歌舞伎のお郡(クニ)小太夫を始祖とする記述や、十六番小舞についての記事があって、従来より注目されてきた。巻末には種々の芝居故実が記されており、著者が同時代の歌舞伎界を生きた人物であるだけに、信憑性の高い資料となっている。新興芸能である歌舞伎の舞踊に、能太夫出身の著者が理論付けを行おうとしたもので、最古の歌舞伎舞踊理論書である。初期歌舞伎史の資料としても貴重。所載の挿絵7葉も優品で、初期の芝居絵として珍重すべきものといえよう(「日本古典文学大辞典」参照)。
★原装・題簽付・状態良好。記名なし・蔵書印なし。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、複製本2冊揃いが、10,000円】。
16000円 童子問(伊藤仁斎)
【判型】大本3巻3冊。縦273粍。
【作者】伊藤仁斎(伊藤維鮗レエダ)作。
【年代等】宝永4年5月、伊藤長胤(ナガツグ、伊藤東涯・原蔵・源蔵・元蔵・慥々齋)序。宝永4年9月、林景范跋・刊。刊行者不明。
【備考】分類「漢学」。童子問は、江戸時代前期の儒学者伊藤仁斎が著した漢文体による問答形式の儒教の概説書。全3巻。仁斎が元禄4年(1691年)頃より稿を起こし、2年後には序を記しているが、その後も宝永2年(1705年)に仁斎が没するまで改訂・加筆を行った。仁斎の没後に息子の伊藤東涯や門人の林景范によって校訂・清書が行われ、彼らの尽力によって宝永4年(1707年)に刊行された。仁斎が創設し東涯が継承した古義堂では、基本書として重視され、東涯が行った注釈を記した『童子問標釈』も没後の寛保2年(1742年)に刊行された。宋の欧陽脩の『易童子問』などを範として童子と師匠との問答形式で仁斎の考える儒教の原理・方法・実践を論じている。特に朱子学・陽明学などの宋学を仏教や道教の影響を受けた考え方として排除し、孔子の教えは『論語』に従い、不明な点があれば『孟子』を用いるように唱えている(Wikipedia参照)。/元禄時代(16881704)の京都に古義堂塾を開いて古義学を唱えた儒学者伊藤仁斎晩年の著書。『語孟字義』『論語古義』『孟子古義』『大学定本』『中庸発揮』のような仁斎の経書研究の成果と異なり、儒学やその研究法ないしは道徳や政治について思うところを紙片に1条ずつ記し蓄え、のちにテーマ別に整理したもので、すでに1691年(元禄4)に宋の欧陽修の易の『童子問』などに倣って、『童子問』と題した自筆稿本を残している。その後、仁斎は終生、増改訂し続けたが、その間、1699年には江州(ごうしゅう)水口(みなくち)の鳥井侯の城中で、また喜寿を迎えた1703、04年には古義堂でこの書を講じている。仁斎没後、1707年(宝永4)に長男の東涯は189条を3巻3冊に分けて板行し、また『童子問標釈』を著した(『童子問』の稿本は現在、天理図書館や但馬(たじま)鎌田家に襲蔵されている)。壮年時代の著『語孟字義』を完成期の仁斎学の出発点とすれば、この書はその到達点を示すものであり、「この二著で仁斎一生の学問がわかる」と、『文会雑記』に記されている(コトバンク)。
★原装・題簽欠・状態良好。記名なし・蔵書印なし。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、3冊揃いが、15,000円(虫損多し)38,000円】。
3500円 古今鍛冶備考(3-4巻)
【判型】大本2冊(全7冊中)。縦264粍。
【作者】山田吉睦(ヨシムツ)作。
【年代等】文政13年8月刊。[江戸]亀峯館蔵板。[江戸]前川六左衛門ほか売出。
【備考】分類「刀剣」。『古今鍛冶備考』は、銘と押形と刀工の経歴を紹介した刀剣辞典。特に日本刀の切れ味を意味する「業物(ワザモノ)」を4つに分類・明記した点に特長があり、最上大業物(サイジョウオオワザモノ)14名、大業物(オオワザモノ)84名、良業物(ヨキワザモノ)210名、業物(ワザモノ)803名をランク付けした(原則として刀工毎に付記するが、南北朝以前の刀は切れ味は保証済みとして除外し、また、試し斬りの情報がない刀も不明として除外)。1巻「雑録」は、冒頭の「鉄山略辨」以降で、砂鉄の種類や鋳造法、鋼の種類や産地にも言及するほか、「九峯先生遺稿撮抄」(鎌田魚妙ナタエの遺稿)で研磨や鑑定について紹介し、「截断柄之図」「鎗様柄之図」「稽古土壇之図」「竪物様方之図」「土壇之図」の図解や薩州刀工系図等を収録する。24巻「銘寄」はイロハ別の刀工名寄(人名辞典)で、5-7巻「中心押象」は各国別の押形集。全7巻の内容は次の通り。1巻「雑録」(序・凡例・目録・索引(附図象)・薩刀系図・元暦以往鍛冶銘寄)、2巻「銘寄」(元暦以来鍛冶銘寄*イロハ引:イ-タ部)、3巻「銘寄」(元暦以来鍛冶銘寄*イロハ引:ツ-マ部)、4巻「銘寄」(元暦以来鍛冶銘寄*イロハ引:ケ-混雑部)、5巻「中心押象」(刀心押形模刻集*国別:五畿内・東海道)、6巻「中心押象」(刀心押形模刻集*国別:東山道・北陸道・山陰道)、7巻「中心押象」(刀心押形模刻集*国別:山陽道・南海道・西海道・増補・跋)。
★原装・題簽付・美本。記名なし・蔵書印あり。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、14,000円(明治板)95,040円(江戸板)】。
10000円 〈大経五悪〉善悪業道談[善悪因果業道談]
【判型】大本5巻3冊。縦251粍。
【作者】円乗作・序。
【年代等】明和9年7月自序。安永2年初刊。江戸後期後印。[京都]丁子屋定七ほか板。
【備考】分類「仏教」。『無量寿経(大経)』下巻で釈尊が語った「五悪段」、すなわち、在家の仏教信者が保つべき五戒を守らないことで陥る「殺生(生きものの生命を奪ったり、互いに傷付け合ったりする弱肉強食の悪)」「偸盗(盗んだり、物惜しみしたり、騙し合うこと)」「邪淫(邪婬やそこから生じる殺戮・強奪など)」「妄語(妄語を始め、悪口・両舌・綺語など口業の過ち)」「飲酒 (オンジュ、飲酒によって引き起こされる様々な悪)」 の5種の悪行(コトバンク参照)を詳細に論じた書。各巻に五悪を配し、その冒頭で、例えば、1巻は「仏言其一悪者。諸天人民。蠕動之類。欲為衆悪。莫不皆然。強者伏弱…」のように『無量寿経』の該当箇所の冒頭部を示したうえで、以下に展開する内容を丁寧に解説する。
★原装・題簽付・状態概ね良好(表紙柿渋塗り)。記名なし・蔵書印あり。稀書(全国に所蔵数カ所(国文学研究資料館DB))。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、3冊揃いが、15,000円(明治期後印・2冊本)40,000円(江戸期・3冊本)】。
80000円 堪忍記(江戸前期・与謝野鉄幹・晶子旧蔵書) ★ゆうパック着払い
【判型】大本8巻4冊。縦276粍。
【作者】浅井了意(瓢水子・松雲・羊岐斎)作。
【年代等】万治2年3月初刊([京都]滝庄三郎板)。江戸前期再刊。[京都]美濃屋彦兵衛(慶安元禄頃の書肆)板。
【備考】分類「仮名草子」。『堪忍記』は8巻8冊、仮名草子、浅井了意作。万治2年、京都・滝庄三郎刊。堪忍を易の辞になぞらえ教訓した慶安4年刊の『堪忍弁義抄』に倣い、明の顔茂猷の『迪吉録(てききつろく)』を主とし、『事文類聚』『明心宝鑑』などからも取材して、人間生活の基となすべき堪忍に関する和漢古今の逸話・巷説を挙げ教訓・教誡に資したもの。序に「百(モモ)の行ひの中に、心ざしの行くところ、忍の一字を取りて、これを現はして筆に記す」という。通編25項目に分かち、それぞれの項目に簡単な概説を加えて、以下、それに関する説話を集めている。1巻は、(1)忍の字の評、(2)堪忍すべき子細、(3)忍の字に二つの元あり、(4)瞋恚をとどむる堪忍、(5)怒をとどめて忍をおこなふ、(6)貪欲をとどむる堪忍、(7)色欲をとどむる堪忍。2巻は、(8)財欲の堪忍、(9)主君の堪忍、(10)主君につかうまつる堪忍、(11)傍輩中の堪忍。3巻は、(12)子を生立(ソダツ)る堪忍、(13)父母につかうる堪忍。4巻は、(14)職人の堪忍、(15)商人の堪忍、(16)医師の堪忍。5巻は、(17)法師の堪忍、(18)友達交はりの堪忍、(19)大義を思ひたつ堪忍。6巻は、(20)婦人の評、(21)姑につかうる堪忍。7巻は、(22)憐姫(リンキ)のおもひある堪忍、(23)継子を育つる堪忍。8巻は、(24)孀(ヤモメ)になりたる堪忍、(25)陰徳を行ふべき事。但し、説話を集めることに重点が置かれたためか、必ずしも全ての話が堪忍の意義に該当するということは出来ないが、読者の興味をそそるために、作者の見聞伝誦する類話をも収めたようなところがある(「日本古典文学大辞典」参照)。/仮名草子。8巻8冊。浅井了意作。1659年(万治2)刊。別版に64年(寛文4)刊の京都版、71年刊の江戸版、1701年(元禄14)刊本やその復刻版など数多くある。序に〈百のおこなひの中に、心さしのゆくところ、忍の一字をとりて、これをあらはして、筆にしるす者也〉とあるとおり、堪忍を人間生活の基調をなすものとして、通計25章、各章に数条の和漢古今の逸話あるいは巷説を挙げ、教訓を記したものである(コトバンク)。
★原装・題簽付・美本。与謝野鉄幹・晶子の蔵書印あり。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、寛文4年板後印(大本)8冊揃(板元不明)が、787,500円。中本(半紙本?)・無刊記4冊本が、86,400円】。
18000円 西国三十三所観音霊場記[西国三十三処霊場記](享保11年) ★ゆうパック着払い
【判型】大本7巻7冊。縦259粍。
【作者】厚誉(廓元カクゲン・春鴬)編・序。沙門懶睡叟跋。
【年代等】享保11年自序。享保11年9月刊。[京都]小林半兵衛ほか板。
【備考】分類「寺院」。第1番紀伊国那智山青岸渡寺(セイガントジ)から第33番谷汲山(タニグミサン)華厳寺までの西国三十三所札所の故事来歴・霊験・奇瑞等の伝承等を諸書からも多く引用して紹介した書。西国三十三所は、近畿2府4県と岐阜県に点在する33か所の観音信仰の霊場の総称で、これらの霊場を札所とした巡礼は日本で最も歴史がある巡礼行であり、現在も多くの参拝者が訪れている。「三十三」とは、『妙法蓮華経観世音菩薩普門品第二十五』(観音経)に説かれる、観世音菩薩が衆生を救うとき33の姿に変化するという信仰に由来し、その功徳に与るために三十三の霊場を巡拝することを意味し]、西国三十三所の観音菩薩を巡礼参拝すると、現世で犯したあらゆる罪業が消滅し、極楽往生できるとされる(Wikipedia参照)。ちなみに、Sighinas, Mihaela Lacramioara「「近世日本における西国巡礼の展開?厚誉春鶯『観音霊場記』及び『西国巡礼歌諺註』を中心に?」によると、中国では古くから天台山や五台山への巡拝が発達し、その伝統が中世日本にも影響を与え、特に修行の場としての霊山への巡礼を中心に受け継がれていった。そういった中、衆生救済のために三十三種に変化すると言われる観音菩薩が示現する霊場を巡拝していく「西国三十三所観音巡礼」が形成される。この霊場めぐりは当初、修験者や僧侶に限られていたが、江戸時代には交通網の発展により庶民の参加が可能となり、観光的な要素を取り込みながら、全国的に広がりを見せた。これら西国巡礼の社会的な浸透には数多くの出版物の存在が見逃せないが、特に、仏僧が観音の縁起利生譚を書き記した霊場記物のうち、松誉巌的が貞享4年(1687)に刊行した『西国洛陽三十三所観音霊験記』が初出である。宝永2年(1705)にはその改訂版『西国三十三所観音霊験記真鈔』が出版され、これに触発され、享保11年(1726)には『西国三十三所観音霊場記』と、それと対をなす『西国巡礼歌諺註』を世に問うことになる。この2書は、辻本基定編『西国三十三所観音霊場記図会』の元本であり、後代に影響力を保ち続けた点から見ても、注目に値する。
★改装・題簽欠・状態概ね良好。記名なし・江戸期の蔵書印あり。稀書(全国に所蔵数カ所(国文学研究資料館DB))。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、7冊本が、81,000円(弘化板)*5冊本は別本】。
18000円 説法用歌集諺註(元禄4年) ★ゆうパック着払い
【判型】大本10巻10冊。縦273粍。
【作者】湛澄作。坂内直頼(山雲子・白慧・葉山之隠士)編・注。
【年代等】元禄4年3月作。元禄4年4月刊記。元禄4年8月、無底籃水序・刊。[江戸]西村理右衛門ほか板。
【備考】分類「浄土」。仏説教化に資する和歌を数多く集め、詳しい注釈を付けたもので、膨大な和歌を集めた江戸前期の唱導文学の一つとして貴重な史料。『国書解題』によれば「釈教無常等に関する和歌を輯集したる『説法用歌集』に坂内直頼が諺註を加えたもの。無底籃水の序文にも、「我が敷島の文字はイロハニホヘトであり、先達の知識達は往々にして大和歌を詠じ、そこに道を載せて、後来に教えを伝えた」旨を記す。所収の和歌は、『二十一代集』『諸家集』『菅家集』『六家集』『夫木集』『名寄和歌』『後鳥羽院御集』『同遠島百首』『草庵集』『夢窓法語和歌』『同百首』『柏玉集』『雪玉集』『法然伝』『親鸞伝』『日蓮法語』『宝物集』『法語集』『東野州聞書』『雑談集』や、種々の伝記・記録・聞書等から引いたもので、さらに諺註に用いた引用書目も120点以上に及ぶ。凡例によれば、全10巻中、冒頭の1-2巻には「仏神ノ感咏」を集めており、本書で「最モ尊重讃歎」すべきものとする。また、15巻には「釈教無常哀傷等」を交えた和歌、6巻には上は上宮太子(聖徳太子)から下は以八和尚までの著名人の和歌、79巻には「法華ノ文ニ寄テ其ノ意ヲ演ル」和歌を載せたとする。以上は、いずれも出典のほか詳しい諺註を施してあるが、10巻附録は各種の和歌を列挙し出典を示すのみで諺註を割愛する。
★原装・題簽付(1巻のみ摩滅)・状態一部良好・一部並み(小虫補修・シミあり)。記名なし・蔵書印あり。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、53,000円(元禄板10冊本・小虫)91,800円(元禄板5冊本)】。
2000円 庭訓往来・商売往来ほか(折手本4帖)
【判型】折手本4帖。縦約300粍。
【作者】不明。
【年代等】江戸後期書。
【備考】分類「往来物」。「庭訓往来」(冒頭部)、「商売往来」(冒頭部)、「書簡文」、「教訓文」の折手本4帖。
★状態2冊並み(小虫)、2冊良好。一部江戸期の記名あり・蔵書印なし。
5000円 女今川千年の鶴(天明8年)
【判型】大本1冊。縦249粍。
【作者】不明。
【年代等】天明8年3月刊。[大阪]柏原屋清右衛門板。
【備考】分類「往来物」。『女今川』は全23カ条と後文から成る壁書形式の教訓で、本書は元禄板系統の一種。これは、貞享4年刊『女今川』を改編したもので、本文各条は貞享板と同傾向ながら、後文については改編が著しく、具体的には「心かだまし」と「心すなほ」の強調が目立つ。本書を自戒の書として書いた吉の理想は、「かだまし」き点のない、「すなほ」な心延えの女性だったのであろう。また、第5条では「主・親の深き恩」を「父母の深き恩」と言い換え、「忠孝」の代わりに「孝の道」とした点、さらに後文で、天地の道や五常を説いた抽象的な表現や、下僕や他人に対する心得などを割愛する一方、孝・貞の見地から己の心の善悪を内省することを説いた点に特色がある。底本は前付記事が豊富で、巻頭の「和歌三神図(色刷)」を始め、前付に「上巳(ジョウシ・ジョウミ)節句由来」「衛夫人」「長谷川妙貞」「女中風俗品定」「女いとなみ草(武家・百姓・職人・商人用文字を付す)」「女手わざ草」「女中大和詞」「色紙短冊の本説」「文の道しるべ」「染物の法」「しみ物落やう」「七夕歌尽」「薫物の方」「匂袋の方」「婚礼略式」「御厨子の図説」「黒棚の図説」「化粧の間の図説」「貝桶の図説」「四季衣桁餝の説」「女中名づくし」「有気・無気の事」「男女相性の事」「不成就日・願成就日」「教訓おきな草(孝行・慈悲・貞節・教育・礼譲・忍容・三従)」「七去」を掲げるほか、頭書に初板本系『女大学宝箱』の頭書を流用した女性の家事や職業の図解を種々掲げる。
★原装・題簽付・状態概ね良好。巻頭口絵色刷り。記名なし・蔵書印あり。稀書(他に所蔵無し(国文学研究資料館DB))。
3800円 女今川操文鑑(文化10年)
【判型】大本1冊。縦259粍。
【作者】不明。
【年代等】文化10年刊。[大阪]河内屋吉兵衛ほか板。
【備考】分類「往来」。『女今川』(貞享板系統)の一つ。『女今川』は、貞享板系統と元禄板系統の2種に大別されるが、江戸中期から明治期に至るまで両系統で250種以上の板種と20種近くの異本を生み、最も普及した女子用往来である。両系統とも同趣旨の教訓を全23カ条と後文から成る壁書形式だが、これは『今川状』のスタイルを踏襲したものである。貞享板系統は第1条が「一、常の心ざし無嗜にして女の道不明事」で始まり、以下、女性にあってはならない禁止項目を列挙し、家庭における女性の心得全般を諭す。各箇条は、日常諸般の心得を、親や舅、姑、夫、その他家内の構成員(下僕等)、親類、友人、他人、特に僧侶や夫以外の男性との関係の中で説いたものが中心である。底本は、前付に「婚礼之図式」「御厨子餝の法・黒棚餝の法」「香道たしなみの事」「女性伝記集」「和歌の事」「女風俗躾時」「里海士人麿像」等、また、頭書に「男女日用日頃草」を掲げる。
★原装・題簽付・状態並み(小虫)。見返色刷り。稀書(全国に所蔵数カ所(国文学研究資料館DB))。
3500円 女手習教訓鏡[女手習教訓書](文化4年・仙台板)
【判型】大本1冊。縦265粍。
【作者】不明。
【年代等】文化4年3月初刊。[仙台]本屋治右衛門ほか板(刊記破損につき同板別本による)。
【備考】分類「往来物」。『女手ならひ教訓の書(女手習状)』の一つで、仙台板の最古本。『女手ならひ教訓の書』は、作者不明で、享保元年板が最古本。内容は、『初登山手習教訓書(手習状)』にならって、手習いの心得を綴った女子教訓書で、一般に「古しへは物かゝぬ人も世におほかりしとはきけ共、今は此めて度御代にむまれて物かゝねは、常にふじゆうなるのみにあらす…」と書き始めて、まず手習いの重要性を述べ、特に学習期間が限られた女子はまず第一に心掛けよと説く。さらに、成人後も大いに役立つ手習いの徳を讃え、最後に「物かく事」は「現世・来世の宝」であり、「物かくゆへに仕合よき女性も世に多し」とその有益さを強調して結ぶ。底本の文化4年板は、やや文言が異なり、「夫、いまのめでたき御代に住ながら、物書事のかなはねば、人にひとつの疵にして、常に不自由のみならず、人の中へ出し時、すがたかたちは麗はしく、めでたく育られし身も、読書事の叶はねば、時の噺のこと葉にも、片言をいひ、何となくふつゝかなることおほきゆへ…」と起筆する。見返には「筑紫琴箏曲十三組の事」「女子三従の道訓草」「和歌短冊之図・短冊したゝめやうの図」、また、頭書には各種女子教訓や「源氏巻の名并香の図」、裁縫心得、「女の嗜べき事」「香のきゝやう」「源氏香」を掲げ、巻末に「七夕の和歌」と挿絵を載せる。
