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拙著等紹介

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小 泉 吉 永 Yoshinaga Koizumi

昭和34年(1959)、東京都品川区生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。小・中学校の教員や出版社編集職を経て、現在、現代けんこう出版事業部課長および法政大学文学部講師。
1977年より往来物(寺子屋の教科書類)の蒐集と研究を始め、学術出版の大空社編集部時代に近世史料専門の編集者として数多くの出版企画(復刻・CD-ROM版)に携る。
この間、往来物を主とする論考・著作を発表。特に江戸期女性用の書道手本等の研究を進め、
博士論文「近世の女筆手本─女文をめぐる諸問題─」で、1999年に金沢大学社会環境科学研究科より学術博士を授与された。

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近年は、ホームページ「往来物倶楽部」(www.bekkoame.ne.jp/ha/a_r/)で往来物の各種情報を発信するほか、講演会・展示会での講演活動や、大学・古文書講座での講義、また、近世資料に関する出版物の編集・執筆を行っている。
主な著作として、『女子用往来刊本総目録』(大空社、1996)、『女筆手本解題』(青裳堂書店、1998)、『往来物解題辞典』(大空社、2001)、『女大学資料集成』(大空社、2003-6)、『諸国海陸旅案内』(人文社、2004)、「女子用往来と百人一首」(『百人一首万華鏡』、思文閣出版、2005)、『近世蔵版目録集成 往来物編』(岩田書院、2005)、『近世育児書集成』(クレス出版、2006)、『江戸の子育て十カ条』(柏書房、2007)、『「江戸の子育て」読本』(小学館、2007)、『近世礼法書集成』(クレス出版、2007-8)、『秘伝 江戸の占いとおまじない』(主婦と生活社、2008)、『大坪流馬術書』(岩田書院、2008)、『庄屋心得書・親子茶呑咄』(岩田書院、2008)、『江戸に学ぶ人育て人づくり』(角川SSコミュニケーションズ、2009)、『経典余師集成』(大空社、2009)など、江戸の子育てや日本教育史に関する著作を手掛けてきた。また、2006年10月にはNHK教育テレビ(知るを楽しむ・歴史に好奇心)で「江戸の教育に学ぶ」というテーマ(4回シリーズ)で出演、併せてテキストも執筆した(NHK出版、2006)。そのほかTV・ラジオ出演多数。



 私が往来物と出会ったのは、28歳になったばかりの昭和62年の春でした。転職後もしばらくは教員の志を捨てきれず、毎日のように神田神保町界隈の古書店に出入りし、社会科の授業に役立ちそうな文献や資料を探し回っていました。
 そんな折、ある古書店で、1冊の「庭訓往来」を見付け、すぐに購入しました。天保初年刊のその往来は、今にして思えばごくありふれたものでしたが、当時の私には「このようなものが今でも購入できるのか」という驚きで一杯でした。
 それまで古典籍・古文書とは全く縁のない世界にいましたので、往来物や寺子屋について教職教養程度の知識はあったものの、そこに書かれている「くずし字」はほとんど読めませんでした。
 ちょうどその頃読んだある本の中で「好きな事を毎日30分、10年間続けられれば、その道のエキスパートになれる」と書いてあったのを目標に、出社1時間前に勤務先近くの喫茶店で、和本のくずし字を大学ノートに写したり、往来物に関する文献を読んだりしていったのです。
 こうして数年経つうちに大抵のくずし字は読めるようになり、蒐集にも一層拍車がかかりました。私のライフワークのきっかけを与えてくれた、あの「庭訓往来」はかなりの疲れ本ですが、往来物蒐集の記念すべき第1号として、今も大切に保存しています