嘉永7年(1854)の略歴。1年間の主要な暦法を載せたダイジェスト版で、多くの場合、家々の柱に貼っていつでも見られるように、縦長で印刷してあるため、「柱暦(はしらごよみ)」とも呼ばれる。
 左端下部に「弘所・尾張名古屋書林」とあるため、尾張の本屋仲間が作成し、年末年始に配布したものであろう。
 この暦では、最上段に年号と干支が白抜き字で示され、その下は左右にに大の月と小の月を分けてある。この年は七月に閏月のある閏年で合計13カ月になっている。また、各月には、朔日の干支や入節日が記載されている。
 中央には「歳徳」「金神」の方角を示し、その下に「天赦日」「天一天上」「八専」「十方暮」「甲子(きのえね)」「庚申(こうじん・かのえさる)」「彼岸」「土用」等々の日付を記す。
 さらに最下段には、諸神の方位を示す円形の図を載せるが、上部が南となっている。


■原寸 縦162mm×横126mm