★原装・題簽付(上部破損)・状態概ね良好(1丁墨汚れ、刊記左端破損)。記名なし・蔵書印なし。稀書(全国に所蔵数カ所(国文学研究資料館DB))。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、16,200円19,400円】。
8000円 女用訓蒙図彙[当流女用鑑](稀書複製会本)
【判型】半紙本4冊(5巻欠)。縦235粍。
【作者】奥田松柏軒作・序。吉田半兵衛(定吉)画。
【年代等】原本:貞享4年初刊([江戸]本屋清兵衛ほか板)。複製本:昭和10年刊。[東京]米山堂板。
【備考】分類「往来物」。婚礼や女性礼法、化粧・身だしなみ・衣装風俗、妙薬・養生など、女性教養・心得全般を記したもので、うち1・3・4巻は『訓蒙図彙』風に挿絵を掲げる。第1巻は、婚礼の際の嫁入道具を主とする女性用諸道具の図解で、巻頭に祝言道具請取に関する記事と図を掲げ、以下道具を9分類して「女器財」79図、「衣服」19図、「茶湯具」7図、「化粧」19図、「花車(きゃしゃ)」15図、「所作具」23図、「湯殿具」7図、「産所」7図、「宮参・髪置」7図、合計183図を載せる。第2巻は、「諸礼之巻」と題して「衣装四季のかはり」以下、祝言儀式や膳部に関わる礼法を始め、起居進退、香道全般について説く。第3巻は、扉題に「模様姿比(くらべ)并紋尽、帯・拘帯之品」とあるように、女性風俗に関する巻で、婦人衣装図22図(頭書に「紋尽」を置く)、髪型16図、帯12図を載せるが、元禄元年板では、さらに「今様眉之図」「ひたいの事」「髪の事」などの記事を増補した。第4巻は、「大風流模様尽」と題し、衣装図や紋様図を掲げるが、文様の一部が判じ物になっているのが興味深い。第5巻は、「万包やう折形」以下、化粧・染物・洗濯・妙薬・養生等の記事で、貞享4年板末尾には、42の文章で吉凶を判断する「善悪文占」を収録するが、元禄元年板ではこの部分に代えて女性教訓を綴った「女式考学之巻」を掲げた。
★原装・題簽付・美本状態良好。記名なし・蔵書印なし。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、10,000円(5冊揃)15,000円(1・3・4巻2冊*一部活版)】。
25000円 唐錦[唐にしき・可羅錦](1-8巻*刊本) ★ゆうパック着払い
【判型】大本8冊(全13冊中)。縦263粍。
【作者】大高坂維佐子(成瀬維佐子・いち・伊佐・喬松女)作。大高坂芝山(秀明・清助・一峯翁・西湖・黄裳軒)校・跋。大高坂延年序。
【年代等】元禄7年4月、西湖一峯翁跋。寛政11年8月、田弘(思成館)跋。寛政12年4月、大高坂延年序・刊。刊行者不明。
【備考】分類「往来物・教訓」。大高坂芝山の妻である維佐子が著した膨大かつ体系的な女訓書。「女則(にょそく)」5巻(第1-5巻)、「装束抄」1巻(第6巻)、「姿見」1巻(第7巻)、「写絵」1巻(第8巻)、「古教訓」1巻(第9巻)、「柳桜集」4巻(第10-13巻)の6部13巻から成る。「女則」では、「をんなの学ひの法(のり)」を学範・卑弱(春巻)、婚礼・孝行(夏巻)、貞烈(中央巻)、内治(だいち)・胎養(秋巻)、母道・婦功(冬巻)の9章に分けて述べ、「装束抄」では婚礼時服や四季衣装、その他衣桁飾り等の故実、「姿見」では中国の賢妃、「写絵」では本朝近世の貞女についてそれぞれ説く。また、「古教訓」では「女則」で展開した「学びの道」を補足的に述べ、最後の「柳桜集」で以上5部の拾遺や文学論を問答形式で綴る。このように、女性の教養全般にわたるが、「まなびこそ、げにかぎりなきたのしみならめ」という言葉に象徴されるように、本書の中核は「女則」である。なお、延年の序文によれば、稲葉正通の求めに応じてわずか3カ月で本書を著してこれを提出、その副本を家宝として秘蔵してきたのを、荘内の医師・前田子仁によって発見され上梓する運びとなった。なお、大高坂維佐子は本書執筆の翌年の冬から本書の補遺として『続女則』10巻を編んだがこちらは未刊に終わった。なお、師岡正胤校訂の『〈女訓〉唐錦』が明治19年に東京・藤野正啓によって刊行された。
★原装・題簽付(1冊題簽欠)・概ね美本(1冊入れ本のみ一部小虫)。本書のほぼ2/3に相当する1-8巻で、9-13巻を欠くが、本書の中核を網羅する。記名なし・蔵書印あり。刊本13冊揃いは極稀(全国に所蔵数カ所(国文学研究資料館DB))。【参考価格(初出品時の相場です):某古書店で刊本13冊揃いが約7万円】。
35000円 唐錦[唐にしき・可羅錦](写本13冊揃) ★ゆうパック着払い
【判型】大本13冊。縦260粍。
【作者】大高坂維佐子(成瀬維佐子・いち・伊佐・喬松女)作。大高坂芝山(秀明・清助・一峯翁・西湖・黄裳軒)校・跋。大高坂延年序。正敬書。
【年代等】元禄7年4月、西湖一峯翁跋。享和3年9月書。
【備考】分類「往来物・教訓」。大高坂芝山の妻である維佐子が著した膨大かつ体系的な女訓書。「女則(にょそく)」5巻(第1-5巻)、「装束抄」1巻(第6巻)、「姿見」1巻(第7巻)、「写絵」1巻(第8巻)、「古教訓」1巻(第9巻)、「柳桜集」4巻(第10-13巻)の6部13巻から成る。「女則」では、「をんなの学ひの法(のり)」を学範・卑弱(春巻)、婚礼・孝行(夏巻)、貞烈(中央巻)、内治(だいち)・胎養(秋巻)、母道・婦功(冬巻)の9章に分けて述べ、「装束抄」では婚礼時服や四季衣装、その他衣桁飾り等の故実、「姿見」では中国の賢妃、「写絵」では本朝近世の貞女についてそれぞれ説く。また、「古教訓」では「女則」で展開した「学びの道」を補足的に述べ、最後の「柳桜集」で以上5部の拾遺や文学論を問答形式で綴る。このように、女性の教養全般にわたるが、「まなびこそ、げにかぎりなきたのしみならめ」という言葉に象徴されるように、本書の中核は「女則」である。なお、延年の序文によれば、稲葉正通の求めに応じてわずか3カ月で本書を著してこれを提出、その副本を家宝として秘蔵してきたのを、荘内の医師・前田子仁によって発見され上梓する運びとなった。なお、大高坂維佐子は本書執筆の翌年の冬から本書の補遺として『続女則』10巻を編んだがこちらは未刊に終わった。なお、師岡正胤校訂の『〈女訓〉唐錦』が明治19年に東京・藤野正啓によって刊行された。
★原装・題簽付・美本。記名なし・蔵書印あり。刊本13冊揃いは極稀(全国に所蔵数カ所(国文学研究資料館DB))。【参考価格(初出品時の相場です):某古書店で刊本13冊揃いが約7万円】。
12000円 藻塩草[もしほぐさ](藤堂嵐子・3種)
【判型】特大本1冊。収録順に縦320・320・307粍。
【作者】藤堂嵐子(浄珠院)作。山崎義故編・跋。
【年代等】享保17年4月作。天保7年3月跋。天保7年10月刊。[江戸]至楽窩蔵板。岡村屋庄助売出。
【備考】分類「往来物・教訓」。同板の有界本2種と改刻本の無界本の合計3種を収録した(特大本のため、有界本は1頁ずつスキャンして見開きに合成。無界本は見開きでスキャンしたため下側余白が若干切れている(文字には全く影響なし))。本書は、40代の嵐子が、嫁いでいく長女・須磨のために記した女訓書。その原本は延享3年に34歳で没した須磨の遺品の中から発見されたが、代々受け継がれ、約100年後に津藩士・山崎義故によって本書が上梓された。内容は、執筆意図を略述した前文と長短併せた44カ条からなり、女性の学問の大意、男女の役割、女子三従、舅姑への孝養、夫への服従、武家婦人の忠孝といった理念のほか、夫の四季の衣装の準備や旅立つ夫に対する態度、化粧・身だしなみ、奉公人指導、信仰のあり方など、日常生活全般の具体的な心得を縷々諭す。なお、刊本は大和綴じの特大本だが手本ではなく、比較的小字の8行・無訓で記した読本用である。
★原装・題簽付・状態良好。記名なし・蔵書印なし。比較的稀書(全国に所蔵数カ所(国文学研究資料館DB))。
3500円 〈拾遺〉四季部類大全[新季寄]
【判型】小本1冊。縦136粍。
【作者】奇淵(七杉堂シチサンドウ・大黒庵・花屋庵・花屋裏・奇淵坊桃序・菅奇淵)編。鼎左(閑花林・桑々畔・藤井鼎左)再訂。
【年代等】安政6年5月、花屋主人鼎左自序。安政6年5月刊。[大阪]塩屋忠兵衛(鹿嶋献可堂)ほか板。
【備考】分類「俳諧」。俳諧に用いる季語を季節等によって分類した「季寄せ(俳諧歳時記)」の一つ。小本仕立て薄様の和紙に印刷したコンパクトなもので、多数の挿絵を掲げる。巻頭附言に「新刻新季寄は、四季部類、其外、諸抄に洩たる天象降物・風体の類より神社仏閣の行事、衣食・鳥獣・草木にいたるまで、四季の詞になるべきものをあつめて、傍注を加へ、先刻四季部類にならひ、春夏秋冬を四段に設け季をくるに見やすからんためにす」と記す。本文欄は上から春・夏・秋・冬の4段に分かち、さらに、白抜き文字で、まず各月に分け、各月毎に、乾坤・植物類・生類・衣食類・神釈・公事故事の部類分けにして季語を列記する。また冬部の後に「二句去(ニクザリ)之物」「二句去之字」「三句去之物」「三句去之字」その他の約束事(禁制)を略述するほか、巻末に「執筆法様」「着座心得」「俳諧五喩」「芭蕉翁遺語」「竪留末字、横帰本行」などを記す。
★原装・題簽欠・状態良好。多数絵入り。記名なし・蔵書印あり。比較的稀書(全国に所蔵数カ所(国文学研究資料館DB))。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、類書が、1,200円(四季部類大全、嘉永序、疲れ・シミ)16,200円(増補四季部類大全、嘉永板、題簽欠)】。
4000円 京案内道しるべ(丸屋板)
【判型】小本1冊。縦149粍。
【作者】池田東籬亭(菊人・池田正韶マサツグ)編・序。
【年代等】文政12年3月刊。[京都]丸屋善兵衛板。
【備考】分類「地誌」。三条大橋を起点に方角別に回るコースに沿って京都の主要名所を簡潔に紹介したコンパクトな京都観光ガイドブック。編者自序によれば、地方から京都へ参詣・見物に来た観光客が、京都各地の名所を十分見ないで帰国することが残念と思い、限られた日数で効率的に京都観光ができるような案内書を作って欲しいとの書肆の需めに応じて綴ったとする。モデルコースとして、1日目に京都東方向のルートとして、三条大橋から誓願寺までの主要な名所と距離、2日目に南西方向(大橋梅の宮)ルート、3日目に西方向(大橋神泉苑)、4日目に北方向(大橋瑞泉寺)、5日目に東北方向(大橋古知谷)、6日目に東南方向(大橋平等院)の各名所を1行ないし数行で略述する。本文中に鳥瞰図数葉を挿入する。
★原装・題簽付・状態良好。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、原装本が、8,000円】。
5000円 〈音曲語様・口授秘伝・瑠璃天狗〉浄瑠璃早合点[音曲波奈希奴幾]
【判型】小本1冊。縦160粍。
【作者】太瓶楽居編・序。
【年代等】寛政3年夏自序。天保11年初刊。江戸後期後印。
【備考】分類「浄瑠璃」。浄瑠璃指南書。「はなげぬき(音曲波奈希奴幾)」(耳鳥斎談。ゆるきまつりごとミの夏、太瓶楽居序。寛政9年原刊か。序題・内題を「浄瑠璃早合点」と改刻)に「浄瑠璃秘曲抄」(竹本播磨掾撰。宝暦7年原刊か)、「音曲両節弁」(豊竹此太夫著。明和8年原刊か)の3種を合わせた改題後印本(西尾市岩瀬文庫・古典籍書誌DB)とするが、底本は後二者を欠く異本と思われる。浄瑠璃の基本的事項を一通り述べた書。目録によれば、「操芝居の辨」「稽古の仕様」「稽古屋の心得」「声を熟するの弁」「外連決(ケレンケツ*外連とは「人形浄瑠璃等で、見た目本位の奇抜さをねらった演出」のこと)」「無理当自然の辨」「素人より太夫に成辨」「位付評争ひの論」「三味線の辨」「舎理場の辨」「出がたりの辨」「節付節配りの伝」「操をよく語ると云弁」「寄進大会の節の心得」「月会順会の事」「座敷浄瑠璃心得の辨」「去嫌ひ七箇の伝」「口中開合の事」「四季調子」「浄瑠璃音義の伝」「間拍子并程といふ事」「修羅之事」「景事道行の伝」「産字の心得」「中音にて語る心得」「長は継、短は切といふ事」「詞に品ある伝、并四音之事」「浄瑠璃語る節、身構の事」「節に四季ある辨」「出妙丸・金龍丸(声を出す妙薬*ただし底本には未収録)」までの30項目を載せる。
★原装・題簽付・状態並み(一部小虫)。記名なし・蔵書印なし。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、明治板が2,980円】。
4000円 日光山名細記(明治14年)*題簽付・飴色表紙
【判型】小本1冊。縦151粍。
【作者】鬼平金四郎編・序。竹葉画。
【年代等】明治14年10月刊記。明治14年11月序・刊。[日光]鬼平金四郎(金魁堂)板。
【備考】分類「地誌」。下野国都賀郡日光山の由来や堂社・旧跡の概要を記した小本のガイドブック。まず、日光山入口の町筋から日光山に向かって進んでいく順序に従って神社仏閣・名所旧跡のあらましや見所などを紹介し、各所からの眺望や付近の名所にも言及し、それらの故事来歴にも適宜触れる。さらに日光山の結構や堂塔を解説した後、二荒山、日光湯元、華厳滝周辺の名所や日光名物までを案内する。本文中に「神橋満願寺図」「東照宮図」「御霊屋」「中禅寺真図」の4葉の色刷り風景図を掲げる。
★原装・題簽付・状態良好。記名なし・蔵書印なし。色刷り風景図4葉入り。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、5,200円5,250円】。
15000円 〈新板〉万聞書秘伝抄[万聞書秘伝](承応2年)
【判型】小本1冊。縦150粍。
【作者】不明。
【年代等】承応2年7月刊。[京都]山本五兵衛板。
【備考】分類「家事」。慶安4年初刊『万聞書秘伝(聞書秘伝抄)』を小本仕立てにしたもの。全54カ条からなり、目録に従えば、第1条「ほんむらさきのそめやうの事」以下に染物、第14条「よろづしみものおとしやうの事」以下に垢・浸み物の洗浄法、第19条「小がみこつぎやうの事」に紙衣(紙子)の継ぎ方、第20条「みそにやうのこと」以下に保存食品や醸造品(酒・酢・醤油・醤醢・納豆)や各種食品(飴・柚餅子その他)の製法や保存法その他関連知識、第54条「草木うゑやうの事」に野菜・果物・樹木等の栽培法を記す。
★古版・原装・題簽付・状態良好。記名なし・蔵書印あり。初智艸堂(田中ちた子・田中初夫)旧蔵書。稀書(承応2年板は全国1カ所のみ)。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、中本(明暦板)が、9万1800円(過去データ)】。
8500円 〈諸国〉道中ひとりあるき[〈諸国〉道中独歩行](文政10年)
【判型】小本1冊。縦157粍。
【作者】盛文堂編。
【年代等】天明6年初刊。文政10年再刊。[江戸]前川弥兵衛(盛文堂)板。
【備考】分類「地誌」。東北から九州までの主要街道を網羅的に案内した道中記。収録順に「東海道之記」「木曽路之記」「日光道中記・常州水戸道中」「甲州道中記・奥州仙台道中記」「富士山道中」「身延山道中」「甲府より尾州宮へ行程・仙台より南部森岡(盛岡)道」「尾州宮より越前福井道」「加州金沢道中」「宮より京へ中仙道」「大津より大坂道」「紀州若山道中・金沢より小松大聖寺道」「高野山道中・越中富山より加州金沢道」「なめり川より越中富山へ行道」「芳野へ行程(高野より)・大坂より長崎道」「奈良へ行程(よしのより)」「奈良より大坂へ行程」「長谷へ田丸ごへ(いせ山田より)」以下、九州各方面までの道中の宿駅と宿駅間の距離、関連情報を簡潔に記す。また、巻末に「潮の満干之事」を掲げる。
★原装・題簽付・状態良好(数丁小虫)。記名なし・蔵書印なし。稀書(全国に所蔵数カ所(国文学研究資料館DB))。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、81,900円】。
11000円 〈大日本〉海陸道中行程図鑑[大日本海陸行程図鑑・日本道中記図鑑]
【判型】小本1冊。縦157粍。
【作者】不明。
【年代等】天保7年6月刊。[江戸]須原屋茂兵衛(千鐘房)板。
【備考】分類「交通」。袋綴じ展開収録(見開き図は再掲)。下小口に「天保八酉六月、カドタ△」と記すように、本書は初刷本である(裏表紙見返に「門田性△」と記す)。本書は日本全国の主要街道の位置や路程(宿駅間の里数や道中の情報など)や関連情報を記した道中記。凡例に「日本の地理丸きを長く画(カ)きのぶるゆへに、方角にかゝはらず順道を記す。是によつて其初めに日本全図をしるし載す。西は朝鮮より釜山海、対馬、壱岐五島、平戸、長崎等、東は奥州仙台、盛岡、弘前、津軽、松前、蝦夷の渡口に至迄其間往来の馬次、道筋、船着等都(スベ)て大略を記してもるゝ事なし」とある。「道筋合文(アイモン)并に合記(アイジルシ)」に示す通り、道中行程図には駅(馬次)・船着、名所・山・坂・峠・川、国境、船路、舟渡、城下などを記号によって示す。道中行程図を上下2-3段にして掲げる関係上、方角や距離を正しく表現できないため、巻頭の「大日本国略図」でおおよその地理的位置を示す。ただし単なる道中地図ではなく、余白に「南部津軽名所歌」等の名所和歌や、「奥名所」等の関連情報を記す。また、巻末に「江戸ヨリ大坂迄東海道駄賃附」「同木曽道中」「大坂ヨリ長崎道中」「東海道割増附」「道中荷物掛目御定」等の駄賃・問屋関連情報や、「年代六十図」「潮汐満干(シオノミチヒ)」「旅立の歌」なども付記する。
★原装・題簽付・状態良好(一部シミ・角わずかに破損)。稀書。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、149,040円】。
3000円 俳諧道の便[道の便]
【判型】小本3巻合1冊。縦156粍。
【作者】竹巣月居(江森月居・角斎月居)作・序。竹巣月居・春洞淇竹・生生瑞馬校。
【年代等】享和2年9月、生々瑞馬序。享和2年11月刊。[京都]菊舎太兵衛板。
【備考】分類「俳諧」。具体的な作品を掲げて俳諧の基本を述べた全3巻から成る俳諧作法書。上巻は「連歌発端」「姿情の事」「三の情の事」「歌題俳諧の事」「漢語をつかふ事」「和歌の詞を遣ふ事」「五文字の事」「字あまりの事」「字を余して句意を深くする事」「換骨の事」「色だての事」「名所を遣ふ事」「名所に望雑の句の事」「古事古語古詩古歌等を遣ふ事」ほか。中巻は「体用の事」「和歌によりて発句の風情を上る事」「古今の序にいへる六義、詩にいへる六義の遣へる事」「脇の事」「第三の事」「他季うつりの事」「二句一意の事」「大勢の中の人を定る事」「恋の句の事」「名所に名所を付る事」「連句語路のあつかひ三句の転」「連句自他の事」。下巻は「情の事」「物に紛るゝ句の事」「当季のかけ合未練の事」「題の文字にする類未練の事」「平句趣向の事」「句がらの事」「故事に遣はるゝ事」「作にすゝむ事」「二作三作の事」「見立句の事」「断なき句の事」「自他の事」「上五文字に断たる句」「人に応ぜざる句の事」、及び「員外」として、「題の哉」「治定の哉」「珍美の哉」「嘆息の哉」「願ひの哉」「わり哉」「五文字の哉」「うき哉」「しづむ哉」「疑ひの哉」「こと葉切て意の続哉」「察する哉」「たゝみ哉」「口合の哉・捨る哉の事」「こと葉を中にて切哉」「名所のかな」「題の也」等。
★原装・題簽摩滅・本文状態良好。記名なし・蔵書印あり。比較的稀書(全国に所蔵数カ所(国文学研究資料館DB))。
4500円 〈増補〉算用手引草
【判型】小本1冊。縦157粍。
【作者】内田秀富(内田源兵衛)編。
【年代等】宝暦5年11月初刊。宝暦14年4月、穂積以貫(伊助・能戒斎)跋。宝暦14年5月増補・再刊。[大阪]内田秀富(内田源兵衛)蔵板。[大阪]亀屋安兵衛ほか売出。
【備考】分類「和算」。藤村善右衛門親正彫刻。図解を多用して算法の理を理解させることを重視した和算書。底本は、宝暦5年板(初板本)の後半に「中学(中級者)のために勾股絃変化の限りなき事」などを加筆した増補版。増補部分を除く前半部については、序文で「算用は物に格(イタ)り、知ることを致(キワ)むるの器なり」と述べ、算法は幼時から学ばなければその理を弁えることはできないが、世間には算法書が多数存在しても、多くは方法論のみを示し、その理を述べたものがないため惑いやすい、そのため詳しい図解を掲げて初心の理解を助けんとしたというのが、その執筆動機であった。この初板本の内容は、目次に従えば、「諸数始」「大数之名」「小数之名」「九々」「八算」「同割方」「見一割方」「相場捌割」「金銀銭両替」「金銀利息割方」「買合」「俵物杉ばへ術」「差分」「盈?」「田地方一件」「舛法」「歩積方」「町見術一件」「定位方」「開平方」「開立方」「立平帯縦」「立平相応」「算盤算木図」「同遣方」「図解勾股変化」「玉中蕎麦解」「勾股内方円解」「錐三段解」「方台解」「厚幅台解」「斧形解」「両歯解」「図解録」「曲尺開平」「角積率」「円周率」「?積率」「方程正負」「天元手引」「天元式」を載せる。これに続く増補部分は「勾股弦(コウコゲン)の定理(いわゆる三平方の定理)」を一問一答式で説いたもので、その後に、「冪一(ベキイチ)再乗一之法」と、門人らによる「愚問十六箇条」(読者に対する遺題)を載せる。
★原装・題簽付・美本(冒頭頁1カ所墨書き)。記名なし・蔵書印なし。稀書(全国に所蔵数カ所(国文学研究資料館DB))。
4000円 辻占独判断[辻占ひとり判断・八卦絵鈔]
【判型】縦長本1冊。縦175粍。
【作者】飯尾東川作・序。歌川国顕画。
【年代等】安政2年冬自序。元治元年2月刊。[大阪]具足屋重兵衛板。
【備考】分類「占卜」。平易な解説に図解を添えて庶民の女性や子供にも見やすく諭した銭を用いた八卦占いの解説書。冒頭「卦たてやう并に判断見やう」で占い方を示す。それによると、青銭(清き銭)6文を左の手のひらに置き、右の手をその上に覆って敬い頂き、「仮爾泰筮有常(ナンジガタイゼイツネアルニヨル)、乾兌離震巽坎艮坤(ケンダリシンソンカンゴンコン)」と2編唱えて無為無心にその両手をよく振ってから膝の上に置き、右手でその銭を1文ずつそのまま紙の上に、下から順番に上に並べる。その時、銭の表が出れば「--陰」、裏が出れば「─陽」として六十四卦の判断を見る。卦名毎に半丁ずつ、象・意を示す漢文とその解釈を掲げ、○印に「う」は「運気」のような記号を用いて、運気、縁談、願い事、産(出産)、病気、待ち人、走り人、宿替え、失せ物9項目についての判断を簡潔に記す。
★原装・題簽付・状態概ね良好(1カ所上部破損補修につき、数文字判読不可)。記名なし・蔵書印なし。稀書(全国に所蔵数カ所(国文学研究資料館DB))。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、破損本が、4,500円】。
3500円 将棊精選[将棊精選新定跡](明治8年)
【判型】小本3巻3冊。縦150粍。
【作者】天野宗歩作。
【年代等】嘉永6年1月、斉藤謙序。嘉永6年1月、大橋宗桂序。嘉永6年11月初刊。文久4年3月再刻。明治8年12月版権免許・再刊。[東京]山崎清七板。
【備考】分類「将棋」。天野宗歩(小幡留次郎・富次郎)によって1853年(嘉永6年)に出版された、江戸時代で一番著名な定跡書。全3巻から成り、上巻には六枚落ち(実力が上手の者がハンディキャップとして飛車・角行・香車2枚・桂馬2枚を除外すること)、五枚落ち、四枚落ち、中巻には二枚落ち、飛香落ち、飛車落ち、下巻には角落ち、左香落ち、右香落ち、平手の定跡を収録する。本書は、天野宗歩が門人等と共に研究刊行したもので、大橋宗英の「将棋歩式」・福島順喜の「将棋絹篩」と並んで江戸時代の三大定跡書である。また、六枚落四枚落ちまでの定跡を載せたものはそれまで数が少なく、その意味でも重要である(温故知新HP参照)。作者の天野宗歩(1816-1859)は、幕末の将棋棋士。11代大橋宗桂門下。幕末の棋聖とうたわれた天才棋士。在野の棋士であったため生涯7段で終ったが、棋力 11段と称され、門下生 3000人に及んだ。その著書『将棋精選』『将棋手鑑』は近代将棋の定跡の基礎とされている。 全国各地に棋譜を残し、『将棋精選』はその120番を収め、近代将棋の基礎になった(コトバンク)。
★原装・題簽付・状態良好。記名なし・蔵書印なし。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、江戸期板が、4,500円28,000円。明治板が、1,800円(傷み本)16,200円。】。
12000円 新古今和歌集(小本・延宝2年)
【判型】小本20巻4冊。縦159粍。
【作者】源通具・藤原有家・藤原定家・藤原家隆・藤原雅経(飛鳥井雅経)撰。
【年代等】元久2年(1205)作。延宝2年3月刊。刊行者不明。
【備考】分類「歌集」。鎌倉時代前期の第8勅撰和歌集。 20巻。約 1980首。建仁1 (1201) 年後鳥羽上皇の命により和歌所を設置、その寄人 (よりうど) のうち源通具、藤原有家、藤原定家、藤原家隆、藤原 (飛鳥井) 雅経、寂蓮の6人が撰者とされた。寂蓮は奏覧前に没、5人により撰歌、部類が進められ、元久2 (05) 年3月一応成立、竟宴 (きょうえん) が行われた。しかし上皇の意志で、承元4 (10) 年9月頃まで切継ぎ (改訂) が行われた。上皇は実質的に撰者とみられる。『万葉集』以下『千載集』にいたる7勅撰集にとられていない作品を選歌対象とする。主要歌人は撰者らのほか、西行、藤原俊成、藤原良経、慈円、式子内親王、俊成女、宮内卿ら。歌風は観念的傾向が著しく、華麗。本歌取り、本説、本文など、典拠を有する表現を好んで用いるため、古典的であり、難解なものも多い。構成的、物語的で、象徴の域に達しているものもある。万葉調、古今調とともに、新古今調として、後世に大きな影響を及ぼした(コトバンク)。
★原装・題簽付・状態良好。記名なし・蔵書印なし。延宝2年板は稀書(全国に所蔵数カ所(国文学研究資料館DB))。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、江戸前期4冊本が、30,000円(正保板)75,000円(元禄板、系図絵図入)】。
2500円 〈大字〉百番御詠歌〈并ニ順礼略縁起〉[西国三十三番札所じゆんれいゑんぎ・坂東三拾三所ゑんぎ道法附・秩父三十四所縁起]*末尾の補修が目立つため特価開始。
【判型】中本1冊。縦177粍。
【作者】不明。
【年代等】江戸後期刊。[江戸]山口屋藤兵衛(錦耕堂)板。
【備考】分類「歌謡」。西国三十三所・坂東三十三所・秩父三十四所を合わせた百観音の本尊や順礼順、順礼歌を簡潔に記した書。江戸中期頃の先行書の後印・改題本と思われるが未詳。
★原装・題簽付・状態概ね良好(末尾の小虫補修がやや目立つ)。記名なし・蔵書印なし。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、山口屋板が、25,000円】。
3500円 麻疹心得草
【判型】中本1冊。縦176粍。
【作者】瓢哉軒編カ。
【年代等】文久2年6月刊。[大阪]瓢哉軒蔵板(施印)。
【備考】分類「医学」。蔵板者の朱印に「浪花東堀久宝寺橋東詰南入」とある。冒頭の記載によれば、西田耕悦作、文政5年刊『麻疹輯要』と、加古角洲作、文政4年(実際は文政5年)刊『麻疹約説』の二書からの抜粋に京橋の名医の口授を加えてまとめた麻疹の心得書。麻疹発症の原因や、本朝において麻疹が全国的に流行した年などに触れた後、「疹(ハシカ)を避(ノガレ)る奇薬」「三豆湯」「安台円」「疹の治方」や、麻疹の症状や経過、麻疹の後遺症、「升麻葛根湯」「紫円」「疹好物(ハシカヨキモノ)」「禁忌(ドクイミ)」について略述する。また末尾「附言」では、「親に仕へる者は医を知らずんば有べからず」と述べ、一般人であっても薬の能毒や医者の善し悪しを知っておくべきことを諭す。さらに裏表紙見返では、本書で紹介する「三豆湯」「安台円」「紫円」などの効用の確かさを再度強調する。
★原装・刷外題・状態概ね良好(小虫補修)。表紙とも全8丁。記名なし・蔵書印なし。新出史料。所蔵機関なし。
9000円 関東大江戸并諸国大地震出火方角附 【新発見】
【判型】中本1冊。縦182粍。
【作者】板元編カ。
【年代等】安政2年刊。乾坤亭万歳楽蔵板。
【備考】分類「災異」。安政2年10月2日(1855年11月11日)午後10時頃に関東地方南部で発生したM7級の大地震である「安政江戸地震」(俗に言う「安政の大地震」はこれを指す場合が多い)の被害状況をまとめた小冊子。表紙見返に会所の図と、被災者救済に関する名主文書を掲げる。本文は「夫、陰陽の二気は天地万物の根元にして、陽天にみちて雷をなし、陰地中にみちて地震となすとかや。本朝往古より天変地妖多しといへども、いまだ如此大変を覚ず。于茲(ココニ)安政二乙卯年十月二日夜四ッ時過るころ、関東の国々大地震にて、一時に震動なし、多くの人命を絶事(ゼッスルコト)、恰(アタカ)も風前の燈火のごとし…」と起筆して、江戸府内各地の被害状況(人的被害や家屋敷・橋その他建造物の倒壊・焼失等)を詳しく紹介する。また、末尾では、この大地震の直前の安政2年9月28日(1855年11月7日)に遠州灘で発生した大地震についても付記する。
★原装・刷外題・美本。表紙とも全7丁。記名なし・蔵書印なし。新出史料、所蔵機関なし。
6000円 〈民家必要〉鎮火用心袋[火之要慎]【新発見】
【判型】中本1冊。縦177粍。
【作者】不明。
【年代等】江戸後期刊。[江戸]本屋又助板。
【備考】分類「消防」。防火心得を記した小冊子(表紙とも全6丁)。まず、繁華の土地には家屋敷が集中して大火になりやすいため、日頃の防火対策が厳重だが、にもかかわらず、宿無し、菰被りの乞食・非人や悪党が放火して騒動に紛れて盗みを働くものがいること、火難の憂いは貧富に限らず得難き宝を一塵の灰にし人命を奪うこと述べて、一家の主たる者は日頃から家族や奉公人に火の元を大切に守るように教諭すべきとする。さらに一家の主人は防火を人任せにせず、自ら注意し見回るべきこと、土蔵の所有者は防火の備えを日々万全に行い、出火原因になりやすい鉋屑や藁、その他家業によって火元の可能性がある場所を十分点検すべきこと、万が一、出火のミスを犯した場合には、迅速に周囲に呼びかけ消火活動に当たること、また、出火の節に、うろたえて家蔵道具を持ち出して避難するよりも、まず、消火活動に全力を傾注すべきこと、さらに、避難の場合の心得(老人・病人など弱者の避難、避難時の荷物の注意等)、出火を想定した日頃の整理整頓、火に包まれた際の避難・サバイバル術にも言及する。
★原装・刷外題・状態並み。表紙とも6丁。記名なし・蔵書印なし。新出史料。所蔵機関なし。新出史料。所蔵機関なし。
3500円 〈頭書増補・文化改・中段入〉男女一代八卦[大増補男女一代八卦](文政12年・岩戸屋板)
【判型】中本1冊。縦176粍。
【作者】不明。
【年代等】文政12年3月刊。[江戸]岩戸屋喜三郎板(題簽は鶴屋)。
【備考】分類「占卜」。「男女一代八卦」は、江戸中・後期に普及した八卦占いの標準的なもので、底本の場合、表紙見返に「男女相性善悪之大事」と本書を使用する場合の基本となる「六十図」を載せる。本文欄でははまず、延享元年甲子以降生まれの男女別・十二支別一覧と、文化元年甲子以降生まれの同様の一覧を掲げ、先の一覧でイロハ分けされた各組の守り本尊と吉凶方や生まれ月別運勢などを一覧にする。それに続く本文欄末尾には「十二うんにて善悪をしる事」「弘法大師四目録のうらなひ」を収録する。また、頭書に「一代守本尊」「一代八卦くり様の事」「胎内十月の事」「産の時男女を知事」「女の年にて懐姙する月日をしる事」「帯をする事」「帯をする日の事」「子安の秘符」「子生れかぬるまじない」「性によりて刀わきざしのよしあしと、商売のよしあしをしる事」「人の名頭字」「九曜の星繰様」、さらに裏表紙見返に「雷除の秘文」「不成就日・不成就時」「潮汐盈虚(シオドキミチヒ)之図」を載せる。
★原装・大判題簽付・状態良好。記名なし・蔵書印なし。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、類書が、3,240円16,200円】。
4000円 白隠禅師施行歌[闡提尊師施行歌](寛政4年)
【判型】中本1冊。縦183粍。
【作者】白隠慧鶴(エカク)作。
【年代等】寛政3年12月、秋里籬島(湘夕・舜福)序。寛政4年春刊。[京都]梅村伊兵衛ほか板。
【備考】分類「臨済」。白隠禅師が庶民に分相応の「施行(僧や貧しい人々の救済のため、物を施し与えること)」の実践を促すために平易で口ずさみやすい七五調の文言で諭した書。本文中に教訓絵を数葉掲げる。本文は「今生(コンジョウ)富貴する人は、前世に蒔おく種がある、今生施しせぬ人は、未来はきわめて貧なるぞ、利口で富貴がなるならば、鈍なる人はみな貧か、利口で貧乏するを見よ、此世は前世の種次第、未来は此世のたね次第、富貴に大小ある事は、蒔種大小あるゆえぞ、この世はわづかの物なれば、よい種ゑらんでまきたまへ、たねを惜みてうへざれば、穀物取たる例(タメシ)なし…」と起筆して、因果応報を説き、積善を勧める。見返に「駿州原の闡提尊師(センダイソンシ)、近曽(サイツコロ)、此『施行歌』を作りて老少に謳(ウタワ)せ、国中の在郷をめぐらせ、窮民を救ふ一助とし給へば、諸人此文に会得し、豪家をはじめ其分限相応に施行し貧困をすくひける。今、これを梓にして四方に弘め、今世仁心にもとづく便ならん事をねがふのみ」と記す。/施行歌は、仏教の最重要の徳目である布施の功徳を説く歌だが、白隠禅師がこの歌を作った目的は、布施の功徳を人々に知ってもらうためというよりも、飢饉で多くの餓死者が出ている状況において、貧しい人々を救うための浄財を緊急に集めることにあったようである。そのためであろうが、「富貴さいわいある人は、貧者に施しせらるべし。貧者に施しせぬ人は、富貴でくらすかいもなし」とあるように、特に富貴な人に布施行を勧めており、「この節信心起こらねば、まったく牛馬にことならず」とまで言っている。江戸時代は全体を通じて寒冷な気候の時代であった。そのため寛永、享保、天明、天保の四大飢饉に代表される多くの飢饉が発生し、白隠禅師はそうしたときの救援活動も熱心におこなっていたのである。この歌は禅師の仮名法語の中でいちばん出版回数の多いものであり、そのため異本が33あるという(瑞雲院法話HP参照)。
★原装・題簽付・概ね美本(わずかに小虫)。絵入り。記名なし・蔵書印あり。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、江戸期の類書が、8,640円(文久板)10,000円(文久板)】。
1000円 〈大沢敬譲編輯〉修身管見論〈立志篇〉 【活版和装本】
【判型】中本1冊。縦197粍。
【作者】大沢敬譲編。久保雅友(檜谷)補注。
【年代等】明治16年10月、林正躬(南軒)序。明治16年9月自跋。明治17年3月刊。[京都]著者蔵板。[京都]石田忠兵衛売出。
【備考】分類「教訓」。立志に資する和漢の聖賢・儒学者の言葉を集めて若干の補注を施した書。活版和装本。なお本書は、「立志篇」以外は未刊と思われる。
★原装・題簽付・状態並み(本文上部数丁傷みのため、頭注の一部が判読不可の箇所あり)。記名なし・蔵書印なし。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、5,400円】。
2500円 玉手箱
【判型】中本1冊。縦162粍。
【作者】不明。
【年代等】江戸後期刊。刊行者不明。
【備考】分類「遊戯」。宴会の余興などに行う手品・奇術のネタを記した小冊子。「声なしに人を呼出す伝」「忍び手紙のでん」「人に夢見せるでん」「待人きたるでん」「雷をならすでん」「酒に酔ぬ伝」「人を居ねむらす伝」「酒を杯の縁より高盛伝」「地震由良須(ユラス)伝」「座敷にて玉子踊(オドラ)す伝」の10項目を収録する。
★原装・刷外題・状態概ね良好(小虫補修)。表紙とも7丁。記名なし・蔵書印なし。稀書(全国に所蔵1カ所(国文学研究資料館DB))。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、「調法記」と合本1冊が、10,000円】。
4500円 銭占意気奈好此[世志此銭占](明治19年)*2カ所破損のため特価開始
【判型】中本1冊。縦177粍。
【作者】遊子軒金鱗作・序。一斎画。
【年代等】元治元年初刊。明治19年5月再刊。[名古屋]炭竃佐一郎板。
【備考】分類「歌謡・占卜」。6枚の1文銭の表裏の出方によって占う銭占いの六十四卦の判断に相応しい挿絵と「よしこの節」を添えた書。例えば、一番「乾為天」に対しては、「人にしたはるゝ事あれども、余り善すぎてとゝのひがたし…」のような判断を載せ、「花よ青葉と、たのしむうちに、いつしか身にしむ、秋の風」といった節を付す。「よしこの節」は、江戸後期に流行した俗謡。潮来節(いたこぶし)から出たといわれ、七・七・七・五の4句の歌詞で、内容・形式は都々逸に似る。曲名は囃子詞(はやしことば)の一節から(コトバンク)。
★原装・色刷表紙・刷外題・状態並み(序文一部破損、本文半丁破損)。記名なし・蔵書印なし。稀書(全国に所蔵数カ所(国文学研究資料館DB))。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、25,000円】。
3000円 〈開化〉都々逸
【判型】中本1冊。縦179粍。
【作者】不明。
【年代等】明治初年刊。[東京]児玉弥七(大橋堂)板。
【備考】分類「歌謡」。絵入り都々逸集。「思ふお人が、兵士にあたり、僅(ワズカ)三とせが、百千とせ」「学校へ、雨のふる日も、露いとはずに、通ふ生徒の、たのもしさ」以下の都々逸48編を収録する。
★原装・色刷表紙・刷外題・状態良好。記名なし・蔵書印あり。
3000円 端唄糸のしらべ
【判型】中本1冊。縦176粍。
【作者】不明。
【年代等】明治初年刊。[東京]児玉弥七(大橋堂)板。
【備考】分類「歌謡」。絵入りの端唄集。表紙とも全7丁で、12曲を収録する。
★原装・色刷表紙・刷外題・状態良好。記名なし・蔵書印なし。
5500円 辻占都々逸御鬮箱[辻うら都々いつ御鬮箱]
【判型】中本1冊。縦177粍。
【作者】不明。
【年代等】江戸末期明治初年刊。[江戸]吉田屋小吉板。
【備考】分類「歌謡・占卜」。辻占に似せた39番から74番までの御鬮判断に挿絵と都々逸36編を添えたもの。中途半端な番号から始まっている理由については序文に次のように記す。「此御鬮も此如く、十台(代)、二十は仕うちさへ有の侭にて心底見安し。三十以上は分別の盛といへる年ごろなれば、手管の魂胆・掛引ありて、胸中虚実を察するにかたし。是によつて此書物は、先二十台は暫置、御鬮の竹もふけ番なる三十以上の極意の秘書にて、番数の胴ぶくら、三十九じやもの花鬮も当はずさぬ辻うらかた…」とある。また、本書の見方についても、「先、心に思ふねがひ・のぞみ、其吉凶をつげ給へと右左を定置、信をこめて目をとぢ、手に当る所をひらき…」左右該当する頁を見ると述べる。39番から74番までの御鬮の吉凶や運勢を示す漢語に相応の都々逸と挿絵を掲げる。
★原装・色刷表紙・刷外題・状態良好。記名なし・蔵書印なし。稀書(全国に所蔵無し*国文学研究資料館DB))。
2500円 辻占宇喜代どゞいつ(4編)【一部落丁につき特価開始】
【判型】中本1冊。縦173粍。
【作者】白山人作・序。
【年代等】明治初年刊。刊行者不明。
【備考】分類「歌謡・占卜」。辻占風の八卦占いに都々逸と挿絵を添えたもの。底本は4編で「たくすゐこん(沢水困)」から「ちふうしやう(地風升)」までの35番のみをのせる。巻頭の「うらないの見やう」によれば、目を閉じて本書を三度回して下に置き、簪や楊枝などあり合わせの棒状の物を本の上に落とし、先が指したところの卦を見るとする。本文は例えば冒頭の「たくすゐこん(沢水困)」の場合、「あいたい見たいは、そりやさておいて、ふみのさよりも、ない今日び」のように都々逸を掲げ、鯛と細魚(サヨリ)の挿絵を付す。
★原装・色刷表紙・刷外題・状態並み(表紙汚損・本文シミ)。末尾3丁落丁。記名なし・蔵書印あり。稀書。
4000円 天神一代記(楽亭西馬)
【判型】中本1冊。縦173粍。
【作者】楽亭西馬作・序。五雲亭貞秀・歌川芳虎画。
【年代等】江戸後期刊。[江戸]和泉屋市兵衛板。
【備考】分類「合巻」。いわゆる「天神記物」を合巻仕立てにしたもの。「天神記物」は、浄瑠璃、歌舞伎脚本の一系統で、菅原道真(菅丞相)と藤原時平の確執、道真の九州大宰府への流罪という史実にまつわり、飛梅伝説、雷神伝説、また天満天神縁起などがある。これら道真の事蹟を浄瑠璃や歌舞伎にとり入れて脚色したもの。底本では、延喜の帝(醍醐天皇)の頃、菅原是善の子である道真が幼少より和漢の書を学んだことや、後に伝説化された「渡唐天神図」の由来などから始まり、藤原時平の陰謀で太宰府に流されたことや、やがて、道真が天拝山に登って天に祈って雷神となり、その雷神が内裏にいた時平を殺し、恨みが晴れて神の姿になるまでを綴る。
★原装・色刷表紙・刷外題・状態良好。記名なし・蔵書印なし。
6500円 水戸黄門記(明治12年)
【判型】中本1冊。縦180粍。
【作者】児玉又七編。
【年代等】明治12年5月刊。[東京]児玉又七(大橋堂)板。
【備考】分類「合巻」。水戸光圀の一代記を色刷り絵本にしたもの。光圀の出自や、家康の遺志に従って将軍家綱死去後の後継者選びを始めとする穏便な采配から、天和2年に61歳で隠居(史実と異なる)した後の逸話、さらに元禄13年に73歳で逝去するまでの生涯を記す。全頁に色刷りの挿絵を掲げる。
★原装・色刷表紙・刷外題・極美本。全頁色刷り。記名・蔵書印あり。稀書。
3000円 道歌心の策
【判型】中本1冊。縦188粍。
【作者】無染居士(沙羅樹下参徒)作。
【年代等】江戸後期刊。[京都]平井清兵衛(仙風軒)ほか板。
【備考】分類「教訓・和歌」。仏教道歌。檀林皇后・栄西禅師・明慧上人白隠和尚・遂翁・東嶺和尚等50名の道歌集。臨済宗の高僧を中心とする。半丁1人、下段に肖像と歌、上段に略伝を記す。自序によれば、松月庵の机上にあった編者不明の道歌集冊子に増補を加え、肖像略伝を付して上梓したもの(西尾市岩瀬文庫・古典籍書誌DB)。
★原装・題簽一部破損・状態良好。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、3,500円(題簽欠)7,000 円】。
4000円 〈蜀山人〉狂歌百人一首
【判型】中本1冊。縦172粍。
【作者】大田蜀山人作。葦間蟹彦編。
【年代等】天保14年8月初刊。弘化4年11月再刊。[大阪]柏原屋義兵衛ほか板。
【備考】分類「狂歌」。パロディの百人一首。小倉百人一首の全首につき替歌(パロディ)を創作した狂歌集。天保14年(1843)、蘆間蟹彦の編輯により『蜀山先生 狂歌百人一首』として大阪で出版された。蜀山先生とは大田南畝(1749-1823)。それ以前にも狂歌師による同種の試みは幽双庵『犬百人一首』をはじめ幾つもあったが、江戸狂歌の大家の名で出版された本書は最も著名な「もじり百人一首」として今日まで享受されてきた。ただし、百首全てを蜀山人作とするのは疑わしく、例えば『大田南畝全集』第一巻解説(濱田義一郎氏)は、「蜀山人の作に近いのは、喜撰法師・春道列樹・後徳大寺の3首、似ているのが安倍仲麿・僧正遍昭の2首」に過ぎないとする。蜀山人らしからぬ素人臭い作が幾つも存在するのは明らかだが、飄逸な秀詠・佳詠も少なくなく、天明狂歌の頓知横溢の才を十分に発揮した集となっている(やまとうたHP参照)。「秋の田のかりほの庵の歌がるた、とりぞこなつて雪は降りつゝ」(天智天皇御詠のもじり)から「百色の御歌のとんとおしまいに、ももしきやとは妙に出あつた」(順徳院御詠のもじり)までの100首を収録する。歌仙絵等はなし。
★原装・題簽付(摩滅)・状態並み(小虫補修)。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、12,000円】。
5000円 俳風狂句合[舞扇会狂句合]
【判型】中本1冊。縦178粍。
【作者】揚吉・みとり・有人・川柳評。
【年代等】江戸後期刊。刊行者不明。
【備考】分類「雑俳」。江戸後期の狂句合。揚吉評、みとり評、有人評、川柳評などに分けて作品を列挙するが、刊行年その他詳細不明。なお、俳風狂句については、初代川柳時代の作品である「古川柳」に対し、2世以後の旧派作品を「狂句」と呼ぶが、1824年(文政7)に4世川柳が従来の「前句」を「俳風狂句」と呼んで、自ら元祖を名乗った。その後、5世が1841年(天保12)に「柳風狂句」と改称した。しかし、作品は観念的道徳的な遊戯に堕ちているため、「狂句」は「古川柳」とは価値の違う駄作を意味するようになった(コトバンク参照)。
★原装・題簽付・状態良好。記名なし・蔵書印なし。稀書。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、江戸期の狂句合(類書)が、10,000円27,000円】。
4000円 〈和漢両泉〉酒茶問答[〈和漢両泉睡覚風雅〉酒茶問答] *一部状態不良のため特価開始
【判型】中本1冊。縦180粍。
【作者】三五園月麿(三五園月丸)作・序。
【年代等】天保12年3月自序・刊。[京都]蓍屋幸助(松栄堂)板。
【備考】分類「飲食」。「花間に筵を開きて酒を飲てたのし」む男(忘憂子)と、「松辺に榻(ゴザ)を下して茶を喫(ススッ)て喜ぶ」男(清風子)の2人の客が、それぞれ酒と茶の故事来歴や効能・弊害等に言及し、掛け合いで両者の善し悪しを論ずる物語。
★原装・題簽付・状態並み(小虫補修*末尾数丁は判読困難箇所あり)。記名なし・蔵書印なし。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、江戸期刊本が、41,040円65,000円】。
4000円 海人の刈藻[海人能かる藻・大田垣蓮月集・小田垣蓮月歌集]
【判型】中本1冊。縦粍。
【作者】大田垣蓮月(蓮月尼)作。近藤芳樹編・序。桜戸玉緒・上田ちか子跋。
【年代等】明治元年11月、渡忠秋序。明治3年4月刊記。明治4年2月、藤原芳樹(近藤芳樹)序・刊。[京都]富岡鉄斎蔵板。[京都]辻本仁兵衛売出。
【備考】分類「歌集」。袋綴じ展開収録。『海人の苅藻』は、1冊、和歌、大田垣蓮月作、近藤芳樹編。内容は、蓮月生涯の詠から和歌309首と文詞1章を収めたもの。さして名利を求めなかった蓮月が、勧められてしぶしぶ自歌の出版を認めたもので、蓮月自身「私の手よりは人に見せ申さず、押し込め置き候」と人に書き送っているように、意に満たぬものであったらしい。また、その後、蓮月尼の歌は、この集以外に約550首ほど見出されているので、必ずしも蓮月の和歌の全集とは言えないが、桂園派風の才気煥発の詠と、晩年それから抜け出た「冬畑の大根の茎に霜さえて朝戸出寒し岡アの里」といった、独自の境の詠まれている秀でた叙景歌も収められている(「日本古典文学大辞典」参照)。なお、本文末に「富岡氏蔵」と記すのは、富岡鉄斎で、本書出版の推進者であったが、彼は幼少期に蓮月尼に預けられ、人格形成期に彼女の影響を強く受けたと言われる。
★原装・題簽欠・状態並み(小虫補修)。記名なし・蔵書印なし。稀書(全国に所蔵数カ所(国文学研究資料館DB))。
8500円 葉唄独稽古[葉うた独稽古](文廼屋仲丸)
【判型】折本1帖。縦179粍。
【作者】文廼屋仲丸作。一光斎芳盛(歌川芳盛・楼坊・三木光斎)画。
【年代等】江戸後期刊。刊行者不明。
【備考】分類「歌謡」。酒宴の余興として端唄に合わせた踊りの振り付けを図解した書。随所に割注を施す。全10丁の色刷り折本。全11曲を収録し、坂東つね、沢村春次、藤間せい子、藤間仙吉、中村いね女、中村福吉、藤間美代、坂東弥寿、坂東秀次、藤間のぶ、藤間かめの11人の端唄師匠(女師匠)を描く。
★原装・題簽付・美本。記名なし・蔵書印なし。稀書(全国に所蔵1カ所(国文学研究資料館DB))。
10000円 〈山東京伝図案〉新形紺名紋帳
【判型】中本1冊。縦189粍。
【作者】山東京伝作。木の屑坊編・画。
【年代等】江戸末期明治初年刊カ。刊行者不明。
【備考】分類「滑稽本」。袋綴じ展開収録。本書は、『新形紺名紋帳』に京伝の『小紋裁』『小紋雅話』を増補したものというが未詳。序文によれば、『狂言袴』という書物より、作者好みの風雅な紋様を一つ二つと集めた旨を記す。面白い趣向の紋様ばかりを集めて戯文の解説を加えた滑稽本。半丁に1点ないし数点を掲げる。底本は全40丁。
★原装・題簽付・状態概ね良好(小虫補修)。記名なし・蔵書印あり。稀書(全国に所蔵数カ所(国文学研究資料館DB))。
20000円 都名所画譜(初篇)
【判型】中本1冊。縦183粍。
【作者】歌川芳春(一寿斎・一梅斎・一楳斎・朝香楼・生田芳春)画。
【年代等】慶応2年1月、仮名垣魯文序・刊。[江戸]椀屋喜兵衛ほか板。
【備考】分類「絵画」。題簽等に「初篇」と記すが、2編以降は未刊。「三条大橋」「祇園桜林・六閣堂」「誓願寺・錦天神」「五条の橋」「本願寺」「東本願寺」「東殿」「三十三間堂」「大仏」「西大谷」「高台寺」「六波羅蜜寺」「本国寺」など京都各地の名所風景を集めた色刷絵本。
★原装・題簽付・極美本。本文は全頁色刷。記名なし・蔵書印なし。稀書(全国に所蔵数カ所(国文学研究資料館DB))。
10000円 大和めぐりの記[大和廻日記・大和廻・和州巡覧記]
【判型】中本1冊。縦187粍。
【作者】貝原益軒(篤信)作。
【年代等】元禄9年1月作。享保6年刊。[京都]柳枝軒(茨城方英)板。
【備考】分類「紀行」。最初に「京より吉野へ往来の路をしるす、玉水より薮の渡をこえ、奈良の西を見、西の京より先奈良へ行、それより郡山へ出、吉野へ行、帰に又奈良を過、笠置へ上り、京へかへる道すじをしるす」と記して、内容の概略を説明してある。京都五条の橋に始まり、六地蔵で終わる。記述は道中記風で、社寺・橋・村などを出し、その下に地理的説明と名産・沿革・伝説などを記す(「日本古典文学大辞典」参照)。
★原装・題簽付・状態良好(表紙やや傷み)。記名なし・蔵書印あり。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、26,250円31,500円】。
6000円 〈詩歌連俳〉異名分類抄[異名分類鈔]
【判型】中本4巻1冊。縦201粍。
【作者】入江昌喜(昌熹・獅子童・?猊子サンゲイシ・幽遠窟主人・蘆父ロフ)編・序。
【年代等】天明3年2月自序。寛政6年1月刊。[江戸]岡田屋嘉七ほか板。
【備考】分類「辞書」。本書は、天明3年自序で、著者62歳の頃成る。もろもろの異名を集め、それぞれに証拠となる古歌古文を載せ注を加えて、初学者が和歌連俳を学ぶ便りに供したもの。天部・時節(巻1)、地部・神祇・人倫(巻2)、居所・器財衣食・魚貝・鳥・獣・虫(巻3)、草部・木部(巻4)に分類する。凡例によれば、『八雲御抄』『藻塩草』等に名目のみあげ、証歌証文を載せないものを新たに補い、それに古人が書き漏らした異名を拾い集めて作成したもので、さらに昔と今と物名の異なるもの、古く和名があって今は字音に呼びならわすものなども収め、古名を知る手がかりとした(「日本古典文学大辞典」参照)。
★原装・題簽付・概ね状態良好(表紙やや汚損、末尾10丁ほど小虫)。記名なし・蔵書印なし。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、13,000円(1冊本)63,000円(1冊本)】。
12000円 〈狂歌〉富士百景画譜
【判型】中本1冊。縦183粍。
【作者】聚栄堂主人(大川錠吉)編。
【年代等】万延元年4月、真入亭富士江序・初刊。明治23年10月再刊。[東京]大川屋書店板。
【備考】分類「狂歌」。序文で、詩は「唐人の寝言」、和歌は「公卿の寝言」、狂歌は「俗人の寝言」と譬え、「詩は四角ばり、和歌はわからず、狂歌は愛敬ありて素人には一番わかり易し」と書き始めて、本書執筆の経緯などを戯文で綴る。本文は半丁に狂歌1首と富士山の図1葉を掲げて全百景とする。冒頭の狂歌は「富士山は世界のはしら是で此、青天井の中もたるまず」。末尾の狂歌は「雲泥の違ひはあれど東西の、大関となる富士と水海」。種々の狂歌に多彩な富士山の情景を描く。
★原装・題簽付(やや汚損)・状態概ね良好(表紙やや汚損、本文は良好)。記名なし・蔵書印なし。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、明治23年板が、37,800 円75,000円】。
7000円 撒善篤繃帯式
【判型】中本5編2巻2冊。縦182粍。
【作者】サンゼント(サルゼント、撒善篤、Sargent,Percy William George)作。横井信之(玄黄)抄訳。
【年代等】明治5年4月、田代基序・刊。[大阪]文部省(大坂医学校官)蔵板。[大阪]柳原喜兵衛売出。
【備考】分類「医学」。1869年に刊行されたサンゼント(サルゼント)の外科書中の繃帯編の邦訳。包帯法のあらましを述べた書。以下の全5編からなり、上巻に1-2編、下巻に3-5編を収録する。第1編「総括」は包帯の種類や巻き方を示したもので、「巻軸帯」から「拘挙帯」までの18種の包帯法について記す。第2編「頭頸部」以下は、身体の特定部位における包帯法について解説する。第2編は「反復帯」から「屈頸帯」までの19種類、第3編「胸腹部」は「麻沃兒氏胸背三角帯」から「陰茎帯」までの20種類、第4編「上肢部」は「麻沃兒氏肩胛腋下帯」から「手貫穿帯」までの14種類、第5編「下肢部」は「三角股脚帯」から「?脚帯」までの10種類を紹介する。また、下巻末尾に各種包帯法の図解を約30種類掲げる。
★原装・題簽付・状態概ね良好(上巻一部シミ、表紙やや摩滅)。記名なし・蔵書印なし。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、8,400円27,000円。複製本が、6,500円】。
4000円 俗謡5点一括(しんぱん三人しんじゆ(新板三人心中)/しんぱん夜るのにしきま男ごろし(新板夜の錦間男殺し)/地しん火事満水たんとたんとぶし(地震火事満水たんとたんと節)/新板しんぢうぶし(新板心中節)/信州ぢしんやんれぶし(信州地震やんれ節)
【判型】中本2冊(1冊単行本、もう1冊は4点合冊)。単行本は縦150粍、4点合冊本は縦175粍。
【作者】不明。
【年代等】江戸後期刊。単行本は「小松千」板、合本は「山九」板。
【備考】分類「歌謡」。やんれ節などの俗謡資料5点(各冊4丁)。
★原装・刷り表紙・状態良好。記名なし・蔵書印なし。
4500円 八百屋お七関係資料2点[八百屋お七からくりこうじやう/浄土和讃図会(下)「八百屋お七和讃」]
【判型】小本1冊・中本1冊。順に縦152・184粍。
【作者】不明。
【年代等】江戸後期刊。[江戸]和泉屋永吉板(「からくりこうじやう」)。
【備考】分類「実録・歌謡」。小本の「八百屋お七からくりこうじやう」は全5丁で、「そのころ本郷の、二丁目に、なだかき八百やの、きう兵衛は、ふしんじやうじゆ、するあいだ、おやこ三人、もろともに、だんな寺なる、こまごめの、吉ぜうゐんに、かりずまい、てらのこせうの、きち三(ザ)さん、しよゑんざしきの、おくのまで、あいのきんからがみを、そよとあけ…」と起筆する七五調の文章で、お七と寺小姓の吉三の出会いから、放火事件と処刑直前までの経緯を描き、「…おやこの名残、あわれや、此世のみをさめ、みをさめ」と結ぶ。また、『浄土和讃図会』下巻に所収の「八百屋お七和讃」は、「あわれ成かなお七とて、たぐいまれなる娘なり、悉(クワ)しくあげて尋ぬれば、所は本郷二丁目の、八百屋お七の其やかた、始めて急火の難にあひ、菩提でらなる吉祥寺、親子三人仮ずまひ、其ころ寺の小姓にて、吉三郎と申せしは…」で始まる七五調の文章で、同様にお七の恋の顛末を記す。なお、『浄土和讃図会』下巻には、ほかに「中将姫の和さん」「一の谷組討和さん」など合計8種の和讃を載せる。
★原装・題簽付・状態良好/美本。記名・蔵書印あり。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、「浄土和讃図会」の類書が、3,240円(明治22年、シミ)16,200円(天和3年)、「八百屋お七からくりこうじやう」ほかが、12,000円】。
5000円 絵図婦女家訓[全図婦女家訓](満州国安東市版)
【判型】やや小ぶりの半紙本1冊。縦200粍。
【作者】孫虚生作。
【年代等】康徳3年(昭和11年)1月初刊。康徳8年7月再刊(第5版)。[満州国安東市]誠文信書局版(発行人=劉祥亭)。「康徳」は満州帝国における元号。
【備考】分類「教訓」。頭書に教訓図を配した女子教訓で、本文は、「三皇治世立人間、五帝為君緊相連、天地人生分男女、夫妻本是人倫先、月老配下姻縁対、好歹賢愚命裏攤、人生在世皆由命、前生造定理該然…」で始まる漢字7字1句の文章で記した女子教訓。銅版刷り和装本。
★原装・題簽付・状態良好。記名なし・蔵書印なし。稀書。
6800円 物品識名(正編)
【判型】中本2巻2冊。縦182粍。
【作者】岡林清達作。水谷豊文(水谷助六)編・補。
【年代等】文化6年10月作・刊。[名古屋]永楽屋東四郎板。
【備考】分類「博物」。巻末広告に「水土・金石・草木・禽獣・虫魚に至るまで其漢名・和名を国字にて分類し、漢名出所の書目を載せて本艸家に益ある書なり」とある。日本産の動物・植物・鉱物名をイロハ順にし、さらに「水」「火」「土」「金」「石」「草」「木」「蟲」「魚」「介」「禽」「獣」に分類、カタカナで和名を、その下に漢名を記載し、出典なども付したもの。乾巻の凡例によると、初め尾張藩の医師岡林清達が着手したが、眼病により途中で断念、その後を継いで、友人の尾張藩士の本草学者水谷豊文(1779-1833)が完成させた(愛知県図書館HP参照)。
★原装・題簽附・状態良好。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、正編・拾遺4巻揃いが、25,000円194,400円、拾遺2冊が、12,00025,200円】。
8500円 袖珍薬説(初・中・下編揃)
【判型】中本3編3冊。縦185粍。
【作者】桑田省庵(衡平・鉄幹斎)編訳・序。柳川春三(柳河暾トン・楊江・喫霞楼主人・春蔭)校。
【年代等】明治2年11月自序。明治3年3月、岩佐純(仲成・又玄・黙斎)序。明治3年3月刊。[東京]鉄幹斎(著者)蔵板。[東京]紀伊國屋源兵衛・島村屋利助板。
【備考】分類「医学」。(米国)ウェーゼス(慧?)著、1866年刊『Pocket Doze Book(ポケット・ドーズ・ブック)』の邦訳で、丸善の最初の出版物という(山城屋佐兵衛・島村利助・丸屋善七3者の共同出版とするが、底本の刊記は、紀伊國屋源兵衛・島村屋利助の2書肆で、丸屋善七は明治9年の改訂版を指すか)。凡例で「医家掌中分量考」と紹介するように、「薬局日用ノ諸製剤」から「医薬に供すべき品物」の服量、製法、性能、主治、禁忌等を記した医者の必携書。ただし、原書『Pocket Doze Book』の直訳ではなく、原書の説明が簡略すぎてわかりにくい箇所などを、(ウ)ウッド氏の薬剤書、(合)1866年刊行の合衆国局方、(龍)1867年刊行の龍動局方、(ド)ドングリソン氏医用字彙などによって説明を補ってその出典を記号で示すほか、自らの意見を(按)の記号で付記する。初編冒頭に「薬局秤量ノ表」「日用容量」等で薬物の分量の単位を示し、「薬剤服量比例ノ規則」で年齢・性別・資質・常習・寒暖等の状況に応じて服薬量を変える割合などを詳しく論じる。また、初編本文では、浸剤・煎剤・越幾斯剤・丁幾剤・酒精類・水剤・酸類・醋類・油類の薬剤について記す。同様に、中編は舎利別・昆設兒弗・乳剤并護謨漿・散剤・丸剤・錠・?膏・硬膏・軟膏・元質・塩類・鑛属の薬物を記す。下編は医薬品に用いる植物その他と動物について詳述する。ただし、植物は「草、根、木、皮、花、実之類」「樹脂、草汁之類」「土質及日鑛元質之類(明礬や沈殿硫黄など)」の三つに分けて記述する。さらに附録として英国のカーボリッキ・アシドの「石炭酸」説について言及する。
★原装・題簽2冊(初・中編)付、下編は書袋付・中編入本・美本。記名なし・蔵書印なし(中編のみ蔵書印あり)。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、10,800円30,240円】。
4000円 庭訓往来絵抄(広貫斎画)
【判型】中本1冊。縦181粍。
【作者】広貫斎画。
【年代等】天保13年1月初刊。嘉永6年10月再刊。[江戸]丁子屋平兵衛板。
【備考】分類「往来物」。『庭訓往来』の本文に頭書絵抄を付けた中本の往来物。『庭訓往来』本文を6行・付訓で記し、頭書に本文要語の図解を付す。巻頭口絵は広貫斎による玄恵法印『庭訓往来』献上図と鳳凰・麒麟図(仁宗皇帝勧学文)。なお、江戸末期刊行の『菊寿庭訓往来絵抄』は本書の模倣と思われる。
★原装・題簽付・状態良好。記名なし・蔵書印なし。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、5,400円】。
8000円 〈新板絵入〉子供早字引〈日用重宝〉[寺子節用錦袋鑑]
【判型】中本1冊。縦175粍。
【作者】不明。
【年代等】天保頃刊。[仙台]本屋治右衛門板(原題簽の商標による)。
【備考】分類「往来物」。寛延4年5月刊『寺子節用錦袋鑑』([江戸]鱗形屋孫兵衛板原板)の改題本で、仙台書肆による海賊版。本書原題に「節用」と称するが、『節用集』というよりも、むしろ『節用集』のイロハ分けにならって庶民の日用語を集めた往来物である。『節用集』のような意義分類(部分け)はなく、単に語彙の第一音によってイロハ順に配列するのみで、各語彙を大字・六行・付訓で記す。寛延板では前付に「陰徳あれば陽報有といふ事」以下10の俚諺についての解説と挿絵を掲げ、巻末に「いろはの仮名本字」「いろはの外に書替る仮名の本字」を収録するが、本書では大幅に割愛されている。なお、本書とは別に、文政9年刊『〈新鐫〉子供字引』([仙台]伊勢屋半右衛門板)の題簽を付したものもあり、本書はこちらの改題本とも考えられる。
★原装・題簽付・状態良好。記名なし・蔵書印あり。稀書(全国に所蔵なし(国文学研究資料館DB))。
3000円 〈改正〉実語教童子教(松原堂?松林堂板)
【判型】中本1冊。縦178粍。
【作者】不明。
【年代等】江戸後期刊。[江戸]藤岡屋慶次郎(松林堂)板。
【備考】分類「往来物」。『実語教』は平安末期作、『童子教』は鎌倉前期作と推定される往来物で、いずれも漢字5字1句、2句一対を基本とする文章で綴った金言集。『実語教』が「山高故不貴、以有樹為貴…」で始まる96句、『童子教』が「夫貴人前居、顕露不得立…」で始まる330句からなる。内容は、『実語教』が主に「智」を礼讃し学問のあらましを初学者に諭す勧学教訓であるのに対し、『童子教』はこの世の因果の道理や儒仏の教えを諭した幼童訓・処世訓となっている。両教とも暗誦に便利であったために寺子屋教育でも広く教授されるとともに、二教中の多くの語句が俚諺・格言として庶民に深く浸透した。なお底本は『実語教童子教』の本文を6行・付訓で記し、表紙見返に「五常之事」を掲げる。
★原装・題簽付・状態良好。記名・蔵書印あり。
1500円 〈再版校正〉実語教童子教(天保15年・甘泉堂板系統)
【判型】中本1冊。縦183粍。
【作者】内山松陰堂書。
【年代等】天保15年再刊。[江戸]和泉屋市兵衛(甘泉堂)板。
【備考】分類「往来物」。書名・刊年は同板別本の原題簽による(底本は刊記欠の後印本)。『実語教』は平安末期作、『童子教』は鎌倉前期作と推定される往来物で、いずれも漢字5字1句、2句一対を基本とする文章で綴った金言集。『実語教』が「山高故不貴、以有樹為貴…」で始まる96句、『童子教』が「夫貴人前居、顕露不得立…」で始まる330句からなる。内容は、『実語教』が主に「智」を礼讃し学問のあらましを初学者に諭す勧学教訓であるのに対し、『童子教』はこの世の因果の道理や儒仏の教えを諭した幼童訓・処世訓となっている。両教とも暗誦に便利であったために寺子屋教育でも広く教授されるとともに、二教中の多くの語句が俚諺・格言として庶民に深く浸透した。なお底本は『実語教童子教』の本文を6行・付訓で記し、表紙見返に「張融」故事を掲げる。
★原装・題簽欠・状態並み。記名・蔵書印あり。
2500円 〈改正仮名附〉童徳実語教童子教
【判型】中本1冊。縦182粍。
【作者】不明。
【年代等】江戸後期刊(嘉永5年の書き入れあり)。[大阪]綿屋喜兵衛板。
【備考】分類「往来物」。書名・刊年は同板別本の原題簽による(底本は刊記欠の後印本)。『実語教』は平安末期作、『童子教』は鎌倉前期作と推定される往来物で、いずれも漢字5字1句、2句一対を基本とする文章で綴った金言集。『実語教』が「山高故不貴、以有樹為貴…」で始まる96句、『童子教』が「夫貴人前居、顕露不得立…」で始まる330句からなる。内容は、『実語教』が主に「智」を礼讃し学問のあらましを初学者に諭す勧学教訓であるのに対し、『童子教』はこの世の因果の道理や儒仏の教えを諭した幼童訓・処世訓となっている。両教とも暗誦に便利であったために寺子屋教育でも広く教授されるとともに、二教中の多くの語句が俚諺・格言として庶民に深く浸透した。なお底本は『実語教童子教』の本文を6行・付訓で記し、表紙見返に「張融」故事を掲げる。
★原装・題簽付き・状態並み。記名・蔵書印あり。稀書(全国に所蔵数カ所(国文学研究資料館DB))。
3000円 小笠原流百箇条[万礼式躾方]*刊記破損のため特価開始
【判型】半紙本1冊。縦179粍。
【作者】不明。
【年代等】元禄2年開板。文化9年3月再板([江戸]西村屋与八板)。
【備考】分類「往来物」。冒頭に、奉公人は「主人の気にあわんあわんとする事はあしく候」とする心得を説き、「先第一披露書百ヶ条可嗜次第」、すなわち「一、人前にて楊枝をつかふ事」以下89カ条を掲げ、続いて、「鷹に会時の礼の事」から「出来間の膳部の次第」までの85項について解説する。前半は物の授受(受け取り渡し)やその他の給仕方礼法、後半は食礼(客方礼法)と婚礼作法が中心である。
★原装・題簽欠・状態並み(刊記破損)。記名・蔵書印あり。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、安政3年板が、1万2000円】。
10000円 〈頭書絵入〉真間中山詣[〈新編〉真間中山詣](寛政2年)
【判型】中本1冊。縦189粍。
【作者】滕耕徳作・書。高井蘭山補。
【年代等】寛政2年10月作・刊。[江戸]花屋久治郎(星運堂)板。
【備考】分類「往来物」。江戸・日本橋より下総国葛飾郡・真間中山に至り、行徳を経て江戸に戻るまでの沿道の神社仏閣・名所旧跡と、真間山弘法寺(ぐほうじ)の縁起・景観等を記した往来。「兼而相催候通、下総国葛飾郡真間中山国府台(こうのだい)一見の事、二、三日中に御案内可致候…」で始まり、「猶、其節みちすから緩々(ゆるゆる)御物語可申候。恐惶謹言」と結ぶ全一通の手紙文で綴る。未明に日本橋を出発すると両国橋で日の出になり、「旭の影は橋上に輝、隅田川の流に映し、不二(富士)・筑波を左右に眺め…」のように時間の経過や季節感のある情景を織り込んだり、徳願寺参詣の名物「笹屋の饂飩」を紹介するなど、旅情を誘う記述となっている。本文を大字・5行・付訓で記す。巻頭に真間中山周辺図と手習いの図、頭書に高井蘭山による「四書五経等の書物、日本に行るゝ権輿(はじまり)」「四書五経童蒙辨」「年中行事起元」を掲げる。
★原装・題簽欠・状態良好。記名なし・蔵書印なし。稀書(全国に所蔵数カ所(国文学研究資料館DB))。★【参考価格(初出品時の相場です):家蔵原装本の別本は、2800048000円】。
2500円 〈文化再板〉太平江戸往来[広楽江都往来・自遣往来]
【判型】中本1冊。縦181粍。
【作者】永寿堂序。
【年代等】文化2年2月初刊。文化14年1冊再刊。[江戸]西村屋与八(永寿堂)板。
【備考】分類「往来物」。書名は同板別本の原題簽による。寛文9年刊『江戸往来』の本文を6行・付訓で記し、頭書等に種々の付録記事を載せた往来物。『江戸往来』は全編1通の手紙形式を採り、(1)年始の挨拶、(2)千代田城内での将軍家を中心とする年始の儀式ならびに行事の有様、(3)諸国より流入する土産・菓肴・衣服・器財・舶来の品々、(4)江戸の広さおよび町々の方角と武家民家の密集する様子、(5)明暦年中に玉川の水を東南の地に引いたことや、万治年中に隅田川に両国橋をかけたこと、(6)不忍池遊興の状況を叙して御代の泰平を謳歌したもの。底本は見返に永寿堂の序文、口絵に「雲起蓬莱常五色図」「始皇帝故事」を掲げ、頭書に「江都年中行事」「江戸名所いろは寄」「江戸近辺六阿弥陀」「江戸六地蔵巡」を載せる。
★原装・題簽欠・状態概ね良好(表紙補修)。記名なし・蔵書印なし。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、6,264円19,440円】。
12000円 〈新鐫〉身延詣[甲州身延詣・身延往来]
【判型】中本1冊。縦190粍。
【作者】円亭九狐作。寿高画。
【年代等】享和元年頃初刊。[江戸]花屋久治郎(星運堂)板。
【備考】分類「往来物」。本書は、江戸麹町より府中六所明神・八王子・大月・笛吹川・甲府等を経て身延山に至る沿道の名所旧跡・神社仏閣と、身延山・久遠寺の景趣・縁起・結構などを記した往来。「去頃、御物語申候身延詣之事、折節、花も咲合候へは、今月中旬頃出立可然候…」で始まる一通の手紙文で、参詣路のあらましを紹介する。本文を大字・5行・付訓で記す。巻頭に「身延山略絵図」、頭書に「高祖御一代略記」を掲げる。なお、文政4年求板本の巻末には、日本橋から身延までの絵地図を掲げる。このほか、本文をやや大字・六行・付訓で記し、口絵・頭書を一切付けない『〈改正〉身延往来』(江戸・新庄堂板)も幕末に刊行された。
★改葬・題簽欠・状態良好。記名なし・蔵書印なし。稀書(全国に所蔵数カ所(国文学研究資料館DB))。【参考価格(初出品時の相場です):購入価約16000円】。
6000円 〈新板絵入頭書〉都往来並千字文
【判型】中本1冊。縦180粍。
【作者】不明。
【年代等】寛政11年9月刊。[名古屋]風月堂孫助板。
【備考】分類「往来物」。『都往来』と『千字文』を合綴した往来。『都往来』は、まず「宮古の事を御尋遊ばし候。愚かなる身にて覚束なく候へ共、聞侍りしを粗(あらまし)書記まいらせ候…」で始まる文章で、桓武天皇以来の京都の沿革や名所・名刹・旧跡等を列記した往来で、宝永四年(一七〇七)刊『わかみどり』†とほぼ同内容。本文を大字・五行・付訓で記す。続けて、周興嗣作の『千字文』をやや小字・七行・付訓で綴る。頭書に「七夕詩歌」「書初之詩歌」「百官」「国つくし」「俗名尽し歌」「書状書始之事」「同返事之事」「書状書留之事」「十二月之和名」「十二時之異名」、巻末に「偏冠傍構つくし」「小笠原折形之図」等を収録する。なお、後半部『千字文』に替えて『大日本国づくし』(頭書「しみ物おとしやう」)を載せた改編本『〈新板絵入頭書〉都往来・国尽』も出版されている。いずれも寛政11年の刊記だが、「国尽」合綴本が後印と思われる。
★原装・色刷模様表紙・刷外題・状態概ね良好(表紙やや汚損・疲れ)。記名なし・蔵書印あり。稀書(全国に所蔵数カ所(国文学研究資料館DB))。
6000円 中本往来物6点合本(〈童子〉千字文・童子教訓孝行種・隅田川往来・〈漢土〉二十四孝・近道子宝・都路往来)
【判型】中本6巻合1冊。縦174粍。
【作者】【年代等】備考欄参照。
【備考】分類「往来物」。次の6点を合本。(1)〈童子〉千字文=細河並輔校。天保14年刊。[江戸]和泉屋市兵衛板。(2)童子教訓孝行種=東里山人作。文政7年刊。[江戸]森屋治兵衛板。(3)隅田川往来=内山松陰堂書。江戸後期刊。[江戸]藤岡屋慶次郎板。(4)〈漢土〉二十四孝=江戸後期刊。刊行者不明。(5)近道子宝=弘化4年刊。[江戸]藤岡屋慶次郎板。(6)都路往来=江戸後期刊。[江戸]森屋治郎兵衛板。
★改葬・題簽欠・概ね美本。記名なし・蔵書印なし。
5000円 英学七ッいろは[〈英学捷径〉七ッ以呂波]
【判型】中本1冊。縦179粍。
【作者】阿部為任(友之進・碧海)作・序。
【年代等】慶応3年9月刊。[?]巴薺園蔵板。
【備考】分類「往来物・外国語」。「英字イロハ」の前にアルファベット・数字などをおき、巻末に「子母五十韻字(母音字・子音字の五十音図)」を収めた明治期新編『七ッいろは』。序文では、英人著述の日本語文法書からの抄出という。ローマ字・仮名・漢字など七体のイロハ音字を並記する(ローマ字三体、片仮名、平仮名、漢字二字の七体)。なお、本書の一部を改訂した『〈英語の手ほどき〉七ッいろは』が大正年間に刊行されている。
★原装、題簽付・状態良好・蔵書印あり。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、18,900円84,240円】。
1500円 〈上等〉記事論説文例
【判型】中本2巻2冊。縦粍。
【作者】安田敬斎作・序。田中義廉校。
【年代等】明治12年10月自序。明治13年1月刊。[大阪]前川善兵衛板。
【備考】分類「往来物」。銅版刷り和装本。種々の文章の模範例を集めた作文用教科書。巻末広告文によれば、前編『記事論説文例』2冊に洩れたものを集めたとする。
★原装・題簽付・状態良好。記名なし・蔵書印なし。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、1,000円(表紙傷み)5,000円】。
2000円 〈文化再版〉消息往来〈附七夕詩歌〉
【判型】中本1冊。縦180粍。
【作者】不明。
【年代等】文化12年1月再刻。[名古屋]松屋善兵衛板。
【備考】分類「往来物」。書名は同板別本の原題簽による。安永7年刊『累語文章往来』を始祖とする流布本消息往来の一つ。消息に多用される語句を書き連ねた往来。「凡、消息者、一筆・一翰・一札、啓上・啓達、任筆而、染筆致、令、仕、貴札・貴翰・御状拝見・拝誦・披閲・披見・一覧、尊書、公方様倍御機嫌能、勇健殿様書也…」と手紙の冒頭語(端作)から書き始め、尊卑別あるいは季節別・状況別の書簡用語、また、書止・脇付、さらに返状の端作や安否問答の文言、用件・他出・饗応、時日・慶事・人倫・栄華・出産・贈答、商取引・旅行・運送・社交にまつわる語彙、時候の言葉、基本的な書簡作法等を記して、「…有増書状要用者、如斯与心得也。穴賢」と結ぶ。底本は以上のような本文を6行・付訓で綴り、頭書に「七夕の詩歌」を掲げた中本の往来物。
★原装・題簽欠・状態良好。記名なし・蔵書印なし。
1500円 商人用文章[〈世俗通用〉一寸案文](一貫堂書)
【判型】中本1冊。縦176粍。
【作者】一貫堂書。
【年代等】江戸後期刊。[江戸]甘泉堂(和泉屋市兵衛)板。
【備考】分類「往来物」。一貫堂書、江戸後期刊『〈世俗通用〉一寸案文』の改題本。改題に際し、筆者名を伏せたものと思われる。内容は、「年始の文」から「雪降の文」までの58通を載せる用文章。四季・五節句の手紙、その他の雑文章から成る。俗語を多用した文章で、「花見雑文」「女房聞合文」「物験噺の文」「小児教訓文」「長噺礼文」「角力の文」など世俗的な題材が目立つ。後半に「金子借用証文」以下11通の証文手形文例と、「諸国御関所」の一覧を掲げる。本文を大字・5行(証文類は6行)・付訓で記す。
★原装・題簽欠・状態並み。記名なし・蔵書印なし。
4000円 〈諸民通用〉手紙之文言(享和2年初板本)
【判型】中本1冊。縦180粍。
【作者】十返舎一九作・序(初版本は十返舎一九書)。鈴木松羅堂書(初版本を除く、文政以前の諸本)。内山松陰堂書(天保以降の諸本)。。
【年代等】享和2年3月刊(初版本)。[江戸]西村屋与八(永寿堂)板。
【備考】分類「往来物」。「年頭披露状」以下115通の消息文例(1通を除き全て往復の消息文例)から成る。俗用の短文が中心で、前半は四季・五節句祝儀状や通過儀礼に伴う手紙、後半は町人同志でやりとりする雑多な例文を満載する。貸借・病気・災害・商取引に関する例文や、中には「大酒に沈る人之遣す文」「倡家に沈る人之遣す文」など教訓色の濃い例文も含む。冒頭の23通が五節句や四季に伴う書状で、それに続く12通は出産・疱瘡・元服・養子・婚礼といった通過儀礼的な書状、その他は主として町家における吉凶事や諸事にまつわるもの。本文を大字・5行・所々付訓で記す。本書は享和2年3月発行、文化2年1月再板、文化13年7月三刻、文政7年8月四刻、天保3年7月五刻、文久2年7月六刻と何度も版を重ねたロングセラーで類書も多く、本書の全文を模倣した文化8年刊『〈万民平生〉手紙之案文』や、本書の前半部分を独立させた天保6年刊『〈万民平生〉一筆案文』、弘化2年刊『即席案文』等がある。
★原装・題簽欠・状態並み(表紙等やや汚損・小虫)。初版本は十返舎一九自筆版下による出版で資料価値が高く、伝本も稀。記名なし・蔵書印なし。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、3,000円(文久板・小虫)16,200円(文化板)】。
2000円 〈諸家取引〉随一用文章
【判型】中本1冊。縦174粍。
【作者】不明。
【年代等】天保14年秋刊。[大阪]綿屋喜兵衛ほか板。
【備考】分類「往来物」。「貴人え上る年始状」から「仕切銀遣す状」までの41通を収録する。うち、四季や諸事に関わる手紙は17通で、残り24通は商人用文章。本文を大字・5行・所々付訓で記す。同目録・頭書には「五音相通之事」「男女四悪十悪知事」「常に覚置、益ある歌」「五性により商売吉凶」「不成就日」「懐胎の子、男女を知る事」を掲げる。なお、本書には増補版があり、以上の用文章の前または後ろに、「大日本国づくし」「人名づくし」「家名づくし」「改正偏冠尽」「九九のこゑ」「八算わり声」「〈生れ年により〉伊勢参善悪」「しほのみちひ」「いろは」「片かな三体いろは」「十干・十二支」「破軍のほしくりやう」「生れ年により一生灸をいむ日」「願成就日・不成就日」「御大名武林言語」等の記事を載せる。以上の増補部分は、『二徳いろは往来』と題した単行本と同じである。。
★原装・題簽欠・状態概ね良好(見返1/2破損。本文一部小虫)。記名なし・蔵書印なし。稀書(全国に所蔵数カ所(国文学研究資料館DB))。
2500円 〈頭書俗字節用入〉早引用文章(嘉永5年・新庄堂板)
【判型】中本1冊。縦184粍。
【作者】不明。
【年代等】嘉永5年秋刊。[江戸]新庄堂板。
【備考】分類「往来物」。「年始の文」から「俳諧を賀す文」までの消息文例59通と、「借用申金子の事」以下14通の証文類文例および「諸国御関所附」までを収録した用文章。先行の類書から参酌して編んだものと思われる。本文を大字・5行(証文類は6行)・付訓で記す。頭書に、イロハ引きの日用語集である「早引節用集」を掲げる。
★原装・題簽欠・状態概ね良好。記名なし・蔵書印なし。稀書(全国に所蔵なし(国文学研究資料館DB))。
3000円 商人手引用文章
【判型】中本1冊。縦175粍。
【作者】池田東籬(東籬亭・悠翁・正韶・鳳卿・尚古館)作・書。
【年代等】文政12年2月刊。[京都]山城屋佐兵衛ほか板。
【備考】分類「往来物」。概ね、五節句・慶事祝儀状、商取引用文、各種見舞状、その他の順に配列した用文章。「年始状」から「歳暮祝儀状」までの五四通を収録する。本文を大字・5行・付訓で記す。見返しに「十二月異名」等、目次上欄に「日本国尽〈都会城下〉」を掲げる。
★原装・題簽欠・状態並み(小虫補修)。記名なし・蔵書印あり。【参考価格(初出品時の相場です):購入価、4000円余】。
5500円 〈商家日用〉万代用文章(西川竜章堂書)
【判型】中本1冊。縦182粍。
【作者】西川竜章堂書。
【年代等】文政9年2月初刊([京都]伏見屋半三郎ほか板)。弘化4年9月再刊([京都]升屋勘兵衛板)。
【備考】分類「往来物」。新年祝儀状を上中下別に示し(それぞれ「年頭状」「年始状」「年甫状」)、さらに五節句祝儀状、婚礼・元服・安産・家督相続・家買得・養子・袴着・髪置・別家・移徙・剃髪・店開き・入家など通過儀礼等の祝儀状、さらに吉凶事等に伴う見舞状、売買取引等の商用文に至るまでの消息文例108通を収録した用文章。本文を大字・5行・付訓で記す。豊富な文例を1冊に集約するが、証文類文例を載せない。
★原装・題簽付・状態良好。記名・蔵書印あり。稀書(全国に所蔵数カ所(国文学研究資料館DB))。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、7,000 円10,800円】。
3000円 〈頭書訓読〉庭訓往来精注鈔(天保11年刊記・嘉永6年)
【判型】大本1冊。縦253粍。
【作者】黒田庸行(成章館・具徳)注。文精堂(堺屋新兵衛)序。
【年代等】天保14年4月題言・凡例。天保11年刊記(別本奥付の流用)。天保14年7月初刊。嘉永6年春再刊。[大阪]堺屋新兵衛ほか板。
【備考】分類「往来物」。『庭訓往来』各状を5-6段に分けて大字・8行・付訓で記し、各段毎に漢字・平仮名交じりの詳細な割注を施した注釈書。黒田庸行の師・蔀関牛が編んだ天保5年刊『〈首書読法〉庭訓往来具注鈔』をほぼ継承するが、「凡例」によれば『具注鈔』の著述後に関牛が再考し、変更すべき点をそのまま補足したもので、さらに『具注鈔』で各段毎に掲げた「文意」を各状毎に改めた点が主な改編箇所である。本文中の語句について、近世後期の童蒙の理解を意図した平易な注記を旨とし、頭書に付訓本文を掲げる「経典余師」形式など基本的に『具注鈔』と同様である。巻首に、板元題言と、黒田庸行の凡例(『庭訓往来具注鈔』との関係に触れる)を掲げる。
★原装・題簽摩滅・状態並み(表紙やや傷み)。江戸期の記名あり・蔵書印あり。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、3,000円15,750円】。
3000円 庭訓往来(宝永2年・吉田板)
【判型】大本1冊。縦258粍。
【作者】不明。
【年代等】宝永2年2月刊([京都]田井利兵衛板)。江戸中期後印。[京都]吉田善兵衛板。
【備考】分類「往来物」。『庭訓往来』は、古写本のみで約70種、近世より近代初頭にかけての板本は約300種に上り、中世から明治初年に至るまで最も普及した往来物の一つ。1カ月往返2通ずつ1年24通、これに単簡1通(7月状または8月状)を加えた計25通の手紙文より構成される。内容は、武家および上層・庶民の社会生活を中核として新年の会、詩歌の会、地方大名の館造り、領国の繁栄、大名・高家の饗応、司法制度・訴訟手続、将軍家の威容、寺院における大法会、大斎の行事、病気の治療法、地方行政の制度等を主題とする手紙で、各手紙とも類別単語集団を収める(衣食住370語、職分職業217語、仏教179語、武具75語、教養46語、文学16語、雑61語、計964語)。『庭訓往来』の絵抄本(頭書図解)としては初期のもので、見返に「年号之来由」、頭書に「天神一代記(菅原道真小伝)」「八幡御縁起」「庭訓之故事」「今川状」「公家衆之次第」「官位之次第」「法躰之名」「京都町名竪横小路」「巻物絹布之字」「染物字尽」「器財之字」「禽獣魚蟲」「草木花果」「世話字」「十二月異名」を収録する。
★原装・題簽付・状態良好。記名なし・蔵書印なし。
5000円 〈新版両点〉庭訓往来(明暦3年・山本板)
【判型】大本1冊。縦261粍。
【作者】不明。
【年代等】明暦3年1月刊。[京都]山本五兵衛板。
【備考】分類「往来物」。『庭訓往来』は、古写本のみで約70種、近世より近代初頭にかけての板本は約300種に上り、中世から明治初年に至るまで最も普及した往来物の一つ。1カ月往返2通ずつ1年24通、これに単簡1通(7月状または8月状)を加えた計25通の手紙文より構成される。内容は、武家および上層・庶民の社会生活を中核として新年の会、詩歌の会、地方大名の館造り、領国の繁栄、大名・高家の饗応、司法制度・訴訟手続、将軍家の威容、寺院における大法会、大斎の行事、病気の治療法、地方行政の制度等を主題とする手紙で、各手紙とも類別単語集団を収める(衣食住370語、職分職業217語、仏教179語、武具75語、教養46語、文学16語、雑61語、計964語)。底本は『庭訓往来』本文を大字・5行・付訓(両点)で記したもの。
★原装・題簽摩滅・状態良好。記名あり・蔵書印あり。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、明暦板が、10,800円(原装、題簽欠)】。
4000円 〈百瀬〉庭訓往来(寛政10年)
【判型】大本2巻2冊。縦270粍。
【作者】百瀬耕元(久継・子延)書。
【年代等】寛政10年1月書・刊([江戸]三崎屋清吉ほか板)。江戸後期後印。[江戸]須原屋茂兵衛板。
【備考】分類「往来物」。『庭訓往来』本文を大字・5行・無訓で記した百瀬流手本。『庭訓往来』は、古写本のみで約70種、近世より近代初頭にかけての板本は約300種に上り、中世から明治初年に至るまで最も普及した往来物の一つ。月往返2通ずつ1年24通、これに単簡1通(7月状または8月状)を加えた計25通の手紙文より構成される。内容は、武家および上層・庶民の社会生活を中核として新年の会、詩歌の会、地方大名の館造り、領国の繁栄、大名・高家の饗応、司法制度・訴訟手続、将軍家の威容、寺院における大法会、大斎の行事、病気の治療法、地方行政の制度等を主題とする手紙で、各手紙とも類別単語集団を収める(衣食住370語、職分職業217語、仏教179語、武具75語、教養46語、文学16語、雑61語、計964語)。
★原装・題簽付・状態良好(乾巻表紙一部破損、本文は美)。記名なし・蔵書印なし。
2500円 〈寛政再刻〉庭訓往来[庭訓往来図賛](寛政12年・仙台板)
【判型】大本1冊。縦265粍。
【作者】不明。
【年代等】寛政12年5月刊。[仙台]本屋治右衛門(流輝軒)板。
【備考】分類「往来物」。貞享5年刊『〈絵入〉庭訓往来(庭訓往来図讃)』を模倣して、冒頭6丁のみに本文要語の挿絵を掲げたもの。『庭訓往来』本文を大字・6行・無訓で記し、頭書に前記絵抄と「千字文」を掲げる。なお『庭訓往来』は、古写本のみで約70種、近世より近代初頭にかけての板本は約300種に上り、中世から明治初年に至るまで最も普及した往来物の一つ。1カ月往返2通ずつ1年24通、これに単簡1通(7月状または8月状)を加えた計25通の手紙文より構成される。内容は、武家および上層・庶民の社会生活を中核として新年の会、詩歌の会、地方大名の館造り、領国の繁栄、大名・高家の饗応、司法制度・訴訟手続、将軍家の威容、寺院における大法会、大斎の行事、病気の治療法、地方行政の制度等を主題とする手紙で、各手紙とも類別単語集団を収める(衣食住370語、職分職業217語、仏教179語、武具75語、教養46語、文学16語、雑61語、計964語)。底本は『庭訓往来』本文を大字・5行・付訓(両点)で記したもの。
★原装・題簽欠・状態並み(表紙・本文やや汚損)。記名なし・蔵書印なし。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、5,000円(傷み本)21,600円(原装・題簽付)】。
5000円 庭訓往来新絵鈔[庭訓往来新絵抄](江戸中期)
【判型】大本1冊。縦253粍。
【作者】不明。
【年代等】元禄8年6月初刊([京都]山崎屋市兵衛板)。江戸中期再刊。[京都]山崎屋市兵衛板。
【備考】分類「往来物」。『庭訓往来』の要語解と絵解きを2段の頭書に施した三階板の往来物。下段本文欄に『庭訓往来』の本文を大字・6行・付訓で記し、本文の要語解を頭書上段に、要語の絵抄を頭書下段に掲げたもの。前付に「庭訓往来新絵鈔題号」、口絵「玄恵法印庭訓参内」および「春始御悦」を収録する。なお、本書には巻末に10丁ほどの「庭訓往来新絵鈔追加」として記事を追加した蔵本板もあり、増補版には「童子読習べき書物」「童子書習べき事」「童子謡を習べき事」「童子躾方五十条」「書札法式」を収録する。
★改装・題簽欠・状態並み(冒頭・末尾やや汚損)。記名なし・蔵書印なし。稀書(全国に所蔵数カ所(国文学研究資料館DB))。
2000円 〈新板〉庭訓往来(池田東籬亭・近江屋板)
【判型】大本1冊。縦252粍。
【作者】不明。
【年代等】天保年間刊。[京都]近江屋卯兵衛(藤井文醒堂)板。
【備考】分類「往来物」。『庭訓往来』本文を大字・7行・付訓で記したもの。『庭訓往来』は、古写本のみで約70種、近世より近代初頭にかけての板本は約300種に上り、中世から明治初年に至るまで最も普及した往来物の一つ。1カ月往返2通ずつ1年24通、これに単簡1通(7月状または8月状)を加えた計25通の手紙文より構成される。内容は、武家および上層・庶民の社会生活を中核として新年の会、詩歌の会、地方大名の館造り、領国の繁栄、大名・高家の饗応、司法制度・訴訟手続、将軍家の威容、寺院における大法会、大斎の行事、病気の治療法、地方行政の制度等を主題とする手紙で、各手紙とも類別単語集団を収める(衣食住370語、職分職業217語、仏教179語、武具75語、教養46語、文学16語、雑61語、計964語)。底本は『庭訓往来』本文を大字・5行・付訓(両点)で記したもの。
★原装・題簽付・状態良好(題簽やや摩滅)。記名なし・蔵書印あり。
3500円 〈鶴金新梓〉庭訓往来倭文鑑(天保6年)
【判型】大本1冊。縦254粍。
【作者】不明。
【年代等】文化10年初刊([江戸]鶴屋金助原板)。天保6年4月再刊。[江戸]山口屋藤兵衛(錦耕堂)板。
【備考】分類「往来物」。初刊年代は見返しによる(題簽には「文化十一甲戌年発兌」とある)。『庭訓往来』の本文を大字・6行・付訓で記したもの。『庭訓往来』は、古写本のみで約70種、近世より近代初頭にかけての板本は約300種に上り、中世から明治初年に至るまで最も普及した往来物の一つ。1カ月往返2通ずつ1年24通、これに単簡1通(7月状または8月状)を加えた計25通の手紙文より構成される。内容は、武家および上層・庶民の社会生活を中核として新年の会、詩歌の会、地方大名の館造り、領国の繁栄、大名・高家の饗応、司法制度・訴訟手続、将軍家の威容、寺院における大法会、大斎の行事、病気の治療法、地方行政の制度等を主題とする手紙で、各手紙とも類別単語集団を収める(衣食住370語、職分職業217語、仏教179語、武具75語、教養46語、文学16語、雑61語、計964語)。
★原装・題簽付・美本。江戸期記名あり・蔵書印あり。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、痛み本が、4,320円】。
3500円 〈新板〉庭訓往来[〈文政新板〉庭訓往来](西川竜章堂)
【判型】大本1冊。縦251粍。
【作者】不明。
【年代等】文政7年8月初刊([京都]山城屋佐兵衛ほか板*見返に「宋栄堂(浪花書肆)」と記す)。江戸後期後印。[京都]須磨勘兵衛(弘簡堂)板。
【備考】分類「往来物」。『庭訓往来』本文を大字・6行・付訓で記したもの。『庭訓往来』は、古写本のみで約70種、近世より近代初頭にかけての板本は約300種に上り、中世から明治初年に至るまで最も普及した往来物の一つ。1カ月往返2通ずつ1年24通、これに単簡1通(7月状または8月状)を加えた計25通の手紙文より構成される。内容は、武家および上層・庶民の社会生活を中核として新年の会、詩歌の会、地方大名の館造り、領国の繁栄、大名・高家の饗応、司法制度・訴訟手続、将軍家の威容、寺院における大法会、大斎の行事、病気の治療法、地方行政の制度等を主題とする手紙で、各手紙とも類別単語集団を収める(衣食住370語、職分職業217語、仏教179語、武具75語、教養46語、文学16語、雑61語、計964語)。
★原装・題簽付・美本。記名なし・蔵書印あり。
4000円 〈本朝記範・文化再板〉庭訓往来万宝蔵[〈御家支流〉庭訓往来](文化6年・北尾重政)
【判型】大本1冊。縦260粍。
【作者】北尾重政(紅翠斎)書。
【年代等】文化6年9月再刊。[江戸]西村屋与八板(西村屋伝兵衛旧板)。
【備考】分類「往来物」。底本は『庭訓往来』本文を大字・6行・無訓で記したもの。巻頭に甲冑図1丁を付す。『庭訓往来』は、古写本のみで約70種、近世より近代初頭にかけての板本は約300種に上り、中世から明治初年に至るまで最も普及した往来物の一つ。1カ月往返2通ずつ1年24通、これに単簡1通(7月状または8月状)を加えた計25通の手紙文より構成される。内容は、武家および上層・庶民の社会生活を中核として新年の会、詩歌の会、地方大名の館造り、領国の繁栄、大名・高家の饗応、司法制度・訴訟手続、将軍家の威容、寺院における大法会、大斎の行事、病気の治療法、地方行政の制度等を主題とする手紙で、各手紙とも類別単語集団を収める(衣食住370語、職分職業217語、仏教179語、武具75語、教養46語、文学16語、雑61語、計964語)。
★原装・題簽付・状態良好。記名なし・蔵書印なし。
2500円 〈無点改正〉庭訓往来(享和2年)
【判型】大本1冊。縦258粍。
【作者】不明。
【年代等】享和2年9月刊。[大阪]小林六兵衛ほか板。
【備考】分類「往来物」。『庭訓往来』本文を大字・6行・付訓で記したもの。『庭訓往来』は、古写本のみで約70種、近世より近代初頭にかけての板本は約300種に上り、中世から明治初年に至るまで最も普及した往来物の一つ。1カ月往返2通ずつ1年24通、これに単簡1通(7月状または8月状)を加えた計25通の手紙文より構成される。内容は、武家および上層・庶民の社会生活を中核として新年の会、詩歌の会、地方大名の館造り、領国の繁栄、大名・高家の饗応、司法制度・訴訟手続、将軍家の威容、寺院における大法会、大斎の行事、病気の治療法、地方行政の制度等を主題とする手紙で、各手紙とも類別単語集団を収める(衣食住370語、職分職業217語、仏教179語、武具75語、教養46語、文学16語、雑61語、計964語)。
★原装・題簽摩滅・本文並み(表紙やや傷み、本文ややシミ)。記名なし・蔵書印なし。
3000円 〈尊円〉庭訓往来(延宝4年・武藤氏書)
【判型】大本1冊。縦277粍。
【作者】武藤氏書。
【年代等】延宝4年4月刊。[京都]秋田屋五郎兵衛板。
【備考】分類「往来物」。『庭訓往来』本文を大字・6行・付訓で記したもの。『庭訓往来』は、古写本のみで約70種、近世より近代初頭にかけての板本は約300種に上り、中世から明治初年に至るまで最も普及した往来物の一つ。1カ月往返2通ずつ1年24通、これに単簡1通(7月状または8月状)を加えた計25通の手紙文より構成される。内容は、武家および上層・庶民の社会生活を中核として新年の会、詩歌の会、地方大名の館造り、領国の繁栄、大名・高家の饗応、司法制度・訴訟手続、将軍家の威容、寺院における大法会、大斎の行事、病気の治療法、地方行政の制度等を主題とする手紙で、各手紙とも類別単語集団を収める(衣食住370語、職分職業217語、仏教179語、武具75語、教養46語、文学16語、雑61語、計964語)。
★改装・題簽欠・状態良好(表紙傷み)。記名なし・蔵書印なし。
10000円 庭訓往来(寛永15年)
【判型】大本1冊。縦273粍。
【作者】不明。
【年代等】寛永15年5月刊。刊行者不明。
【備考】分類「往来物」。『庭訓往来』本文を大字・7行・所々付訓で記したもの。『庭訓往来』は、古写本のみで約70種、近世より近代初頭にかけての板本は約300種に上り、中世から明治初年に至るまで最も普及した往来物の一つ。1カ月往返2通ずつ1年24通、これに単簡1通(7月状または8月状)を加えた計25通の手紙文より構成される。内容は、武家および上層・庶民の社会生活を中核として新年の会、詩歌の会、地方大名の館造り、領国の繁栄、大名・高家の饗応、司法制度・訴訟手続、将軍家の威容、寺院における大法会、大斎の行事、病気の治療法、地方行政の制度等を主題とする手紙で、各手紙とも類別単語集団を収める(衣食住370語、職分職業217語、仏教179語、武具75語、教養46語、文学16語、雑61語、計964語)。
★原装・題簽付・状態良好。記名なし・蔵書印なし。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、寛永16年板『庭訓往来抄』が、86,400円(改装本)】。
10000円 〈仲安〉庭訓往来(後松軒仲安・2種)
【判型】大本2巻1冊+特大本上巻1冊。縦260・286粍。
【作者】後松軒仲安書。
【年代等】寛文8年3月書。天和3年8月初刊([大阪]本屋平兵衛板)。上巻1冊:江戸前期刊(刊行者不明)。2巻1冊本:江戸中期刊。[京都]菱屋治兵衛板。
【備考】分類「往来物」。『庭訓往来』本文を大字・5行・無訓で記したもの。『庭訓往来』は、古写本のみで約70種、近世より近代初頭にかけての板本は約300種に上り、中世から明治初年に至るまで最も普及した往来物の一つ。1カ月往返2通ずつ1年24通、これに単簡1通(7月状または8月状)を加えた計25通の手紙文より構成される。内容は、武家および上層・庶民の社会生活を中核として新年の会、詩歌の会、地方大名の館造り、領国の繁栄、大名・高家の饗応、司法制度・訴訟手続、将軍家の威容、寺院における大法会、大斎の行事、病気の治療法、地方行政の制度等を主題とする手紙で、各手紙とも類別単語集団を収める(衣食住370語、職分職業217語、仏教179語、武具75語、教養46語、文学16語、雑61語、計964語)。
★原装・題簽欠・状態良好(上巻1冊本は、表紙やや傷み、本文小虫。2巻合1冊本は美本)。記名なし・蔵書印あり(上巻1冊本は、奥野彦六旧蔵書)。稀書(他に所蔵無し(国文学研究資料館DB))。
5000円 〈御家〉用文章〈片山〉[〈上田〉芳春帖〈片山〉 ]
【判型】大本1冊。縦273粍。
【作者】片山素俊(随雙軒・忠倫)書・跋。
【年代等】安永7年5月書。安永7年6月、坂倉素鴬跋・刊([江戸]北島長四郎(弘文閣)板)。文化14年6月再刊。北島長四郎ほか板。
【備考】分類「往来物」。四季消息文やその他諸用件に伴なう手紙などを綴った上田流手本。筆者は上田素鏡の門下。書名は「芳春之御慶賀…」で始まる冒頭の語句をとったもの。「新年状」以下27通(うち2通は仮名文)で、四季折々の手紙や、用件中心の贈答・祝儀・通知・誘引の各状から成る。本文を大字・3行・無訓で記す。全く同内容で、『〈上田〉芳春帖〈片山〉』の題簽を付すものもある。
★原装・題簽欠・状態良好。記名なし・蔵書印なし。稀書(他に所蔵無し(国文学研究資料館DB))。改題本の「芳春帖」は稀書(全国に所蔵数カ所(国文学研究資料館DB))。
3000円 文花節用書状袋
【判型】大本1冊。縦258粍。
【作者】以佐立悦作。玉水(啓行)書。
【年代等】享保18年3月刊。[江戸]西村源六ほか板。
【備考】分類「往来物」。主に本文に消息文例、頭書に書翰・日常用語集を掲げた用文章で、この頭書がイロハ引きの語彙集になっていることから「節用」の2字を書名に込めたのであろう(ただし、節用集のように語彙の部門分けはない)。本文冒頭に試筆詩歌2編を掲げ、以下、「年頭挨拶状」から「会合案内状」までの82通を収録する。長短含む例文の配列には明確な分類意識はなく雑多な印象を与える。また、四季の手紙よりも諸用件の手紙が多いのも特徴である。特に、第24条「病状を医師に伝える手紙」は、「頭痛・寒熱往来・食欲・痰咳・大小用」の5点についての症状を一つ書きで伝えたうえで薬の調合を頼む比較的珍しい文面である。このほか、準漢文体でありながら書止に「かしく」を用いる例文なども散見される。本文を大字・4行・付訓で記す。巻末に「大坂より江戸え女下り候節、今切御関所御手判願書写」「往来切手」「箱根切手」「家買手付銀渡之事」など手形証文一六通と、「法躰名尽」「人の名づくし」「小野篁歌字尽」「七以呂波」「魚類之部」「着類之部」「諸道具部」等の語彙集を載せるほか、前付にも「四季によつて事を作べき事」「五常和解」「立花砂物并生花」「紋尽」「万年暦大ざつしよ相生之事」「男女相姓之事并歌」などの記事を収録する。
★原装・題簽欠・状態並み(小虫一部やや目立つ)。記名なし・蔵書印なし。稀書(全国に所蔵1カ所(国文学研究資料館DB))。
3000円 〈新刻頭書〉実語教・童子教(文化6年・和泉屋板)
【判型】大本1冊。縦255粍。
【作者】不明。
【年代等】文化6年1月刊。[江戸]和泉屋市兵衛(甘泉堂)板。
【備考】分類「往来物」。『実語教・童子教』の本文を大字・6行・付訓で記したもの。前付に「蔡?サイエン」「司馬温公」の肖像と故事を掲げ、頭書に「実語教の発語(オコリ)」「童子教のはじめ」「弘法大師四目録八卦占」「万端徹名尽」「干支異名」「破軍星くりやうの事」「六曜毎日善悪」「試筆和歌尽し」「大日本国名尽」「名がしら文字」「不成就日」「偏冠尽」「古石印譜尽」「書翰上中下」「十二月異名」を収録する。『実語教・童子教』はともに5字1句、2句1対を基本とし、『実語教』が「山高故不貴、以有樹為貴…」で始まる96句、『童子教』が「夫貴人前居、顕露不得立…」で始まる330句からなる。内容は、『実語教』が主に「智」を礼讃し学問のあらましを初学者に諭す勧学教訓であるのに対し、『童子教』はこの世の因果の道理や儒仏の教えを諭した幼童訓・処世訓となっている点で異なる。両教とも暗誦に便利であったために寺子屋教育でも広く教授されるとともに、二教中の多くの語句が俚諺・格言として庶民に深く浸透した。
★原装・題簽付・状態良好。記名なし・蔵書印なし。
3000円 〈栄久堂梓・安政新刻〉実語教・童子教(安政4年・山本板)
【判型】大本1冊。縦251粍。
【作者】不明。
【年代等】安政4年2月刊。[江戸]山本平吉(栄久堂)板。
【備考】分類「往来物」。『実語教・童子教』の本文を大字・6行・無訓で記したもの。見返に「試筆」および「天神像拝礼図」を掲げ、頭書に「風月往来」「十二月之和名」「近代年号記」「風雨の方角口伝」「雷鳴る時の頌文」「万宝歌雑書」、巻末に「十二支図并時」および「十幹并方角」を載せる。『実語教・童子教』はともに5字1句、2句1対を基本とし、『実語教』が「山高故不貴、以有樹為貴…」で始まる96句、『童子教』が「夫貴人前居、顕露不得立…」で始まる330句からなる。内容は、『実語教』が主に「智」を礼讃し学問のあらましを初学者に諭す勧学教訓であるのに対し、『童子教』はこの世の因果の道理や儒仏の教えを諭した幼童訓・処世訓となっている点で異なる。両教とも暗誦に便利であったために寺子屋教育でも広く教授されるとともに、二教中の多くの語句が俚諺・格言として庶民に深く浸透した。
★原装・題簽付・状態良好。記名なし・蔵書印なし。
2500円 〈誤字改正〉実語教・童子教(慶応2年・山城屋板)
【判型】大本1冊。縦258粍。
【作者】不明。
【年代等】初刊年代不明。安政4年5月再刊([江戸]山城屋佐兵衛(玉山堂)板)。慶応2年1月再刊。[江戸]山城屋佐兵衛(玉山堂)板。
【備考】分類「往来物」。『実語教・童子教』の本文を大字・6行・無訓で記したもの。見返は諸本によって異なるが、一光斎芳盛画の口絵を載せるものもある。頭書に「弘法大師」と素戔嗚尊・日本武尊などの武将伝と挿絵を掲げ、巻末に「十二支図」を載せる。『実語教・童子教』はともに5字1句、2句1対を基本とし、『実語教』が「山高故不貴、以有樹為貴…」で始まる96句、『童子教』が「夫貴人前居、顕露不得立…」で始まる330句からなる。内容は、『実語教』が主に「智」を礼讃し学問のあらましを初学者に諭す勧学教訓であるのに対し、『童子教』はこの世の因果の道理や儒仏の教えを諭した幼童訓・処世訓となっている点で異なる。両教とも暗誦に便利であったために寺子屋教育でも広く教授されるとともに、二教中の多くの語句が俚諺・格言として庶民に深く浸透した。
★原装・題簽付・美本。記名なし・蔵書印あり。一部、ルビの書き込みあり。
3000円 〈謬字改刻〉実語教・童子教(文化9年・栄松斎)
【判型】大本1冊。縦257粍。
【作者】栄松斎書。
【年代等】文化9年11月刊。[江戸]森屋治兵衛(錦森堂)板。
【備考】分類「往来物」。『実語教・童子教』の本文を大字・5-6行・付訓で記したもの。諸本により題簽が異なる。頭書に「五常之略解」「文字遣分様」「日本官名尽」「十二月五節異名」「いろはの始事」「かなの本字」「不成就日之事」「破軍のくりやう」「毎日六よう善悪知事」を収録する。『実語教・童子教』はともに5字1句、2句1対を基本とし、『実語教』が「山高故不貴、以有樹為貴…」で始まる96句、『童子教』が「夫貴人前居、顕露不得立…」で始まる330句からなる。内容は、『実語教』が主に「智」を礼讃し学問のあらましを初学者に諭す勧学教訓であるのに対し、『童子教』はこの世の因果の道理や儒仏の教えを諭した幼童訓・処世訓となっている点で異なる。両教とも暗誦に便利であったために寺子屋教育でも広く教授されるとともに、二教中の多くの語句が俚諺・格言として庶民に深く浸透した。
★原装・題簽付・状態良好。記名なし・蔵書印なし。
8000円 〈新板〉実語童子教抄[実語教抄・童子教抄・実語教童子教和語抄](明暦2年)【落丁につき特価開始】
【判型】大本1冊。縦264粍。
【作者】不明。
【年代等】明暦2年閏4月刊(「実語教抄」末尾)。刊行者不明。
【備考】分類「往来物」。『実語教・童子教』の注釈書の一つ。二教本文を大字・7行程度・付訓で記し、小字・15行程度・付訓の注釈文を付す。前半「実語教抄」は、室町初期写本『実語教注』にほぼ依拠し、仏教的に付会した施注をそのまま継承する。ただし、語句の相違も随所に見られ、誤記・誤伝によって意味不通となった箇所も見受けられる。また、引用などの増補も随所に見られ、特に「以有樹為貴」の部分では、釈迦の誕生から入滅までの話を大幅に増補してある。また、仏書以外からの引用も継承するが、『礼記』など新たに加えたものもある。後半「童子教抄」は、永禄3年書『童子教注抄』や慶安3年刊『童子教抄』とほぼ同文で仏教色が濃いが、「五常」「中道」「孔子」「顔回」「子路」などの語彙も含まれる。また、引用される説話類も『実語教抄』の如き仏教説話が影をひそめ、漢籍から広く採用する。なお、二教とも冒頭にそれぞれ撰作者について言及する。なお、本書前半部を単行本で刊行した『〈新板〉実語教抄』や、安永頃刊の改題本『〈新板〉実語教童子教和語抄』などもある。
★原装・題簽欠・状態並み(やや小虫・1丁落丁)。記名なし・蔵書印なし。稀書(全国に所蔵数カ所)。
6500円 世中百首絵鈔[教訓世中百首](天保板)
【判型】大本1冊。天保2年板:縦252粍。天保6年板:縦245粍。
【作者】荒木田守武作。旧版は講古堂(度会延佳)編・注、川嶋重信画。
【年代等】天保2年板:天和3年3月、度会延佳(出口延佳・延良・与三郎・直庵・講古堂)跋。天保2年1月、春木煥光(ハルキテルミツ・アキミツ、榊亭・椿堂)序・刊。[伊勢国度会郡]豊宮崎文庫蔵板。天保6年板:天保6年9月、荒木田末真序・初刊。明治初年後印。[名古屋]秋田屋源助板。
【備考】分類「往来物」。早印本と後印本とでは序文などが異なる。天保2年板の春木煥光序文によれば、焼失した旧板木(享保7年刊『世中百首絵抄』)は「前季(天保元年)」に橋爪末治によって本書が復刻されたものとする。一方、天保6年板の序文では、天明8年の京都大火で焼失してしまったが、荒木田末真が「尊信のあまり」上梓し、林崎文庫に奉納した旨を記す。『世中百首絵抄』は、「よのなか(世の中)」の4字を詠み込んだ百首の教訓歌に、各首の内容にかなった挿絵を施した絵本・往来物。歌は、荒木田守武が大永5年9月に一夜にして詠んだもので、内容は日常の心構えや立ち居振る舞いに関するものが大半である。序によれば、その教訓性から世間では本書を『伊勢論語』と称した。本文欄に和歌と挿絵、上欄頭書に語法解説や語釈、内容の解説などを掲げるが、頭書注釈は諺や日本の古典、儒書などを引用したり、日常的な例によって卑近かつ平易に説く。天保6年再板本では、この頭書の一部を削除または変更し、絵に対する寸評を挿入するなどの改編を加えた。 今回の出品は天保6年板である。
★原装・題簽付・状態良好(表紙テープで補修)。記名なし・蔵書印なし。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、天保2年板が、43,200円。天保6年板(破損本)が、15,000円】。
3000円 孝行唄(万延元年)
【判型】大本1冊。縦239粍。
【作者】磯部最信(ヨシノブ)編・跋。中村知雄(花城)書。
【年代等】万延元年8月跋・刊。編者蔵板。
【備考】分類「往来物」。播磨国綱引村の高田六郎右衛門から童蒙教化の書として示された本書を、編者の師、花城先生の揮毫をもって上梓したもので、内容は、宣契作、文化9年初刊『孝行和讃』を一部割愛したもの(具体的には『孝行和讃』の第83行目「もし父母が、のちの世を…」以下6行を削除)。『孝行和讃』は、孝行の徳や重要性を説き、その実践を励まし、さらにこれをもととして親子・夫婦・親類など一家和合をはかるべきことを、七五調・美文体で綴った教訓。「それ人間と、むまれては、まつ孝行の、道をしれ、おやに不孝の、ともからは、鳥けた物にも、をとれりと…」で始まり、「神めいふつた、せいけむの、をしへをまもり、かうかうを、一期をこたる、事なかれ」と結ぶ112句(七・五を1句とする)から成る(『孝行唄』は6句割愛するため全106句)。
★原装・題簽付・状態並み(一部シミ・汚損)。記名なし・蔵書印なし。稀書(他に所蔵無し(国文学研究資料館DB))。
3500円 大橋都往来(安永3年)
【判型】大本1冊。縦269粍。
【作者】畑官左衛門書。
【年代等】安永3年7月書・刊([江戸]前川六左衛門初刊)。[江戸]若林清兵衛板(後印)。
【備考】分類「往来物」。畑官左衛門(「篠田行休門人/小倉家中」とある)筆の大橋流陰刻手本。本文を大字・3行・無訓で記す。本文の前半に「都往来」、後半に消息文例を載せる。「都往来」は、「此春は花の比、神社仏閣御順礼有へきよし、順路申進し候」で始まる1通の仮名交じりの準漢文体書簡で江戸周辺の名所旧跡を書き記したもの。神田明神・湯島天神から、隅田川付近、深川霊巌寺、永代島八幡宮、佃島などを観光し、翌日に芝・品川方面から九品仏、池上本門寺、目黒不動、さらに麹町・小石川・市ヶ谷から護国寺・雑司ヶ谷・目白目赤不動と抜けて、最後に王子権現・飛鳥山・根津権現までを紹介する。各地の風景や神社仏閣の縁起・宝物・年中行事等にも適宜触れる。後半には、昨晩の馳走に対する礼状など5通(うち2通仮名文)の消息例文と和歌1首を認める。なお、本書の改題本に『大橋江戸名所』([名古屋]永楽屋東四郎板)がある。
★原装・題簽付・状態並み(表紙・本文小虫補修)。江戸期の記名あり・蔵書印なし。稀書(全国に所蔵数カ所(国文学研究資料館DB))。
70000円 〈羽州最上〉山寺状
【判型】大本1冊。縦258粍。
【作者】松本一笑軒作。身人部某書。
【年代等】延宝頃作。享保7年9月、田宮梅隠(年玄)序。享保11年1月、福田章山跋・刊。[京都]芳野屋徳兵衛板。
【備考】分類「往来物」。羽前国最上郡・宝珠山立石寺、いわゆる「山寺」を紹介した往来。「倩観飛花落葉者、夢浮世不久、未来猶無覚束侭、赴廻国行脚、順礼諸国。爰至羽域最上、有山寺、令参詣、暫徘徊、日本第一境致也…」で始まるように、諸国順礼の旅を続けてきた者が同寺を訪れた紀行文風に綴る。江戸初期の山寺の様子や、縁起・伝来・祭礼を生き生きと伝え、末尾ではその荘厳な景観を讃えて締め括る。巻頭口絵に立石寺全景図を掲げ、同寺の縁起等四カ条を記し、続いて梅隠の序と「山寺状詩」を載せた後、まず楷書・小字・9行・付訓の本文、続いて、行書・大字・4行・無訓の本文を掲げる。作者の事跡や本書出版の経緯については、序文・跋文に若干の記事がある。
★原装・題簽付・状態良好(刷り美、表紙やや傷み)。記名・蔵書印あり。稀書(全国に所蔵数カ所(国文学研究資料館DB))。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、100,000円(題簽欠)】。
2500円 〈画入重宝〉童学古状揃(西川竜章堂書)
【判型】大本1冊。縦253粍。
【作者】西川竜章堂書。山田賞月堂主人序。
【年代等】江戸後期初刊。明治初年後印。[名古屋]永楽屋東四郎ほか板。
【備考】分類「往来物」。「古状揃」は「今川状」を中心に「腰越状」「含状(義経含状)」「弁慶状」「直実送状」「経盛返状」(以上2状を合わせて「熊谷状」とも)「曽我状」「大坂状」などの古状・擬古状や、「初登山手習教訓書(手習状)」「風月往来」などを組み合わせたもので、近世期を通じて最も流布した往来物の一つ。底本には「今川状」「手習状」「腰越状」「熊谷状」「経盛返状」「義経含状」「弁慶状」「曽我状・同返状」の9状を収録する。本文を大字・5行・付訓で記す。題簽角書に「画入」と記すが、挿絵は表紙見返に掲げた今川状の由来に添えた今川了俊等の肖像のみである。
★原装・題簽付・状態並み(冒頭部その他汚損・シミ)。記名なし・蔵書印なし。
4500円 〈新板〉古状揃手本(享保6年)
【判型】大本1冊。縦252粍。
【作者】不明。
【年代等】享保6年1月刊([京都]西村市郎右衛門(初代、久重・未達・嘯松子)原板)。江戸中期後印。[京都]菱屋治兵衛板。
【備考】分類「往来物」。「古状揃」は「今川状」を中心に「腰越状」「含状(義経含状)」「弁慶状」「直実送状」「経盛返状」(以上2状を合わせて「熊谷状」とも)「曽我状」「大坂状」などの古状・擬古状や、「初登山手習教訓書(手習状)」「風月往来」などを組み合わせたもので、近世期を通じて最も流布した往来物の一つ。底本には「今川状」「義経含状」「曽我状・同返状」「熊谷状(直実送状・経盛返状)」「教訓状(手習状)」「弁慶状」「腰越状」の9状を収録する。本文を大字・5-6行・付訓で記す。ちなみに『元禄11年書目』には「二冊」と記すので、元禄頃の初刊本は2冊本であったらしい。
★原装・題簽付・状態良好。記名なし・蔵書印なし。稀書(全国に所蔵数カ所(国文学研究資料館DB))。
2500円 〈真艸両点〉世話千字文(永楽屋板)
【判型】大本1冊。縦261粍。
【作者】桑原空洞作。
【年代等】江戸後期刊。[名古屋]永楽屋東四郎板。
【備考】分類「往来物」。桑原空洞作、享保2年初刊『世話千字文』の本文を行書・大字・4行・付訓で記し、旁らに小字の楷書を添えた真艸両点形式の往来物。『世話千字文』は、『千字文』形式(1句4字、全250句1000字)で社会生活全般にかかわる語句を集めた往来。本文は「鳳暦賀慶、御代泰平、何国静謐、自他幸甚、市店交易、廻船運送、荷物米穀、駄賃員数…」で始まり、商売、普請、相続、徳目、婚姻、交際、人倫、師弟、装束、犯罪、交通、消息、観光、神社仏閣、宗教、病気・養生、公務等々に関する事柄を記し、最後に幕府の仁政を讃えて「千秋万歳」と結ぶ。
★原装・題簽一部摩滅・状態良好。記名・蔵書印あり。
2500円 〈長緒〉古今序
【判型】大本1冊。縦268粍。
【作者】船田耕山(雅通)書。
【年代等】宝暦5年9月書。安永2年3月、佐藤対雲跋・刊。[大阪]木村嘉助ほか板。
【備考】分類「往来物・和歌」。『古今和歌集』の紀貫之の「仮名序」の本文を大字・4行・無訓で記した長雄流書道手本。
★原装・題簽欠・状態概ね良好(表紙やや傷み・本文シミ)。記名なし・蔵書印なし。稀書(他に所蔵無し(国文学研究資料館DB))。
2500円 〈大字〉御成敗式目(享保17年・堀本板)
【判型】大本1冊。縦259粍。
【作者】不明。
【年代等】享保17年5月刊。[京都]堀本板。
【備考】分類「往来物・法制」。『御成敗式目』の本文を大字・6-7行・無訓で記した往来物。『御成敗式目』は、貞永元年7月制定、同8月に公布された鎌倉幕府の基本法典。頼朝以来の慣習法や判例などに基づいて、御家人の権限・義務、所領の訴訟等について成文化したもの。全51カ条だが、現存の条々は随時条文の合併や追加が行われたものと思われる。政治・行政の規範として古来より公武において尊重・研究され、特に武家社会においては必須の教養として、中世より読み書きの手本に多用された。刊本では大永4年12月板(小槻宿禰跋)が最古本だが、次の享禄2年8月板とそれに続く慶長板は、近世に夥しく流布し刊本の源流となった。近世以降は、庶民の手習い用にも広く用いられ、手本・読本用で約190種、天文3年刊『清原宣賢式目抄』(古活字版)を始め約25種の注釈書が刊行されている。
★原装・題簽付・状態良好。江戸期の記名あり・蔵書印あり。
3500円 〈安永癸巳秋鬻始〉御成敗式目両点附(宝暦12年板後印)
【判型】大本1冊。縦262粍。
【作者】不明。
【年代等】宝暦12年1月刊。[江戸]山崎屋清七求板。
【備考】分類「往来物・法制」。『御成敗式目』の本文を大字・6行・付訓(両点)で記した往来物。巻頭に「御成敗式目序」として御成敗式目の由来と挿絵を掲げ、頭書に「畜獣」「禽鳥」「龍魚」の挿絵と解説を施す。『御成敗式目』は、貞永元年7月制定、同8月に公布された鎌倉幕府の基本法典。頼朝以来の慣習法や判例などに基づいて、御家人の権限・義務、所領の訴訟等について成文化したもの。全51カ条だが、現存の条々は随時条文の合併や追加が行われたものと思われる。政治・行政の規範として古来より公武において尊重・研究され、特に武家社会においては必須の教養として、中世より読み書きの手本に多用された。刊本では大永4年12月板(小槻宿禰跋)が最古本だが、次の享禄2年8月板とそれに続く慶長板は、近世に夥しく流布し刊本の源流となった。近世以降は、庶民の手習い用にも広く用いられ、手本・読本用で約190種、天文3年刊『清原宣賢式目抄』(古活字版)を始め約25種の注釈書が刊行されている。
★原装・題簽付・状態良好(表紙等やや汚損)。
3000円 〈頭書絵入〉御成敗式目[和朝聖政御成敗式目](天保6年求板・和泉屋板)
【判型】大本1冊。縦255粍。
【作者】不明。
【年代等】寛政元年3月初刊([江戸]蔦屋重三郎原板)。天保6年6月求板。[江戸]和泉屋市兵衛(甘泉堂)板。
【備考】分類「往来物・法制」。『御成敗式目』の本文を大字・6行・無訓で記した往来物。巻頭に「序」と「戯楽還城楽之図」を掲げ、頭書に「世宝農家訓」「穀類・野菜・草花尽」「樹木竹篠尽」「耕作用具尽」「相性名乗文字」「相生人の名尽」「植木・草花作様」などを載せる。『御成敗式目』は、貞永元年7月制定、同8月に公布された鎌倉幕府の基本法典。頼朝以来の慣習法や判例などに基づいて、御家人の権限・義務、所領の訴訟等について成文化したもの。全51カ条だが、現存の条々は随時条文の合併や追加が行われたものと思われる。政治・行政の規範として古来より公武において尊重・研究され、特に武家社会においては必須の教養として、中世より読み書きの手本に多用された。刊本では大永4年12月板(小槻宿禰跋)が最古本だが、次の享禄2年8月板とそれに続く慶長板は、近世に夥しく流布し刊本の源流となった。近世以降は、庶民の手習い用にも広く用いられ、手本・読本用で約190種、天文3年刊『清原宣賢式目抄』(古活字版)を始め約25種の注釈書が刊行されている。
★原装・題簽付・状態良好。
2500円 〈改正新板〉御成敗式目(江戸後期・吉田屋板)
【判型】大本1冊。縦250粍。
【作者】一光斎芳盛画。
【年代等】江戸後期刊。[江戸]吉田屋文三郎板。
【備考】分類「往来物・法制」。『御成敗式目』の本文を大字・6行・付訓で記した往来物。見返に御成敗式目の由来と挿絵(一光斎芳盛画)を掲げ、頭書(冒頭5丁まで)に「伊呂波文字本文」「手習執行之事」「編構冠字尽」を載せる。『御成敗式目』は、貞永元年7月制定、同8月に公布された鎌倉幕府の基本法典。頼朝以来の慣習法や判例などに基づいて、御家人の権限・義務、所領の訴訟等について成文化したもの。全51カ条だが、現存の条々は随時条文の合併や追加が行われたものと思われる。政治・行政の規範として古来より公武において尊重・研究され、特に武家社会においては必須の教養として、中世より読み書きの手本に多用された。刊本では大永4年12月板(小槻宿禰跋)が最古本だが、次の享禄2年8月板とそれに続く慶長板は、近世に夥しく流布し刊本の源流となった。近世以降は、庶民の手習い用にも広く用いられ、手本・読本用で約190種、天文3年刊『清原宣賢式目抄』(古活字版)を始め約25種の注釈書が刊行されている。
★原装・題簽付・状態良好(表紙やや汚損)。江戸期の記名あり・蔵書印あり。
3000円 〈嘉永新刻〉女小学操鏡[〈改訂〉女小学](嘉永4年)
【判型】大本1冊。縦256粍。
【作者】芳玉画。
【年代等】嘉永4年8月刊。[江戸]山本平吉(栄久堂)板。
【備考】分類「往来物」。『女小学』は、享保10年『女小学』の異本。「女小学」の一種。享保板と同傾向の女子教訓を綴った往来で、概ね享保板の前半部の内容を要約し、文言を入れ替えたり、語句を補う。ただし、末尾は全くの別内容で、多言の戒め、詩歌・碁・将棋・三味線・舞い等の芸能の心得、「女の利根だて」の戒めや良友を選ぶべきことなどを諭す。底本は、『女小学』を本文とし、前付に「女性心得」、頭書に「世嗣草(「貝原先生著」とする)」「小児養育草」を掲げたもの。
★原装・題簽付・状態概ね良好(一部小虫)。江戸期の記名あり・蔵書印あり。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、8,400円8,640円】。
5500円 女用文章糸車(明和9年)
【判型】大本1冊。縦253粍。
【作者】田中友水子原作。北尾辰宣書・画。西川竜章堂書(天保12年板以降)。
【年代等】明和9年9月刊。[大阪]渋川清右衛門(柏原屋清右衛門)板。
【備考】分類「往来物」。『大阪出版書籍目録』によれば、宝暦7年頃刊『女文要悉皆嚢』(田中友水子作、大阪・泉屋喜太郎板)の板木を明和5年頃に渋川清右衛門が買い受けて改題・板行したもので、さらに安永3年に本書の前付18丁を削除するなどしたうえ『女用文章倭錦』と再改題した。ただし本書明和9年板には「倭口ノ二十」などの丁付けを持つ口絵が合綴されており、『糸車』と『倭錦』は並行的に刊行されたようである。本書は江戸中期を代表する女用文章で、例文と付録記事が充実している。例文は「正月文章」から「歳暮の文・同返事」までの63通で、季節・四季行事の手紙や通過儀礼に伴う手紙など一通りを載せ、冒頭1通を除き、全て大字・7行・付訓の並べ書きで記す。巻頭口絵に色刷りの「麒麟・鳳凰図」を掲げ、前付に光明皇后・長谷川妙躰等の「女能書略伝」を始め、「女中風俗品定」「女いとなみ草」「日用の字尽」「女手わざ草」「女中大和詞」「色紙・短冊の本説」「文の道しるべ」(以下丁付に「倭…」と記す)「染物の法」「しみ物落やう」「七夕歌尽」「薫物の方」「匂袋の方」「婚礼略式」「四季衣桁錺の説」「教訓おきな草」等、頭書に「女中文の志折」「年中の故事」、巻末に「即座之占」などを載せる。なお、明和9年板には、前記とは別に「和歌三神図」「婚礼略式」「御厨子の図説」「黒棚の図説」「化粧の間の図説」「貝桶の図説」「四季衣桁錺の説」「女中名づくし」「男女相性の事」「教訓おきな草」などを収録した異本もある。また、天保12年再刻本では、前付を削除して頭書の挿絵を一新したうえ、文面に多少の改訂と巻末記事に若干の増補を加えた。さらに明治期再板本では、従来の前付記事に代えて、翠栄堂半山画の色刷り挿絵数葉が加えられた。
★原装・題簽破損・状態良好(見返欠)。記名なし・蔵書印なし。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、43,200円】。
25000円 女筆春日野[女筆嘉須賀濃](享保15年)
【判型】大本3巻3冊。縦262粍。
【作者】長谷川妙躰(貞)書。中村三近子補。漱石子画。。
【年代等】享保15年1月刊。[京都]植村藤治郎(伏見屋藤次郎・藤治郎・錦山堂・通書堂・玉枝軒)板(再板か)。
【備考】分類「往来物」。長谷川妙躰の女筆手本の一つ。京名所や年中行事にちなむ四季折々の手紙や、佳節・祝事の贈答の手紙などから成る散らし書き手本。書状配列は季節順あるいは内容順に整理されておらず、上巻に正月風景を述べた文から始まり、音羽山の桜、葵祭、宇治山の蛍見物、夏の田舎風景、祇園祭、紅葉などの季節の手紙と歯黒染祝儀状など12通、中巻に春雨の頃や七夕、盆、中秋の名月、紅葉狩り、春の風物、二月堂の薪能などを主題にした手紙や、宇治平等院にて頼政を偲ぶ文や婚礼祝儀状など14通と和歌1首、さらに下巻に重陽の節句、神無月、大晦日、正月、都の春、菊・鶏頭の花盛り、枯れゆく冬など四季の手紙と、髪置祝儀状、仲人への礼状、小袖模様を賞める文など13通と和歌1首をそれぞれ収録する。また、各巻巻頭に「聖廟寒夜御詩」「弘法大師水筆竜」「佐理卿三嶋額」と題して菅原道真・空海・藤原佐理の事跡を紹介する。なお、刊年を明記した最古本は享保15年板だが、同刊記は『女中庸瑪瑙箱』の流用であり、また『享保14年書目』に本書の記載があることなどから、初板はさらに遡ると思われる。
★原装・題簽付・美本。記名なし・蔵書印なし。稀書(全国に所蔵数カ所(国文学研究資料館DB))。【参考価格(初出品時の相場です):家蔵別本を某古書店より4万5000円で購入】。
3000円 天保期会津地方手習本(陸奥国会津若松城北河沼郡熊野堂村)5冊
【判型】特大本5冊。縦約300粍。
【作者】陸奥国会津若松城北河沼郡代田組熊野堂邑住人、松本左蔵ほか使用。
【年代等】天保11年4月『御手本(大字2行の短文)』、天保13年4月『質券状(質券御請状之事)』、天保13年8月『御手本(大日本国尽)』、天保14年9月『御手本(用文章・商売往来)』、天保15年8月『御家当流雑文(用文章)』の5冊。
【備考】分類「往来物」。会津地方の同じ出所の手習本5冊。
★状態概ね良好(一部破損補修)。記名なし・蔵書印なし。
12000円 〈夢中〉心学問答[夢中心学問答]
【判型】大本2巻2冊。縦269粍。
【作者】不明。
【年代等】寛文7年5月刊。[京都]中村五兵衛板。
【備考】分類「心学」。和漢の故事や譬喩、内典・外典の語、また、しばしば道歌を紹介しつつ、「人の心のあり方」を極め実践する心学のあり方や、神道・儒教・仏教等の本質が根源的に一つであることを諭した仮名書きの書。上巻は、冒頭で山里での隠遁生活の意義を説き、夢の如き世の有様や世の無常、仲哀天皇、始皇帝、楊貴妃の故事や、「とにかくに浮世は春の夢ぞとも、水のあはれに思ひしる哉」など数多くの道歌を引く。続いて、ある日の夕暮れ、やってきた里人に「今時の道心には、青道心(初心者のなま道心)、薬罐道心(さめやすい道心)、焼(ヤキデ)道心(焼手=人を喜ばせて騙すことか)があると聞くが、あなたはいずれか」と問われ、心の中で反芻するうちに見た不思議な夢での問答として、仏道と儒道の可否についての問答とその根拠、儒教以前から存在する王道や神国としての日本、近年流行する似非心学と、心法を修める心学の根本、儒道・神道の鬼神論、日本の神道を極めるための三部書(旧事記・古事記・日本紀)、「皇」「神明」の字義などを記す。また、下巻では、素戔嗚尊の故事や神道の秘極である素戔嗚尊が詠んだ最古の和歌「八雲立つ出雲八重垣妻籠みに、八重垣作るその八重垣を(夜句茂多菟伊都毛夜覇餓岐菟麻語昧爾、夜覇餓枳菟倶盧贈廼夜覇餓岐廻(日本書紀))」の解釈から書き始め、饒速日命(ニギハヤヒノミコト)が大和に降り立つ際に神から授かった「十種神宝(トクサノカンダカラ)」や日本神話に登場する神々や唯一神道について縷々述べ、儒道も神道も仏道も根本的に「明徳」の一理で帰すべきもので、「一心発明する則(トキン)ば、三道にくらからず。一道になづんで余道をさまたげ、一理に偏執をなし、豈、融通を知らざらんや。万事にみなもとを知る事肝要なり」と喝破する。
★原装・題簽付・状態良好(表紙一部小虫)。記名なし・蔵書印あり。稀書(全国に所蔵1カ所(国文学研究資料館DB))。
4000円 骨董集(3冊不揃)
【判型】大本3冊(本書は上編のみ刊行。完本は4冊で、「上編下前」1冊を欠く)。縦267粍。
【作者】山東京伝(岩瀬田蔵・醒サムル・京屋伝蔵・菊亭・北尾政演・醒斎・山東庵主人)作。喜多武清(キタブセイ、可庵)・歌川豊広(一柳斎)・岩瀬京山(山東京山・岩瀬百樹モモキ・涼仙)等画。嶋岡長盈・藍庭林信・橋本徳瓶書。
【年代等】文化10年冬、杏園主人(大田南畝)序(上巻)。文化12年9月、醒斎(山東京伝)自序(下巻前)。上・中巻:文化11年12月刊。[江戸]鶴屋喜右衛門板。下巻:文化12年12月刊。[江戸]鶴屋喜右衛門板。天保7年3月求板。[江戸]丁子屋平兵衛板。
【備考】分類「随筆」。本書は、江戸後期の随筆。岩瀬醒(さむる)(山東京伝)著、自画。大田南畝序。3巻4冊。1814‐15年(文化11‐12)刊。著者の《近世奇跡考》(1804)につぐ考証随筆。上巻巻頭に〈好事の心得〉を掲げて〈竹馬〉以下26条、中巻に〈名古屋帯〉以下25条、下巻(前)に〈毬杖(ぎつちよう)〉以下25条、下巻(後)に〈勧進比丘尼絵解〉以下34条を収める。すべて近世初期以降の民間の衣装、風俗、調度、行事、習俗、食物、遊戯、演劇など広範囲にわたって、古書古画などを引用して周到綿密に考証する。/岩瀬醒(さむる)(山東京伝)の随筆。大田南畝序。3巻4冊、1814年―1815年刊。江戸の風俗、服飾、器具、飲食等の起源・沿革を考証したもので、図解が多い。寛政改革の出版取締令による手鎖(てじょう)50日の刑に処せられて以後、京伝は洒落本の筆を断ち、考証随筆に精力を注いだ。《近世奇跡考》についでこの《骨董集》にその成果が収められているが、死没により上編のみで未完(コトバンク)。なお、下巻後の末尾に、本書中編(前帙2巻・後帙2巻)・下編(前後2帙4巻)の刊行予告があるが未刊に終わった。
★原装・題簽2冊付・状態良好(表紙やや汚損、本文は良好。ただし2丁落丁補コピー)。記名なし・蔵書印あり。【参考価格(初出品時の相場です):日本の古本屋で、江戸期板4冊揃いが、38,000円110,000円】。

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